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一人旅編
戦技
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――フゴォオオオッ!!
草原にレノが山の中ではよく聞きなれた鳴き声が響き、冒険者と思われる4人の後ろから見覚えのある魔物が姿を現す。どうやらこの地方に生息する「ボア」に追いかけられているらしく、徐々に距離は縮まっていく。
(まずい、このままだと追いつかれる!!)
4人組が街に辿り着くよりもボアに追いつかれると判断したレノは咄嗟に駆け出してしまう。瞬脚を発動させ、ボアに追いかけられる4人組の元へ向かう。しかし、ここでレノはミスを犯してしまった。
(しまった、弓を使えばよかった!?)
走って追いかけるよりも弓を使用すれば遠距離からでもボアを仕留める事は出来たかも知れないが、咄嗟に走ってしまったので弓を川原に置いてきたままである事を思い出す。もう取りに戻る時間はなく、仕方なくレノは剣を抜く。
既にボアは4人組の中でも一番遅れている少女の背後にまで迫り、このままでは少女が危ないと判断したレノは距離はあったが剣に風の魔力を纏わせて振り払う。
「嵐刃!!」
「フガァッ!?」
「きゃあっ!?」
「「「リオ!?」」」
レノが刃を振り抜いた瞬間、三日月状の風の刃が放たれてボアの胴体に的中させ、ひっくり返す事に成功する。前方を走っていた少女も転んでしまうが、慌てて3人組が彼女の元へ急ぐ。
しかし、距離が遠すぎたせいかボアはレノの嵐刃を受けても怯んだ程度で致命傷は与えられず、すぐに体勢を整えるとレノの方に注意を向ける。どうにかボアの注意を自分に引く事に成功したレノは4人に声をかけた。
「今のうちに逃げて!!早く!!」
「は、はい……!!」
「あっ……ありがとうございます!!ほら、行くぞ!!」
「ま、待てよ!!俺も一緒に戦うぞ!!だって、こいつを倒さなかったら……俺達は冒険者になれないんだ!!」
「あんた、こんな時に何を言ってるのよ!?」
レノの言葉にリオという名前の少女を抱き起したもう一人の少女と、一人の少年は素直に従おうとしたが、ここで一人だけ剣を持った前に出る。彼はボアがレノに注意を剥いている事に気付き、気合の雄たけびを上げてボアへと突っ込む。
「喰らえっ!!俺の戦技!!」
「何をっ……!?」
「フゴォッ!?」
ボアに向けて突っ込んだ少年は空中へ飛び上がると、ボアの頭上に目掛けて上から剣を振り下ろす。その様子を見てレノは無謀だと思ったが、ここで少年は叫び声を上げた。
「兜斬り!!」
「フガァッ……!?」
「えっ!?」
少年が振り下ろした剣の刃がボアに叩き込まれ、足場のない空中から繰り出したにも関わらず、力の入った一撃だった。その光景を見てレノは驚き、ここで少年が攻撃を仕掛ける前に口にした「戦技」という単語を思い出す。
――戦技とは分かりやすく言えば魔導士の「魔法」のように剣士や戦士、あるいは格闘家などの戦闘に向いた職業の才能を持つ人間が扱える「必殺技」である。
剣士の才を持つ少年は「兜斬り」と呼ばれる剣技を誰から教わったわけでもなく、身体を鍛えている内にいつの間にか身に付けていたという。彼が扱う「兜斬り」は只の剣技ではなく、戦技と呼ばれる立派な「必殺剣」だった。
兜斬りは敵の頭上に目掛けて刃を振り下ろす単純な攻撃だが、その威力自体は馬鹿には出来ず、文字通りに防具の兜を斬りかねない程の威力を誇るという。
しかし、少年の戦技をまともに受けたはずのボアだが、攻撃を受けた直後は怯んだが、すぐに目を見開くと少年の身体を吹き飛ばす。
「フゴォオオオッ!!」
「うわぁあああっ!?」
「あ、アラン!!」
「嘘っ、全然聞いてないじゃない!?」
「アランくぅんっ!?」
「ええっ……」
戦技が通じたかと思われたが、ボアは一瞬だけ怯んだ程度ですぐに反撃を繰り出し、仲間からアランと呼ばれた少年は上空へと吹き飛ぶ。その光景を目にしたレノは呆気に取られるが、すぐに注意をボアへと戻す。
先の攻撃が全く通じていないわけではないのか、ボアは足元がふらついているのを確認すると、レノは今のうちに攻撃するのが好機だと判断して接近する。この時に取り外しておいた魔法腕輪を装着しなおしたレノは先ほどのアランのように飛び上がった。
「うおおおおっ!!」
「フゴゴッ……!?」
またもや自分の頭を狙ってくる存在に気付いたボアは今度は身体に生えている牙を利用してレノを串刺しにしようと身構える。しかし、そんなボアに対してレノは「嵐斧」の他に覚えていた技を繰り出す。
「兜、割りぃっ!!」
「フガァッ――!?」
山で暮らしていた時、レノは朝の日課で「薪割り」を毎日行っていた。薪を叩き割る要領でレノは刃を振り下ろし、風の魔力を剣の先端に集中させ、一気に噴出させて加速を加える。結果的には先ほどよりも強烈な刃の一撃を受けたボアは頭蓋骨が陥没し、地面へと叩きつけられた――
――その後、レノはとりあえずは自分の荷物を回収した後、先ほど吹き飛ばされたアランという名前の少年を介抱したあと、改めてボアに追いかけられていた少年達の話を聞く。
「つまり、君たちは冒険者になるための試験として草原の魔物を狩っていたわけか」
「は、はい……夕暮れまでに指定された魔物を倒せば合格だと言われました。だから、俺達は4人で力を合わせて合格しようと……」
「なるほど、アキさんが言っていた冒険者志望の人は君たちの事だったのか」
「えっ!?アキさんの事を知ってるの!?」
「お、お兄さんも冒険者なんですか?」
「だからあんなに強かったのね!!納得したわ……あれ、でも冒険者なのにバッジをしてないわね?」
アラン達の話を聞くところ、どうやら彼等は冒険者ではないらしく、冒険者になるために試験を受けている真っ最中の冒険者志願の受験者らしい。レノが冒険者ギルドに訪れた時、アキが語っていた冒険者志願の人間が彼等だと判明した。
彼等によると全員が筆記試験を終えた後、今度は実技試験という事で街の外に出向いて魔物を倒し、その素材を持ち帰るのが試験の内容だと説明する。制限時間内により指定された魔物の素材を持ち帰る事が出来れば冒険者と認められるらしい。
「魔物を倒して素材を集めようとしていたのは分かったけど、そこからどうしてボアに追い掛け回される事態になったわけ?」
「こ、こいつのせいよ。こいつが草原で出てくる一番強い魔物を倒せば4人全員冒険者にもなれる、とか騒いで勝手に挑んだのよ」
「な、何だよ!?お前等だって賛成しただろ?」
「それはお前が戦技を使えるようになったから、余裕で倒せるなんて言うからだよ。結局、お前の戦技なんて全然通用しなかったけどな……」
「……戦技?という事は、やっぱり君が使ってたのが戦技なの?」
レノはアランに顔を向けて尋ねると、アランはレノの言葉に頷き、彼は恥ずかしそうな表情を浮かべて説明してくれた。
「俺、どうやら剣士の才能があるみたいだから……兜斬りという戦技が使えるんです。見ての通り、こう上からずばんっ、と斬る必殺技なんですけど……」
「なるほど、やっぱりあれが戦技だったのか……」
アランの言葉を聞いてレノは納得し、戦技の存在はロイから教わっていた。但し、ロイが使用する「地裂」はあくまでも彼が生み出した剣技であるため、戦技の一種ではない。その点はレナの「嵐斧」や「兜割り」も同様である。
戦技が扱えるのはあくまでも戦闘に特化した才能を持つ人間だけであり、残念ながらレノはその才能は持ち合わせていなかった。だからといって別に戦技が扱えない人間が必ずしも弱いとは限らず、実際にロイの地裂のように戦技でなくとも凄い剣技や技術はいくらでも存在する。
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(まずい、このままだと追いつかれる!!)
4人組が街に辿り着くよりもボアに追いつかれると判断したレノは咄嗟に駆け出してしまう。瞬脚を発動させ、ボアに追いかけられる4人組の元へ向かう。しかし、ここでレノはミスを犯してしまった。
(しまった、弓を使えばよかった!?)
走って追いかけるよりも弓を使用すれば遠距離からでもボアを仕留める事は出来たかも知れないが、咄嗟に走ってしまったので弓を川原に置いてきたままである事を思い出す。もう取りに戻る時間はなく、仕方なくレノは剣を抜く。
既にボアは4人組の中でも一番遅れている少女の背後にまで迫り、このままでは少女が危ないと判断したレノは距離はあったが剣に風の魔力を纏わせて振り払う。
「嵐刃!!」
「フガァッ!?」
「きゃあっ!?」
「「「リオ!?」」」
レノが刃を振り抜いた瞬間、三日月状の風の刃が放たれてボアの胴体に的中させ、ひっくり返す事に成功する。前方を走っていた少女も転んでしまうが、慌てて3人組が彼女の元へ急ぐ。
しかし、距離が遠すぎたせいかボアはレノの嵐刃を受けても怯んだ程度で致命傷は与えられず、すぐに体勢を整えるとレノの方に注意を向ける。どうにかボアの注意を自分に引く事に成功したレノは4人に声をかけた。
「今のうちに逃げて!!早く!!」
「は、はい……!!」
「あっ……ありがとうございます!!ほら、行くぞ!!」
「ま、待てよ!!俺も一緒に戦うぞ!!だって、こいつを倒さなかったら……俺達は冒険者になれないんだ!!」
「あんた、こんな時に何を言ってるのよ!?」
レノの言葉にリオという名前の少女を抱き起したもう一人の少女と、一人の少年は素直に従おうとしたが、ここで一人だけ剣を持った前に出る。彼はボアがレノに注意を剥いている事に気付き、気合の雄たけびを上げてボアへと突っ込む。
「喰らえっ!!俺の戦技!!」
「何をっ……!?」
「フゴォッ!?」
ボアに向けて突っ込んだ少年は空中へ飛び上がると、ボアの頭上に目掛けて上から剣を振り下ろす。その様子を見てレノは無謀だと思ったが、ここで少年は叫び声を上げた。
「兜斬り!!」
「フガァッ……!?」
「えっ!?」
少年が振り下ろした剣の刃がボアに叩き込まれ、足場のない空中から繰り出したにも関わらず、力の入った一撃だった。その光景を見てレノは驚き、ここで少年が攻撃を仕掛ける前に口にした「戦技」という単語を思い出す。
――戦技とは分かりやすく言えば魔導士の「魔法」のように剣士や戦士、あるいは格闘家などの戦闘に向いた職業の才能を持つ人間が扱える「必殺技」である。
剣士の才を持つ少年は「兜斬り」と呼ばれる剣技を誰から教わったわけでもなく、身体を鍛えている内にいつの間にか身に付けていたという。彼が扱う「兜斬り」は只の剣技ではなく、戦技と呼ばれる立派な「必殺剣」だった。
兜斬りは敵の頭上に目掛けて刃を振り下ろす単純な攻撃だが、その威力自体は馬鹿には出来ず、文字通りに防具の兜を斬りかねない程の威力を誇るという。
しかし、少年の戦技をまともに受けたはずのボアだが、攻撃を受けた直後は怯んだが、すぐに目を見開くと少年の身体を吹き飛ばす。
「フゴォオオオッ!!」
「うわぁあああっ!?」
「あ、アラン!!」
「嘘っ、全然聞いてないじゃない!?」
「アランくぅんっ!?」
「ええっ……」
戦技が通じたかと思われたが、ボアは一瞬だけ怯んだ程度ですぐに反撃を繰り出し、仲間からアランと呼ばれた少年は上空へと吹き飛ぶ。その光景を目にしたレノは呆気に取られるが、すぐに注意をボアへと戻す。
先の攻撃が全く通じていないわけではないのか、ボアは足元がふらついているのを確認すると、レノは今のうちに攻撃するのが好機だと判断して接近する。この時に取り外しておいた魔法腕輪を装着しなおしたレノは先ほどのアランのように飛び上がった。
「うおおおおっ!!」
「フゴゴッ……!?」
またもや自分の頭を狙ってくる存在に気付いたボアは今度は身体に生えている牙を利用してレノを串刺しにしようと身構える。しかし、そんなボアに対してレノは「嵐斧」の他に覚えていた技を繰り出す。
「兜、割りぃっ!!」
「フガァッ――!?」
山で暮らしていた時、レノは朝の日課で「薪割り」を毎日行っていた。薪を叩き割る要領でレノは刃を振り下ろし、風の魔力を剣の先端に集中させ、一気に噴出させて加速を加える。結果的には先ほどよりも強烈な刃の一撃を受けたボアは頭蓋骨が陥没し、地面へと叩きつけられた――
――その後、レノはとりあえずは自分の荷物を回収した後、先ほど吹き飛ばされたアランという名前の少年を介抱したあと、改めてボアに追いかけられていた少年達の話を聞く。
「つまり、君たちは冒険者になるための試験として草原の魔物を狩っていたわけか」
「は、はい……夕暮れまでに指定された魔物を倒せば合格だと言われました。だから、俺達は4人で力を合わせて合格しようと……」
「なるほど、アキさんが言っていた冒険者志望の人は君たちの事だったのか」
「えっ!?アキさんの事を知ってるの!?」
「お、お兄さんも冒険者なんですか?」
「だからあんなに強かったのね!!納得したわ……あれ、でも冒険者なのにバッジをしてないわね?」
アラン達の話を聞くところ、どうやら彼等は冒険者ではないらしく、冒険者になるために試験を受けている真っ最中の冒険者志願の受験者らしい。レノが冒険者ギルドに訪れた時、アキが語っていた冒険者志願の人間が彼等だと判明した。
彼等によると全員が筆記試験を終えた後、今度は実技試験という事で街の外に出向いて魔物を倒し、その素材を持ち帰るのが試験の内容だと説明する。制限時間内により指定された魔物の素材を持ち帰る事が出来れば冒険者と認められるらしい。
「魔物を倒して素材を集めようとしていたのは分かったけど、そこからどうしてボアに追い掛け回される事態になったわけ?」
「こ、こいつのせいよ。こいつが草原で出てくる一番強い魔物を倒せば4人全員冒険者にもなれる、とか騒いで勝手に挑んだのよ」
「な、何だよ!?お前等だって賛成しただろ?」
「それはお前が戦技を使えるようになったから、余裕で倒せるなんて言うからだよ。結局、お前の戦技なんて全然通用しなかったけどな……」
「……戦技?という事は、やっぱり君が使ってたのが戦技なの?」
レノはアランに顔を向けて尋ねると、アランはレノの言葉に頷き、彼は恥ずかしそうな表情を浮かべて説明してくれた。
「俺、どうやら剣士の才能があるみたいだから……兜斬りという戦技が使えるんです。見ての通り、こう上からずばんっ、と斬る必殺技なんですけど……」
「なるほど、やっぱりあれが戦技だったのか……」
アランの言葉を聞いてレノは納得し、戦技の存在はロイから教わっていた。但し、ロイが使用する「地裂」はあくまでも彼が生み出した剣技であるため、戦技の一種ではない。その点はレナの「嵐斧」や「兜割り」も同様である。
戦技が扱えるのはあくまでも戦闘に特化した才能を持つ人間だけであり、残念ながらレノはその才能は持ち合わせていなかった。だからといって別に戦技が扱えない人間が必ずしも弱いとは限らず、実際にロイの地裂のように戦技でなくとも凄い剣技や技術はいくらでも存在する。
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