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帝都防衛編
閑話 〈最終決戦その2 友情合体!!(本編とは繋がらない小ネタです)〉
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「ふははははっ!!あの程度の攻撃で俺が死んだと思っていたのか!!」
「なっ!?まだ動けたのか!?」
「ルノさんの魔法で爆散したんじゃないんですか!?」
ルノの黒炎槍を口内から放たれて戦闘不能に陥ったと思われるガイアが立ち上がり、全身に傷を負いながらも彼は笑みを浮かべ、真の力を解放する。
「これが最後だ!!見せてやるぞ……俺の真の姿を!!」
「な、何だ!?」
「まだ何かする気なのか!?」
四天王とルノが警戒すると、ガイアは全身を抱き締めるように腕を組み、徐々に肉体を巨大化させていく。崩壊した王城の中で全身が緑色の巨大な生物へと変り果て、その姿は恐竜のティラノサウルスを想像させた。違いがあるとすれば背中には翼が生えており、手足も異様に長く、足元のルノ達を見下ろす。
『ふははははっ!!どうだ!!これが竜王と言われた我の姿だ!!』
「1人称が変わってますよ。これは本格的に不味いですね……」
「仕方ない……こうなったら皆の力を合わせるしかない」
「合わせるって……な、何をすればいいのでしょうか?」
ルノの提案に全員が戸惑うが、彼はリーリスに視線を向け、最終決戦用に考えていた必殺技の準備を行う。
「リーリス!!あれの準備は出来てる?」
「大丈夫ですよ。ほら、皆さん。この腕輪を身に付けて下さい」
「腕輪?」
「わ、儂もか?」
バルトスを含めた全員にリーリスは銀色の腕輪を渡し、全員が装備したのを確認するとルノに合図を送る。
「ルノさん!!準備が出来ましたよ!!」
「よし!!行くぞっ……氷鎧!!」
『なにぃっ!?』
ルノは氷塊の魔法で巨大な鎧武者の氷像を作り出し、ガイアと向かい合う。そして腕輪を装着した人間に手を伸ばし、胸元の装甲を外し、内部に存在する空洞へと移動させる。
「皆乗って!!そしてコックピットに乗るんだ!!」
「こ、こっくぴっと?」
「この椅子に座ればいいんでしょうか……」
「じゃあ、私は一番偉そうな人が乗りそうな真ん中の席に……」
『な、何をやっているんだ貴様らは!?』
律儀に全員が乗り込むまで攻撃を開始せずにガイアは見守り、準備を整えると一人だけ頭部に乗り込んでいるルノが腕輪を装着して天に翳す。
「皆の力を一つに……行くぞぉおおっ!!」
『ぬおおっ!?』
『な、何だ!?』
『ま、魔力が吸われて……』
『ひ、干乾びるぅっ……』
『……きつい』
『ちょっと調整をミスりましたかね。魔力の吸引力に改竄が必要と……』
腕輪を通して四天王の魔力がルノの元へ送り込まれ、彼は容赦なく魔力を吸収して氷鎧を更に変形させ、まるで鬼神のような形状へと変化させる。
「友情合体!!氷武者だ!!」
『貴様の仲間は苦しそうだが!?』
ちゃっかり自分だけが腕輪を付けていないリーリスを除いた四天王とバルトスの魔力を吸い上げて氷鎧が強化され、ルノは背中の大太刀を引き抜き、ガイアに振り翳す。
「喰らえガイアっ!!これが皆の力だぁあああっ!!」
『くっ……こんな定番な展開に負けるかぁあああっ!!』
振り下ろされた氷武者の大太刀に対してガイアは両腕を伸ばして真剣白刃取りで受け止める。予想外の力に押し負けそうになるが、竜種の中でも王を自負するだけはあってガイアは持ち応える。
『ぐぬぬっ……まさかこんな氷人形と戦う羽目になるとは!!』
「くっ……まだ足りないのか。皆、もっと力を分けて!!」
『いや、ちょっ……俺は魔術師じゃねえぇええっ!!』
『老体には応えるのう』
『ちょ、僕もここまで来るのにかなり魔力を使って……』
『……外れない』
『は、早く終わらせてくれぇっ』
『はいはい、精霊薬あげますから頑張ってくださいね~』
『貴様の仲間の方が先にくたばりそうだが!?』
更に魔力を吸い上げられた四天王とバルトスの悲鳴が上がるが、ルノは更に氷武者を巨大化させ、遂にガイアの肉体に刃を食い込ませる。
「これが人間の力だぁあああっ!!」
『ぐあああああああっ!?』
遂にガイアの頭部に刃が食い込み、そのまま胴体まで切り裂き、巨体を一刀両断する。その光景を確認したルノは氷武者を停止させ、腕輪に視線を向ける。
「勝った……皆のお陰だよ」
『いや、終ったなら腕輪を外せ……あああっ!?』
『ちょ、これ接合部がないんですけど!?どうやって付けて……』
『弟よ……後は任せたぞ』
『先帝!?先帝!!しっかりしてくだされ!!』
『開錠』
『あ、駄目ですよ勝手に外しちゃ!!まだデータを取ってないのに……』
無事に勝利する事は出来たが、多大な犠牲を支払っての空しい勝利だった――
※あくまでもネタですが、感想覧のコメントを見て思いつきました。
「なっ!?まだ動けたのか!?」
「ルノさんの魔法で爆散したんじゃないんですか!?」
ルノの黒炎槍を口内から放たれて戦闘不能に陥ったと思われるガイアが立ち上がり、全身に傷を負いながらも彼は笑みを浮かべ、真の力を解放する。
「これが最後だ!!見せてやるぞ……俺の真の姿を!!」
「な、何だ!?」
「まだ何かする気なのか!?」
四天王とルノが警戒すると、ガイアは全身を抱き締めるように腕を組み、徐々に肉体を巨大化させていく。崩壊した王城の中で全身が緑色の巨大な生物へと変り果て、その姿は恐竜のティラノサウルスを想像させた。違いがあるとすれば背中には翼が生えており、手足も異様に長く、足元のルノ達を見下ろす。
『ふははははっ!!どうだ!!これが竜王と言われた我の姿だ!!』
「1人称が変わってますよ。これは本格的に不味いですね……」
「仕方ない……こうなったら皆の力を合わせるしかない」
「合わせるって……な、何をすればいいのでしょうか?」
ルノの提案に全員が戸惑うが、彼はリーリスに視線を向け、最終決戦用に考えていた必殺技の準備を行う。
「リーリス!!あれの準備は出来てる?」
「大丈夫ですよ。ほら、皆さん。この腕輪を身に付けて下さい」
「腕輪?」
「わ、儂もか?」
バルトスを含めた全員にリーリスは銀色の腕輪を渡し、全員が装備したのを確認するとルノに合図を送る。
「ルノさん!!準備が出来ましたよ!!」
「よし!!行くぞっ……氷鎧!!」
『なにぃっ!?』
ルノは氷塊の魔法で巨大な鎧武者の氷像を作り出し、ガイアと向かい合う。そして腕輪を装着した人間に手を伸ばし、胸元の装甲を外し、内部に存在する空洞へと移動させる。
「皆乗って!!そしてコックピットに乗るんだ!!」
「こ、こっくぴっと?」
「この椅子に座ればいいんでしょうか……」
「じゃあ、私は一番偉そうな人が乗りそうな真ん中の席に……」
『な、何をやっているんだ貴様らは!?』
律儀に全員が乗り込むまで攻撃を開始せずにガイアは見守り、準備を整えると一人だけ頭部に乗り込んでいるルノが腕輪を装着して天に翳す。
「皆の力を一つに……行くぞぉおおっ!!」
『ぬおおっ!?』
『な、何だ!?』
『ま、魔力が吸われて……』
『ひ、干乾びるぅっ……』
『……きつい』
『ちょっと調整をミスりましたかね。魔力の吸引力に改竄が必要と……』
腕輪を通して四天王の魔力がルノの元へ送り込まれ、彼は容赦なく魔力を吸収して氷鎧を更に変形させ、まるで鬼神のような形状へと変化させる。
「友情合体!!氷武者だ!!」
『貴様の仲間は苦しそうだが!?』
ちゃっかり自分だけが腕輪を付けていないリーリスを除いた四天王とバルトスの魔力を吸い上げて氷鎧が強化され、ルノは背中の大太刀を引き抜き、ガイアに振り翳す。
「喰らえガイアっ!!これが皆の力だぁあああっ!!」
『くっ……こんな定番な展開に負けるかぁあああっ!!』
振り下ろされた氷武者の大太刀に対してガイアは両腕を伸ばして真剣白刃取りで受け止める。予想外の力に押し負けそうになるが、竜種の中でも王を自負するだけはあってガイアは持ち応える。
『ぐぬぬっ……まさかこんな氷人形と戦う羽目になるとは!!』
「くっ……まだ足りないのか。皆、もっと力を分けて!!」
『いや、ちょっ……俺は魔術師じゃねえぇええっ!!』
『老体には応えるのう』
『ちょ、僕もここまで来るのにかなり魔力を使って……』
『……外れない』
『は、早く終わらせてくれぇっ』
『はいはい、精霊薬あげますから頑張ってくださいね~』
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更に魔力を吸い上げられた四天王とバルトスの悲鳴が上がるが、ルノは更に氷武者を巨大化させ、遂にガイアの肉体に刃を食い込ませる。
「これが人間の力だぁあああっ!!」
『ぐあああああああっ!?』
遂にガイアの頭部に刃が食い込み、そのまま胴体まで切り裂き、巨体を一刀両断する。その光景を確認したルノは氷武者を停止させ、腕輪に視線を向ける。
「勝った……皆のお陰だよ」
『いや、終ったなら腕輪を外せ……あああっ!?』
『ちょ、これ接合部がないんですけど!?どうやって付けて……』
『弟よ……後は任せたぞ』
『先帝!?先帝!!しっかりしてくだされ!!』
『開錠』
『あ、駄目ですよ勝手に外しちゃ!!まだデータを取ってないのに……』
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