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外伝 〈一人旅〉
エルフ王国の危機
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「リディア!!生きてる!?」
「あ、あんた!?は、早く助けて!!」
『ギルルルッ!!』
『シャアアッ……!!』
蟷螂が振り下ろした鎌をガーゴイルが受け止めるが、石像の両腕すらも耐え切れず、掌を貫通する。その様子を確認したルノは掌を構えて魔法を放とうとするが、背後から新たな鳴き声を耳にした。
『ギルゥッ!!』
「うわっ!?」
ルノの背後から新たな巨大蟷螂が出現し、彼に向けて鎌を振り下ろす。咄嗟に回避する事に成功したが、ローブの背中部分に大きな切り傷が生まれてしまい、怒りを抱いたルノは蟷螂を殴りつける。
「よくもやったな!!」
『グギィッ!?』
「ええっ!?」
魔術師にも関わらずに素手で巨大蟷螂を殴り飛ばしたルノにリディアは驚愕するが、殴りつけられた蟷螂は頭部が粉砕し、地面に倒れこむ。それでも怒りが収まらないルノは倒れた蟷螂の両腕の鎌を引き千切り、ガーゴイルを押し倒していた蟷螂に向けて投げつけた。
「このっ!!」
『ギガァッ!?』
「嘘っ!?」
ブーメランの要領で蟷螂の首に鎌が横切り、頭部と胴体が両断された蟷螂は力なく倒れこむ。その光景にリディアは呆然とするが、ルノは彼女の元に訪れて大きなけがはない事を確認する。
「大丈夫?」
「え、ええっ……ありがとう、ございます……」
「なんで敬語?」
助けたにも関わらずに怯えた表情を浮かべるリディアにルノは不思議がりながらも彼女に何が起きたのかを尋ねる。
「こいつらは何?どうして襲われてたの?」
「それは……きゅ、急に襲い掛かってきたのよ。あんたが戻ってくる前に準備しようとしてたら、こいつらがいきなり現れて……」
「準備?」
「……この島を抜け出す準備よ」
リディアの言葉にルノは訝し気な表情を浮かべ、どうしてリディアが島を脱出する準備を行っていたのか疑問を抱く。
「なんでそんな準備なんかしてたの?まさか、俺がリディアを外へ連れて行くと思うの?」
「ええ、そうよ!!でも、ただで連れて行って貰うつもりはないわよ!!こいつらの正体を思い出したのよ!!」
「正体?」
リディアは地面に横たわっている蟷螂を指さし、最初にルノが尋ねた時は彼女は昆虫種の生態しか説明しなかったが、絶滅したはずの昆虫種が現れた原因に気付いたという。
「こいつらはエルフ王国に封印されていた卵よ!!大昔、森人族は昆虫種を操作して新しい軍事力を手に入れようとした事があるのよ!!」
「エルフ王国?」
ここでエルフ王国の名前が出てきたことにルノは驚き、リディアによるとエルフ王国はかつて昆虫種を捕獲し、自分達に従う昆虫の軍隊を作り出そうとしたらしい。
「エルフ王国が生まれたばかりの頃、他国からの侵略に備えて当時の国王は昆虫種を捕獲して飼いならそうとした事があるの!!結局、その企みは失敗に終わったけど捕獲した昆虫の卵は封印を施されて今でも保存されていると聞いた事があるの!!きっとこいつらはエルフ王国から連れ出されたのよ!!」
「何百年も前の卵を保存って……そんな事が出来るの?」
「エルフ王国には「守人家」という過去に召喚された勇者の血筋の森人族が居るのよ!!こいつらは封印魔法という特別な魔法が扱えるの!!だからきっと、この昆虫種達は封印が解かれた魔物よ!!」
「そんな……」
リディアは元々はエルフ王国に所属しており、彼女の言葉は信憑性が高い。しかし、それならばどうして獣人族の移送船にエルフ王国に封印されているはずの卵が運び込まれていたのかが気にかかり、エルフ王国にて何かが起きた可能性がある。
「私も今まで忘れてたけど、この情報を教えてくれたのはクズノよ!!もしかしたらあいつ、エルフ王国から卵を盗み出して何かに利用しているのかも……」
「ちょっと待ってよ。じゃあ、昆虫種がこの島に送り込まれた理由って……」
「きっと、私を始末するつもりね……この島の住民ごと」
「そんなっ!!」
仮にリディアの予測が正しかった場合、クズノという男はリディア一人を殺すために海獄島の住民ごと皆殺しするために危険な生物を送り付けた事になる。しかも島の囚人達だけではなく、飛行船に乗船していた獣人族の兵士達も巻き込んだ事になり、ルノは激しい怒りを抱く。
「どうして無関係の人間まで……!!」
「……分かっているでしょう?そういう理屈は魔王軍には通じない……目的のためなら他人がどうなろうと関係ないのよ」
「くそっ!!」
ルノは怒りを抑えきれずに傍に存在する壁に拳を叩きつけ、煉瓦製の壁を貫通する。その光景にリディアは冷や汗を流しながらも、彼女は必死にルノの身体にしがみついて命乞いを行う。
「お、お願い!!ここに残ったら私は殺されるわ!!もう悪い事はしないから……奴隷になってもいい!!だから、助けて……」
「…………」
惨めにかつては戦った相手に命乞いを行うリディアに対し、ルノは頭を抑えて自分がこれからどのように行動するのかを考える。。
「あ、あんた!?は、早く助けて!!」
『ギルルルッ!!』
『シャアアッ……!!』
蟷螂が振り下ろした鎌をガーゴイルが受け止めるが、石像の両腕すらも耐え切れず、掌を貫通する。その様子を確認したルノは掌を構えて魔法を放とうとするが、背後から新たな鳴き声を耳にした。
『ギルゥッ!!』
「うわっ!?」
ルノの背後から新たな巨大蟷螂が出現し、彼に向けて鎌を振り下ろす。咄嗟に回避する事に成功したが、ローブの背中部分に大きな切り傷が生まれてしまい、怒りを抱いたルノは蟷螂を殴りつける。
「よくもやったな!!」
『グギィッ!?』
「ええっ!?」
魔術師にも関わらずに素手で巨大蟷螂を殴り飛ばしたルノにリディアは驚愕するが、殴りつけられた蟷螂は頭部が粉砕し、地面に倒れこむ。それでも怒りが収まらないルノは倒れた蟷螂の両腕の鎌を引き千切り、ガーゴイルを押し倒していた蟷螂に向けて投げつけた。
「このっ!!」
『ギガァッ!?』
「嘘っ!?」
ブーメランの要領で蟷螂の首に鎌が横切り、頭部と胴体が両断された蟷螂は力なく倒れこむ。その光景にリディアは呆然とするが、ルノは彼女の元に訪れて大きなけがはない事を確認する。
「大丈夫?」
「え、ええっ……ありがとう、ございます……」
「なんで敬語?」
助けたにも関わらずに怯えた表情を浮かべるリディアにルノは不思議がりながらも彼女に何が起きたのかを尋ねる。
「こいつらは何?どうして襲われてたの?」
「それは……きゅ、急に襲い掛かってきたのよ。あんたが戻ってくる前に準備しようとしてたら、こいつらがいきなり現れて……」
「準備?」
「……この島を抜け出す準備よ」
リディアの言葉にルノは訝し気な表情を浮かべ、どうしてリディアが島を脱出する準備を行っていたのか疑問を抱く。
「なんでそんな準備なんかしてたの?まさか、俺がリディアを外へ連れて行くと思うの?」
「ええ、そうよ!!でも、ただで連れて行って貰うつもりはないわよ!!こいつらの正体を思い出したのよ!!」
「正体?」
リディアは地面に横たわっている蟷螂を指さし、最初にルノが尋ねた時は彼女は昆虫種の生態しか説明しなかったが、絶滅したはずの昆虫種が現れた原因に気付いたという。
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「エルフ王国?」
ここでエルフ王国の名前が出てきたことにルノは驚き、リディアによるとエルフ王国はかつて昆虫種を捕獲し、自分達に従う昆虫の軍隊を作り出そうとしたらしい。
「エルフ王国が生まれたばかりの頃、他国からの侵略に備えて当時の国王は昆虫種を捕獲して飼いならそうとした事があるの!!結局、その企みは失敗に終わったけど捕獲した昆虫の卵は封印を施されて今でも保存されていると聞いた事があるの!!きっとこいつらはエルフ王国から連れ出されたのよ!!」
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「エルフ王国には「守人家」という過去に召喚された勇者の血筋の森人族が居るのよ!!こいつらは封印魔法という特別な魔法が扱えるの!!だからきっと、この昆虫種達は封印が解かれた魔物よ!!」
「そんな……」
リディアは元々はエルフ王国に所属しており、彼女の言葉は信憑性が高い。しかし、それならばどうして獣人族の移送船にエルフ王国に封印されているはずの卵が運び込まれていたのかが気にかかり、エルフ王国にて何かが起きた可能性がある。
「私も今まで忘れてたけど、この情報を教えてくれたのはクズノよ!!もしかしたらあいつ、エルフ王国から卵を盗み出して何かに利用しているのかも……」
「ちょっと待ってよ。じゃあ、昆虫種がこの島に送り込まれた理由って……」
「きっと、私を始末するつもりね……この島の住民ごと」
「そんなっ!!」
仮にリディアの予測が正しかった場合、クズノという男はリディア一人を殺すために海獄島の住民ごと皆殺しするために危険な生物を送り付けた事になる。しかも島の囚人達だけではなく、飛行船に乗船していた獣人族の兵士達も巻き込んだ事になり、ルノは激しい怒りを抱く。
「どうして無関係の人間まで……!!」
「……分かっているでしょう?そういう理屈は魔王軍には通じない……目的のためなら他人がどうなろうと関係ないのよ」
「くそっ!!」
ルノは怒りを抑えきれずに傍に存在する壁に拳を叩きつけ、煉瓦製の壁を貫通する。その光景にリディアは冷や汗を流しながらも、彼女は必死にルノの身体にしがみついて命乞いを行う。
「お、お願い!!ここに残ったら私は殺されるわ!!もう悪い事はしないから……奴隷になってもいい!!だから、助けて……」
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