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帝都防衛編
地雷ならぬ地氷
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「ああ、大砲が……!!」
「狼狽えるな!!その場を離れよ!!」
「ば、バルトス様!!こちら側も!!」
水大砲を失った兵士達に避難を指示すると、反対側の方からも悲鳴が響き渡り、複数の岩人形が水大砲を持ち上げ、地上に投擲を行う。
『ゴロロロロッ!!』
「や、止めろっ!!」
「くそっ!!」
「そ、そんなっ……」」
次々と岩人形は兵士達を無視して水大砲の破壊を行い、兵士達の唯一の対抗手段が奪われる。背中の窪み大量の岩人形が入り込み、次々と水大砲を外へと放り投げる。その光景を確認したバルトスは唇を噛みしめ、このままでは全滅してしまう。
「バルトス様!!もう持ちません!!」
「うむ……仕方あるまい!!全員聞け!!作戦を次の段階へと移れ!!大砲を放棄し、背中に避難しろ!!」
『はっ!!』
バルトスの言葉に兵士達は一目散に大砲を放棄し、吸魔石が用意された小袋を抱えながらルノが事前に作り出していた置いた背中の内部に繋がる出入口に向かう。岩人形は逃げ惑う兵士には目もくれず、自分達の脅威である水大砲の破壊に勤しむ。
「おらっ!!さっさと行きやがれ!!」
「慌てずに落ち着いて行動しなさい!!」
「負傷した者を見捨てるな!!敵の注意は儂らが引き付ける!!」
「ほらほら!!死んじゃったら治療出来ないんですから気を付けてくださいよ!!」
四天王が兵士の誘導を行い、彼等の進行を阻害する岩人形を牽制する。その間にもバルトスはルノに視線を向け、彼が頷いたのを確認すると、兵士達が持ち込んできた吸魔石を一か所に集める。
「吸魔石は全てルノ殿に渡せ!!リーリスはガトリングの用意を行え!!」
「はいはい!!待ってましたよ!!」
バルトスの言葉にリーリスはアイテムボックスのスキルを発動させ、ガトリングを取り出す。そして兵士の全員が首の裏に存在する洞窟に入り込むのを確認すると、四天王とバルトスが回収した吸魔石をルノの元へ持ち込む。
「ルノ殿!!準備は出来たぞ!!」
「後は任せます!!」
「お願いします!!」
「後は頼んだぞ」
「ちっ……頑張れよ!!」
吸魔石の入った小袋が大量に手渡され、ルノはガトリングを受け取ると、土竜の操作を停止する。その直後、地上の岩人形が土竜の足に集まり、巨体を転倒させるために持ち上げようとする。
『ゴォオオオオッ!!』
「うわっ!?ちょ、これは洒落になりませんよっ!!」
「これほどの巨体を持ち上げようというのか!?」
「呆けている場合か!!俺達も非難するぞ!!」
「後は任せてください」
ルノは吸魔石を受け取り、ガトリングを抱えると、リーリス達が非難するのを確認して小袋を握りしめる。まずは土竜を持ち上げようとする岩人形をどうにかするため、最初に右脚に張り付いた岩人形の群れに向けてルノは吸魔石の小袋を投擲した。
「おりゃっ!!」
『ゴロォッ……!?』
右脚に集まっていた岩人形の足元に小袋から零れ落ちた吸魔石が地面に転がり込み、それを確認した岩人形は戸惑う。その隙にルノはガトリングを構え、魔力弾を連射した。
「喰らえっ!!」
『ゴォオオオオッ!?』
ガトリングから放たれる無数の魔力弾が地上に向けて撃ち込まれ、弾丸が的中した箇所が氷結化し、複数の岩人形を撃ち抜く。しかし、リーリスが使用していたマジックガンと異なり、ルノの撃ち込んだ魔力弾の威力は劣り、数発は撃ち込まないと完全には氷結化しない。
「当たれぇええっ!!」
それでもルノは弾丸を撃ち続け、事前に地上に向けて投げ込んだ吸魔石に的中した瞬間、まるで地雷のように広範囲に冷気の塊が拡散した。
『ゴガァアアッ――!?』
吸魔石が一つ破壊されただけで10メートル圏内に存在した岩人形に冷気の衝撃波が放たれ、岩人形の肉体が氷結化する。さらに喜ばしい事に土竜の足元が凍り付いた事で地面に固定され、バランスが保たれる。それを確認したルノは次々と別の足にも吸魔石の小袋を投げ込み、ガトリングで撃ち抜く。
「このっ!!」
『ゴガァッ!?』
『ゴロロッ!?』
『ゴォオッ!?』
次々と土竜の四つの脚を吸魔石とガトリングによって氷結化させて固定化し、続いて背中側に張り付いていた岩人形を撃ち抜く。
「このぉおおっ!!」
「ゴロォッ!?」
「ゴガァアッ!?」
「ゴロロロッ!?」
ガトリングから発射される弾丸が背中の水大砲を破壊していた岩人形を撃ち抜くが、流石に数が多く、既に数千体は死亡しているはずなのだが、一向に数が減らない。
「ああ、もう!!これじゃあ、埒が明かない!!」
遂にはガトリングを撃ち込みながらルノは足元に存在する残された小袋に視線を向け、ある方法を思いつく。既にリーリス達は避難させており、ルノは小袋から吸魔石を取り出すと力を込めて握りしめた。
「狼狽えるな!!その場を離れよ!!」
「ば、バルトス様!!こちら側も!!」
水大砲を失った兵士達に避難を指示すると、反対側の方からも悲鳴が響き渡り、複数の岩人形が水大砲を持ち上げ、地上に投擲を行う。
『ゴロロロロッ!!』
「や、止めろっ!!」
「くそっ!!」
「そ、そんなっ……」」
次々と岩人形は兵士達を無視して水大砲の破壊を行い、兵士達の唯一の対抗手段が奪われる。背中の窪み大量の岩人形が入り込み、次々と水大砲を外へと放り投げる。その光景を確認したバルトスは唇を噛みしめ、このままでは全滅してしまう。
「バルトス様!!もう持ちません!!」
「うむ……仕方あるまい!!全員聞け!!作戦を次の段階へと移れ!!大砲を放棄し、背中に避難しろ!!」
『はっ!!』
バルトスの言葉に兵士達は一目散に大砲を放棄し、吸魔石が用意された小袋を抱えながらルノが事前に作り出していた置いた背中の内部に繋がる出入口に向かう。岩人形は逃げ惑う兵士には目もくれず、自分達の脅威である水大砲の破壊に勤しむ。
「おらっ!!さっさと行きやがれ!!」
「慌てずに落ち着いて行動しなさい!!」
「負傷した者を見捨てるな!!敵の注意は儂らが引き付ける!!」
「ほらほら!!死んじゃったら治療出来ないんですから気を付けてくださいよ!!」
四天王が兵士の誘導を行い、彼等の進行を阻害する岩人形を牽制する。その間にもバルトスはルノに視線を向け、彼が頷いたのを確認すると、兵士達が持ち込んできた吸魔石を一か所に集める。
「吸魔石は全てルノ殿に渡せ!!リーリスはガトリングの用意を行え!!」
「はいはい!!待ってましたよ!!」
バルトスの言葉にリーリスはアイテムボックスのスキルを発動させ、ガトリングを取り出す。そして兵士の全員が首の裏に存在する洞窟に入り込むのを確認すると、四天王とバルトスが回収した吸魔石をルノの元へ持ち込む。
「ルノ殿!!準備は出来たぞ!!」
「後は任せます!!」
「お願いします!!」
「後は頼んだぞ」
「ちっ……頑張れよ!!」
吸魔石の入った小袋が大量に手渡され、ルノはガトリングを受け取ると、土竜の操作を停止する。その直後、地上の岩人形が土竜の足に集まり、巨体を転倒させるために持ち上げようとする。
『ゴォオオオオッ!!』
「うわっ!?ちょ、これは洒落になりませんよっ!!」
「これほどの巨体を持ち上げようというのか!?」
「呆けている場合か!!俺達も非難するぞ!!」
「後は任せてください」
ルノは吸魔石を受け取り、ガトリングを抱えると、リーリス達が非難するのを確認して小袋を握りしめる。まずは土竜を持ち上げようとする岩人形をどうにかするため、最初に右脚に張り付いた岩人形の群れに向けてルノは吸魔石の小袋を投擲した。
「おりゃっ!!」
『ゴロォッ……!?』
右脚に集まっていた岩人形の足元に小袋から零れ落ちた吸魔石が地面に転がり込み、それを確認した岩人形は戸惑う。その隙にルノはガトリングを構え、魔力弾を連射した。
「喰らえっ!!」
『ゴォオオオオッ!?』
ガトリングから放たれる無数の魔力弾が地上に向けて撃ち込まれ、弾丸が的中した箇所が氷結化し、複数の岩人形を撃ち抜く。しかし、リーリスが使用していたマジックガンと異なり、ルノの撃ち込んだ魔力弾の威力は劣り、数発は撃ち込まないと完全には氷結化しない。
「当たれぇええっ!!」
それでもルノは弾丸を撃ち続け、事前に地上に向けて投げ込んだ吸魔石に的中した瞬間、まるで地雷のように広範囲に冷気の塊が拡散した。
『ゴガァアアッ――!?』
吸魔石が一つ破壊されただけで10メートル圏内に存在した岩人形に冷気の衝撃波が放たれ、岩人形の肉体が氷結化する。さらに喜ばしい事に土竜の足元が凍り付いた事で地面に固定され、バランスが保たれる。それを確認したルノは次々と別の足にも吸魔石の小袋を投げ込み、ガトリングで撃ち抜く。
「このっ!!」
『ゴガァッ!?』
『ゴロロッ!?』
『ゴォオッ!?』
次々と土竜の四つの脚を吸魔石とガトリングによって氷結化させて固定化し、続いて背中側に張り付いていた岩人形を撃ち抜く。
「このぉおおっ!!」
「ゴロォッ!?」
「ゴガァアッ!?」
「ゴロロロッ!?」
ガトリングから発射される弾丸が背中の水大砲を破壊していた岩人形を撃ち抜くが、流石に数が多く、既に数千体は死亡しているはずなのだが、一向に数が減らない。
「ああ、もう!!これじゃあ、埒が明かない!!」
遂にはガトリングを撃ち込みながらルノは足元に存在する残された小袋に視線を向け、ある方法を思いつく。既にリーリス達は避難させており、ルノは小袋から吸魔石を取り出すと力を込めて握りしめた。
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