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帝都防衛編
行動開始!!
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――会議から数時間後、ルノが作り出した氷車に四天王と先帝、更には大量の兵士が乗り込み、土竜の討伐を果たした白原へと赴く。数日間で築き上げた要塞は土竜との戦闘で見るも無残に破壊されてしまったが、それでも一部の防壁は健在だったため、後に補修工事が行われて現在は土竜の死骸を防護するように設置されている。
「おおっ……本当にあの時のままだ」
「あまりに重すぎて運び出す事も出来ませんからね。まだ大部分が残っているでしょう?」
上空にてルノは防壁内部に佇んでいる土竜の死骸を確認し、息絶えながらも圧倒的な威圧感を放つ土竜の死骸の前には数多くの人間の姿が存在した。
「あの人たちは?帝国の兵士……という訳でもなさそうだけど」
「あれは観光客じゃな。竜種の死骸など、滅多に見られんからのう。わざわざ拝見するために訪れる人間も多いのだ」
「あそこに着地しましょう。ほら、兵士の人達も気付いて慌てて出迎えようとしていますよ」
上空から飛来した氷塊の車両日常に存在した兵士達が慌てて気付き、観光客を押しのけて氷車が着地する場所に赴く。氷車から先帝が姿を現すと、兵士の隊長らしき男が駆けつける。
「こ、これは先帝!!どうして急に……」
「良い、今は話している暇も惜しいのじゃ」
「えっ!?先帝!?もしかして先代皇帝様じゃないの!?」
「嘘っ!?どうしてこんな所に!?」
「止めろっ!!その方に不用意に近づくなっ!!下がっていろ!!」
観光客の多くが兵士の「先帝」という言葉を聞いて駆けつけ、彼の顔を拝見しようとする。歴代の皇帝の中でもバルトスは人気が高く、彼を慕う民衆も多い。しかし、今は彼等に関わっている暇はなく、ダンテが大声を上げて観光客を追い返そうとした。
「悪いが今からここは帝国兵が仕切る!!観光は終わりだ!!とっとと帰れ!!」
「はあっ!?何だよ急に……」
「こっちは遠い所からわざわざ来たんだぞ!!」
「そうだ!!そんな横暴がまかり通るのか!!」
「ちっ……面倒くさい。蹴散らすか?」
「止めんかっ……すまんのう皆の衆、だが、今からここでは危険な作業が始まる。だから頼むから今日のところは帰って貰えんか?」
ダンテの言葉に観光客は反発するが、そんな彼を抑えてギリョウが話しかけると、彼等は顔を見合わせる。そんな彼等にドリアが事情を説明する。
「今から土竜の死骸の1体の解体作業を行います!!これは帝国の存亡の危機に関わる重要な仕事なのです!!どうかお引き取り下さい!!」
「存亡の危機?」
「どういう事だよ……」
「はいは~い。皆さん注目!!」
ドリアの言葉を聞いても観光客は困惑するだけだが、そんな彼等にリーリスは手を叩いて注目を集め、彼女はルノを指さす。
「この方をご存知ですか?あの泣く子も黙る最強の初級魔術師のルノさんですよ~」
「えっ?」
「ルノ!?ルノってあの有名な……」
「龍殺し!!あの龍殺しの英雄なのか!?」
「意外と可愛い顔してるのね……お姉さんの好みだわ」
「おい、あんたどう見てもおっさんだろ……」
名前を急に呼ばれたルノは戸惑うが、観光客の注目は彼に移り、帝国の英雄を間近にして緊張が走る。そんな彼等を見ながらリーリスはルノに囁く。
「ほら、ルノさん。こういう時こそ貴方の出番ですよ」
「出番って……どうすればいいの?握手でもすればいいの?」
「アイドルのサイン会じゃないんですからそんな事しなくていいですよ。この人達は竜種の死骸を見に来たんですよ。だったらルノさんのあれを見せればきっと注意がそっちに引きます」
「あ~……そういう事ね」
リーリスの言いたいことを理解したルノは先帝と顔を合わせ、彼が頷くのを確認すると民衆に声を掛ける。
「えっと……それじゃあ、観光に訪れた皆さんのために俺が面白い物を作り出します。なので外に移動してくれませんか?」
「面白い物?」
「もしかして魔法か!?」
「龍殺しの英雄は様々な魔法を生み出すと聞いた事はあるが……この目で見れるのか!?」
「でも、外に出たら魔物に襲われないのかしら?」
「その点はここにいる兵士の人達が護衛を行うので安心して下さい!!」
防壁の外に出るというルノの言葉に観光客は不安を抱くが、すぐにリーリスが要塞に残っていた兵士を指差す。唐突に指差された兵士達は戸惑うが、先帝が彼女の言葉を承諾するように命令を下す。
「うむ。この者達が君たちの身を守ることを約束しよう!!ほれ、ここは儂等に任せてお主たちは彼等の護衛を頼んだぞ」
「は、はあっ……分かりました」
「じゃあ、こっちに付いてきて下さい」
「おお、まさか英雄の魔法が見れる機会が訪れるなんて……」
「お、俺……握手して貰おうかな?」
ルノの先導のもと、観光客は帝国兵の護衛されて防壁の外へと移動を行う。彼等の目に叶う物を見せられるのか不安を抱きながらもルノは十分に要塞から距離を離れるのを確認すると、両手を重ね合わせて魔法の準備を行う。
「おおっ……本当にあの時のままだ」
「あまりに重すぎて運び出す事も出来ませんからね。まだ大部分が残っているでしょう?」
上空にてルノは防壁内部に佇んでいる土竜の死骸を確認し、息絶えながらも圧倒的な威圧感を放つ土竜の死骸の前には数多くの人間の姿が存在した。
「あの人たちは?帝国の兵士……という訳でもなさそうだけど」
「あれは観光客じゃな。竜種の死骸など、滅多に見られんからのう。わざわざ拝見するために訪れる人間も多いのだ」
「あそこに着地しましょう。ほら、兵士の人達も気付いて慌てて出迎えようとしていますよ」
上空から飛来した氷塊の車両日常に存在した兵士達が慌てて気付き、観光客を押しのけて氷車が着地する場所に赴く。氷車から先帝が姿を現すと、兵士の隊長らしき男が駆けつける。
「こ、これは先帝!!どうして急に……」
「良い、今は話している暇も惜しいのじゃ」
「えっ!?先帝!?もしかして先代皇帝様じゃないの!?」
「嘘っ!?どうしてこんな所に!?」
「止めろっ!!その方に不用意に近づくなっ!!下がっていろ!!」
観光客の多くが兵士の「先帝」という言葉を聞いて駆けつけ、彼の顔を拝見しようとする。歴代の皇帝の中でもバルトスは人気が高く、彼を慕う民衆も多い。しかし、今は彼等に関わっている暇はなく、ダンテが大声を上げて観光客を追い返そうとした。
「悪いが今からここは帝国兵が仕切る!!観光は終わりだ!!とっとと帰れ!!」
「はあっ!?何だよ急に……」
「こっちは遠い所からわざわざ来たんだぞ!!」
「そうだ!!そんな横暴がまかり通るのか!!」
「ちっ……面倒くさい。蹴散らすか?」
「止めんかっ……すまんのう皆の衆、だが、今からここでは危険な作業が始まる。だから頼むから今日のところは帰って貰えんか?」
ダンテの言葉に観光客は反発するが、そんな彼を抑えてギリョウが話しかけると、彼等は顔を見合わせる。そんな彼等にドリアが事情を説明する。
「今から土竜の死骸の1体の解体作業を行います!!これは帝国の存亡の危機に関わる重要な仕事なのです!!どうかお引き取り下さい!!」
「存亡の危機?」
「どういう事だよ……」
「はいは~い。皆さん注目!!」
ドリアの言葉を聞いても観光客は困惑するだけだが、そんな彼等にリーリスは手を叩いて注目を集め、彼女はルノを指さす。
「この方をご存知ですか?あの泣く子も黙る最強の初級魔術師のルノさんですよ~」
「えっ?」
「ルノ!?ルノってあの有名な……」
「龍殺し!!あの龍殺しの英雄なのか!?」
「意外と可愛い顔してるのね……お姉さんの好みだわ」
「おい、あんたどう見てもおっさんだろ……」
名前を急に呼ばれたルノは戸惑うが、観光客の注目は彼に移り、帝国の英雄を間近にして緊張が走る。そんな彼等を見ながらリーリスはルノに囁く。
「ほら、ルノさん。こういう時こそ貴方の出番ですよ」
「出番って……どうすればいいの?握手でもすればいいの?」
「アイドルのサイン会じゃないんですからそんな事しなくていいですよ。この人達は竜種の死骸を見に来たんですよ。だったらルノさんのあれを見せればきっと注意がそっちに引きます」
「あ~……そういう事ね」
リーリスの言いたいことを理解したルノは先帝と顔を合わせ、彼が頷くのを確認すると民衆に声を掛ける。
「えっと……それじゃあ、観光に訪れた皆さんのために俺が面白い物を作り出します。なので外に移動してくれませんか?」
「面白い物?」
「もしかして魔法か!?」
「龍殺しの英雄は様々な魔法を生み出すと聞いた事はあるが……この目で見れるのか!?」
「でも、外に出たら魔物に襲われないのかしら?」
「その点はここにいる兵士の人達が護衛を行うので安心して下さい!!」
防壁の外に出るというルノの言葉に観光客は不安を抱くが、すぐにリーリスが要塞に残っていた兵士を指差す。唐突に指差された兵士達は戸惑うが、先帝が彼女の言葉を承諾するように命令を下す。
「うむ。この者達が君たちの身を守ることを約束しよう!!ほれ、ここは儂等に任せてお主たちは彼等の護衛を頼んだぞ」
「は、はあっ……分かりました」
「じゃあ、こっちに付いてきて下さい」
「おお、まさか英雄の魔法が見れる機会が訪れるなんて……」
「お、俺……握手して貰おうかな?」
ルノの先導のもと、観光客は帝国兵の護衛されて防壁の外へと移動を行う。彼等の目に叶う物を見せられるのか不安を抱きながらもルノは十分に要塞から距離を離れるのを確認すると、両手を重ね合わせて魔法の準備を行う。
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