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冒険者編
聞き込み調査
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「まあ、ソウシさんが殺人鬼だろうと協力してくれるならどうでもいいです」
「いいの?」
「人の事を殺人鬼呼ばわりは止めてくれませんかね。まあ、御二人の邪魔にはならないようにしますよ」
「心配……だけど、私は一緒には行けない」
「え、そうなんですか?」
「今回調査は青空組の総隊長から呼び出されている。日の国はあくまでも青空組の管轄だから、日影が動くには彼の許可を得ないといけない。説得できるまでは私は調査には参加できない」
「こんな時ぐらいいがみ合うのは止めればいいのに……」
「色々とあるんですよ。組織というのは複雑なんです」
ヒカゲは事件の調査には参加できず、代わりにこれからは青空組のソウシが行動を共にする事になる。しかし、彼はヒカゲと違って事件の調査には非協力的であり、あまり頼りには出来ない。
「しょうがないですね。それならヒカゲさんとはここでお別れですね」
「すぐに戻ってくる。二人とも気を付けて」
「まあ、御二人の身は俺が守りますよ。仕事ですから」
ソウシは眠たそうに欠伸を行いながら告げると、その彼の態度にヒカゲは眉を顰めるが、彼の同行を認めなければルノ達も捜査には参加できない。色々と心配ではあるがヒカゲはルノ達と別れる。
「それじゃあ、早速出発しましょうか。昨日のうちに地図も用意してますから迷う心配はありませんよ」
「何処から行くの?」
「まずはクロガネさんに刀の依頼を頼んだ人達から聞き込みを行います」
「そんな事が分かるんですか?」
リーリスの言葉にソウシが感心した表情を浮かべ、捜査情報を知らされていないのかソウシはクロガネの日記の存在を知らないようだった。これからルノ達はリーリスが日記の中で不審な点を感じた依頼人からクロガネの聞き込み調査を行い、犯人に繋がる手掛かりを探す事を一応は彼にも伝えなければならない。
「後で尋ねられても面倒なのでここで答えますけど、私達はクロガネさんが所有していた日記を持っていました。その日記には彼が今まで依頼を受けた人物たちの詳細が描かれています。その中には魔王軍に関わる存在も居ました」
「まおうぐん?」
「日の国では知られていないかも知れませんが、帝国の各領地で問題を起こす悪の組織です。私達は今回の事件の犯人が魔王軍である事を疑っているんですよ」
「どうしてですか?別に殺人事件なんてこの国ではそれほど珍しくもないですよ」
「魔王軍の特徴として彼等は髑髏の紋章を刻まれた魔道具を所持しているんです。そしてクロガネさんが製作した道具の中にこれまで帝国が確保した魔王軍の幹部の魔道具に刻まれていた髑髏が発見されました。つまり彼は魔王軍の関係者に利用されていたんですよ」
「なるほど、だけどそれならクロガネの旦那が魔王軍だとは考えるのが普通じゃないんですか?」
「日記を見た限りではクロガネさんは利用されていたようです。それに仮にクロガネさんが魔王軍の関係者だとしたら、彼を殺した相手も魔王軍である可能性が高いです」
「全部憶測で可能性の域は出てないわけですか……まあ、御二人が調査に参加したい理由が分かりました」
今回の事件の犯人が魔王軍の関係者であるという断定できる証拠はないのは事実だが、クロガネが生前に魔王軍と深く関わっていたのは間違いなく、実際に彼の日記にはリディアやダマランと思われる人物も描かれている。クロガネの殺人事件が判明すれば魔王軍に繋がる手掛かりを掴める可能性もある。
「そういえばクロガネさんの屋敷は青空組も捜索したんですよね。どうでしたか成果は?」
「さあ?俺は何も聞いてませんね。あ、惚けているわけじゃないですよ。本当に何も聞かされてませんから」
「その言葉を私達に信じろと?」
「別に信じようと信じまいと俺にはどうでもいい話ですからね」
ソウシの言葉にリーリスは訝しむが、捜査をする以上は彼の同行は必須であり、仕方なく追及を辞めて聞き込みに専念する。最初に彼女が聞き込みの対象に選んだのは1年ほど前にクロガネに刀を打ってもらった人間であり、名前は「信也」という男性だった。
「まずは信也さんとう方から話を伺いましょう。この人は剣の道場を開いている有名な武芸者さんですよ」
「道場?」
「その名前は俺も聞いた事がありますよ。確か、旋風剣という胡散臭い剣法を広めている男の事ですね」
「せんぷうけん……ちょっと格好良さそう」
「何処がですか」
リーリスが聞き込みを行う事を決めた最初の人物は道場を開いている信也という人物であり、どうして彼を選んだのかというと、クロガネと関りがあり、青空組に所属していない人物でありながら彼から「日本刀」の製作を依頼している人物である。
「この人は道場を開いてはいますが、帯刀は許されていません。だけど、クロガネさんは何故かこの人に刀の製作を依頼されています」
「帯刀を許されていない?そんな人がどうして……」
「へえ……面白そうな話じゃないっすか」
帯刀を許されていない人間が刀の製作を依頼していたという話にソウシは反応し、人斬りは好まないと言いながら楽しそうに腰の刀の柄に手を伸ばす。
※アイリス「連続投稿を止める?御冗談を……(=゚ω゚)ノコウカイボタン」
カタナヅキ「あ、また勝手に!?( ゚Д゚)コラァッ」
本当は余分に書いてしまったので2話目を投稿しました。
「いいの?」
「人の事を殺人鬼呼ばわりは止めてくれませんかね。まあ、御二人の邪魔にはならないようにしますよ」
「心配……だけど、私は一緒には行けない」
「え、そうなんですか?」
「今回調査は青空組の総隊長から呼び出されている。日の国はあくまでも青空組の管轄だから、日影が動くには彼の許可を得ないといけない。説得できるまでは私は調査には参加できない」
「こんな時ぐらいいがみ合うのは止めればいいのに……」
「色々とあるんですよ。組織というのは複雑なんです」
ヒカゲは事件の調査には参加できず、代わりにこれからは青空組のソウシが行動を共にする事になる。しかし、彼はヒカゲと違って事件の調査には非協力的であり、あまり頼りには出来ない。
「しょうがないですね。それならヒカゲさんとはここでお別れですね」
「すぐに戻ってくる。二人とも気を付けて」
「まあ、御二人の身は俺が守りますよ。仕事ですから」
ソウシは眠たそうに欠伸を行いながら告げると、その彼の態度にヒカゲは眉を顰めるが、彼の同行を認めなければルノ達も捜査には参加できない。色々と心配ではあるがヒカゲはルノ達と別れる。
「それじゃあ、早速出発しましょうか。昨日のうちに地図も用意してますから迷う心配はありませんよ」
「何処から行くの?」
「まずはクロガネさんに刀の依頼を頼んだ人達から聞き込みを行います」
「そんな事が分かるんですか?」
リーリスの言葉にソウシが感心した表情を浮かべ、捜査情報を知らされていないのかソウシはクロガネの日記の存在を知らないようだった。これからルノ達はリーリスが日記の中で不審な点を感じた依頼人からクロガネの聞き込み調査を行い、犯人に繋がる手掛かりを探す事を一応は彼にも伝えなければならない。
「後で尋ねられても面倒なのでここで答えますけど、私達はクロガネさんが所有していた日記を持っていました。その日記には彼が今まで依頼を受けた人物たちの詳細が描かれています。その中には魔王軍に関わる存在も居ました」
「まおうぐん?」
「日の国では知られていないかも知れませんが、帝国の各領地で問題を起こす悪の組織です。私達は今回の事件の犯人が魔王軍である事を疑っているんですよ」
「どうしてですか?別に殺人事件なんてこの国ではそれほど珍しくもないですよ」
「魔王軍の特徴として彼等は髑髏の紋章を刻まれた魔道具を所持しているんです。そしてクロガネさんが製作した道具の中にこれまで帝国が確保した魔王軍の幹部の魔道具に刻まれていた髑髏が発見されました。つまり彼は魔王軍の関係者に利用されていたんですよ」
「なるほど、だけどそれならクロガネの旦那が魔王軍だとは考えるのが普通じゃないんですか?」
「日記を見た限りではクロガネさんは利用されていたようです。それに仮にクロガネさんが魔王軍の関係者だとしたら、彼を殺した相手も魔王軍である可能性が高いです」
「全部憶測で可能性の域は出てないわけですか……まあ、御二人が調査に参加したい理由が分かりました」
今回の事件の犯人が魔王軍の関係者であるという断定できる証拠はないのは事実だが、クロガネが生前に魔王軍と深く関わっていたのは間違いなく、実際に彼の日記にはリディアやダマランと思われる人物も描かれている。クロガネの殺人事件が判明すれば魔王軍に繋がる手掛かりを掴める可能性もある。
「そういえばクロガネさんの屋敷は青空組も捜索したんですよね。どうでしたか成果は?」
「さあ?俺は何も聞いてませんね。あ、惚けているわけじゃないですよ。本当に何も聞かされてませんから」
「その言葉を私達に信じろと?」
「別に信じようと信じまいと俺にはどうでもいい話ですからね」
ソウシの言葉にリーリスは訝しむが、捜査をする以上は彼の同行は必須であり、仕方なく追及を辞めて聞き込みに専念する。最初に彼女が聞き込みの対象に選んだのは1年ほど前にクロガネに刀を打ってもらった人間であり、名前は「信也」という男性だった。
「まずは信也さんとう方から話を伺いましょう。この人は剣の道場を開いている有名な武芸者さんですよ」
「道場?」
「その名前は俺も聞いた事がありますよ。確か、旋風剣という胡散臭い剣法を広めている男の事ですね」
「せんぷうけん……ちょっと格好良さそう」
「何処がですか」
リーリスが聞き込みを行う事を決めた最初の人物は道場を開いている信也という人物であり、どうして彼を選んだのかというと、クロガネと関りがあり、青空組に所属していない人物でありながら彼から「日本刀」の製作を依頼している人物である。
「この人は道場を開いてはいますが、帯刀は許されていません。だけど、クロガネさんは何故かこの人に刀の製作を依頼されています」
「帯刀を許されていない?そんな人がどうして……」
「へえ……面白そうな話じゃないっすか」
帯刀を許されていない人間が刀の製作を依頼していたという話にソウシは反応し、人斬りは好まないと言いながら楽しそうに腰の刀の柄に手を伸ばす。
※アイリス「連続投稿を止める?御冗談を……(=゚ω゚)ノコウカイボタン」
カタナヅキ「あ、また勝手に!?( ゚Д゚)コラァッ」
本当は余分に書いてしまったので2話目を投稿しました。
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