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特訓編
瞬脚と魔弓術
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――ダリルから付与魔術の使用許可を得たレノは翌日から森の中を駆け巡り、一角兎を探し出す。まずは当初の予定通りに弓矢を使わずに獲物を捕まえるために行動し、遂に森の中を駆け抜ける一角兎を発見した。
「よし、見つけたぞ!!」
「キュイイッ!?」
茂みの中に隠れていた一角兎を見つけ出すと、レノは一角兎を捕まえるために手を伸ばす。一角兎は逃げるために駆け出し、やはり移動速度は一角兎が勝ってレノは徐々に距離が離れていく。しかし、前方を移動する一角兎に対してレノは勢いよく足を踏み込むと、付与魔術を発動させた。
(わざわざ裸足になる必要はない、このままでも風の魔力は操れるはずだ!!)
レノの付与魔術は物体に魔力を流し込む事が出来るため、矢に風の魔力を流し込んだ要領でレノも自分のブーツに魔力を流し込む。その結果、風の魔力を纏ったブーツを利用してレノは一気に加速する。一角兎が存在する方向へ向けて足の裏から風の魔力を解放し、瞬間的に加速する。
「うおおおっ!!」
「ギュイイッ!?」
後方から突っ込んできたレノに対して一角兎は回避する余裕もなく、背後から首根っこを掴まれてしまう。一角兎を遂に捕まえる事に成功したレノだったが、進路方向に大樹が存在し、そのまま一角兎を掴んだ状態で派手に衝突してしまう。
捕まえる事に夢中で前方を注意していなかったレノは派手に身体をぶつけて地面に倒れ込み、あまりの痛さにその場でもがく。しかし、捕まえた一角兎の方も衝突の際に気を失ったらしく、地面に倒れた状態で目を回していた。
「いったぁっ……でも、捕まえたぞ」
「キュイイッ……」
目を回した一角兎を確認してレノは涙目を浮かべながらも笑みを浮かべ、自分の考えた「移動法」が上手く成功した事を喜ぶ。その一方で自分がぶつかった大樹に視線を向け、次からはちゃんと加速する時は周囲に警戒するように気を付ける必要があると判断する。
「ふうっ、義父さんの言う通りだな。ちゃんと周りを見ていないと大変な事になるな……あいてっ!?」
立ち上がろうとした瞬間、レノは足首に痛みが走り、先ほどの加速の際に右足首が捻った事に気づく。痛めた足を治めながらもレノは腰に取り付けていた薬草の粉を取り出し、傷口に振りかける。この薬草は山に自生している物を採取した代物であり、簡単な怪我ならば粉末を塗るだけでもすぐに治った。
「いてて、足を捻ってたのか……折角、早く走れる方法を思いついた思ったのに……いや、俺の鍛え方が足りないだけか。もっとちゃんと身体を鍛えればこんな事で足が捻る事なんかなくなるはずだ」
足を汚しながらもレノは自分の考えた付与魔術を利用した移動法を諦めず、完全に使いこなすためにまずは身体と観察力を鍛える事を誓う。いちいち付与魔術を利用した移動法という呼び方するのも面倒のため、ここは単純に覚えやすい名前を名付ける。
(よし、この走り方は「瞬脚」と名付けよう。覚えやすいし、いちいち長い名前よりもいいよね)
今後は風の付与魔術を生かした走法を「瞬脚」と名付ける事に決めたレノは立ち上がると、仕留めた一角兎を拾い上げて山小屋にいるはずのダリルの元へ戻り、初めて獲物を素手で捕まえる事に成功したことを告げた。それを知ったダリルは非常に驚き、この日以降からレノは武器の携帯を許可された――
――それから更に半年の時が経過し、11歳の誕生日を迎えたレノは森の中を自由に走り回れる体力と脚力を手にしていた。毎日諦めずに走り込みを行ったお陰で山の中でも自由に動けるようになり、障害物を巧みに躱して移動を行い、時には狂暴な魔物と遭遇する事もあったが、その時は「瞬脚」を生かして上手く逃走する。
「こっちだ猪!!」
「フゴォオオッ!!」
レノは森の中で遭遇したボアに追いかけられ、後方から迫るボアに対して挑発するように声をかけると、怒りの声を上げてボアは突っ込む。その様子を見てレノは笑みを浮かべ、両足に付与魔術を施し、一気に上空へと跳躍する。
「とうっ!!」
「フガァッ!?」
上空へと跳躍したレノは後方から突進してきたボアを回避すると、ボアはレノの正面に存在した大樹に突っ込み、衝撃が身体を襲う。大抵の樹木ならば破壊するほどの突進力を誇るボアだが、衝突した大樹は並の樹木の何倍もの大きさを誇り、非常に頑丈だった。
自ら大樹に突っ込んでしまったボアは身体をよろめかせ、その様子を確認したレノは空中で体勢を整えて着地すると、背中の弓矢に手を伸ばす。ふらついたボアに対してレノは矢を構えると、付与魔術を発動して矢に魔力を流し込む。
「……喰らえっ!!」
「プギィイイッ!?」
ボアの急所である眉間に矢が放たれ、風の魔力によって弾丸のように高速回転した矢はボアの眉間を貫き、体内を貫通して大樹へと突き刺さる。ボアは眉間から血を流しながらゆっくりと地面に崩れ落ちた。その様子を見てレノは倒したと確信すると額の汗を拭う。
「ふうっ……魔弓術も大分上手く使えるようになったな」
レノは自分の弓に視線を向け、付与魔術を利用した射撃も以前よりも早く撃てるようになった事を自覚する。ちなみに「魔弓術」とはダリルが考案した名前であり、魔力を利用して矢を射る事から彼は「魔弓術」という名前を名付けた。
付与魔術を扱った弓術と走法を習得してから三か月、既にレノはボアを単独で仕留めるほどの腕前にまで成長していた。1年前と比べれば格段に成長を果たしたレノだったが、本人は現状に満足せず、付与魔術を使用した新しい攻撃法を考えていた。
(弓さえあればボアぐらいの相手は倒せるけど、義父さんが弓がない状態でも戦える術は身に付けとけと言ってたな。となると、やっぱり試すのはあれか)
レノは弓を背中に戻すとボアの死骸に視線を向け、一先ずは解体して持ち帰れるだけの素材を回収すると、山小屋に戻る前に最近はよく訪れている場所へ向かう――
――最近のレノは山中に存在する「滝」へと訪れ、ダリルには内密に特訓を行っていた。その内容とは滝浴びで精神集中――ではなく、滝から流れ落ちる水を利用した訓練を編み出していた。
「よし、見つけたぞ!!」
「キュイイッ!?」
茂みの中に隠れていた一角兎を見つけ出すと、レノは一角兎を捕まえるために手を伸ばす。一角兎は逃げるために駆け出し、やはり移動速度は一角兎が勝ってレノは徐々に距離が離れていく。しかし、前方を移動する一角兎に対してレノは勢いよく足を踏み込むと、付与魔術を発動させた。
(わざわざ裸足になる必要はない、このままでも風の魔力は操れるはずだ!!)
レノの付与魔術は物体に魔力を流し込む事が出来るため、矢に風の魔力を流し込んだ要領でレノも自分のブーツに魔力を流し込む。その結果、風の魔力を纏ったブーツを利用してレノは一気に加速する。一角兎が存在する方向へ向けて足の裏から風の魔力を解放し、瞬間的に加速する。
「うおおおっ!!」
「ギュイイッ!?」
後方から突っ込んできたレノに対して一角兎は回避する余裕もなく、背後から首根っこを掴まれてしまう。一角兎を遂に捕まえる事に成功したレノだったが、進路方向に大樹が存在し、そのまま一角兎を掴んだ状態で派手に衝突してしまう。
捕まえる事に夢中で前方を注意していなかったレノは派手に身体をぶつけて地面に倒れ込み、あまりの痛さにその場でもがく。しかし、捕まえた一角兎の方も衝突の際に気を失ったらしく、地面に倒れた状態で目を回していた。
「いったぁっ……でも、捕まえたぞ」
「キュイイッ……」
目を回した一角兎を確認してレノは涙目を浮かべながらも笑みを浮かべ、自分の考えた「移動法」が上手く成功した事を喜ぶ。その一方で自分がぶつかった大樹に視線を向け、次からはちゃんと加速する時は周囲に警戒するように気を付ける必要があると判断する。
「ふうっ、義父さんの言う通りだな。ちゃんと周りを見ていないと大変な事になるな……あいてっ!?」
立ち上がろうとした瞬間、レノは足首に痛みが走り、先ほどの加速の際に右足首が捻った事に気づく。痛めた足を治めながらもレノは腰に取り付けていた薬草の粉を取り出し、傷口に振りかける。この薬草は山に自生している物を採取した代物であり、簡単な怪我ならば粉末を塗るだけでもすぐに治った。
「いてて、足を捻ってたのか……折角、早く走れる方法を思いついた思ったのに……いや、俺の鍛え方が足りないだけか。もっとちゃんと身体を鍛えればこんな事で足が捻る事なんかなくなるはずだ」
足を汚しながらもレノは自分の考えた付与魔術を利用した移動法を諦めず、完全に使いこなすためにまずは身体と観察力を鍛える事を誓う。いちいち付与魔術を利用した移動法という呼び方するのも面倒のため、ここは単純に覚えやすい名前を名付ける。
(よし、この走り方は「瞬脚」と名付けよう。覚えやすいし、いちいち長い名前よりもいいよね)
今後は風の付与魔術を生かした走法を「瞬脚」と名付ける事に決めたレノは立ち上がると、仕留めた一角兎を拾い上げて山小屋にいるはずのダリルの元へ戻り、初めて獲物を素手で捕まえる事に成功したことを告げた。それを知ったダリルは非常に驚き、この日以降からレノは武器の携帯を許可された――
――それから更に半年の時が経過し、11歳の誕生日を迎えたレノは森の中を自由に走り回れる体力と脚力を手にしていた。毎日諦めずに走り込みを行ったお陰で山の中でも自由に動けるようになり、障害物を巧みに躱して移動を行い、時には狂暴な魔物と遭遇する事もあったが、その時は「瞬脚」を生かして上手く逃走する。
「こっちだ猪!!」
「フゴォオオッ!!」
レノは森の中で遭遇したボアに追いかけられ、後方から迫るボアに対して挑発するように声をかけると、怒りの声を上げてボアは突っ込む。その様子を見てレノは笑みを浮かべ、両足に付与魔術を施し、一気に上空へと跳躍する。
「とうっ!!」
「フガァッ!?」
上空へと跳躍したレノは後方から突進してきたボアを回避すると、ボアはレノの正面に存在した大樹に突っ込み、衝撃が身体を襲う。大抵の樹木ならば破壊するほどの突進力を誇るボアだが、衝突した大樹は並の樹木の何倍もの大きさを誇り、非常に頑丈だった。
自ら大樹に突っ込んでしまったボアは身体をよろめかせ、その様子を確認したレノは空中で体勢を整えて着地すると、背中の弓矢に手を伸ばす。ふらついたボアに対してレノは矢を構えると、付与魔術を発動して矢に魔力を流し込む。
「……喰らえっ!!」
「プギィイイッ!?」
ボアの急所である眉間に矢が放たれ、風の魔力によって弾丸のように高速回転した矢はボアの眉間を貫き、体内を貫通して大樹へと突き刺さる。ボアは眉間から血を流しながらゆっくりと地面に崩れ落ちた。その様子を見てレノは倒したと確信すると額の汗を拭う。
「ふうっ……魔弓術も大分上手く使えるようになったな」
レノは自分の弓に視線を向け、付与魔術を利用した射撃も以前よりも早く撃てるようになった事を自覚する。ちなみに「魔弓術」とはダリルが考案した名前であり、魔力を利用して矢を射る事から彼は「魔弓術」という名前を名付けた。
付与魔術を扱った弓術と走法を習得してから三か月、既にレノはボアを単独で仕留めるほどの腕前にまで成長していた。1年前と比べれば格段に成長を果たしたレノだったが、本人は現状に満足せず、付与魔術を使用した新しい攻撃法を考えていた。
(弓さえあればボアぐらいの相手は倒せるけど、義父さんが弓がない状態でも戦える術は身に付けとけと言ってたな。となると、やっぱり試すのはあれか)
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