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一人旅編
商団
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――コボルト亜種の討伐に成功し、更には素材の回収も出来たレノは「ニノ」の街に向けて再出発する。予想外に回収したコボルト達の素材のせいで荷物が増えてしまい、背中に大きな荷物を抱えた状態でレノは草原を歩いていた。
「ううっ、欲張り過ぎた……爺ちゃんから旅をするときは必要以上に荷物を持ち運ぶなと言われてたのに。でも、折角手に入れた素材を捨てるのも嫌だしな……」
コボルトの素材を街に持ち帰って市場にでも持ち込めばそれなりに高く買い取ってくれるため、レノは無理してコボルトの素材を運び込む。金に余裕がないわけではないが、やはり苦労して倒した魔物の素材となると捨てるのも勿体ない。
「あと少し歩けば街が見えてくるはず……ん?なんだ、あれ?」
レノは前方に視線を向けると、数台の馬車が草原に立ち止まっている事に気付き、それを確認した彼は商団か何かかと思ったが様子がおかしかった。山育ちなのでレノは視力も良く、よくよく観察してみると商団の周囲には緑色の小人のような生物が群がっている事に気付く。
その姿を見たレノはすぐに小人の正体を「ゴブリン」と呼ばれる魔物だと気付く。レノが暮らしていた山には生息していない魔物だが、存在だけはロイから知らされていた。
――ゴブリンは小鬼の異名を持つ程の恐ろしい形相、それでいながら体躯は成人男性の半分程度しか存在せず、力もコボルトと比べれば弱い。だが、集団で常に行動し、人間のように武器を扱う。また、自分達が弱い存在だと理解しているからこそ、仲間同士で協力し、連携して敵を襲う習性を持つ。
集団で行動しているゴブリンはコボルトよりも恐ろしい存在だとロイから言い聞かせられ、時には十数匹の群れを成して人間を襲う事もあると聞いていた。しかし、レノの視界に捉えたゴブリンは少なくとも数十匹は存在し、しかも人間から奪ったのか武双している個体も存在した。
(人が襲われている!!もう倒れている人間も何人かいる!!)
馬車の周囲には護衛と思われる武装した人間達もいたが、数に圧倒的な差があり、劣勢に立たされていた。レノはどうするべきか悩み、危険ではあるが助けに向かう事を決める。目の前で人が死ぬ姿を黙ってみている事など出来ず、荷物から弓矢を取り出す。
(よし、この距離なら当てられる!!)
弓矢を構えたレノは付与魔術を発動させ、ゴブリンの集団に向けて弓を構えた。ちなみにこちらの弓はダリルがレノが出発する前に用意してくれた特別製の弓であり、弦はレノが伸ばした髪の毛を利用している。
かつてレノは付与魔術を使用して弓を使用しようとした時、強くなり過ぎた彼の魔力の影響のせいで矢に纏った魔力が放つ風の力で弦が切れた事がある。それを聞いたダリルはエルフは自分の髪の毛は弓の弦に利用するという話を思い出し、試しにレノが伸ばした髪の毛を弦にしてみたら普通の弦よりもよくしなり、付与魔術の影響も受けなかった。
(弓を使うのも久々だな……俺の魔弓術もどれだけ強くなったのか確かめるいい機会だ!!)
付与魔術を利用した弓の射出をレノは「魔弓術」と名付け、魔法は扱えなくとも道具を扱えばエルフの魔法にも負けない威力を引き出せる。そう考えたレノは付与魔術の使用した弓術という事で魔弓術と心の中で名付けていた。
「喰らえっ!!」
距離はかなり離れているが、レノの射程距離は視界の範囲内ならば必ず標的に当てる事が出来る。付与魔術で風の魔力を込めた矢を番えると、まずは馬車の近くで倒れている小太りの中年男性に襲い掛かろうとしたゴブリンに目掛けて放つ。
レノが放った矢は文字通りに疾風を想像させる速度で標的の頭部に接近し、見事に頭部を貫く。あまりの威力に頭部から矢が突き抜けて別の人間に襲い掛かろうとしたゴブリンの背中に辺り、悲鳴が響き渡る。
――ギャアアッ!?
ゴブリンの悲鳴が草原に響き渡り、突如として飛んできた矢に襲われている人間達もゴブリンの集団も戸惑う。だが、すぐに腰に装着した矢筒からレノは新しい矢を今度は2本も同時に構えると、狙いを定めて放つ。
「ギャウッ!?」
「ギィアッ!?」
的確にレノが放った矢はゴブリンの急所を貫き、今度は威力を調整して他の人間を巻き込まないように矢を射抜く。下手に魔力を込め過ぎると矢の貫通力が高まり、ゴブリンの肉体を突き抜けて別の人間に被害を与える可能性を考慮する。
この時点でゴブリン達も狙われている事は理解したが、距離が離れすぎているので何処から撃たれているのか分からず、その間にレノは視界で確認出来る限りゴブリンに向けて矢を放つ。するとゴブリンに襲われていた者達も誰かが弓で自分達を援護している事に気付く
「な、何だ!?何が起きてるんだ!?」
「矢だ!!誰かが矢を撃ってるんだ!!」
「うおっ!?な、何だ!?今、俺の身体を避けたぞ!?」
間違っても人間に当てないようにレノは風の魔力を調整し、次々とゴブリンだけを狙い撃つ。レノが放つ矢は軌道を変更して狙いが反れても確実にゴブリンだけを射抜く。射線上に人間が存在しても自動的に矢が回避して標的だけを狙い撃つ。
20本ほど矢を撃ち続けるとレノの矢筒が空となったが、その代わりに丁度20匹のゴブリンの死骸が倒れていた。群れの半数近くを殺されたゴブリン達は一気に数の差が逆転され、商団の護衛の人間達も沸き上がる。
「な、何だか知らないが……こいつら、半分ぐらい消えたぞ!!」
「さっきはよくもやってくれたな!!」
「ぶっ殺してやる!!」
「ギギィッ!?」
「ギャウッ!?」
これまで一方的に押されていた護衛は怒りを露にしてゴブリン達に武器を振り払い、逆に追い詰めていく。その光景を見てレノは安心しかけたが、ここでゴブリンの中から妙に体躯が大きく、筋骨隆々の個体が動き出す。
「グギィッ!!」
「うわぁっ!?」
「ぎゃあっ!?」
「ぐへぇっ!?」
大柄なゴブリンは3人の護衛を相手に前に出ると、何処から調達したのか丸太を振りかざして吹き飛ばす。そのあまりの怪力にレノの援護で勇気づけらていれた護衛達も怖気づくが、それを確認したレノは剣を手にして駆け出す。
大柄なゴブリンは明らかに通常のゴブリンではなく、ここでレノはロイの話を思い出す。力が弱いと思われがちのゴブリンだが、過酷な環境を生き抜いて成熟したゴブリンは肉体が大きく成長し、並の人間では敵わない腕力を得る。そのゴブリンは「ホブゴブリン」と呼ばれ、通常のゴブリンよりも知能が高く、非常に厄介な相手だという。
「ううっ、欲張り過ぎた……爺ちゃんから旅をするときは必要以上に荷物を持ち運ぶなと言われてたのに。でも、折角手に入れた素材を捨てるのも嫌だしな……」
コボルトの素材を街に持ち帰って市場にでも持ち込めばそれなりに高く買い取ってくれるため、レノは無理してコボルトの素材を運び込む。金に余裕がないわけではないが、やはり苦労して倒した魔物の素材となると捨てるのも勿体ない。
「あと少し歩けば街が見えてくるはず……ん?なんだ、あれ?」
レノは前方に視線を向けると、数台の馬車が草原に立ち止まっている事に気付き、それを確認した彼は商団か何かかと思ったが様子がおかしかった。山育ちなのでレノは視力も良く、よくよく観察してみると商団の周囲には緑色の小人のような生物が群がっている事に気付く。
その姿を見たレノはすぐに小人の正体を「ゴブリン」と呼ばれる魔物だと気付く。レノが暮らしていた山には生息していない魔物だが、存在だけはロイから知らされていた。
――ゴブリンは小鬼の異名を持つ程の恐ろしい形相、それでいながら体躯は成人男性の半分程度しか存在せず、力もコボルトと比べれば弱い。だが、集団で常に行動し、人間のように武器を扱う。また、自分達が弱い存在だと理解しているからこそ、仲間同士で協力し、連携して敵を襲う習性を持つ。
集団で行動しているゴブリンはコボルトよりも恐ろしい存在だとロイから言い聞かせられ、時には十数匹の群れを成して人間を襲う事もあると聞いていた。しかし、レノの視界に捉えたゴブリンは少なくとも数十匹は存在し、しかも人間から奪ったのか武双している個体も存在した。
(人が襲われている!!もう倒れている人間も何人かいる!!)
馬車の周囲には護衛と思われる武装した人間達もいたが、数に圧倒的な差があり、劣勢に立たされていた。レノはどうするべきか悩み、危険ではあるが助けに向かう事を決める。目の前で人が死ぬ姿を黙ってみている事など出来ず、荷物から弓矢を取り出す。
(よし、この距離なら当てられる!!)
弓矢を構えたレノは付与魔術を発動させ、ゴブリンの集団に向けて弓を構えた。ちなみにこちらの弓はダリルがレノが出発する前に用意してくれた特別製の弓であり、弦はレノが伸ばした髪の毛を利用している。
かつてレノは付与魔術を使用して弓を使用しようとした時、強くなり過ぎた彼の魔力の影響のせいで矢に纏った魔力が放つ風の力で弦が切れた事がある。それを聞いたダリルはエルフは自分の髪の毛は弓の弦に利用するという話を思い出し、試しにレノが伸ばした髪の毛を弦にしてみたら普通の弦よりもよくしなり、付与魔術の影響も受けなかった。
(弓を使うのも久々だな……俺の魔弓術もどれだけ強くなったのか確かめるいい機会だ!!)
付与魔術を利用した弓の射出をレノは「魔弓術」と名付け、魔法は扱えなくとも道具を扱えばエルフの魔法にも負けない威力を引き出せる。そう考えたレノは付与魔術の使用した弓術という事で魔弓術と心の中で名付けていた。
「喰らえっ!!」
距離はかなり離れているが、レノの射程距離は視界の範囲内ならば必ず標的に当てる事が出来る。付与魔術で風の魔力を込めた矢を番えると、まずは馬車の近くで倒れている小太りの中年男性に襲い掛かろうとしたゴブリンに目掛けて放つ。
レノが放った矢は文字通りに疾風を想像させる速度で標的の頭部に接近し、見事に頭部を貫く。あまりの威力に頭部から矢が突き抜けて別の人間に襲い掛かろうとしたゴブリンの背中に辺り、悲鳴が響き渡る。
――ギャアアッ!?
ゴブリンの悲鳴が草原に響き渡り、突如として飛んできた矢に襲われている人間達もゴブリンの集団も戸惑う。だが、すぐに腰に装着した矢筒からレノは新しい矢を今度は2本も同時に構えると、狙いを定めて放つ。
「ギャウッ!?」
「ギィアッ!?」
的確にレノが放った矢はゴブリンの急所を貫き、今度は威力を調整して他の人間を巻き込まないように矢を射抜く。下手に魔力を込め過ぎると矢の貫通力が高まり、ゴブリンの肉体を突き抜けて別の人間に被害を与える可能性を考慮する。
この時点でゴブリン達も狙われている事は理解したが、距離が離れすぎているので何処から撃たれているのか分からず、その間にレノは視界で確認出来る限りゴブリンに向けて矢を放つ。するとゴブリンに襲われていた者達も誰かが弓で自分達を援護している事に気付く
「な、何だ!?何が起きてるんだ!?」
「矢だ!!誰かが矢を撃ってるんだ!!」
「うおっ!?な、何だ!?今、俺の身体を避けたぞ!?」
間違っても人間に当てないようにレノは風の魔力を調整し、次々とゴブリンだけを狙い撃つ。レノが放つ矢は軌道を変更して狙いが反れても確実にゴブリンだけを射抜く。射線上に人間が存在しても自動的に矢が回避して標的だけを狙い撃つ。
20本ほど矢を撃ち続けるとレノの矢筒が空となったが、その代わりに丁度20匹のゴブリンの死骸が倒れていた。群れの半数近くを殺されたゴブリン達は一気に数の差が逆転され、商団の護衛の人間達も沸き上がる。
「な、何だか知らないが……こいつら、半分ぐらい消えたぞ!!」
「さっきはよくもやってくれたな!!」
「ぶっ殺してやる!!」
「ギギィッ!?」
「ギャウッ!?」
これまで一方的に押されていた護衛は怒りを露にしてゴブリン達に武器を振り払い、逆に追い詰めていく。その光景を見てレノは安心しかけたが、ここでゴブリンの中から妙に体躯が大きく、筋骨隆々の個体が動き出す。
「グギィッ!!」
「うわぁっ!?」
「ぎゃあっ!?」
「ぐへぇっ!?」
大柄なゴブリンは3人の護衛を相手に前に出ると、何処から調達したのか丸太を振りかざして吹き飛ばす。そのあまりの怪力にレノの援護で勇気づけらていれた護衛達も怖気づくが、それを確認したレノは剣を手にして駆け出す。
大柄なゴブリンは明らかに通常のゴブリンではなく、ここでレノはロイの話を思い出す。力が弱いと思われがちのゴブリンだが、過酷な環境を生き抜いて成熟したゴブリンは肉体が大きく成長し、並の人間では敵わない腕力を得る。そのゴブリンは「ホブゴブリン」と呼ばれ、通常のゴブリンよりも知能が高く、非常に厄介な相手だという。
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