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最終章 ヤマタノオロチ編
模倣獣 〈フェンリルVSハヤテ&センリ〉
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各地で部隊が模倣獣との激戦を繰り広げる中、護衛長であるハヤテとフウカ、そして元聖天魔導士のセンリはウルに騎乗して移動を行っていた。どうしてアルトやゴンゾウの援護を行わず、彼女がハヤテと行動を共にしているのには理由がある。それはアルトが自分の援護を断り、部隊の中では最も数が少なく、そして武具系の聖遺物を所有していない彼等の援護を頼んだからである。
「ウォオオオンッ!!」
「くっ……また来ます!!」
「しつこいっ」
「こいつは想像以上でやんす……」
ドォオオオオンッ!!
『ガァアアアアアッ!!』
平原を疾走するウルに対し、後方から10メートルを超える体長の巨狼が追跡し、金属を想像させる鋭利な牙と爪を容赦なく叩き付ける。
『グガァッ!!』
「ウォンッ!!」
ドゴォオオオンッ……!!
フェンリルが腕を振り払う動作を行うだけで衝撃波が広がり、ウルは寸前で方向転換を行って回避する。どちらも同じ先祖を持つ種だが、フェンリルは神獣の血を最も濃く引いた種であり、レノ達が遭遇した鎧狼や刀狼を上回る破壊力を誇る。
「こいつは参りやしたね……あの毛皮、想像以上に硬いでやんす」
「私達の風が通じない……厄介」
「どうするのですか?正直、老体にはきつい乗り心地ですが……」
三人を乗せたままウルはフェンリルの攻撃を難なく回避するが、背負っている三人は激しく動かれるだけでも身体に負担が押し掛かる。ウルに振り落とされないように気を付けながら、フェンリルの攻撃の好きを伺うが、あの全身を覆う体毛は鋼鉄以上の硬度を誇り、普通の攻撃は聞かない。
「仕方ありやせん……出来れば使いたくはなかったんですが、この緑葉刀の出番ですね」
「伝説の七魔剣の一つ……結界を断ち切ると言われる緑葉刀ですか」
「よくご存じで……ですが、この剣の性能までは知らないでしょう!!」
ドォンッ!!
ハヤテはウルから飛び降りると、フェンリルの前に仁王立ちする。唐突に離れたハヤテにセンリは驚いた表情を浮かべるが、フウカは気にもかけずにウルを走らせる。
『グォオオオオッ……!!』
「流石は伝説の巨狼……この剣の力を感じ取りやしたか」
フェンリルは立ち止まり、自分の前に立つハヤテに視線を向け、彼が握りしめる大太刀から嫌な力を感じ取る。フェンリルは十分な距離を保ち、右腕を振り落とした瞬間、地面が陥没するほどの衝撃を叩き付ける。
ビキィイイイッ……!!
「これは……わっしの足場を崩すつもりか」
どうやら外見よりも知能が高く、足場を奪われて体勢を崩せば刀は扱えず、ハヤテはその場を跳躍して緑葉刀の柄を握りしめる。
「だが、詰めが甘い!!」
『ガウッ!?』
ハヤテは空中で抜刀し、鞘から緑色に光り輝く刀身が露わになる。七魔剣の一角である緑葉刀、その能力は結界系の魔法を断ち切る事で有名ではあるが、その切れ味に関しても凄まじく、デュランダルの素材にも扱われているアダマンタイトと呼ばれる鉱石を加工された刃は極限にまで磨き上げられ、その切断力は聖剣を上回る。
「一刀……断!!」
スパァアアアアンッ!!
『ガァアアアアッ……!?』
フェンリルの右腕が大きく切り裂かれ、血飛沫が舞い散る。鋼鉄を上回る体毛を容易く切断し、さらに筋肉や骨にまで達するほどの切れ味であり、フェンリルは片腕を損傷した事で体勢を崩し、倒れこむ。
「す、すごい……何という切れ味……」
「あれが緑葉刀……森人族の至宝」
その圧倒的な切断力にセンリは息を飲み、フウカは自慢げに語るが、当のハヤテは緑葉刀を鞘に納めると、眉を顰める
「くっ……やはり、鈍ちまっていやすね」
ハヤテは緑葉刀に視線を向け、苦笑いを浮かべる。かつてはこの太刀で幾多の強敵を打ち倒したが、数十年ぶりに使用する緑葉刀に重みを感じ、鍛練を怠ったつもりはないが、久しく自分と同等以上の敵と相対した経験が少なくなった事が原因であり、昔よりも随分と戦闘の勘が鈍っている。
「わっしもまだまだ甘い……ここは基本に戻る必要がありやす」
護衛長の立場に就いた事で戦士達の育成に励んでばかりで自分の技を磨く事を怠り、レイアに敗北した事を思い返す。あの日以来、視覚を頼る戦闘法を見直して彼なりに自分自身を鍛え直したが、レイアが死亡した事で目標を失ってしまい、自分自身の強さを求める欲求が薄まってしまった。
しかし、今の時代にもレノやホムラ、他にもゴンゾウやジャンヌといった実力者は数多く存在し、この戦闘が終えれば護衛長の座を他の人間に受け渡し、もう一度武者修行の旅に出る事を考える。その前にまずは目の前の世界の害悪となる存在を打ち倒す事が重要であり、緑葉刀を構える。
「鉄球!!」
チュドドドドッ!!
『グォオオオオッ!?』
ハヤテが斬り付けた右腕の傷にセンリが光球を叩き付け、傷口を抉る。随分と残酷な行為に思えるが、効果は覿面であり、フェンリルは嫌がるようにその場を離れる。
「逃さない!!」
ドォオオンッ!!
フウカが刃を振るい、風属性の斬撃を放つ。彼女は護衛長の中では一番力が劣るが、それでも森人族の戦士から選別された一流の戦士であり、風の刃を遠隔操作してフェンリルの瞳に叩き付ける。
ズバァアアアッ……!!
『ウォオオオッ……!?』
眼球にまで斬撃は届かなかったが、それでも瞼の皮膚を切断には成功し、フェンリルは怒りの表情を浮かべて体毛を逆立たせる。
『グガァアアアアアアアッ……!!』
「ウォオオオオオオオンッ!!」
フェンリルの咆哮に対抗するようにウルが雄叫びを上げ、二匹の狼は睨み合い、同時に駈け出す。
「いかん!!」
ハヤテはウルが暴走したのかと慌てて駈け出すが、大分距離が離れており、そのままウルはセンリとフウカを乗せたまま、フェンリルに衝突しようとした時、
「フラッシュ・バーン!!」
――カッ!!
センリが杖先から凄まじい閃光を放ち、フェンリルは視界を奪われる。その隙を逃さず、ウルは跳躍すると牙を剥き出しにして襲い掛かる。
ガキィイイインッ!!
『グオォオオオッ!?』
「ガァアアアアッ……!!」
ウルが嚙みついたのはフェンリルの鼻先であり、そのまま血を滲ませる程に食らい付き、フェンリルは悲鳴を上げて振り払おうとするが、空中に放り出されたフウカとセンリが同時に攻撃を仕掛ける。
「セイント・フォース!!」
「裂空斬!!」
ズドォオオオンッ!!
風属性と聖属性の砲撃魔法が同時に繰り出され、フェンリルの両目に放たれる。片方は切り裂かれ、もう片方は高熱で蒸発され、完全に視力を失ったフェンリルは悲鳴を上げる。
『グギャアァアアアアアッ……!?』
ドスゥウウウンッ……!!
伝説の巨狼は後ろ向きに倒れ込み、必死に両前脚で瞼を覆いつくすが、既に手遅れであり、両目の視力が戻る事はない。
「……終わりでやんす」
『ガァッ……!?』
暗闇に覆われた視界の中、フェンリルは自分の耳元に聞こえてきた声に硬直し、何時の間にか額の上に移動していたハヤテは緑葉刀を振るいあげ、勢いよく突き刺す。
「ふんっ!!」
――ズゥウウウウンッ!!
刃を根元まで貫通させ、フェンリルの脳内にまで刃が至り、最強の狼は終わりを迎えた。
「ウォオオオンッ!!」
「くっ……また来ます!!」
「しつこいっ」
「こいつは想像以上でやんす……」
ドォオオオオンッ!!
『ガァアアアアアッ!!』
平原を疾走するウルに対し、後方から10メートルを超える体長の巨狼が追跡し、金属を想像させる鋭利な牙と爪を容赦なく叩き付ける。
『グガァッ!!』
「ウォンッ!!」
ドゴォオオオンッ……!!
フェンリルが腕を振り払う動作を行うだけで衝撃波が広がり、ウルは寸前で方向転換を行って回避する。どちらも同じ先祖を持つ種だが、フェンリルは神獣の血を最も濃く引いた種であり、レノ達が遭遇した鎧狼や刀狼を上回る破壊力を誇る。
「こいつは参りやしたね……あの毛皮、想像以上に硬いでやんす」
「私達の風が通じない……厄介」
「どうするのですか?正直、老体にはきつい乗り心地ですが……」
三人を乗せたままウルはフェンリルの攻撃を難なく回避するが、背負っている三人は激しく動かれるだけでも身体に負担が押し掛かる。ウルに振り落とされないように気を付けながら、フェンリルの攻撃の好きを伺うが、あの全身を覆う体毛は鋼鉄以上の硬度を誇り、普通の攻撃は聞かない。
「仕方ありやせん……出来れば使いたくはなかったんですが、この緑葉刀の出番ですね」
「伝説の七魔剣の一つ……結界を断ち切ると言われる緑葉刀ですか」
「よくご存じで……ですが、この剣の性能までは知らないでしょう!!」
ドォンッ!!
ハヤテはウルから飛び降りると、フェンリルの前に仁王立ちする。唐突に離れたハヤテにセンリは驚いた表情を浮かべるが、フウカは気にもかけずにウルを走らせる。
『グォオオオオッ……!!』
「流石は伝説の巨狼……この剣の力を感じ取りやしたか」
フェンリルは立ち止まり、自分の前に立つハヤテに視線を向け、彼が握りしめる大太刀から嫌な力を感じ取る。フェンリルは十分な距離を保ち、右腕を振り落とした瞬間、地面が陥没するほどの衝撃を叩き付ける。
ビキィイイイッ……!!
「これは……わっしの足場を崩すつもりか」
どうやら外見よりも知能が高く、足場を奪われて体勢を崩せば刀は扱えず、ハヤテはその場を跳躍して緑葉刀の柄を握りしめる。
「だが、詰めが甘い!!」
『ガウッ!?』
ハヤテは空中で抜刀し、鞘から緑色に光り輝く刀身が露わになる。七魔剣の一角である緑葉刀、その能力は結界系の魔法を断ち切る事で有名ではあるが、その切れ味に関しても凄まじく、デュランダルの素材にも扱われているアダマンタイトと呼ばれる鉱石を加工された刃は極限にまで磨き上げられ、その切断力は聖剣を上回る。
「一刀……断!!」
スパァアアアアンッ!!
『ガァアアアアッ……!?』
フェンリルの右腕が大きく切り裂かれ、血飛沫が舞い散る。鋼鉄を上回る体毛を容易く切断し、さらに筋肉や骨にまで達するほどの切れ味であり、フェンリルは片腕を損傷した事で体勢を崩し、倒れこむ。
「す、すごい……何という切れ味……」
「あれが緑葉刀……森人族の至宝」
その圧倒的な切断力にセンリは息を飲み、フウカは自慢げに語るが、当のハヤテは緑葉刀を鞘に納めると、眉を顰める
「くっ……やはり、鈍ちまっていやすね」
ハヤテは緑葉刀に視線を向け、苦笑いを浮かべる。かつてはこの太刀で幾多の強敵を打ち倒したが、数十年ぶりに使用する緑葉刀に重みを感じ、鍛練を怠ったつもりはないが、久しく自分と同等以上の敵と相対した経験が少なくなった事が原因であり、昔よりも随分と戦闘の勘が鈍っている。
「わっしもまだまだ甘い……ここは基本に戻る必要がありやす」
護衛長の立場に就いた事で戦士達の育成に励んでばかりで自分の技を磨く事を怠り、レイアに敗北した事を思い返す。あの日以来、視覚を頼る戦闘法を見直して彼なりに自分自身を鍛え直したが、レイアが死亡した事で目標を失ってしまい、自分自身の強さを求める欲求が薄まってしまった。
しかし、今の時代にもレノやホムラ、他にもゴンゾウやジャンヌといった実力者は数多く存在し、この戦闘が終えれば護衛長の座を他の人間に受け渡し、もう一度武者修行の旅に出る事を考える。その前にまずは目の前の世界の害悪となる存在を打ち倒す事が重要であり、緑葉刀を構える。
「鉄球!!」
チュドドドドッ!!
『グォオオオオッ!?』
ハヤテが斬り付けた右腕の傷にセンリが光球を叩き付け、傷口を抉る。随分と残酷な行為に思えるが、効果は覿面であり、フェンリルは嫌がるようにその場を離れる。
「逃さない!!」
ドォオオンッ!!
フウカが刃を振るい、風属性の斬撃を放つ。彼女は護衛長の中では一番力が劣るが、それでも森人族の戦士から選別された一流の戦士であり、風の刃を遠隔操作してフェンリルの瞳に叩き付ける。
ズバァアアアッ……!!
『ウォオオオッ……!?』
眼球にまで斬撃は届かなかったが、それでも瞼の皮膚を切断には成功し、フェンリルは怒りの表情を浮かべて体毛を逆立たせる。
『グガァアアアアアアアッ……!!』
「ウォオオオオオオオンッ!!」
フェンリルの咆哮に対抗するようにウルが雄叫びを上げ、二匹の狼は睨み合い、同時に駈け出す。
「いかん!!」
ハヤテはウルが暴走したのかと慌てて駈け出すが、大分距離が離れており、そのままウルはセンリとフウカを乗せたまま、フェンリルに衝突しようとした時、
「フラッシュ・バーン!!」
――カッ!!
センリが杖先から凄まじい閃光を放ち、フェンリルは視界を奪われる。その隙を逃さず、ウルは跳躍すると牙を剥き出しにして襲い掛かる。
ガキィイイインッ!!
『グオォオオオッ!?』
「ガァアアアアッ……!!」
ウルが嚙みついたのはフェンリルの鼻先であり、そのまま血を滲ませる程に食らい付き、フェンリルは悲鳴を上げて振り払おうとするが、空中に放り出されたフウカとセンリが同時に攻撃を仕掛ける。
「セイント・フォース!!」
「裂空斬!!」
ズドォオオオンッ!!
風属性と聖属性の砲撃魔法が同時に繰り出され、フェンリルの両目に放たれる。片方は切り裂かれ、もう片方は高熱で蒸発され、完全に視力を失ったフェンリルは悲鳴を上げる。
『グギャアァアアアアアッ……!?』
ドスゥウウウンッ……!!
伝説の巨狼は後ろ向きに倒れ込み、必死に両前脚で瞼を覆いつくすが、既に手遅れであり、両目の視力が戻る事はない。
「……終わりでやんす」
『ガァッ……!?』
暗闇に覆われた視界の中、フェンリルは自分の耳元に聞こえてきた声に硬直し、何時の間にか額の上に移動していたハヤテは緑葉刀を振るいあげ、勢いよく突き刺す。
「ふんっ!!」
――ズゥウウウウンッ!!
刃を根元まで貫通させ、フェンリルの脳内にまで刃が至り、最強の狼は終わりを迎えた。
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