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獣人国
薬品庫
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「ワンちゃんはガオン将軍を見た事がある?」
「わうっ……見た事はありませんけど、どんな人か聞いた事ならあります。確か熊さんの獣人族らしいです」
「熊か……」
ワン子からガオンの特徴を聞き取り、3人は建物の内の探索を行う。建物の何処にいるのか分からないが、とりあえず下の階から虱潰しに捜索を開始する。
「死ねぇっ!!」
『おっと、危ないっ』
「ぎゃああっ!?」
途中、階段で待ち伏せしていた兵士がルノに襲い掛かるが、反射神経で兵士が振り落とした斧を右手で掴み取り、そのまま握りつぶすのと共に相手を突き飛ばす。レベル99の身体能力で突き飛ばされた兵士は吹き飛び、下の階段を転げ落ちていく。
『全く、油断できないな……二人はしっかり俺の傍に居てね』
「分かってるわよ……」
「わぅんっ!!」
ルノの傍から離れない様にリディアとワン子が後に続き、度々兵士達の奇襲を受けながらも捜索を続ける。しかし、かなり広い建物なので移動するだけでも時間が掛かり、このままではガオンに逃げられてしまう可能性が出てきた。
『う~ん……参ったな。将軍らしい人は見つからないな』
「もうこの際に建物をぶっ壊せばいいじゃないの?そうすれば隠れる事なんて出来ないでしょ」
『駄目だよ。そんな事をしたら中の人達が死んじゃうかもしれないじゃん。あ、そうだ……こういう時こそスキルの出番か』
捜索が難航し、この探し続けてもガオンが見つかる可能性が低いと判断したルノは久々にステータス画面を開き、有り余っているSPの項目を確認する。こちらを使用すればルノは他の職業の切り替えやスキルを覚える事が可能となり、人物を探すのに適した能力を覚えられないのかを試す。
『人探しに有効なスキルとか分かる?』
「それなら暗殺者の奴等が使う「気配感知」とか魔術師の「魔力感知」とかいう感知系能力が便利よ」
『なるほど……よし、覚えた』
リディアの言葉を聞いてルノはSPを消費して能力を習得すると、早速能力を発動させて建物の内に存在する人間の反応を確認する。気配感知の能力は主に気配を感じ取る能力に対し、魔力感知の能力は魔力を放つ物体を感じ取る能力らしく、人間以外の反応も多数感じられた。
『ん~……何だろうこれ?こっちの方に強い魔力を感じるんだけど、何か変な感じがする』
「何処から感じるのよ?」
『こっちの扉の中からなんだけど……あれ?ここって倉庫なのかな?』
ルノが奇妙な反応を感じったのは頑丈な扉に封鎖された部屋の中であり、少し気になったルノは扉を開いて中を確認する事にした。もしも危険な物が入っていた場合を考え、今回は扉を破壊するのではなく鍵を開いて中に入るために氷塊の魔法を使う。
『少し中を覗いてみようか。えっと……氷塊!!』
「へえ……氷の鍵?そんな物まで作り出せるのあんた?」
「すんすんっ……この部屋の中から変わった臭いがします」
氷の鍵を作り出して鍵穴に差し込み、形状を変化させて上手く鍵を開くと扉が開く。部屋の中は無数の棚が並べられており、様々な薬が置かれていた。
『ここは……薬品庫かな?』
「そうみたいね。兵士の治療用の道具が置かれているわ……あ、見なさいよこれ!!あんたが感じたのはこの薬じゃないの?」
『あ、本当だ』
リディアは棚の中に並べられている「魔力回復薬」を指差し、魔力を回復させる薬品なのでルノの「魔力感知」に反応した事が判明する。薬品庫には他にも市販の回復薬や薬草の類が保管されていた。
「それにしても随分と薬が多いわね……それに容器の種類がやたらと多いのが気になるわね」
「あ、これ!?私の家で販売している回復薬です!!くんくんっ……臭いも間違いありません!!村の皆が攫われた時に一緒に持っていかれた奴です!!」
『そうなの?という事はもしかしてこの薬品庫にある薬は……』
ワン子の村でしか販売していない回復薬も存在した事から、薬品庫に預けられている薬品の類は兵士達が民衆から強奪した物品の類である事が判明した。しかもかなりの数の薬が収納されている事からガオン将軍の配下がどれほど村や街から物品を強奪していたのかが伺える。
『どうしてこんなに薬を集めているんだろう?これも第一王子の指示なのかな?』
「そこまでは分からないわよ。それにしても随分と集めたわね……この様子だと街中の人間達から薬を奪ったんじゃないかしら?」
『街中……という事はこの薬品庫の薬が全部なくなれば兵士の人達も困るかな?』
「当たり前でしょ。そんな事になればもうけがの治療だって真面に出来ないに決まってるでしょ」
『……ならさ、こういうのはどうかな?』
ルノは薬品庫に保管されている大量の薬品を確認し、ある妙案を思いついた。この方法を利用すれば隠れている兵士達も逃げ切れず、ルノの指示に従うかもしれない。
「わうっ……見た事はありませんけど、どんな人か聞いた事ならあります。確か熊さんの獣人族らしいです」
「熊か……」
ワン子からガオンの特徴を聞き取り、3人は建物の内の探索を行う。建物の何処にいるのか分からないが、とりあえず下の階から虱潰しに捜索を開始する。
「死ねぇっ!!」
『おっと、危ないっ』
「ぎゃああっ!?」
途中、階段で待ち伏せしていた兵士がルノに襲い掛かるが、反射神経で兵士が振り落とした斧を右手で掴み取り、そのまま握りつぶすのと共に相手を突き飛ばす。レベル99の身体能力で突き飛ばされた兵士は吹き飛び、下の階段を転げ落ちていく。
『全く、油断できないな……二人はしっかり俺の傍に居てね』
「分かってるわよ……」
「わぅんっ!!」
ルノの傍から離れない様にリディアとワン子が後に続き、度々兵士達の奇襲を受けながらも捜索を続ける。しかし、かなり広い建物なので移動するだけでも時間が掛かり、このままではガオンに逃げられてしまう可能性が出てきた。
『う~ん……参ったな。将軍らしい人は見つからないな』
「もうこの際に建物をぶっ壊せばいいじゃないの?そうすれば隠れる事なんて出来ないでしょ」
『駄目だよ。そんな事をしたら中の人達が死んじゃうかもしれないじゃん。あ、そうだ……こういう時こそスキルの出番か』
捜索が難航し、この探し続けてもガオンが見つかる可能性が低いと判断したルノは久々にステータス画面を開き、有り余っているSPの項目を確認する。こちらを使用すればルノは他の職業の切り替えやスキルを覚える事が可能となり、人物を探すのに適した能力を覚えられないのかを試す。
『人探しに有効なスキルとか分かる?』
「それなら暗殺者の奴等が使う「気配感知」とか魔術師の「魔力感知」とかいう感知系能力が便利よ」
『なるほど……よし、覚えた』
リディアの言葉を聞いてルノはSPを消費して能力を習得すると、早速能力を発動させて建物の内に存在する人間の反応を確認する。気配感知の能力は主に気配を感じ取る能力に対し、魔力感知の能力は魔力を放つ物体を感じ取る能力らしく、人間以外の反応も多数感じられた。
『ん~……何だろうこれ?こっちの方に強い魔力を感じるんだけど、何か変な感じがする』
「何処から感じるのよ?」
『こっちの扉の中からなんだけど……あれ?ここって倉庫なのかな?』
ルノが奇妙な反応を感じったのは頑丈な扉に封鎖された部屋の中であり、少し気になったルノは扉を開いて中を確認する事にした。もしも危険な物が入っていた場合を考え、今回は扉を破壊するのではなく鍵を開いて中に入るために氷塊の魔法を使う。
『少し中を覗いてみようか。えっと……氷塊!!』
「へえ……氷の鍵?そんな物まで作り出せるのあんた?」
「すんすんっ……この部屋の中から変わった臭いがします」
氷の鍵を作り出して鍵穴に差し込み、形状を変化させて上手く鍵を開くと扉が開く。部屋の中は無数の棚が並べられており、様々な薬が置かれていた。
『ここは……薬品庫かな?』
「そうみたいね。兵士の治療用の道具が置かれているわ……あ、見なさいよこれ!!あんたが感じたのはこの薬じゃないの?」
『あ、本当だ』
リディアは棚の中に並べられている「魔力回復薬」を指差し、魔力を回復させる薬品なのでルノの「魔力感知」に反応した事が判明する。薬品庫には他にも市販の回復薬や薬草の類が保管されていた。
「それにしても随分と薬が多いわね……それに容器の種類がやたらと多いのが気になるわね」
「あ、これ!?私の家で販売している回復薬です!!くんくんっ……臭いも間違いありません!!村の皆が攫われた時に一緒に持っていかれた奴です!!」
『そうなの?という事はもしかしてこの薬品庫にある薬は……』
ワン子の村でしか販売していない回復薬も存在した事から、薬品庫に預けられている薬品の類は兵士達が民衆から強奪した物品の類である事が判明した。しかもかなりの数の薬が収納されている事からガオン将軍の配下がどれほど村や街から物品を強奪していたのかが伺える。
『どうしてこんなに薬を集めているんだろう?これも第一王子の指示なのかな?』
「そこまでは分からないわよ。それにしても随分と集めたわね……この様子だと街中の人間達から薬を奪ったんじゃないかしら?」
『街中……という事はこの薬品庫の薬が全部なくなれば兵士の人達も困るかな?』
「当たり前でしょ。そんな事になればもうけがの治療だって真面に出来ないに決まってるでしょ」
『……ならさ、こういうのはどうかな?』
ルノは薬品庫に保管されている大量の薬品を確認し、ある妙案を思いついた。この方法を利用すれば隠れている兵士達も逃げ切れず、ルノの指示に従うかもしれない。
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