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大迷宮編 〈前半編〉
決闘編 〈アカバ対リノン〉
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「では続けて第二戦目に入りたいと思いますが……ジャンヌ選手はどうしますか? このまま続投しますか?それとも、一度交代しますか?」
「……申し訳ありません。正直に言えば立っているのも辛いです」
センリの問いかけにジャンヌは戦斧を杖代わりにしながら結界が解除された試合場から降りる。既にアオバは自分の仲間たちの元に戻っており、カイザンに正座を強要されて説教をされていた。
「どうして最初から本気を出さなかった。決して勝てない相手ではなかっただろう?」
「すいません……」
「たくっ……アオバは本当に詰めが甘いね。だから何時まで経っても弱虫なんだよ」
「まあまあ……別にいいではないですか。残りの私達が勝てばいい話です」
アオバの周囲にエルフ達が集まり、彼を叱る者、呆れる者、宥める者と賑やかであり、一方でレノ達も勝利したジャンヌの元に集まる。
「……お疲れジャンヌ」
「あ、ありがとうございます……というか、いたのですかコトミ?」
「……一応は巫女姫様の護衛役」
「決闘中は回復薬や魔法の治療は受けられないんだっけ?」
「ああ……ちなみにレノの魔力供給もだめだな。あれも一応は回復魔法扱いだからな」
「なら、次は誰が出る?」
森人族側の選手は決まっているらしく、次鋒戦を勤める女性の剣士が既に試合場に登場している。相手が剣士である以上、素手で戦うレノには不利かもしれない(今更な気もするが)。
「よし、私が出るぞ」
「ほう……火炎剣士のリノンですか、腕が鳴りますね」
「なにその安直な異名……」
リノンがジャンヌと交代で試合場に登ると、相手の女性剣士は笑みを浮かべ、どうやらホムラと同じダークエルフらしく、エルフとしては珍しく長剣ではなく短刀を腰に挿していた。
「では、第二戦目を始めます。準備はいいですね?」
「はい」
「早くしなさい」
センリの言葉に素直に頷くリノンに対し、相手の女性剣士は待ちきれないとばかりに短刀を抜き取り、刃に舌を這わせる。レノは現実にそんな真似をする人間(エルフ)を見たのは初めてであり、あの行為にどんな意味があるのかと不思議でならないが、
「あの方……もしや赤葉の森の方ではないでしょうか?」
「赤葉の森?」
レノの脳裏に随分と昔の話だが、前々回の剣乱武闘に出場した際、闘技場で出会った赤葉の森の「カレーネ」を思い出す。ムメイの様に外見は若々しいが、彼女は赤葉の森の族長を勤めているはずであり、カノンの予想では試合場に登った女性剣士は彼女が収める森の戦士ではないかと判断する。
「あの人の来ている服装に見覚えがあります。以前、任務で赤葉の森に訪れた際に遭遇したエルフの剣士と同じ服装でしたから……」
「赤葉の森の戦士ですか……強敵ですね」
「そうなの?」
「レノさんはご存じないようですが、赤葉の森の戦士は森人族の中でも戦闘に特化している事で有名です。まあ、深淵の森のエルフの方々の方が有名ではありますが……」
「そこ‼聞こえてるよ‼あんな裏切り者たちと比べないでくれる⁉」
試合場の女性が不愉快だとばかりにレノ達に語り掛け、森人族にとって深淵の森のエルフ達は魔王に寝返った裏切り者扱いであり、ムメイも含めて深淵の森のエルフ達は現在は罪人として扱われている。
だからこそ、嘗てはレノの命を狙ったエルフ達も現在は逆に同じ種族であるエルフ達に命を狙われる立場であり、ムメイを信じて行動してきた深淵の森のエルフ達は現在は殆どが王国の監獄に収監され、命だけは助かっている状態にある。
一部のエルフ達はレノノ森に住むムミョウに懇願し、もう二度とレノを狙わない事を誓ってレノノ森に住むことを許されている。今ではフレイを隊長とした護衛部隊が結成されており、領主であるレノに忠誠を誓っているが。
「戦う前にこっちも自己紹介はしておくね。私はアカバ、あそこにいるアオバとは別に姉弟でもなんでもないから勘違いしないでよね?」
「はあ……先ほど性格が変わってませんか?」
「おっといけない……素が出ちゃってたよ」
何処となく赤葉の森の族長のカレーネを想像させる性格のアカバにレノは苦笑し、確かにカレーネも最初は礼儀正しく振る舞っていたが、外見と年齢に触れるとヤクザのような口調で脅してきたため、そういう点ではアカバも似通っているかもしれない。
「あの……もう始まってるんですか」
「「っ‼」」
ガキィイインッ‼
センリの言葉にアカバとリノンが反応し、2人の刃が交う。長剣のリノンに対し、アカバは短刀で刃を受け流し、2人は激しい剣戟を繰り広げる。
「火炎剣‼」
「噂通り‼」
ボウッ‼
刀身に炎を纏わせたリノンに対し、アカバは距離を取ると、短刀を逆手に持ち帰る。
「レッドナイフ」
「えっ?」
アカバが握りしめる刀身が赤く変色し、刃に熱が生じた事が分かる。レノは随分と久しぶりに聞いた魔法名に驚きを隠せず、どうして彼女があのクズキと同じ魔法を扱えるのか気になった。
(あの魔法はクズキのオリジナルじゃなかったのか……? )
短刀の刃に高熱を帯びると、アカバはそのまま笑みを浮かべながらリノンに切りかかる。
「ひゃはぁっ‼」
「くっ⁉」
ガキィイインッ‼
ポチ子のように身軽に跳躍しながら切りかかり、リノンは咄嗟に刃で受け流すが、その速度は尋常ではなく、反撃する暇もなく攻撃してくる。
「そらそらそら‼」
「このっ……‼」
ガキィンッ‼キィンッ‼
普通の刃ならばリノンの火炎剣の高熱で耐え切れなかったろうが、同じ火属性の魔力を付与したアカバの短刀は彼女の炎にも耐え凌ぐらしく、連撃で仕留めようとする。
「せいっ‼」
「おっと」
ブォンッ‼
大振りのリノンの斬撃を冷静に後方に移動して回避し、アカバは鼻歌混じりに距離を取る。まるで獣人族のように身軽な動きであり、レノが今まで遭遇したエルフ達とは違った初めてのタイプである。
「火針(ヒバリ)‼」
「それも知ってるよ‼」
ドォンッ‼
リノンが指先を差し向けて火属性の魔弾を射出するが、アカバは軽く頭を下げて回避し、どうやらこの様子ではリノンが扱う技を全て事前に調査済みらしい。となると技の種類が少ないリノンでは不利なあいてであり、彼女は唇を噛み締める。
「今度はこっちだ‼ブレイド‼」
「刀身が伸びた⁉」
またクズキが扱う魔法をアカバは披露し、彼女の握りしめる短刀の刃が変形して長剣へと変わり果てる。これは無属性の魔法であり、レノも一応は扱えるが使用する機会が無かったため実戦で使用したことはなく、アカバは戦法を変えたのか今度は真正面から切りかかる。
「はあっ‼」
「なんのっ‼」
ガキィイイインッ‼
二人の剣士の刃が衝突し、周囲に金属音が響き渡る。単純な技量はリノンが上だが、次々と戦法を変えてくるアカバに翻弄され、本来の実力を発揮できていないように思われた。
「……申し訳ありません。正直に言えば立っているのも辛いです」
センリの問いかけにジャンヌは戦斧を杖代わりにしながら結界が解除された試合場から降りる。既にアオバは自分の仲間たちの元に戻っており、カイザンに正座を強要されて説教をされていた。
「どうして最初から本気を出さなかった。決して勝てない相手ではなかっただろう?」
「すいません……」
「たくっ……アオバは本当に詰めが甘いね。だから何時まで経っても弱虫なんだよ」
「まあまあ……別にいいではないですか。残りの私達が勝てばいい話です」
アオバの周囲にエルフ達が集まり、彼を叱る者、呆れる者、宥める者と賑やかであり、一方でレノ達も勝利したジャンヌの元に集まる。
「……お疲れジャンヌ」
「あ、ありがとうございます……というか、いたのですかコトミ?」
「……一応は巫女姫様の護衛役」
「決闘中は回復薬や魔法の治療は受けられないんだっけ?」
「ああ……ちなみにレノの魔力供給もだめだな。あれも一応は回復魔法扱いだからな」
「なら、次は誰が出る?」
森人族側の選手は決まっているらしく、次鋒戦を勤める女性の剣士が既に試合場に登場している。相手が剣士である以上、素手で戦うレノには不利かもしれない(今更な気もするが)。
「よし、私が出るぞ」
「ほう……火炎剣士のリノンですか、腕が鳴りますね」
「なにその安直な異名……」
リノンがジャンヌと交代で試合場に登ると、相手の女性剣士は笑みを浮かべ、どうやらホムラと同じダークエルフらしく、エルフとしては珍しく長剣ではなく短刀を腰に挿していた。
「では、第二戦目を始めます。準備はいいですね?」
「はい」
「早くしなさい」
センリの言葉に素直に頷くリノンに対し、相手の女性剣士は待ちきれないとばかりに短刀を抜き取り、刃に舌を這わせる。レノは現実にそんな真似をする人間(エルフ)を見たのは初めてであり、あの行為にどんな意味があるのかと不思議でならないが、
「あの方……もしや赤葉の森の方ではないでしょうか?」
「赤葉の森?」
レノの脳裏に随分と昔の話だが、前々回の剣乱武闘に出場した際、闘技場で出会った赤葉の森の「カレーネ」を思い出す。ムメイの様に外見は若々しいが、彼女は赤葉の森の族長を勤めているはずであり、カノンの予想では試合場に登った女性剣士は彼女が収める森の戦士ではないかと判断する。
「あの人の来ている服装に見覚えがあります。以前、任務で赤葉の森に訪れた際に遭遇したエルフの剣士と同じ服装でしたから……」
「赤葉の森の戦士ですか……強敵ですね」
「そうなの?」
「レノさんはご存じないようですが、赤葉の森の戦士は森人族の中でも戦闘に特化している事で有名です。まあ、深淵の森のエルフの方々の方が有名ではありますが……」
「そこ‼聞こえてるよ‼あんな裏切り者たちと比べないでくれる⁉」
試合場の女性が不愉快だとばかりにレノ達に語り掛け、森人族にとって深淵の森のエルフ達は魔王に寝返った裏切り者扱いであり、ムメイも含めて深淵の森のエルフ達は現在は罪人として扱われている。
だからこそ、嘗てはレノの命を狙ったエルフ達も現在は逆に同じ種族であるエルフ達に命を狙われる立場であり、ムメイを信じて行動してきた深淵の森のエルフ達は現在は殆どが王国の監獄に収監され、命だけは助かっている状態にある。
一部のエルフ達はレノノ森に住むムミョウに懇願し、もう二度とレノを狙わない事を誓ってレノノ森に住むことを許されている。今ではフレイを隊長とした護衛部隊が結成されており、領主であるレノに忠誠を誓っているが。
「戦う前にこっちも自己紹介はしておくね。私はアカバ、あそこにいるアオバとは別に姉弟でもなんでもないから勘違いしないでよね?」
「はあ……先ほど性格が変わってませんか?」
「おっといけない……素が出ちゃってたよ」
何処となく赤葉の森の族長のカレーネを想像させる性格のアカバにレノは苦笑し、確かにカレーネも最初は礼儀正しく振る舞っていたが、外見と年齢に触れるとヤクザのような口調で脅してきたため、そういう点ではアカバも似通っているかもしれない。
「あの……もう始まってるんですか」
「「っ‼」」
ガキィイインッ‼
センリの言葉にアカバとリノンが反応し、2人の刃が交う。長剣のリノンに対し、アカバは短刀で刃を受け流し、2人は激しい剣戟を繰り広げる。
「火炎剣‼」
「噂通り‼」
ボウッ‼
刀身に炎を纏わせたリノンに対し、アカバは距離を取ると、短刀を逆手に持ち帰る。
「レッドナイフ」
「えっ?」
アカバが握りしめる刀身が赤く変色し、刃に熱が生じた事が分かる。レノは随分と久しぶりに聞いた魔法名に驚きを隠せず、どうして彼女があのクズキと同じ魔法を扱えるのか気になった。
(あの魔法はクズキのオリジナルじゃなかったのか……? )
短刀の刃に高熱を帯びると、アカバはそのまま笑みを浮かべながらリノンに切りかかる。
「ひゃはぁっ‼」
「くっ⁉」
ガキィイインッ‼
ポチ子のように身軽に跳躍しながら切りかかり、リノンは咄嗟に刃で受け流すが、その速度は尋常ではなく、反撃する暇もなく攻撃してくる。
「そらそらそら‼」
「このっ……‼」
ガキィンッ‼キィンッ‼
普通の刃ならばリノンの火炎剣の高熱で耐え切れなかったろうが、同じ火属性の魔力を付与したアカバの短刀は彼女の炎にも耐え凌ぐらしく、連撃で仕留めようとする。
「せいっ‼」
「おっと」
ブォンッ‼
大振りのリノンの斬撃を冷静に後方に移動して回避し、アカバは鼻歌混じりに距離を取る。まるで獣人族のように身軽な動きであり、レノが今まで遭遇したエルフ達とは違った初めてのタイプである。
「火針(ヒバリ)‼」
「それも知ってるよ‼」
ドォンッ‼
リノンが指先を差し向けて火属性の魔弾を射出するが、アカバは軽く頭を下げて回避し、どうやらこの様子ではリノンが扱う技を全て事前に調査済みらしい。となると技の種類が少ないリノンでは不利なあいてであり、彼女は唇を噛み締める。
「今度はこっちだ‼ブレイド‼」
「刀身が伸びた⁉」
またクズキが扱う魔法をアカバは披露し、彼女の握りしめる短刀の刃が変形して長剣へと変わり果てる。これは無属性の魔法であり、レノも一応は扱えるが使用する機会が無かったため実戦で使用したことはなく、アカバは戦法を変えたのか今度は真正面から切りかかる。
「はあっ‼」
「なんのっ‼」
ガキィイイインッ‼
二人の剣士の刃が衝突し、周囲に金属音が響き渡る。単純な技量はリノンが上だが、次々と戦法を変えてくるアカバに翻弄され、本来の実力を発揮できていないように思われた。
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