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大迷宮編 〈前半編〉
緑葉塔の攻防
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――レノが数千のエルフ達と攻防を繰り広げている中、緑葉塔にも異変が起きていた。ハヤテはコウシュン達と合流することに成功したが、最上階では無数の影の一族の刺客たちと相対していた。全員がレフィーアを背負ったレミアを守護する形を取る。
「あっちの方では派手にやってんなぁ……こっちも負けてられねえなぁっ」
「そうでやんすね……まさかわっしが尾けられていたとは、申し訳ありやせん」
「いえ、どちらにしろ何時までも隠れられる場所ではありませんでした。遅かれ早かれ、見つかるのは時間の問題だったでしょう」
「だが、状況は悪いね……」
大穴から外の光景を確認し、先ほどから大集落の方で竜巻が電撃が舞い上がるのが見える所、レノが確実に近づいている事は分かる。だが、彼が到達する前にハヤテ達の方が刺客に見つかってしまい、次々と押し寄せてくる暗殺者たちに苦しめられていた。
「死ね‼裏切り者めらが‼」
「お前等が言えた義理か‼」
「げふっ⁉」
不用意に飛びかかってきた相手にコウシュンが蹴り飛ばし、それを見た暗殺者たちは短刀を構え、刃には毒液が含まれている。例え、掠り傷であろうと死を避けられないほどの猛毒が仕込まれており、コウシュンは舌打ちする。
「勝てばいいってのは分かるが、てめえらのように誇りもくそもねえ戦い方をする奴等は昔から気に喰わねえんだよ‼」
「それを言ったらコウシュンさんの不可視の斬撃もどうかと思いやすが……」
「あ、言われてみれば俺も人の事言えねえのか……」
「ぐああっ⁉」
ズバァッ‼
コウシュンが刃を空振りしただけで正面のエルフの手首が切り裂かれる。その隙にハヤテも居合の構えで剣を抜刀し、
「斬り捨て、御免」
「うああっ⁉」
「ぎゃああっ⁉」
「くっ……馬鹿どもが‼」
スバァアアンッ‼
彼の「間合い」に入り込んだ瞬間、刺客たちが次々と切り伏せられ、ハヤテが刃を鞘に納めた時には複数人の暗殺者たちが地に伏せる。その光景に大将軍であるレミアは感心し、流石は森人族の護衛長達であり、この状況では心強い。
しかし、それでも敵と味方に圧倒的な数の差があり、善戦はしているがコウシュン達は最上階から下の階には移動できず、当初の予定では緑葉塔の水門から外に脱出する手筈だったが、この様子では既に緑葉塔の内部は長老会の影の一族で完全に覆いつくされているだろう。
どうしてこのような状況に陥ったのかというと、ハヤテが丁度コウシュン達と合流を果たした直後、この最上階に刺客達が送り込まれた。そのために緑影達との交戦を避けられず、レフィーアを守護しながら進むしかない。
「全く……こんな状況でも魔法を使うなというのはきついね‼」
「人間がっ‼」
ガキィンッ‼
暗殺者の振り下ろした剣をホノカはクサナギの刃で受け止め、そのまま弾き返す。流石に一国の王としてある程度の武芸であり、転移術以外にも戦う術は身に着けている。それでもこの大樹を傷つけないため、クサナギの真の力を解放できない事に苛立ちを抱いている。
こんな状況でも、コウシュンとハヤテは緑葉塔を傷つける事を避けており、彼等も決して大樹を傷つけない程度に力を収めて攻撃を行っている。その気になれば護衛長と呼ばれる2人はせいぜい数十人程度の暗殺者程度など打ち倒せるが、彼等が本気で戦えばこの塔もただでは済まない。
一方、1人だけ戦闘に参加できないレミアはレフィーアを抱えたまま動けず、憑依術も発動できない。彼女は大穴の光景を確認し、レノを迎えにいった「ベータ」の言葉を思い浮かべる。
『充電も済んだので、ひとっ走りレノさんを迎えに行きますから、その間まで死なないで下さい。戻って着たらとっとと脱出しますよ』
それだけを告げるとベータは飛行ユニットを展開し、地上に向けて降り立つ。彼女が最短でレノを迎えに行って戻ってくるとしても数分は必要とし、その間にも続々と暗殺者たちが押し寄せてくる。
「くそっ‼本当にゴキブリみたいな奴等だな‼」
「今は敵とは言え、あまり同族を虫呼ばわりするのは感心しやせんね」
「本気で殺しに掛かってる奴等に同情する必要なんかねえでしょ‼」
「それもそうでやんすね」
ハヤテとコウシュンは切り捨てても続々と出現する暗殺者たちに背中を合わせ、後方にいる三人を伺う。ホノカも善戦はしているが暗殺者たちを打ち倒せるほどの技量はなく防戦に集中、レミアはレフィーアの保護で援護は期待できない。この場で実質戦えるのは2人だけであり、圧倒的に不利な状況だった。
「仕方ない……コウシュンさん、あれを使いやすよ」
「おいおい……この状況でそんな物まで持ち込んでたんですか?」
「普段から護身用に身に付けてやしてね……失明しないよう、気を付けて下さいよ」
ハヤテは懐から白色の魔石を取り出し、聖属性系統の魔石で「フラッシュ」と呼ばれる凄まじい閃光を放出する代物であり、
「いきやすよ……フラッシュ・オーバー」
「お前等‼ 目を塞いで伏せろ‼」
ハヤテが魔石を空中に放り投げ、コウシュンが後方にいる三人に声を掛けて頭を覆いながら地面に伏せる。次の瞬間、ハヤテは目にも見えぬ抜刀を行い、魔石を切り裂く。
――カッ‼
『ぐあぁあああああああっ⁉』
最上階の通路を覆いつくす程の凄まじい閃光が放たれ、暗殺者達の悲鳴が上がる。通常の目眩まし用の魔石とは違い、ハヤテが使用した魔石は森人族仕込みの特別製の代物であり、何の対策もせずにこの閃光を受けた者は視界を奪われる。
「くっ……事前に聞いていましたが、凄まじい光ですね」
「発動する前に視界を塞いでいなければ僕たちも危なかったな……」
「話している暇はねえ‼飛ぶぞ‼」
「この様子では下の階にも敵さんが待ち構えていそうだ……仕方ありやせんね」
事前に魔石が閃光を放つ前に目元を覆い隠していたコウシュン達は動き出し、大穴に向けて移動する。この様子では下を降りて正門や水門から脱出するのは難しく、ここは一か八かまた何者かが形成した大穴から脱出するしかない。
「飛ぶぞ‼」
「べ、ベータさんが戻ってこないと危険なのでは⁉それに私もまだミキを憑依させる事は……」
「問題無いでやんす。わっしの召喚獣の一体を呼び出しやすから」
「召喚獣……?この場所は転移系統の魔法は使えないんじゃ……」
「わっしの召喚獣はこの大森林に生息していやしてね。大森林の結界の外部だったら話は別ですが、大森林の内部なら召喚は可能でして……」
「長々と説明している場合じゃねえでしょ‼行きますよ‼」
コウシュンに急かされ、全員が大穴から外に向けて飛び降りる。普通ならば地上にいる弓兵たちから狙撃されても可笑しくないが、レノが地上で暴れているおかげで殆どの兵士は彼を討ち取るために動いており、そのままコウシュン達は空中を降下する。
「あばばばばっ……ふ、風圧が……‼」
「たく、こっちに掴まりな姉ちゃん」
「ほ、本当に大丈夫なんですか⁉」
「問題ありやせんよ……本当は滅多に内の乱暴者を召喚したくはないですが……致し方ありやせん」
ビュオォオオオオッ‼
ハヤテは掌を上空に向けて、魔方陣を展開させる。その規模は10メートルを超えており、すぐに中心部から生物が誕生する。それはホノカにも見覚えのある生物であり、以前にリバイアサン討伐のためにフライングシャーク号で移動している際に襲われた経験もある。
「あれは……嵐水竜!?」
「の、子供でやんす」
――ウォオオオオンッ‼
咆哮を上げながら魔方陣から出現したのは、嘗てレノ達を苦しめた大雨期の時期にのみに姿を現す東洋風の竜であり、そのまま子供の嵐水竜は身体中に黒雲を纏わせながら飛翔する。
「あっちの方では派手にやってんなぁ……こっちも負けてられねえなぁっ」
「そうでやんすね……まさかわっしが尾けられていたとは、申し訳ありやせん」
「いえ、どちらにしろ何時までも隠れられる場所ではありませんでした。遅かれ早かれ、見つかるのは時間の問題だったでしょう」
「だが、状況は悪いね……」
大穴から外の光景を確認し、先ほどから大集落の方で竜巻が電撃が舞い上がるのが見える所、レノが確実に近づいている事は分かる。だが、彼が到達する前にハヤテ達の方が刺客に見つかってしまい、次々と押し寄せてくる暗殺者たちに苦しめられていた。
「死ね‼裏切り者めらが‼」
「お前等が言えた義理か‼」
「げふっ⁉」
不用意に飛びかかってきた相手にコウシュンが蹴り飛ばし、それを見た暗殺者たちは短刀を構え、刃には毒液が含まれている。例え、掠り傷であろうと死を避けられないほどの猛毒が仕込まれており、コウシュンは舌打ちする。
「勝てばいいってのは分かるが、てめえらのように誇りもくそもねえ戦い方をする奴等は昔から気に喰わねえんだよ‼」
「それを言ったらコウシュンさんの不可視の斬撃もどうかと思いやすが……」
「あ、言われてみれば俺も人の事言えねえのか……」
「ぐああっ⁉」
ズバァッ‼
コウシュンが刃を空振りしただけで正面のエルフの手首が切り裂かれる。その隙にハヤテも居合の構えで剣を抜刀し、
「斬り捨て、御免」
「うああっ⁉」
「ぎゃああっ⁉」
「くっ……馬鹿どもが‼」
スバァアアンッ‼
彼の「間合い」に入り込んだ瞬間、刺客たちが次々と切り伏せられ、ハヤテが刃を鞘に納めた時には複数人の暗殺者たちが地に伏せる。その光景に大将軍であるレミアは感心し、流石は森人族の護衛長達であり、この状況では心強い。
しかし、それでも敵と味方に圧倒的な数の差があり、善戦はしているがコウシュン達は最上階から下の階には移動できず、当初の予定では緑葉塔の水門から外に脱出する手筈だったが、この様子では既に緑葉塔の内部は長老会の影の一族で完全に覆いつくされているだろう。
どうしてこのような状況に陥ったのかというと、ハヤテが丁度コウシュン達と合流を果たした直後、この最上階に刺客達が送り込まれた。そのために緑影達との交戦を避けられず、レフィーアを守護しながら進むしかない。
「全く……こんな状況でも魔法を使うなというのはきついね‼」
「人間がっ‼」
ガキィンッ‼
暗殺者の振り下ろした剣をホノカはクサナギの刃で受け止め、そのまま弾き返す。流石に一国の王としてある程度の武芸であり、転移術以外にも戦う術は身に着けている。それでもこの大樹を傷つけないため、クサナギの真の力を解放できない事に苛立ちを抱いている。
こんな状況でも、コウシュンとハヤテは緑葉塔を傷つける事を避けており、彼等も決して大樹を傷つけない程度に力を収めて攻撃を行っている。その気になれば護衛長と呼ばれる2人はせいぜい数十人程度の暗殺者程度など打ち倒せるが、彼等が本気で戦えばこの塔もただでは済まない。
一方、1人だけ戦闘に参加できないレミアはレフィーアを抱えたまま動けず、憑依術も発動できない。彼女は大穴の光景を確認し、レノを迎えにいった「ベータ」の言葉を思い浮かべる。
『充電も済んだので、ひとっ走りレノさんを迎えに行きますから、その間まで死なないで下さい。戻って着たらとっとと脱出しますよ』
それだけを告げるとベータは飛行ユニットを展開し、地上に向けて降り立つ。彼女が最短でレノを迎えに行って戻ってくるとしても数分は必要とし、その間にも続々と暗殺者たちが押し寄せてくる。
「くそっ‼本当にゴキブリみたいな奴等だな‼」
「今は敵とは言え、あまり同族を虫呼ばわりするのは感心しやせんね」
「本気で殺しに掛かってる奴等に同情する必要なんかねえでしょ‼」
「それもそうでやんすね」
ハヤテとコウシュンは切り捨てても続々と出現する暗殺者たちに背中を合わせ、後方にいる三人を伺う。ホノカも善戦はしているが暗殺者たちを打ち倒せるほどの技量はなく防戦に集中、レミアはレフィーアの保護で援護は期待できない。この場で実質戦えるのは2人だけであり、圧倒的に不利な状況だった。
「仕方ない……コウシュンさん、あれを使いやすよ」
「おいおい……この状況でそんな物まで持ち込んでたんですか?」
「普段から護身用に身に付けてやしてね……失明しないよう、気を付けて下さいよ」
ハヤテは懐から白色の魔石を取り出し、聖属性系統の魔石で「フラッシュ」と呼ばれる凄まじい閃光を放出する代物であり、
「いきやすよ……フラッシュ・オーバー」
「お前等‼ 目を塞いで伏せろ‼」
ハヤテが魔石を空中に放り投げ、コウシュンが後方にいる三人に声を掛けて頭を覆いながら地面に伏せる。次の瞬間、ハヤテは目にも見えぬ抜刀を行い、魔石を切り裂く。
――カッ‼
『ぐあぁあああああああっ⁉』
最上階の通路を覆いつくす程の凄まじい閃光が放たれ、暗殺者達の悲鳴が上がる。通常の目眩まし用の魔石とは違い、ハヤテが使用した魔石は森人族仕込みの特別製の代物であり、何の対策もせずにこの閃光を受けた者は視界を奪われる。
「くっ……事前に聞いていましたが、凄まじい光ですね」
「発動する前に視界を塞いでいなければ僕たちも危なかったな……」
「話している暇はねえ‼飛ぶぞ‼」
「この様子では下の階にも敵さんが待ち構えていそうだ……仕方ありやせんね」
事前に魔石が閃光を放つ前に目元を覆い隠していたコウシュン達は動き出し、大穴に向けて移動する。この様子では下を降りて正門や水門から脱出するのは難しく、ここは一か八かまた何者かが形成した大穴から脱出するしかない。
「飛ぶぞ‼」
「べ、ベータさんが戻ってこないと危険なのでは⁉それに私もまだミキを憑依させる事は……」
「問題無いでやんす。わっしの召喚獣の一体を呼び出しやすから」
「召喚獣……?この場所は転移系統の魔法は使えないんじゃ……」
「わっしの召喚獣はこの大森林に生息していやしてね。大森林の結界の外部だったら話は別ですが、大森林の内部なら召喚は可能でして……」
「長々と説明している場合じゃねえでしょ‼行きますよ‼」
コウシュンに急かされ、全員が大穴から外に向けて飛び降りる。普通ならば地上にいる弓兵たちから狙撃されても可笑しくないが、レノが地上で暴れているおかげで殆どの兵士は彼を討ち取るために動いており、そのままコウシュン達は空中を降下する。
「あばばばばっ……ふ、風圧が……‼」
「たく、こっちに掴まりな姉ちゃん」
「ほ、本当に大丈夫なんですか⁉」
「問題ありやせんよ……本当は滅多に内の乱暴者を召喚したくはないですが……致し方ありやせん」
ビュオォオオオオッ‼
ハヤテは掌を上空に向けて、魔方陣を展開させる。その規模は10メートルを超えており、すぐに中心部から生物が誕生する。それはホノカにも見覚えのある生物であり、以前にリバイアサン討伐のためにフライングシャーク号で移動している際に襲われた経験もある。
「あれは……嵐水竜!?」
「の、子供でやんす」
――ウォオオオオンッ‼
咆哮を上げながら魔方陣から出現したのは、嘗てレノ達を苦しめた大雨期の時期にのみに姿を現す東洋風の竜であり、そのまま子供の嵐水竜は身体中に黒雲を纏わせながら飛翔する。
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