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大迷宮編 〈後半編〉
七魔剣
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「凄い……」
「これが、魔剣の力なのか?いや、だが……これではまるで聖剣ではないか」
「……歴史に名を刻んだ七魔剣、その一振りがあの炎魔刀」
ハヤテの人達で何十メートルもの大木を覆いつくしていた火炎が消え去り、残されたのは黒焦げと化した樹木の成れの果てだけであり、ハヤテは炎魔刀を鞘に納めると、額から汗を流しながら振り返る。
「……この年齢でも扱えるのか不安でしたが、上手く行きやしたね。ですが、やはりこの刀はコウシュンさん向けだ」
「そ、その剣は一体!?」
「炎魔刀……魔王が緑葉刀と共に造り上げた七魔剣の一つでやんす」
「……七、魔剣?」
初めて耳にする単語にコトミたちは首を傾げるが、ハヤテは鞘に納めると植物兵士達と戦闘を繰り広げるレノの咆哮に視線を向けると、
「どうやら、あちらさんも終わりのようですね」
――ドォオオオオンッ!!
地上から電撃が放たれ、無数の植物兵が薙ぎ倒される光景を目にしてハヤテは笑みを浮かべ、どうやら囮の役割処か逆に全ての植物兵を駆逐する勢いでレノが砲撃魔法を繰り返しており、電撃が舞い散る。
「さて、レノさんが最後の後片付けを終えるまでわっし等はここで待機してやしょう。下手に援軍に向かえばレノさんの邪魔になるでしょうからね」
「怪我人はどうする?これだけの人数を運ぶとなると相当に時間が掛かるぞ」
「その点はレノさんに任せましょう。あの人の転移魔方陣なら一度で何人もの人間を無事に移動させる事が出来やすから、わっし等は植物兵の残党が現れないのかを注意しながら見守りましょう」
ハヤテの言葉通り、リノン達は救い出した怪我人達を一か所に集め、全員が意識を失っているが一命は取り留めており、寄生樹の影響で随分とやせ細っているが回復魔法や十分な食料と水を提供すれば問題ないだろう。
レノが植物兵を一層する間、リノン達は怪我人の解放と同時に見張り役を行い、ハヤテは岩の上に腰掛けながら炎魔刀と呼ばれた刀に視線を向け、ゆっくりと語り出す。
「……リノンさんはこの炎魔刀の事を先ほど尋ねやしたが、この魔剣については何も知らないんでやんすか?」
「え、あ、はい……炎を生み出す魔剣ならともかく、火炎その物を吸収するような魔剣があるなんて初めて知りました」
「無理もない。人間の間ではこの魔剣を知っている者は限られている」
「良い機会かもしれやせん。いずれは打ち明けるつもりでしたが、魔王が造り出した七魔剣の事から説明しやしょうか」
炎魔刀の情報を知らなかったリノンに対し、ハヤテはゆっくりと森人族の過去の歴史を語り出す。どうして緑葉刀や炎魔刀といった魔剣が造り出されたのか、魔王がどのような経緯で魔剣を開発したのかを語る。
――事の切っ掛けは魔王がアトラス大森林を占拠してから数年の時が経過し、彼女はより大きな力を求めるように世界中の聖遺物の回収をセンチュリオンに命じる。
だが、回収した武具系の聖遺物の殆どが聖剣であり、全ての聖剣は「選定者」と呼ばれる仕組みが存在し、世界中で聖剣を扱える人間はただ一人であり、どんなに強大な魔力を所有していようと聖剣の選定者でなければその効果は発揮できない。
クサナギやアイギスにしろ、聖剣以外にも適応した人間でなければ力を発揮できない聖遺物も多く、魔王は折角回収した聖遺物を扱いきれず、結局大部分を人の手に届かぬ場所に隠すしかなかった(アイリィ本人は自分の魔力を聖光石に宿して使用すれば聖剣を使用できる事は知っていたが、魔王と彼女の記憶は共有されていない)。
魔王は全種族の領土の侵略の効率化を図るため、当時は絶滅していなかった「ドワーフ族」と魔術協会の捕虜を収集させて聖剣に匹敵する武器の製造を命ずる。彼等は世界中から集められた希少な素材と魔王が直々に魔力を込めた魔水晶を渡され、彼等なりに研究を行って開発に取り組む。
失敗すれば殺されるのは間違いないため、魔術協会の人間は生前にアイリィが残した全ての資料を解析し、そして彼女が密かに提案していた人工的に魔剣を製造する資料を見つけ出し、開発を進める。結果として、アトラス大森林を征服してから数年後、聖剣には及ばずとも、使い手によっては大きな成果を発揮する魔剣が製造された。
――開発された魔剣は魔王自身が造り出した「緑葉刀」を含めて「7つ」であり、後にこの魔剣は「七魔剣」と呼ばれるようになり、緑葉刀、炎魔刀、守護刀、飛燕、氷華、雪奈、そして村正と呼ばれる魔剣が生み出された。
しかし、この七魔剣を開発した研究員達は全員魔王に殺されてしまう。その理由は開発に協力したドワーフが七魔剣の力を利用して魔王に反旗を翻したが、最強の聖剣と最悪の魔槍を二振り扱う彼女には七魔剣では到底敵わず、自分に逆らった者がどんな末路を遂げるのか知らしめるため、魔王は世界中のドワーフ族を殲滅した。
結局、開発された七魔剣の幾つかは逃走を計ったドワーフ族に盗まれてしまい、その内の二つである飛燕と氷華は銀の英雄であるナナの手に渡り、雪奈に関しては天人族と偽った調整者のシュン(先代)が回収し、緑葉刀と炎魔刀以外の魔拳は全て世界中に散ってしまう。
七魔剣の中でも最強を誇る「村正」は未だに消息不明であり、村正の名前だけは有名ではあるが、その詳細は誰にも知られていない。村正の模造刀は幾つも存在するが、本物の村正に関しては現存しているのかどうかさえも怪しまれており、既に消えてなくなっている可能性もある。
七魔剣は聖剣には匹敵しないが、それでも現在の世界では聖遺物級の能力を誇る魔剣であり、実際に緑葉刀はアイギスの守護壁を破壊し、炎魔刀はレーヴァティンの炎でさえも無効化する事が可能であり、だからこそハヤテは今回の調査に赴く時にレフィーアから許可を得て炎魔刀を持ち込んだ。
「うぉ~いっ」
「レノ!!無事だったんだな!!」
「何とかね……けど、大樹が燃えた時は焦った」
「すいません……わざわざ囮役を押し付けて、結局このような形になるとは……」
「あの状況じゃ仕方なかった」
「まあ、皆無事で良かったよ」
植物兵の一掃を終えたレノが現れ、現状の情報を共有する。彼の話によると大本である大樹が燃え尽きた事により、植物兵は暴走を始めてレノに襲い掛かったが、その全員が電撃で打ち倒したという。最早、彼等全員が正気を失っており、助けられる状態ではなく、電撃で一掃した。
燃え尽きた大樹を調査したハヤテによると、どうやらオークが所有していた薬草の原料は寄生樹で間違いなく、恐らくは生物の養分を多分に急襲し尽くした事で寄生樹に聖属性のような魔力が満ち溢れ、寄生樹の葉には肉体に脅威的な回復力を促す効果がある能力が芽生えたようだが、このような状態ではもう採取は出来ないのは明白だった。
「レノさんには苦労を掛けてしまいますが、この方たちの移動をお願いできやすか?」
「別にいいけど、転移魔方陣を書き込まな……!?」
大樹から救い出した人間達を安全な場所まで転移させようとレノ達が視線を向けると、そこには異様な光景が広がっていた。
「ううっ……」
「ああっ……」
「ぐぅああああっ……」
そこには虚ろな瞳で気絶していたはずの怪我人が起き上がり、彼等はレノ達に視線を向けると、全身に異変が訪れる。
『――ウオァアアアアアアアアアッ!!』
レノ達の目の前で救い出したはずの人間達の肉体が植物に変異を行い、まるで人間の形をした植物に変化したような姿に誰もが目を見開き、同時に顔の部分にはラフレシアを想像させる紅色の赤色の花が咲き乱れ、雄叫びのような音を響き渡らせる。
ギィイイイイイイイイイイッ――!!
その音量は周囲一帯にまで響き渡り、レノ達は耐え切れずに耳を抑えた。
「これが、魔剣の力なのか?いや、だが……これではまるで聖剣ではないか」
「……歴史に名を刻んだ七魔剣、その一振りがあの炎魔刀」
ハヤテの人達で何十メートルもの大木を覆いつくしていた火炎が消え去り、残されたのは黒焦げと化した樹木の成れの果てだけであり、ハヤテは炎魔刀を鞘に納めると、額から汗を流しながら振り返る。
「……この年齢でも扱えるのか不安でしたが、上手く行きやしたね。ですが、やはりこの刀はコウシュンさん向けだ」
「そ、その剣は一体!?」
「炎魔刀……魔王が緑葉刀と共に造り上げた七魔剣の一つでやんす」
「……七、魔剣?」
初めて耳にする単語にコトミたちは首を傾げるが、ハヤテは鞘に納めると植物兵士達と戦闘を繰り広げるレノの咆哮に視線を向けると、
「どうやら、あちらさんも終わりのようですね」
――ドォオオオオンッ!!
地上から電撃が放たれ、無数の植物兵が薙ぎ倒される光景を目にしてハヤテは笑みを浮かべ、どうやら囮の役割処か逆に全ての植物兵を駆逐する勢いでレノが砲撃魔法を繰り返しており、電撃が舞い散る。
「さて、レノさんが最後の後片付けを終えるまでわっし等はここで待機してやしょう。下手に援軍に向かえばレノさんの邪魔になるでしょうからね」
「怪我人はどうする?これだけの人数を運ぶとなると相当に時間が掛かるぞ」
「その点はレノさんに任せましょう。あの人の転移魔方陣なら一度で何人もの人間を無事に移動させる事が出来やすから、わっし等は植物兵の残党が現れないのかを注意しながら見守りましょう」
ハヤテの言葉通り、リノン達は救い出した怪我人達を一か所に集め、全員が意識を失っているが一命は取り留めており、寄生樹の影響で随分とやせ細っているが回復魔法や十分な食料と水を提供すれば問題ないだろう。
レノが植物兵を一層する間、リノン達は怪我人の解放と同時に見張り役を行い、ハヤテは岩の上に腰掛けながら炎魔刀と呼ばれた刀に視線を向け、ゆっくりと語り出す。
「……リノンさんはこの炎魔刀の事を先ほど尋ねやしたが、この魔剣については何も知らないんでやんすか?」
「え、あ、はい……炎を生み出す魔剣ならともかく、火炎その物を吸収するような魔剣があるなんて初めて知りました」
「無理もない。人間の間ではこの魔剣を知っている者は限られている」
「良い機会かもしれやせん。いずれは打ち明けるつもりでしたが、魔王が造り出した七魔剣の事から説明しやしょうか」
炎魔刀の情報を知らなかったリノンに対し、ハヤテはゆっくりと森人族の過去の歴史を語り出す。どうして緑葉刀や炎魔刀といった魔剣が造り出されたのか、魔王がどのような経緯で魔剣を開発したのかを語る。
――事の切っ掛けは魔王がアトラス大森林を占拠してから数年の時が経過し、彼女はより大きな力を求めるように世界中の聖遺物の回収をセンチュリオンに命じる。
だが、回収した武具系の聖遺物の殆どが聖剣であり、全ての聖剣は「選定者」と呼ばれる仕組みが存在し、世界中で聖剣を扱える人間はただ一人であり、どんなに強大な魔力を所有していようと聖剣の選定者でなければその効果は発揮できない。
クサナギやアイギスにしろ、聖剣以外にも適応した人間でなければ力を発揮できない聖遺物も多く、魔王は折角回収した聖遺物を扱いきれず、結局大部分を人の手に届かぬ場所に隠すしかなかった(アイリィ本人は自分の魔力を聖光石に宿して使用すれば聖剣を使用できる事は知っていたが、魔王と彼女の記憶は共有されていない)。
魔王は全種族の領土の侵略の効率化を図るため、当時は絶滅していなかった「ドワーフ族」と魔術協会の捕虜を収集させて聖剣に匹敵する武器の製造を命ずる。彼等は世界中から集められた希少な素材と魔王が直々に魔力を込めた魔水晶を渡され、彼等なりに研究を行って開発に取り組む。
失敗すれば殺されるのは間違いないため、魔術協会の人間は生前にアイリィが残した全ての資料を解析し、そして彼女が密かに提案していた人工的に魔剣を製造する資料を見つけ出し、開発を進める。結果として、アトラス大森林を征服してから数年後、聖剣には及ばずとも、使い手によっては大きな成果を発揮する魔剣が製造された。
――開発された魔剣は魔王自身が造り出した「緑葉刀」を含めて「7つ」であり、後にこの魔剣は「七魔剣」と呼ばれるようになり、緑葉刀、炎魔刀、守護刀、飛燕、氷華、雪奈、そして村正と呼ばれる魔剣が生み出された。
しかし、この七魔剣を開発した研究員達は全員魔王に殺されてしまう。その理由は開発に協力したドワーフが七魔剣の力を利用して魔王に反旗を翻したが、最強の聖剣と最悪の魔槍を二振り扱う彼女には七魔剣では到底敵わず、自分に逆らった者がどんな末路を遂げるのか知らしめるため、魔王は世界中のドワーフ族を殲滅した。
結局、開発された七魔剣の幾つかは逃走を計ったドワーフ族に盗まれてしまい、その内の二つである飛燕と氷華は銀の英雄であるナナの手に渡り、雪奈に関しては天人族と偽った調整者のシュン(先代)が回収し、緑葉刀と炎魔刀以外の魔拳は全て世界中に散ってしまう。
七魔剣の中でも最強を誇る「村正」は未だに消息不明であり、村正の名前だけは有名ではあるが、その詳細は誰にも知られていない。村正の模造刀は幾つも存在するが、本物の村正に関しては現存しているのかどうかさえも怪しまれており、既に消えてなくなっている可能性もある。
七魔剣は聖剣には匹敵しないが、それでも現在の世界では聖遺物級の能力を誇る魔剣であり、実際に緑葉刀はアイギスの守護壁を破壊し、炎魔刀はレーヴァティンの炎でさえも無効化する事が可能であり、だからこそハヤテは今回の調査に赴く時にレフィーアから許可を得て炎魔刀を持ち込んだ。
「うぉ~いっ」
「レノ!!無事だったんだな!!」
「何とかね……けど、大樹が燃えた時は焦った」
「すいません……わざわざ囮役を押し付けて、結局このような形になるとは……」
「あの状況じゃ仕方なかった」
「まあ、皆無事で良かったよ」
植物兵の一掃を終えたレノが現れ、現状の情報を共有する。彼の話によると大本である大樹が燃え尽きた事により、植物兵は暴走を始めてレノに襲い掛かったが、その全員が電撃で打ち倒したという。最早、彼等全員が正気を失っており、助けられる状態ではなく、電撃で一掃した。
燃え尽きた大樹を調査したハヤテによると、どうやらオークが所有していた薬草の原料は寄生樹で間違いなく、恐らくは生物の養分を多分に急襲し尽くした事で寄生樹に聖属性のような魔力が満ち溢れ、寄生樹の葉には肉体に脅威的な回復力を促す効果がある能力が芽生えたようだが、このような状態ではもう採取は出来ないのは明白だった。
「レノさんには苦労を掛けてしまいますが、この方たちの移動をお願いできやすか?」
「別にいいけど、転移魔方陣を書き込まな……!?」
大樹から救い出した人間達を安全な場所まで転移させようとレノ達が視線を向けると、そこには異様な光景が広がっていた。
「ううっ……」
「ああっ……」
「ぐぅああああっ……」
そこには虚ろな瞳で気絶していたはずの怪我人が起き上がり、彼等はレノ達に視線を向けると、全身に異変が訪れる。
『――ウオァアアアアアアアアアッ!!』
レノ達の目の前で救い出したはずの人間達の肉体が植物に変異を行い、まるで人間の形をした植物に変化したような姿に誰もが目を見開き、同時に顔の部分にはラフレシアを想像させる紅色の赤色の花が咲き乱れ、雄叫びのような音を響き渡らせる。
ギィイイイイイイイイイイッ――!!
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