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大迷宮編 〈前半編〉
深夜の戦闘
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――調査隊が集結してから半日が経過し、レノ達は特別宿舎で就寝する。アルトは仕事が残っているので別の宿舎で書類整理を行い、レノ達だけが先に休息を取る。明日の朝早くから大迷宮に挑むため、早いうちに時差に慣れていなければならなかった。
だが、深夜遅くに大迷宮の出入口を見張っていた兵士たちに異変が生じ、彼等は洞窟の方から奇妙な鳴き声が聞こえてくることに気が付いた。
ガキィンッ……ガキィンッ……
「……な、なんだ?」
「何の音だ?」
洞窟の見張り役を行っているのは獣人族の中でも唯一の男性兵士達であり、彼等は10名で洞窟を見張っている。獣人族特有の優れた聴覚で洞窟の内部から金属音のような音が聞こえ、まるで剣の刃同士が衝突している音に酷似している。
「ま、魔物か⁉」
「しっ‼ 聞こえねえだろ‼」
「……こっちに近づいているな」
ガキィンッ……‼
洞窟の内部から謎の金属音が近づき、獣人族の兵士たちは槍を構える。木柵があるとはいえ、もしも大迷宮の魔獣だとしたらこんな木製の柵など簡単に突破できる。
「お、おい‼ 誰か獣王様に報告して来い‼」
「は、はい‼」
一番若い兵士が四足歩行になって300メートル先に存在する陣営に向けて移動し、獣人族ならではの俊足で駆け抜けるが、100メートルも進まぬうちに後方から轟音が鳴り響く。
バキィイイインッ‼
何かが砕け散るような破壊音が聞こえ、獣人族の兵士は立ち止まり、何事かと思って振り返る。そこには先ほどまで自分と仲間達がいたはずの木柵が空中に木片となって舞い散る姿を確認し、直後に仲間達の悲鳴が耳に入る。
ぎゃあぁああああああっ……‼
「ひぃっ⁉」
夜遅く、それに距離も開いているため洞窟の詳細は確認できないが、明らかに仲間達の悲鳴が聞こえてくる。兵士は恐怖に駆られて陣営に向けて走り抜ける。
「はっ……はっ……‼」
ダダンッ‼ ダダンッ‼
獣人族特有の四足歩行で陣営に接近するが、後方からこちらを追跡してくる足音が聞こえてくる。自分よりも遥かに早く、それでいながら巨体を想像させる力強い足音であり、兵士は咄嗟に振り返った瞬間、
ズバァアアンッ‼
悲鳴を上げる暇もなく、兵士の首が吹き飛び、残された胴体が地面に倒れこむ。それを確認しながら木柵を破壊し、兵士たちを惨殺した「巨狼」は死体を見下ろし、正面の方向に存在する調査隊の陣営を確認する。
――ウォオオオオンッ‼
洞穴から出現した生物は雄叫びを放ち、そのまま陣営に向けて突進してきた――
――同時刻、謎の咆哮を聞きつけ、レノはすぐにハンモックから飛び起きる。狼のような鳴き声が聞こえた事で彼以外の者達も寝ぼけ眼で起き上がり、何事かと周囲を見渡す。
「……ふにゃっ?」
「わふっ……? もう、朝ですか?」
「な、なんだ……何が起きた?」
「敵だよ」
レノは直感で敵が来たことを察知し、ウルや白狼(主)と共に暮らしてきた彼だからこそ、この狼の咆哮は「威嚇」だと分かる。すぐに全員が宿舎から抜け出し、レノは竜爪を取り付ける。。
「先に行ってる」
「え、ちょっ……」
リノン達を置いて宿舎からレノは走り出し、どうやら既に砦の各所で戦闘が行われているのか激しい混乱が巻き起こっていた。六種族の兵士たちがあちこちを駆け回っており、レノは通り過ぎようとした女性兵士に尋ねる。
「何が起きた?」
「わうっ⁉わぅうんっ‼」
「え、ごめん。犬語はまだ勉強中だからよく分かんない……」
「はっ!!す、すいません……取り乱していました」
女性兵士は深呼吸して落ち着くと、すぐに現在の状況を知らせてくれた。
「わ、私達もよく分からないんですけど、敵襲です‼表門が破られ、一匹の魔獣が暴れています‼ 今も陣営内を駆け巡っていて……」
「他の奴等は?」
「それが調査隊の方々はそれぞれの代表の護衛に回りまして……」
「ありがとう」
即座に状況を理解し、レノは砦に侵入したという魔獣の探す事にした。ここには無数の人間が存在するため魔力感知は宛にならず、レノは表門に向けて移動する。
「風輪」
自分の足元に嵐の魔力で形成した車輪を造り出し、そのままローラースケートのように滑走する。瞬脚のような瞬間的な加速は無いが、体力的にも魔力的にも長時間移動するのにはこちらの方が都合がいい。地面に切傷が残るが、今は気にしていられない。
ウォオオオオンッ……‼
「こっちか」
狼の遠吠えが聞こえ、レノは進行方向を変える。表門から既に陣営の中央部にまで移動しており、そこには転移の門に繋がるはずの転移魔方陣が存在するはずである。
「まさか……魔方陣の魔力に反応して……⁉」
レノは転移魔方陣が設置されている幕舎が視界に入り、そこには巨大な黒い影が立っており、それは以前にも見た事がある存在だった。
「あれは……」
――ウォオオオオンッ‼
漆黒の毛皮に覆われ、まるで刃を想像させる牙を擦り合わせ、白狼種と対なる存在である「黒狼」が幕舎に向けて腕を振り下ろす。それだけで衝撃波が発生し、そのまま幕舎ごと内部に存在する転移魔方陣を切り裂く。
ズバァアアアッ……‼
「くっ……⁉」
周囲に衝撃波が走り、レノは腕を振り払う動作で振り切る。放浪島を抜け出す前に遭遇した黒狼は比べ物にならないほどの個体差であり、黒狼はゆっくりと視線を向けてくる。
「グルルルルッ……?」
「……よくもやってくれたな」
真っ二つに割れた幕舎を確認し、これでは転移魔方陣も無事ではないだろう。という事は、レノ達は転移の門への帰還方法を失ったことになり、レノは黒狼を睨み付ける。
「い、いた‼ あそこよ‼」
「あ、英雄様もいらっしゃるわ⁉」
「え、嘘っ⁉ どこどこ⁉」
瞬時に獣人族の女性兵士たちも駆けつけ、彼女達は黒狼に向けて槍を身構える。流石に獣王が用意した者達であり、迅速な動きで敵を取り囲む。
「ウォオオオオンッ‼」
「ひぃっ⁉」
「み、耳が……‼」
だが、黒狼の咆哮に聴覚が鋭い彼女達は耳を抑え、ハーフエルフであるレノも舌打ちする。その間に黒狼は周囲を確認し、続々と自分の元に調査隊が駆けつけてくるのを確認する。
「な、何事だ‼」
「あれは……黒狼だと⁉」
「レノ君もいるな」
聞き慣れた声が聞こえ、そこにはアルトとライオネルとホノカも向かっており、黒狼は流石に分が悪いと判断したのか両腕を振り翳し、
「グォオオオオッ‼」
ブォンッ‼
そのまま両腕を交差させるように振り抜き、巨大な「X」状の衝撃波が女性兵士たちに向けて放たれるが、
「乱刃‼」
ドォオオオンッ‼
レノの掌から放出された三日月状の刃が衝撃波に激突し、衝撃波を相殺させる。その余波が周囲に渡り、兵士たちが吹き飛ばされる。
「「きゃあぁああああああっ⁉」」
「くっ……なんという威力⁉」
「それを防いだ彼も凄いよ」
「レノ‼助太刀するぞ‼」
アルトは背中の大剣を掴む動作を行うが、すぐに現在はデュランダルを装備していない事を思い出す。慌てて飛び出してきたため、武器を忘れてきた自分に歯噛みする。
「困ったね。僕も指輪を置いてきたら、力になれないよ」
「何しに来たんだお前たちは‼ すぐに戻れ‼ ここは俺がやる‼」
ライオネルは首を鳴らし、笑みを浮かべながら黒狼と向かい合う。その一方でレノも拳を鳴らし、黒狼を睨み付けた。
「ふふふっ……そう言えば、お前と共に戦うのはあの闘人都市の一件以来だな」
「そう言えばそうだね」
「グルルルルッ……⁉」
自分を相手に全く怯えた様子を見せないレノとライオネルに黒狼は唸り声を上げ、2人は逃がすまいと挟み込む形となり、その間に兵士たちは距離を取る。
「行くぞレノ‼」
「おうよっ」
ダァンッ‼
同時に2人は黒狼に向けて接近し、砦内に激しい戦闘が繰り広げられようとしていた。
だが、深夜遅くに大迷宮の出入口を見張っていた兵士たちに異変が生じ、彼等は洞窟の方から奇妙な鳴き声が聞こえてくることに気が付いた。
ガキィンッ……ガキィンッ……
「……な、なんだ?」
「何の音だ?」
洞窟の見張り役を行っているのは獣人族の中でも唯一の男性兵士達であり、彼等は10名で洞窟を見張っている。獣人族特有の優れた聴覚で洞窟の内部から金属音のような音が聞こえ、まるで剣の刃同士が衝突している音に酷似している。
「ま、魔物か⁉」
「しっ‼ 聞こえねえだろ‼」
「……こっちに近づいているな」
ガキィンッ……‼
洞窟の内部から謎の金属音が近づき、獣人族の兵士たちは槍を構える。木柵があるとはいえ、もしも大迷宮の魔獣だとしたらこんな木製の柵など簡単に突破できる。
「お、おい‼ 誰か獣王様に報告して来い‼」
「は、はい‼」
一番若い兵士が四足歩行になって300メートル先に存在する陣営に向けて移動し、獣人族ならではの俊足で駆け抜けるが、100メートルも進まぬうちに後方から轟音が鳴り響く。
バキィイイインッ‼
何かが砕け散るような破壊音が聞こえ、獣人族の兵士は立ち止まり、何事かと思って振り返る。そこには先ほどまで自分と仲間達がいたはずの木柵が空中に木片となって舞い散る姿を確認し、直後に仲間達の悲鳴が耳に入る。
ぎゃあぁああああああっ……‼
「ひぃっ⁉」
夜遅く、それに距離も開いているため洞窟の詳細は確認できないが、明らかに仲間達の悲鳴が聞こえてくる。兵士は恐怖に駆られて陣営に向けて走り抜ける。
「はっ……はっ……‼」
ダダンッ‼ ダダンッ‼
獣人族特有の四足歩行で陣営に接近するが、後方からこちらを追跡してくる足音が聞こえてくる。自分よりも遥かに早く、それでいながら巨体を想像させる力強い足音であり、兵士は咄嗟に振り返った瞬間、
ズバァアアンッ‼
悲鳴を上げる暇もなく、兵士の首が吹き飛び、残された胴体が地面に倒れこむ。それを確認しながら木柵を破壊し、兵士たちを惨殺した「巨狼」は死体を見下ろし、正面の方向に存在する調査隊の陣営を確認する。
――ウォオオオオンッ‼
洞穴から出現した生物は雄叫びを放ち、そのまま陣営に向けて突進してきた――
――同時刻、謎の咆哮を聞きつけ、レノはすぐにハンモックから飛び起きる。狼のような鳴き声が聞こえた事で彼以外の者達も寝ぼけ眼で起き上がり、何事かと周囲を見渡す。
「……ふにゃっ?」
「わふっ……? もう、朝ですか?」
「な、なんだ……何が起きた?」
「敵だよ」
レノは直感で敵が来たことを察知し、ウルや白狼(主)と共に暮らしてきた彼だからこそ、この狼の咆哮は「威嚇」だと分かる。すぐに全員が宿舎から抜け出し、レノは竜爪を取り付ける。。
「先に行ってる」
「え、ちょっ……」
リノン達を置いて宿舎からレノは走り出し、どうやら既に砦の各所で戦闘が行われているのか激しい混乱が巻き起こっていた。六種族の兵士たちがあちこちを駆け回っており、レノは通り過ぎようとした女性兵士に尋ねる。
「何が起きた?」
「わうっ⁉わぅうんっ‼」
「え、ごめん。犬語はまだ勉強中だからよく分かんない……」
「はっ!!す、すいません……取り乱していました」
女性兵士は深呼吸して落ち着くと、すぐに現在の状況を知らせてくれた。
「わ、私達もよく分からないんですけど、敵襲です‼表門が破られ、一匹の魔獣が暴れています‼ 今も陣営内を駆け巡っていて……」
「他の奴等は?」
「それが調査隊の方々はそれぞれの代表の護衛に回りまして……」
「ありがとう」
即座に状況を理解し、レノは砦に侵入したという魔獣の探す事にした。ここには無数の人間が存在するため魔力感知は宛にならず、レノは表門に向けて移動する。
「風輪」
自分の足元に嵐の魔力で形成した車輪を造り出し、そのままローラースケートのように滑走する。瞬脚のような瞬間的な加速は無いが、体力的にも魔力的にも長時間移動するのにはこちらの方が都合がいい。地面に切傷が残るが、今は気にしていられない。
ウォオオオオンッ……‼
「こっちか」
狼の遠吠えが聞こえ、レノは進行方向を変える。表門から既に陣営の中央部にまで移動しており、そこには転移の門に繋がるはずの転移魔方陣が存在するはずである。
「まさか……魔方陣の魔力に反応して……⁉」
レノは転移魔方陣が設置されている幕舎が視界に入り、そこには巨大な黒い影が立っており、それは以前にも見た事がある存在だった。
「あれは……」
――ウォオオオオンッ‼
漆黒の毛皮に覆われ、まるで刃を想像させる牙を擦り合わせ、白狼種と対なる存在である「黒狼」が幕舎に向けて腕を振り下ろす。それだけで衝撃波が発生し、そのまま幕舎ごと内部に存在する転移魔方陣を切り裂く。
ズバァアアアッ……‼
「くっ……⁉」
周囲に衝撃波が走り、レノは腕を振り払う動作で振り切る。放浪島を抜け出す前に遭遇した黒狼は比べ物にならないほどの個体差であり、黒狼はゆっくりと視線を向けてくる。
「グルルルルッ……?」
「……よくもやってくれたな」
真っ二つに割れた幕舎を確認し、これでは転移魔方陣も無事ではないだろう。という事は、レノ達は転移の門への帰還方法を失ったことになり、レノは黒狼を睨み付ける。
「い、いた‼ あそこよ‼」
「あ、英雄様もいらっしゃるわ⁉」
「え、嘘っ⁉ どこどこ⁉」
瞬時に獣人族の女性兵士たちも駆けつけ、彼女達は黒狼に向けて槍を身構える。流石に獣王が用意した者達であり、迅速な動きで敵を取り囲む。
「ウォオオオオンッ‼」
「ひぃっ⁉」
「み、耳が……‼」
だが、黒狼の咆哮に聴覚が鋭い彼女達は耳を抑え、ハーフエルフであるレノも舌打ちする。その間に黒狼は周囲を確認し、続々と自分の元に調査隊が駆けつけてくるのを確認する。
「な、何事だ‼」
「あれは……黒狼だと⁉」
「レノ君もいるな」
聞き慣れた声が聞こえ、そこにはアルトとライオネルとホノカも向かっており、黒狼は流石に分が悪いと判断したのか両腕を振り翳し、
「グォオオオオッ‼」
ブォンッ‼
そのまま両腕を交差させるように振り抜き、巨大な「X」状の衝撃波が女性兵士たちに向けて放たれるが、
「乱刃‼」
ドォオオオンッ‼
レノの掌から放出された三日月状の刃が衝撃波に激突し、衝撃波を相殺させる。その余波が周囲に渡り、兵士たちが吹き飛ばされる。
「「きゃあぁああああああっ⁉」」
「くっ……なんという威力⁉」
「それを防いだ彼も凄いよ」
「レノ‼助太刀するぞ‼」
アルトは背中の大剣を掴む動作を行うが、すぐに現在はデュランダルを装備していない事を思い出す。慌てて飛び出してきたため、武器を忘れてきた自分に歯噛みする。
「困ったね。僕も指輪を置いてきたら、力になれないよ」
「何しに来たんだお前たちは‼ すぐに戻れ‼ ここは俺がやる‼」
ライオネルは首を鳴らし、笑みを浮かべながら黒狼と向かい合う。その一方でレノも拳を鳴らし、黒狼を睨み付けた。
「ふふふっ……そう言えば、お前と共に戦うのはあの闘人都市の一件以来だな」
「そう言えばそうだね」
「グルルルルッ……⁉」
自分を相手に全く怯えた様子を見せないレノとライオネルに黒狼は唸り声を上げ、2人は逃がすまいと挟み込む形となり、その間に兵士たちは距離を取る。
「行くぞレノ‼」
「おうよっ」
ダァンッ‼
同時に2人は黒狼に向けて接近し、砦内に激しい戦闘が繰り広げられようとしていた。
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