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帝都防衛編
水属性の吸魔石
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――時刻は夕方を迎え、ルノは5つの水晶製のケースを壁に並べ終える。1つのケースに収納できる吸魔石の数は100個のため、ルノは今日1日で500個の吸魔石に魔力を注ぎ込んだ事になる。
「ふうっ……流石に疲れたな」
「ルノさ~ん。夕食の時間で……うわっ!?何ですかこれ!?」
「あ、リーリス」
ノックも無しに扉が開かれ、食事の時間を知らせに来たリーリスは壁に立て並べられているケースを見て驚愕する。彼女は慌ててケースの中身を確認し、既に吸魔石に水属性の魔力が注ぎ込まれている事を確認して驚く。
「ちょ、どんだけ頑張ったんですか!?もうこんなに魔力を注ぎ込んだんですか?」
「頑張ったよ」
「頑張ったって……ほんの数時間でよくもまあ、ここまで作り出しましたね」
呆れを通り越して感心した様子でリーリスは吸魔石を手に取り、貯蔵されている魔力を感じ取る。帝国の中でも指折りの魔術師であるドリアでさえも1日で作り出させる吸魔石は7、8個程度に対し、ルノはその70倍近くの数の吸魔石を生み出した事になる。
「全く、ルノさんには驚かされますね……でも、これだけの量の吸魔石に魔力を注ぎ込むなんて無理したんじゃないですか?」
「そうでもないよ。この調子ならもっと作れると思う」
「もう十分ですよ。あんまり根を詰めると後で大変な事になりますよ」
ルノの身を案じるようにリーリスは吸魔石が箱詰めされた木箱の蓋を閉じると、彼の背中を押して部屋から出そうとする。このまま残すと作業を再開しかねず、無理やりにでも身体を休ませようとする。
「ほら、豪勢な食事が待ってますよ。私達というかルノさんが戻ってくることを見越して料理長が腕によりをかけて古今東西の食事を用意してくれたんですから」
「なんか悪い気がするな。毎回城に訪れる度に御馳走になっちゃてるし」
「そんな事を気にしなくていいんですよ。ルノさんがいなければ今の帝国もどうなっていたか分からないんですから」
勇者召喚が行われてから既に半年以上が経過しているが、その間に帝国は何度もルノに危機を救われている。デキン大臣の裏切りを暴き、エルフ王国との会談を成功させ、先では同盟国の日の国の問題も解決した。間違いなくルノは「英雄」に相応しい功績を持っている。しかし、当の本人はその自覚は薄い。
「ほら、ルノさんが来ないと皆さんも遠慮して食べないんですから行きますよ」
「分かったよ。あ、そういえば……この国の王女様はどうしてる?」
「王女様?」
ルノは城から追い出されそうになった時、自分を助けてくれた王女の事を思い出す。デキンから城から追い出されそうになったとき、彼を引き留め、庇い立てしてくれた彼女の事を思い出す。今更ながらにあの時の礼も告げていないことを思い出し、彼女が今どうしているのかを尋ねる。
「そういえば王女様の病気は大丈夫なの?全然噂とか聞かないけど……」
「あ~……王女様ですか、その事についてはちょっと言いにくいんですが……」
リーリスは周囲の様子を伺い、誰も存在しないことを確認すると、ルノを壁際に移動させて小声で話しかける。人目を気にするように話しかけるリーリスにルノは不思議に思うが、彼女の話によると現在の王女は非常に不味い状態に陥っているらしい。
「王女様は今現在は体調を悪化して伏せっています。だから医療魔導士以外の人間が王女様の部屋に立ち寄る事も許されていません」
「えっ!?」
「最もこういう事は昔からよくありました。体調がいい時は普通に出歩く事も出来ますが、悪い時はベッドの上から動くことも出来ません。それほどに王女様の病気は重いんです」
「そんな……薬で治せないの?」
「この世界の回復薬は怪我の類には絶大な効果を発揮しますが、病気の類には殆ど効果がありません」
「リーリスでも治せないの?」
「治療法はもう判明しているんです。だけど、その方法が少し問題がありまして……王女様が患っている病気は「呪魔病」と呼ばれています」
「呪魔病?」
名前の響きからこの世界特有の病気である事は分かるが、これまでに聞いた事のない病名にルノは問い返すと、リーリスは簡単に説明する。
「分かりやすく言えば魔力を異常に消費する病気です。普通の場合、魔力と言うのは時間経過によって回復します。特に眠る事で回復速度は上昇します。ルノさんも魔力を使い切った後でも一晩寝れば元に回復している事もあったでしょう?」
「ああ、そういえば……最初の頃はそうだったかな」
「ですが王女様の場合は逆なんです。魔力が回復する事はなく、一定の間隔で消耗し続けています。だから王女様は毎日魔力回復薬を飲み続けなければ生きられないんです」
「そんな……あ、でも魔力を回復させるスキルもあるでしょ?」
ルノは自分が覚えたばかりの「魔力回復速度上昇」を思い出し、それらのスキルを身に付ければ王女の病気もなんとかなるのではないかと考えたが、リーリスは首を振った。
※普通に投稿ミスりました。これも邪神のせいか(ノД`)・゜・。
「ふうっ……流石に疲れたな」
「ルノさ~ん。夕食の時間で……うわっ!?何ですかこれ!?」
「あ、リーリス」
ノックも無しに扉が開かれ、食事の時間を知らせに来たリーリスは壁に立て並べられているケースを見て驚愕する。彼女は慌ててケースの中身を確認し、既に吸魔石に水属性の魔力が注ぎ込まれている事を確認して驚く。
「ちょ、どんだけ頑張ったんですか!?もうこんなに魔力を注ぎ込んだんですか?」
「頑張ったよ」
「頑張ったって……ほんの数時間でよくもまあ、ここまで作り出しましたね」
呆れを通り越して感心した様子でリーリスは吸魔石を手に取り、貯蔵されている魔力を感じ取る。帝国の中でも指折りの魔術師であるドリアでさえも1日で作り出させる吸魔石は7、8個程度に対し、ルノはその70倍近くの数の吸魔石を生み出した事になる。
「全く、ルノさんには驚かされますね……でも、これだけの量の吸魔石に魔力を注ぎ込むなんて無理したんじゃないですか?」
「そうでもないよ。この調子ならもっと作れると思う」
「もう十分ですよ。あんまり根を詰めると後で大変な事になりますよ」
ルノの身を案じるようにリーリスは吸魔石が箱詰めされた木箱の蓋を閉じると、彼の背中を押して部屋から出そうとする。このまま残すと作業を再開しかねず、無理やりにでも身体を休ませようとする。
「ほら、豪勢な食事が待ってますよ。私達というかルノさんが戻ってくることを見越して料理長が腕によりをかけて古今東西の食事を用意してくれたんですから」
「なんか悪い気がするな。毎回城に訪れる度に御馳走になっちゃてるし」
「そんな事を気にしなくていいんですよ。ルノさんがいなければ今の帝国もどうなっていたか分からないんですから」
勇者召喚が行われてから既に半年以上が経過しているが、その間に帝国は何度もルノに危機を救われている。デキン大臣の裏切りを暴き、エルフ王国との会談を成功させ、先では同盟国の日の国の問題も解決した。間違いなくルノは「英雄」に相応しい功績を持っている。しかし、当の本人はその自覚は薄い。
「ほら、ルノさんが来ないと皆さんも遠慮して食べないんですから行きますよ」
「分かったよ。あ、そういえば……この国の王女様はどうしてる?」
「王女様?」
ルノは城から追い出されそうになった時、自分を助けてくれた王女の事を思い出す。デキンから城から追い出されそうになったとき、彼を引き留め、庇い立てしてくれた彼女の事を思い出す。今更ながらにあの時の礼も告げていないことを思い出し、彼女が今どうしているのかを尋ねる。
「そういえば王女様の病気は大丈夫なの?全然噂とか聞かないけど……」
「あ~……王女様ですか、その事についてはちょっと言いにくいんですが……」
リーリスは周囲の様子を伺い、誰も存在しないことを確認すると、ルノを壁際に移動させて小声で話しかける。人目を気にするように話しかけるリーリスにルノは不思議に思うが、彼女の話によると現在の王女は非常に不味い状態に陥っているらしい。
「王女様は今現在は体調を悪化して伏せっています。だから医療魔導士以外の人間が王女様の部屋に立ち寄る事も許されていません」
「えっ!?」
「最もこういう事は昔からよくありました。体調がいい時は普通に出歩く事も出来ますが、悪い時はベッドの上から動くことも出来ません。それほどに王女様の病気は重いんです」
「そんな……薬で治せないの?」
「この世界の回復薬は怪我の類には絶大な効果を発揮しますが、病気の類には殆ど効果がありません」
「リーリスでも治せないの?」
「治療法はもう判明しているんです。だけど、その方法が少し問題がありまして……王女様が患っている病気は「呪魔病」と呼ばれています」
「呪魔病?」
名前の響きからこの世界特有の病気である事は分かるが、これまでに聞いた事のない病名にルノは問い返すと、リーリスは簡単に説明する。
「分かりやすく言えば魔力を異常に消費する病気です。普通の場合、魔力と言うのは時間経過によって回復します。特に眠る事で回復速度は上昇します。ルノさんも魔力を使い切った後でも一晩寝れば元に回復している事もあったでしょう?」
「ああ、そういえば……最初の頃はそうだったかな」
「ですが王女様の場合は逆なんです。魔力が回復する事はなく、一定の間隔で消耗し続けています。だから王女様は毎日魔力回復薬を飲み続けなければ生きられないんです」
「そんな……あ、でも魔力を回復させるスキルもあるでしょ?」
ルノは自分が覚えたばかりの「魔力回復速度上昇」を思い出し、それらのスキルを身に付ければ王女の病気もなんとかなるのではないかと考えたが、リーリスは首を振った。
※普通に投稿ミスりました。これも邪神のせいか(ノД`)・゜・。
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