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獣人国
ブチ切れました(#●ω●)
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「ああ、もう……何で皆、ちゃんと話を聞いてくれないのかな」
「えっ……あの、どうしたの?」
「ふうっ、すまんな。やっと楽に……ど、どうした?」
「シャアアッ……」
「ギャウッ……!?」
ルノの様子がおかしい事に気づいたリディア達は無意識に身体が震え、包囲網を縮めていた兵士達も異変を感じ取ったのか停止する。
「部隊長!!何やら様子がおかしいですが……」
「どうしますか?」
「ええい、立ち止まるな!!相手はたったの3人と魔物共だぞ!!奴らを抑えれば魔物共も何も出来ん!!臆せずに行け!!」
「は、はい!!行け!!」
しかし、一度は立ち止まった猛虎部隊だが、部隊長の言葉を聞いて戦闘態勢を整えて突撃する。周囲から迫りくる兵士達の姿にリディアは慌ててレナの肩を掴み、逃げるように急かす。
「ちょ、流石にこの数は不味いわよ!!あんたの魔法で空を飛んで……ねえ、聞いてるの?」
「…………」
無言を貫くルノにリディアは違和感を抱き、顔を除こうとした瞬間、背後に待機していた氷竜が唐突に動き出し、両腕を振り上げて地面に叩きつけた。その瞬間、強烈な轟音と同時に地響きが発生して兵士達の足元を崩す。
『うおおおおっ!?』
「な、何だぁっ!?」
氷竜の攻撃によって大地が割れ、兵士達は地割れに飲み込まれないように慌てて停止する。その間にも氷竜は背中の両翼を広げ、威嚇するように全身から冷気を迸らせた。
「もう、いい加減にしろぉおおっ!!」
「る、ルノ!?」
「いかん、逃げろ!?」
「シャアアッ!!」
「ガアアッ!!」
ルノの絶叫が響き渡り、危険を察したガオンはリディアの身体を掴んで駆け出す。キバとガーゴイルも同時に逃走を始め、その場を離れる。その姿を確認したルノは氷竜の頭部に移動を行い、上空へと飛翔させた。
「うおおおおおっ!!」
十分な距離まで空の上に移動すると、ルノは氷竜の口内に移動し、両手を突き出す。右腕に水属性の魔力を滲ませ、左腕に風属性の魔力を纏うと、両手を重ねて魔王軍最強の「蛇竜」さえも一瞬で凍り付かせた冷気の竜巻を放つ。
「はああああっ!!」
『っ……!?』
氷竜の口内から竜種の吐息を想像させる勢いで放たれた「冷気の竜巻」が地上に放たれ、氷河期が訪れた様に地面が凍り付く。竜巻は1キロ先にまで届き、最終的には冷気の砲弾として弾け飛ぶ。その光景を見た誰もが唖然とした表情を浮かべ、更にルノは続けて凍り付いた地面に向けて最大級の魔法を連発した。
「黒炎槍!!」
両手に風、火、闇の3つの属性を組み合わせた合成魔術を発動した瞬間、今度は氷竜の口元から黒色の炎が光線のように放出され、凍り付いた地面を今度は火の海へと変化させる。それだけでは収まらず、今度は氷竜の形を変形させ、海獄島で遭遇した「海竜」の姿に変えて地面に飛び込む。
「このぉおおおっ!!」
海竜は熱した地面に潜り込むように移動を行い、派手に土煙を巻き上げてクレーターを生み出す。その光景を目撃した兵士達は悲鳴を上げ、自分達の目の前で何が起きているのか理解できなかった。
「ひいっ……!!」
「な、何だあれは……あんなの人間じゃない!!」
「化物だ……勝てるはずがない」
ルノの暴れっぷりに完全に戦意が喪失した兵士達は無意識に手元の武器を手離してしまい、全てを諦めたように跪く。それは軍隊を指揮していた部隊長も同じであり、彼は愛馬から転げ落ちてしまう。
「な、何なのだあれは……我々は何を見ているんだ……?」
未だに地面を抉りこみながら移動を行う海竜を目にして部隊長は腰を抜かし、そんな彼を見て他の兵士達も無意識に座り込む。様々な戦場を駆け巡った猛虎部隊だが、これほどまでに規格外の相手は見た事がない。そんな彼等の背後からガオンが近寄り、倒れている部隊長に顔を向ける。
「ジョンよ……やっと目を覚ましたか」
「あっ……しょ、将軍?」
「ふっ……どうだ?あの圧倒的な力を前にして、まだ戦う気力は残っているのか?」
「……無理です」
ガオンの言葉を聞いてジョンは全てを理解したように項垂れ、ガオンは黙って彼の隣に座ると、長い溜息を吐き出す。
「降伏しろ、あれは我々の手には負えない相手だ」
「将軍は……それでよろしいのですか?」
「ああ……もう既に諦めた。我々は負けたのだ……戦いもせずにな」
『…………』
自分達の使える将軍のガオンの言葉に兵士達は無言で武器を放棄し、その場に平伏する。やがてひとしきり暴れて力を見せつけた事でやっと落ち着いたのか、氷塊の魔法を解除したルノが飛翔術を利用して空へ飛び、最後の警告を行う。
「これ以上、話を聞かないなら容赦しません!!まだ文句のある人は居ますか!?」
『ありません!!降伏します!!』
ルノの言葉に兵士全員が声を合わせて降伏を宣言すると、その姿を見たルノは腕を組んで鼻を鳴らし、遂に獣人国最強と謳われた猛虎部隊を完全に屈服させる事に成功した――
「えっ……あの、どうしたの?」
「ふうっ、すまんな。やっと楽に……ど、どうした?」
「シャアアッ……」
「ギャウッ……!?」
ルノの様子がおかしい事に気づいたリディア達は無意識に身体が震え、包囲網を縮めていた兵士達も異変を感じ取ったのか停止する。
「部隊長!!何やら様子がおかしいですが……」
「どうしますか?」
「ええい、立ち止まるな!!相手はたったの3人と魔物共だぞ!!奴らを抑えれば魔物共も何も出来ん!!臆せずに行け!!」
「は、はい!!行け!!」
しかし、一度は立ち止まった猛虎部隊だが、部隊長の言葉を聞いて戦闘態勢を整えて突撃する。周囲から迫りくる兵士達の姿にリディアは慌ててレナの肩を掴み、逃げるように急かす。
「ちょ、流石にこの数は不味いわよ!!あんたの魔法で空を飛んで……ねえ、聞いてるの?」
「…………」
無言を貫くルノにリディアは違和感を抱き、顔を除こうとした瞬間、背後に待機していた氷竜が唐突に動き出し、両腕を振り上げて地面に叩きつけた。その瞬間、強烈な轟音と同時に地響きが発生して兵士達の足元を崩す。
『うおおおおっ!?』
「な、何だぁっ!?」
氷竜の攻撃によって大地が割れ、兵士達は地割れに飲み込まれないように慌てて停止する。その間にも氷竜は背中の両翼を広げ、威嚇するように全身から冷気を迸らせた。
「もう、いい加減にしろぉおおっ!!」
「る、ルノ!?」
「いかん、逃げろ!?」
「シャアアッ!!」
「ガアアッ!!」
ルノの絶叫が響き渡り、危険を察したガオンはリディアの身体を掴んで駆け出す。キバとガーゴイルも同時に逃走を始め、その場を離れる。その姿を確認したルノは氷竜の頭部に移動を行い、上空へと飛翔させた。
「うおおおおおっ!!」
十分な距離まで空の上に移動すると、ルノは氷竜の口内に移動し、両手を突き出す。右腕に水属性の魔力を滲ませ、左腕に風属性の魔力を纏うと、両手を重ねて魔王軍最強の「蛇竜」さえも一瞬で凍り付かせた冷気の竜巻を放つ。
「はああああっ!!」
『っ……!?』
氷竜の口内から竜種の吐息を想像させる勢いで放たれた「冷気の竜巻」が地上に放たれ、氷河期が訪れた様に地面が凍り付く。竜巻は1キロ先にまで届き、最終的には冷気の砲弾として弾け飛ぶ。その光景を見た誰もが唖然とした表情を浮かべ、更にルノは続けて凍り付いた地面に向けて最大級の魔法を連発した。
「黒炎槍!!」
両手に風、火、闇の3つの属性を組み合わせた合成魔術を発動した瞬間、今度は氷竜の口元から黒色の炎が光線のように放出され、凍り付いた地面を今度は火の海へと変化させる。それだけでは収まらず、今度は氷竜の形を変形させ、海獄島で遭遇した「海竜」の姿に変えて地面に飛び込む。
「このぉおおおっ!!」
海竜は熱した地面に潜り込むように移動を行い、派手に土煙を巻き上げてクレーターを生み出す。その光景を目撃した兵士達は悲鳴を上げ、自分達の目の前で何が起きているのか理解できなかった。
「ひいっ……!!」
「な、何だあれは……あんなの人間じゃない!!」
「化物だ……勝てるはずがない」
ルノの暴れっぷりに完全に戦意が喪失した兵士達は無意識に手元の武器を手離してしまい、全てを諦めたように跪く。それは軍隊を指揮していた部隊長も同じであり、彼は愛馬から転げ落ちてしまう。
「な、何なのだあれは……我々は何を見ているんだ……?」
未だに地面を抉りこみながら移動を行う海竜を目にして部隊長は腰を抜かし、そんな彼を見て他の兵士達も無意識に座り込む。様々な戦場を駆け巡った猛虎部隊だが、これほどまでに規格外の相手は見た事がない。そんな彼等の背後からガオンが近寄り、倒れている部隊長に顔を向ける。
「ジョンよ……やっと目を覚ましたか」
「あっ……しょ、将軍?」
「ふっ……どうだ?あの圧倒的な力を前にして、まだ戦う気力は残っているのか?」
「……無理です」
ガオンの言葉を聞いてジョンは全てを理解したように項垂れ、ガオンは黙って彼の隣に座ると、長い溜息を吐き出す。
「降伏しろ、あれは我々の手には負えない相手だ」
「将軍は……それでよろしいのですか?」
「ああ……もう既に諦めた。我々は負けたのだ……戦いもせずにな」
『…………』
自分達の使える将軍のガオンの言葉に兵士達は無言で武器を放棄し、その場に平伏する。やがてひとしきり暴れて力を見せつけた事でやっと落ち着いたのか、氷塊の魔法を解除したルノが飛翔術を利用して空へ飛び、最後の警告を行う。
「これ以上、話を聞かないなら容赦しません!!まだ文句のある人は居ますか!?」
『ありません!!降伏します!!』
ルノの言葉に兵士全員が声を合わせて降伏を宣言すると、その姿を見たルノは腕を組んで鼻を鳴らし、遂に獣人国最強と謳われた猛虎部隊を完全に屈服させる事に成功した――
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