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冒険者編
洞窟の異変
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「こいつをよく見てろよ。行くぞ……ふんっ!!」
「ちょっと!?」
ガジは大きな鉄槌を振り翳し、岩壁から突出している魔水晶に向けて叩き込む。その光景にリーリスが驚いた声を上げるが、鉄槌が衝突した瞬間に轟音が響き渡り、ルノは咄嗟に耳を抑える。ガジも腕が痺れたのか眉を顰め、そして罅割れ処か壁から引き剥がす事も出来なかった魔水晶を指さす。
「見ての通り、こいつは良質な魔水晶なんだが俺の力でも破壊できねえ。持ち帰って魔剣の素材にでもしようかと思っているだが、俺だけだとお手上げなんだよ」
「いや、それなら最初から説明してくださいよ。耳がキーンってなりましたよ!!キーン!!」
「ア〇レちゃん?」
リーリスがガジに怒鳴りつけている間、ルノは岩壁に視線を向け、出現している魔水晶を掴む。すると魔水晶が光り輝き、慌てて彼は手を離すと輝きが収まる。
「ねえ、魔水晶って人が触れると光る物なの?」
「え?いや、別にそんな事はありませんけど……あれ、本当に光りますね」
「なに?俺が触っても光らねえぞっ!?」
ルノの質問にリーリスも魔水晶に触れると僅かに光り輝き、それを見たガジが驚いた声を上げて自分も触れるが、彼の場合は特に反応はない。その反応からリーリスはある仮説を立てる。
「これは……もしかして私達の魔力に反応しているかもしれません。直接触れる事で私達の魔力に刺激されて輝いているとか……」
「じゃあ、俺が触っても反応しないのはどういうわけだ?」
「単純に魔力が低すぎるからじゃないですかね。私とルノさんは魔術師の職業である事も関わっているかもしれません」
「へえ~……不思議だね」
普通の魔水晶からはあり得ない反応を示す洞窟の魔水晶に3人は疑問を抱くが、その前にルノは今回の依頼人であるガジから依頼内容の詳細を問い質す。
「あの……ところで今回の依頼は何でしょうか?」
「え、ああっ……俺の依頼はこの魔水晶の回収をあんたに手伝ってほしいんだよ。噂は色々と耳にしているぜ?竜種を相手に戦ったり、エルフ王国の軍隊を追い払ったとか」
「後半は覚えはないです」
「まあ、似たような事は仕出かしましたしね」
ガジの依頼は洞窟に存在する魔水晶の回収を手伝ってほしいらしく、ルノに依頼したという。彼も最初は一人で魔水晶を確保しようと岩壁を掘ったり、魔水晶を砕いて採取しようとしたらしいが、どういう事なのかS級冒険者の彼の力でさえも現在に至るまでこの洞窟に存在する魔水晶をひと欠片も入手出来ていないという。
「この洞窟は元々はここまで深くはなかったが、俺がここまで掘り尽くしたんだよ。元々は土属性の魔石を入手しようかと考えていたんだが、偶然にもこの場所にまで到達してこの魔水晶を発見したんだ。だが、どういう事なのかここら辺から急に岩盤が硬くなって俺の力でも掘り起こせねえんだよ」
「それでもここまで一人で洞窟を掘り進んだんですか!?凄いですね……」
「がはははっ!!俺は生まれた時から腕力には誰にも負けたことはねえからな」
豪快な笑い声を上げながらガジは照れ臭そうに髭を撫でるが、そんな彼でもこの魔水晶の回収に苦労しており、そこで最近噂になっているルノを呼び出したらしい。どうして彼を読んだかというと、噂の中にルノが鉱山を破壊しつくして鉱石を回収したという話を聞いたからである。
「あんたが白原で変な建物を建てたという話は聞いているからな。その時に使われていない鉱山に立ち寄って素材を回収する際に暴れまくったという噂を聞いたんだよ。だからあんたならこの硬い岩壁をどうにかできるのかと思ってよ」
「なるほど」
「報酬はこいつを山分けという事でどうだ?もちろん、あんたが6で俺が4でも構わねえぜ。俺は必要な分だけの魔水晶を回収できればそれでいい」
「それはいいですね。ルノさん、私も研究用として持ち帰りたいのでお願いしますよ」
「まあ、そういう事なら……」
ルノは別に魔水晶に興味はないが、依頼として引き受けた以上は依頼人の指示に従い、両手を岩壁に押し付けて「土塊」の魔法で岩壁に埋まっている魔水晶を取り出そうとする。
「土塊……?」
「どうしました?」
「いや、なんか上手く行かない……おかしいな?」
「おいおい、大丈夫か?」
しかし、どういう事なのかルノが土塊の魔法を発動させても岩壁は全く反応せず、魔水晶を掘り起こせなかった。不思議に思った彼は岩壁を叩き、仕方ないので力尽くで回収するため、両手に氷塊の削岩機を作り出す。
「螺旋氷弾!!」
「うおっ!?な、何だそれは!?」
唐突に出現した巨大な「氷のドリル」にガジは動揺した声を上げるが、ルノは気にせずに螺旋氷弾を高速回転させ、岩壁に向けて押し込もうとした時、不意に岩壁に埋もれている魔水晶が光り輝く。まるでルノが作り出した螺旋氷弾から発せられる魔力に反応したように光り輝き、突如として洞窟内に振動が走った。
※お気に入り登録数が1万人突破しましたヾ(@⌒ー⌒@)ノ
まあ、この話を投稿している頃には減っている可能性がありますが……(´ω`)
「ちょっと!?」
ガジは大きな鉄槌を振り翳し、岩壁から突出している魔水晶に向けて叩き込む。その光景にリーリスが驚いた声を上げるが、鉄槌が衝突した瞬間に轟音が響き渡り、ルノは咄嗟に耳を抑える。ガジも腕が痺れたのか眉を顰め、そして罅割れ処か壁から引き剥がす事も出来なかった魔水晶を指さす。
「見ての通り、こいつは良質な魔水晶なんだが俺の力でも破壊できねえ。持ち帰って魔剣の素材にでもしようかと思っているだが、俺だけだとお手上げなんだよ」
「いや、それなら最初から説明してくださいよ。耳がキーンってなりましたよ!!キーン!!」
「ア〇レちゃん?」
リーリスがガジに怒鳴りつけている間、ルノは岩壁に視線を向け、出現している魔水晶を掴む。すると魔水晶が光り輝き、慌てて彼は手を離すと輝きが収まる。
「ねえ、魔水晶って人が触れると光る物なの?」
「え?いや、別にそんな事はありませんけど……あれ、本当に光りますね」
「なに?俺が触っても光らねえぞっ!?」
ルノの質問にリーリスも魔水晶に触れると僅かに光り輝き、それを見たガジが驚いた声を上げて自分も触れるが、彼の場合は特に反応はない。その反応からリーリスはある仮説を立てる。
「これは……もしかして私達の魔力に反応しているかもしれません。直接触れる事で私達の魔力に刺激されて輝いているとか……」
「じゃあ、俺が触っても反応しないのはどういうわけだ?」
「単純に魔力が低すぎるからじゃないですかね。私とルノさんは魔術師の職業である事も関わっているかもしれません」
「へえ~……不思議だね」
普通の魔水晶からはあり得ない反応を示す洞窟の魔水晶に3人は疑問を抱くが、その前にルノは今回の依頼人であるガジから依頼内容の詳細を問い質す。
「あの……ところで今回の依頼は何でしょうか?」
「え、ああっ……俺の依頼はこの魔水晶の回収をあんたに手伝ってほしいんだよ。噂は色々と耳にしているぜ?竜種を相手に戦ったり、エルフ王国の軍隊を追い払ったとか」
「後半は覚えはないです」
「まあ、似たような事は仕出かしましたしね」
ガジの依頼は洞窟に存在する魔水晶の回収を手伝ってほしいらしく、ルノに依頼したという。彼も最初は一人で魔水晶を確保しようと岩壁を掘ったり、魔水晶を砕いて採取しようとしたらしいが、どういう事なのかS級冒険者の彼の力でさえも現在に至るまでこの洞窟に存在する魔水晶をひと欠片も入手出来ていないという。
「この洞窟は元々はここまで深くはなかったが、俺がここまで掘り尽くしたんだよ。元々は土属性の魔石を入手しようかと考えていたんだが、偶然にもこの場所にまで到達してこの魔水晶を発見したんだ。だが、どういう事なのかここら辺から急に岩盤が硬くなって俺の力でも掘り起こせねえんだよ」
「それでもここまで一人で洞窟を掘り進んだんですか!?凄いですね……」
「がはははっ!!俺は生まれた時から腕力には誰にも負けたことはねえからな」
豪快な笑い声を上げながらガジは照れ臭そうに髭を撫でるが、そんな彼でもこの魔水晶の回収に苦労しており、そこで最近噂になっているルノを呼び出したらしい。どうして彼を読んだかというと、噂の中にルノが鉱山を破壊しつくして鉱石を回収したという話を聞いたからである。
「あんたが白原で変な建物を建てたという話は聞いているからな。その時に使われていない鉱山に立ち寄って素材を回収する際に暴れまくったという噂を聞いたんだよ。だからあんたならこの硬い岩壁をどうにかできるのかと思ってよ」
「なるほど」
「報酬はこいつを山分けという事でどうだ?もちろん、あんたが6で俺が4でも構わねえぜ。俺は必要な分だけの魔水晶を回収できればそれでいい」
「それはいいですね。ルノさん、私も研究用として持ち帰りたいのでお願いしますよ」
「まあ、そういう事なら……」
ルノは別に魔水晶に興味はないが、依頼として引き受けた以上は依頼人の指示に従い、両手を岩壁に押し付けて「土塊」の魔法で岩壁に埋まっている魔水晶を取り出そうとする。
「土塊……?」
「どうしました?」
「いや、なんか上手く行かない……おかしいな?」
「おいおい、大丈夫か?」
しかし、どういう事なのかルノが土塊の魔法を発動させても岩壁は全く反応せず、魔水晶を掘り起こせなかった。不思議に思った彼は岩壁を叩き、仕方ないので力尽くで回収するため、両手に氷塊の削岩機を作り出す。
「螺旋氷弾!!」
「うおっ!?な、何だそれは!?」
唐突に出現した巨大な「氷のドリル」にガジは動揺した声を上げるが、ルノは気にせずに螺旋氷弾を高速回転させ、岩壁に向けて押し込もうとした時、不意に岩壁に埋もれている魔水晶が光り輝く。まるでルノが作り出した螺旋氷弾から発せられる魔力に反応したように光り輝き、突如として洞窟内に振動が走った。
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