75 / 215
魔法剣士編
新たなる魔法剣
しおりを挟む
――数時間の時は流れ、レノ達は再び渓谷へと向かい、トレントの根が存在する洞穴に視線を向けた。ここから先はネココと別れ、彼女には一足先にトレントの元へ向かってもらう。
「もうすぐ日が暮れる……太陽が沈み切る前に急ごう」
「ネココ、気を付けて行ってきてね」
「……二人も気を付けて」
レノの言葉にネココは頷き、彼女は木々の枝を飛び移って大樹の方角へと向かう。一方でレノとアルトは再びロープを利用して渓谷の洞穴の中へと潜り込み、松明を掲げて様子を伺う。
この洞穴の奥にトレントの根が生えており、この根を使ってトレントは大地から栄養を吸収し、更にはゴブリン亜種が連れ込んだ魔獣の死骸から養分を吸い上げる。つまり、この根こそがトレントの生命線と言っても過言ではない。
「ここまで戻ってきたか……」
「やはり、こちらから攻撃を仕掛けなければ大人しいな……最初に僕達に襲い掛かったのは根を刺激せしまったからだろう」
天井が伸びる大量の根っこを前にしてレノとアルトは冷や汗を流し、これから自分達が行う行動がどれほど危険な事なのかを嫌でも思い知る。それでも引くわけにはいかず、アルトは指輪を構えるとレノも剣を抜く。
「覚悟はいいかい、レノ君?」
「アルトの方こそ、大丈夫?」
お互いの顔を見て苦笑いを浮かべ、もうすぐ日が暮れる。二人は覚悟を決めると最後に頷き合い、まずはレノは魔法腕輪を装着し、風の魔石の力を引き出して刀身に風の魔力を纏わせる。
「よし、準備はいいよ!!」
「ああ、行くよ!!ファイアボール!!」
刀身に風の魔力が纏うのを確認すると、アルトは指輪を構えて火球を放つ。火属性の魔力で構成された炎の塊がレノの元へと向かい、やがて刀身に触れると風の魔力と火の魔力が混ざり合う。
――昼間の焚火の火を強めるためにレノは息を吹きかけた時、風の力を送り込んで火を強めた事を思い出す。そして魔法には相性が存在し、風属性の魔力は火属性に取り込まれやすい性質を持っている事を思い出した。
レノが剣の刃に纏わせた風の魔力、それに対してアルトは指輪から生み出した火属性の魔力の塊が衝突した瞬間、刀身に炎が燃え広がる。風の魔力を吸収した事で一気に火の魔力が刃を包み込む。
炎の刃と化した剣をレノは振りかざすと、トレントの根に向けて振り払う。その結果、刀身に纏った炎の魔力が三日月状の斬撃へと変化を果たし、炎の刃が根を焼き払う。
「火炎刃!!」
見事に自分の魔力だけではなく、外部から取り込んだ火属性の魔力を利用した新し魔法剣を利用し、洞穴内に存在する根を焼く。火炎の刃によって洞穴の内部に存在した根は次々と燃え盛り、その光景を目にしたレノとアルトは外へ向けて駆け出す。
「よし、逃げよう!!」
「言われずとも!!」
レノとアルトは全力で洞穴の出入口に向けて駆け出し、後ろの方では大量の根が炎に飲み込まれた状態ながらも暴れ狂い、必死に掻き消そうともがく。しかし、元は普通の樹木の樹皮を焦がす程度の火力の炎とはいえ、レノが生み出した魔力と、風の魔石から引き出した魔力を吸収した事で炎は凄まじい火力を誇り、根っこを焼き尽くす。
根が燃え尽きれば地上のトレントも無事では済まず、今頃はなんらかの反応を引き起こしているはずだった。それを確認するためにレノとアルトは急いで洞穴を脱出すると、地上へと帰還する。
「アルト、早く登って!!」
「ああ、分かってる……もしも僕がトレントなら、きっと根を焼かれた時点ですぐに火を消そうとするだろう。そのために最初に行動を移すとしたら、ゴブリン亜種を派遣して火を消そうとするだろう」
ロープを伝ってレノとアルトは地表へと戻ると、すぐに森の奥の方から大量の足音が鳴り響き、すぐさま二人は木陰に身を隠す。案の定というべきか、大樹の方角から大量のゴブリンとゴブリン亜種が駆けつけ、渓谷の方へと飛び込む。
「ギギィッ!!」
「グギィッ!!」
「ギギギギッ!!」
木陰から渓谷の洞穴に向かうゴブリンの大群の様子を観察し、上手く作戦が成功した事をレノとアルトは喜ぶ。しかし、いつまでも喜んでばかりはいられず、今のうちにレノ達は大樹がある方向へ向かわなければならなかった。
「よし、ゴブリン達が離れた今ならウル君達を救えるかもしれない。早く行こう」
「ネココ、無事だと良いんだけど……」
レノもアルトも大樹の方角に向けて走り出し、先に向かったネココを心配する。彼女は大樹に先に潜り込み、先にトレントと対峙しているはずであった――
――同時刻、一足先に辿り着いていたネココはトレントの様子を伺うと、苦しみもがくように大樹全体が震えていた。そして朝方にウル達を捕まえた時のようにトレントの樹皮に人面が浮かび上がり、更には苦しむような声を漏らす。
『ジュラァアアアッ……!?』
「……変な鳴き声」
根を焼き尽くされた事でトレントは苦痛を味わい、徐々に根本の方から煙が上がる。その様子を見てネココは作戦が成功した事を知り、レノとアルトの無事を祈りながらも捕まっている3人の様子を伺う。
蔓に囚われた三人は吊るされた状態のまま動かず、既に意識は失っていると思われた。しかし、まだ毒液は打ち込まれてはいないらしく、特に外見に変化はない。アルトの話によると毒液を撃ち込まれた獲物は急激に痩せ細り、皮膚の色も変色すると聞いていた。
見た限りではウルもコクヨウもナオも怪我をしているが他に異変は見当たらず、無事な様子だった。だが、トレントは3人を吊るしている枝も激しく震わせ、やがて3人を拘束していた蔓も地上へ向けてずり落ちていく。
(まずい!?あの高さから落ちたら、ウルとコクヨウはともかく、ナオは助からない!!)
ウル達が吊るされている枝は地上からかなり離れており、魔獣であるウルとコクヨウならば落ちたとしても生き延びれるかもしれないが、意識を失って怪我をしているナオでは助からない可能性があった。
ナオを吊るしていた蔓がやがて力が完全に抜けた様に解けると、彼女の身体は地上へ向けて落下していく。それを見ていたネココは見ていられず、駆け出そうとするが、とてもナオの元には間に合わなかった。
(もう駄目っ――!?)
ネココが諦めかけた時、彼女は反対方向から巨大な物体が迫りくる光景を確認すると、今まで行方不明だったスラミンがナオが地上に墜落する前に受け止める。
「ぷるる~んっ!!」
「うぐっ……!?」
「スラミン!?」
墜落の寸前にスライムの柔らかな身体がクッションとなり、ナオは衝撃を和らげて助かった。その光景を見てネココは驚くが、スラミンはやり遂げた表情を浮かべる。
「もうすぐ日が暮れる……太陽が沈み切る前に急ごう」
「ネココ、気を付けて行ってきてね」
「……二人も気を付けて」
レノの言葉にネココは頷き、彼女は木々の枝を飛び移って大樹の方角へと向かう。一方でレノとアルトは再びロープを利用して渓谷の洞穴の中へと潜り込み、松明を掲げて様子を伺う。
この洞穴の奥にトレントの根が生えており、この根を使ってトレントは大地から栄養を吸収し、更にはゴブリン亜種が連れ込んだ魔獣の死骸から養分を吸い上げる。つまり、この根こそがトレントの生命線と言っても過言ではない。
「ここまで戻ってきたか……」
「やはり、こちらから攻撃を仕掛けなければ大人しいな……最初に僕達に襲い掛かったのは根を刺激せしまったからだろう」
天井が伸びる大量の根っこを前にしてレノとアルトは冷や汗を流し、これから自分達が行う行動がどれほど危険な事なのかを嫌でも思い知る。それでも引くわけにはいかず、アルトは指輪を構えるとレノも剣を抜く。
「覚悟はいいかい、レノ君?」
「アルトの方こそ、大丈夫?」
お互いの顔を見て苦笑いを浮かべ、もうすぐ日が暮れる。二人は覚悟を決めると最後に頷き合い、まずはレノは魔法腕輪を装着し、風の魔石の力を引き出して刀身に風の魔力を纏わせる。
「よし、準備はいいよ!!」
「ああ、行くよ!!ファイアボール!!」
刀身に風の魔力が纏うのを確認すると、アルトは指輪を構えて火球を放つ。火属性の魔力で構成された炎の塊がレノの元へと向かい、やがて刀身に触れると風の魔力と火の魔力が混ざり合う。
――昼間の焚火の火を強めるためにレノは息を吹きかけた時、風の力を送り込んで火を強めた事を思い出す。そして魔法には相性が存在し、風属性の魔力は火属性に取り込まれやすい性質を持っている事を思い出した。
レノが剣の刃に纏わせた風の魔力、それに対してアルトは指輪から生み出した火属性の魔力の塊が衝突した瞬間、刀身に炎が燃え広がる。風の魔力を吸収した事で一気に火の魔力が刃を包み込む。
炎の刃と化した剣をレノは振りかざすと、トレントの根に向けて振り払う。その結果、刀身に纏った炎の魔力が三日月状の斬撃へと変化を果たし、炎の刃が根を焼き払う。
「火炎刃!!」
見事に自分の魔力だけではなく、外部から取り込んだ火属性の魔力を利用した新し魔法剣を利用し、洞穴内に存在する根を焼く。火炎の刃によって洞穴の内部に存在した根は次々と燃え盛り、その光景を目にしたレノとアルトは外へ向けて駆け出す。
「よし、逃げよう!!」
「言われずとも!!」
レノとアルトは全力で洞穴の出入口に向けて駆け出し、後ろの方では大量の根が炎に飲み込まれた状態ながらも暴れ狂い、必死に掻き消そうともがく。しかし、元は普通の樹木の樹皮を焦がす程度の火力の炎とはいえ、レノが生み出した魔力と、風の魔石から引き出した魔力を吸収した事で炎は凄まじい火力を誇り、根っこを焼き尽くす。
根が燃え尽きれば地上のトレントも無事では済まず、今頃はなんらかの反応を引き起こしているはずだった。それを確認するためにレノとアルトは急いで洞穴を脱出すると、地上へと帰還する。
「アルト、早く登って!!」
「ああ、分かってる……もしも僕がトレントなら、きっと根を焼かれた時点ですぐに火を消そうとするだろう。そのために最初に行動を移すとしたら、ゴブリン亜種を派遣して火を消そうとするだろう」
ロープを伝ってレノとアルトは地表へと戻ると、すぐに森の奥の方から大量の足音が鳴り響き、すぐさま二人は木陰に身を隠す。案の定というべきか、大樹の方角から大量のゴブリンとゴブリン亜種が駆けつけ、渓谷の方へと飛び込む。
「ギギィッ!!」
「グギィッ!!」
「ギギギギッ!!」
木陰から渓谷の洞穴に向かうゴブリンの大群の様子を観察し、上手く作戦が成功した事をレノとアルトは喜ぶ。しかし、いつまでも喜んでばかりはいられず、今のうちにレノ達は大樹がある方向へ向かわなければならなかった。
「よし、ゴブリン達が離れた今ならウル君達を救えるかもしれない。早く行こう」
「ネココ、無事だと良いんだけど……」
レノもアルトも大樹の方角に向けて走り出し、先に向かったネココを心配する。彼女は大樹に先に潜り込み、先にトレントと対峙しているはずであった――
――同時刻、一足先に辿り着いていたネココはトレントの様子を伺うと、苦しみもがくように大樹全体が震えていた。そして朝方にウル達を捕まえた時のようにトレントの樹皮に人面が浮かび上がり、更には苦しむような声を漏らす。
『ジュラァアアアッ……!?』
「……変な鳴き声」
根を焼き尽くされた事でトレントは苦痛を味わい、徐々に根本の方から煙が上がる。その様子を見てネココは作戦が成功した事を知り、レノとアルトの無事を祈りながらも捕まっている3人の様子を伺う。
蔓に囚われた三人は吊るされた状態のまま動かず、既に意識は失っていると思われた。しかし、まだ毒液は打ち込まれてはいないらしく、特に外見に変化はない。アルトの話によると毒液を撃ち込まれた獲物は急激に痩せ細り、皮膚の色も変色すると聞いていた。
見た限りではウルもコクヨウもナオも怪我をしているが他に異変は見当たらず、無事な様子だった。だが、トレントは3人を吊るしている枝も激しく震わせ、やがて3人を拘束していた蔓も地上へ向けてずり落ちていく。
(まずい!?あの高さから落ちたら、ウルとコクヨウはともかく、ナオは助からない!!)
ウル達が吊るされている枝は地上からかなり離れており、魔獣であるウルとコクヨウならば落ちたとしても生き延びれるかもしれないが、意識を失って怪我をしているナオでは助からない可能性があった。
ナオを吊るしていた蔓がやがて力が完全に抜けた様に解けると、彼女の身体は地上へ向けて落下していく。それを見ていたネココは見ていられず、駆け出そうとするが、とてもナオの元には間に合わなかった。
(もう駄目っ――!?)
ネココが諦めかけた時、彼女は反対方向から巨大な物体が迫りくる光景を確認すると、今まで行方不明だったスラミンがナオが地上に墜落する前に受け止める。
「ぷるる~んっ!!」
「うぐっ……!?」
「スラミン!?」
墜落の寸前にスライムの柔らかな身体がクッションとなり、ナオは衝撃を和らげて助かった。その光景を見てネココは驚くが、スラミンはやり遂げた表情を浮かべる。
0
お気に入りに追加
659
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる