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大迷宮編 〈前半編〉
戦闘型アンドロイド
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声音が変化し、男性型のアンドロイドはレノ達に向けて両手を構え、トンファーを想像させる機器から銃口を取り出す。それを見た瞬間、一早くレノだけは危険を察した。
「皆‼ 離れろ‼」
「殲滅」
チュドドドドドッ‼
銃口から無数の弾丸が発射され、真正面の位置にいたアルトが慌てて大剣を盾にする。
ガキィイイインッ‼
「くっ……⁉ なんだ⁉」
「ま、まさか……魔銃を⁉」
「魔銃というか、機銃だよ‼」
マシンガンを想像させる勢いで発砲してきたアンドロイドに対し、レノ以外の全員が驚愕する。アルトは大剣を盾にして身を守り、世界最硬の剣は旧世界の弾丸だろうと弾き返す。
「火炎剣‼」
「わぅんっ‼」
アンドロイドの後方から火炎を纏わせた剣を握りしめたリノンと、双剣を構えたポチ子が突進し、そのまま攻撃を仕掛けようとするが、
「反応感知」
グルンッ‼
「うわぁっ⁉」
「わふぅっ⁉」
アンドロイドは上半身だけを180度回転させ、そのまま二人に向けて発砲する。慌てて2人は左右に散って別れ、弾丸を回避する。この世界の人間は旧世界の人間よりも身体能力が遥かに上のため、弾丸を回避する事は出来る。
「か、身体が……どうなってるんだ⁉」
「驚くのは後‼」
「あ、ああ‼」
レノは右手に電流を迸らせ、アンドロイドに接近し、アルトも大剣を抜いて別方向から近づく。
「排除」
チュドドドドッ‼
アンドロイドは右手をレノに、左手をアルトに向け、弾丸を発射する。レノは瞬脚で移動し、アルトは大剣を盾にしながら接近する。
「くっ……早いが、威力はたいしたことはないな‼」
「乱刃‼」
ドォオオオンッ‼
アルトが大剣の刃で弾丸を受け止め、レノが三日月状の嵐の刃を放ち、アンドロイドは向い来る乱刃を真面に衝突する。
ズバァアアンッ‼
「やったのか⁉」
「……どうかな」
アンドロイドの身体が大きく吹き飛ばされ、そのまま地面に倒れこむ。鋼鉄であろうと切り裂くレノの乱刃だが、
「衝撃確認……警戒レベルを上昇」
「き、効いてません⁉」
「そんな馬鹿な……レノの魔法を真面に受けたのに⁉」
「わ、私の魔銃も同じです……この男は異様なまでに身体が硬いんです‼」
何事もなかったかのように起き上がり、アンドロイドは何かを確かめるように掌を握りしめ、レノに視線を向け、
「敵対対象を確認。優先順位を変更」
「来い」
バチィイイイッ……‼
レノはアンドロイドに身構え、両手に撃雷を纏わせる。推定では終末者と同等、あるいはそれ以上の相手であり、こちらも本気で戦わなければ危ない。
「装甲変化」
ガシャンッ‼
両腕に取り付けられているトンファー型の機器が変形し、今度は両腕に取り付き、まるで腕が肥大化したようにも見える。相手はそのままレノに向けて跳躍し、
「近距離接近モード」
「おっと」
ズドォオオオンッ‼
アンドロイドはレノに向けて拳を振り下ろし、咄嗟に彼が後方に回避すると拳は地面にめり込み、亀裂が生じる。相当な破壊力であり、ゴンゾウ並の腕力だった。
「バスター」
「うわっ⁉」
ズガァアアンッ‼
更に地面にめり込ませた拳が爆炎を放ち、レノは咄嗟に回避する。アンドロイドは黒煙の中から姿を現し、傷一つ負っていない。
「殴るのと同時に爆発するのか……なかなか厄介だな」
「レノ‼ 無理をするな‼ 皆で行くぞ‼」
「分かった‼」
レノは乱刃では効果がないと判断し、左手を向け、アルトも反対側から大剣を構える。カノンも魔銃に先ほどの大広間で使用した特殊な弾丸を装填し、目配せを行う。
「同時に行くぞ‼衝風烈波!!」
「紫電‼」
「バーニング・シェル‼」
ズドォオオンッ‼
三人の三方向による砲撃魔法が放たれ、アンドロイドは両腕を交差し、真面に衝突した。
ズガァアアアンッ‼
激しい爆発が生じ、レノ達は衝撃に耐え凌ぎ、アンドロイドが立っていた場所を確認する。手ごたえはあったが、黒煙が舞い上がって様子を確認できず、無事に倒せたのかは分からない。
「こ、今度こそやったのか?」
「どうかな……」
「私達の攻撃を受けて生きているとは思えませんが……危ない⁉」
カノンが叫び声が上がり、黒煙の中からアンドロイドの腕らしきものが飛び出し、そのままアルトがいる方角に向けて腕だけが飛んできた。
ズドォオオンッ‼
「うわぁっ⁉」
突如として飛んできたアンドロイドの腕に対し、アルトは咄嗟に大剣を盾にするが、拳はそのまま刃に張り付き、
ズガァアアンッ‼
「ぐぁあああっ⁉」
「アルトォッ⁉」
「アルトさん⁉」
「アルト‼」
「国王様⁉」
拳の部分が爆炎が発生し、そのままアルトは吹き飛ばされる。地面にデュランダルが転がり、アルトは壁際に衝突すると、そのまま倒れこむ。
ギュオォオオオッ……‼
煙から飛来してきた腕はロケット噴射のように後方に移動し、黒煙の中に飲み込まれる。やがて、ゆっくりと煙の中からアンドロイドが姿を現す。
「生体反応を感知……追撃を開始する」
「ふざけんなっ‼」
ズドォンッ‼
続いて倒れ込んだアルトに腕を向けたアンドロイドに対し、レノは激怒して右足に電撃を纏わせ、そのまま首に叩き込む。想像以上の衝撃だったのか、アンドロイドはそのまま膝を着き、すぐに腕を振り上げてレノを振り払おうとするが、
「てめえも、吹き飛べぇっ‼」
「っ⁉」
バキィイッ‼
何の魔力も付与されていないレノの一撃が顔面に入り、そのままアンドロイドは地面に押し倒され、レノは全力の一撃を叩き付ける。
「雷、斧‼」
バチィイイイッ‼
右足に雷撃の要領で電撃を迸らせ、剣乱武闘の大会で疲労した「雷天斧」の応用であり、ホムラとの戦闘を想定して生み出した必殺の魔法を放つ。そのままサッカーボールのようにアンドロイドの腹部に蹴り込み、次の瞬間に凄まじい電撃が放たれる。
ズドォオオオオンッ‼
アンドロイドはレノの右足から放たれた巨大な雷に飲み込まれ、そのまま遥か前方まで吹き飛ばされる。それを確認し、レノは舌打ちするのと同時にアルトの元に駆け寄る。
「「アルト‼」」
「アルトさん‼」
「国王様‼」
四人がアルトの元に駆け寄り、リノンが彼を抱き上げると、彼は胸を抑えながらも意識は残っていた。
「あ、ああっ……大丈夫だ。デュランダルが盾になってくれたから、傷は負っていない」
「へ、平気なのか?」
「僕も驚いているよ……ただ、爆発が起きる寸前にデュランダルが勝手に手元から離れたような気がする。そのお蔭で刃に触れていた奴の腕と距離が取れた」
「聖剣は主人を守る能力を持っていると聞いていますが、恐らく国王様を守るためにデュランダルがきっと離れたんでしょう」
「そうかもしれない……くっ、背中が……」
「無理をするな。あれほど強い勢いでぶつかったんだ……今は動くな」
「や、奴は?」
「安心しろ。レノが吹き飛ばした。いくら何でも、あれほど凄まじい雷を受けて立ち上がれる訳が……」
「あ、あのっ……リノンさん」
「そうでもないかも」
レノとポチ子が言いにくそうにリノンに声をかけると、不思議に思った彼女が振り返ると、そこには異様な光景が広がっていた。
ピピッ……ガガッ……‼
「……頸椎、損傷……腹部、重度の過熱により火傷……戦闘、実行可能」
――そこには全身が黒焦げになりながらも、ゆっくりと身体を起き上げ、こちらに向かって歩み寄ってくるアンドロイドの姿があった。
「皆‼ 離れろ‼」
「殲滅」
チュドドドドドッ‼
銃口から無数の弾丸が発射され、真正面の位置にいたアルトが慌てて大剣を盾にする。
ガキィイイインッ‼
「くっ……⁉ なんだ⁉」
「ま、まさか……魔銃を⁉」
「魔銃というか、機銃だよ‼」
マシンガンを想像させる勢いで発砲してきたアンドロイドに対し、レノ以外の全員が驚愕する。アルトは大剣を盾にして身を守り、世界最硬の剣は旧世界の弾丸だろうと弾き返す。
「火炎剣‼」
「わぅんっ‼」
アンドロイドの後方から火炎を纏わせた剣を握りしめたリノンと、双剣を構えたポチ子が突進し、そのまま攻撃を仕掛けようとするが、
「反応感知」
グルンッ‼
「うわぁっ⁉」
「わふぅっ⁉」
アンドロイドは上半身だけを180度回転させ、そのまま二人に向けて発砲する。慌てて2人は左右に散って別れ、弾丸を回避する。この世界の人間は旧世界の人間よりも身体能力が遥かに上のため、弾丸を回避する事は出来る。
「か、身体が……どうなってるんだ⁉」
「驚くのは後‼」
「あ、ああ‼」
レノは右手に電流を迸らせ、アンドロイドに接近し、アルトも大剣を抜いて別方向から近づく。
「排除」
チュドドドドッ‼
アンドロイドは右手をレノに、左手をアルトに向け、弾丸を発射する。レノは瞬脚で移動し、アルトは大剣を盾にしながら接近する。
「くっ……早いが、威力はたいしたことはないな‼」
「乱刃‼」
ドォオオオンッ‼
アルトが大剣の刃で弾丸を受け止め、レノが三日月状の嵐の刃を放ち、アンドロイドは向い来る乱刃を真面に衝突する。
ズバァアアンッ‼
「やったのか⁉」
「……どうかな」
アンドロイドの身体が大きく吹き飛ばされ、そのまま地面に倒れこむ。鋼鉄であろうと切り裂くレノの乱刃だが、
「衝撃確認……警戒レベルを上昇」
「き、効いてません⁉」
「そんな馬鹿な……レノの魔法を真面に受けたのに⁉」
「わ、私の魔銃も同じです……この男は異様なまでに身体が硬いんです‼」
何事もなかったかのように起き上がり、アンドロイドは何かを確かめるように掌を握りしめ、レノに視線を向け、
「敵対対象を確認。優先順位を変更」
「来い」
バチィイイイッ……‼
レノはアンドロイドに身構え、両手に撃雷を纏わせる。推定では終末者と同等、あるいはそれ以上の相手であり、こちらも本気で戦わなければ危ない。
「装甲変化」
ガシャンッ‼
両腕に取り付けられているトンファー型の機器が変形し、今度は両腕に取り付き、まるで腕が肥大化したようにも見える。相手はそのままレノに向けて跳躍し、
「近距離接近モード」
「おっと」
ズドォオオオンッ‼
アンドロイドはレノに向けて拳を振り下ろし、咄嗟に彼が後方に回避すると拳は地面にめり込み、亀裂が生じる。相当な破壊力であり、ゴンゾウ並の腕力だった。
「バスター」
「うわっ⁉」
ズガァアアンッ‼
更に地面にめり込ませた拳が爆炎を放ち、レノは咄嗟に回避する。アンドロイドは黒煙の中から姿を現し、傷一つ負っていない。
「殴るのと同時に爆発するのか……なかなか厄介だな」
「レノ‼ 無理をするな‼ 皆で行くぞ‼」
「分かった‼」
レノは乱刃では効果がないと判断し、左手を向け、アルトも反対側から大剣を構える。カノンも魔銃に先ほどの大広間で使用した特殊な弾丸を装填し、目配せを行う。
「同時に行くぞ‼衝風烈波!!」
「紫電‼」
「バーニング・シェル‼」
ズドォオオンッ‼
三人の三方向による砲撃魔法が放たれ、アンドロイドは両腕を交差し、真面に衝突した。
ズガァアアアンッ‼
激しい爆発が生じ、レノ達は衝撃に耐え凌ぎ、アンドロイドが立っていた場所を確認する。手ごたえはあったが、黒煙が舞い上がって様子を確認できず、無事に倒せたのかは分からない。
「こ、今度こそやったのか?」
「どうかな……」
「私達の攻撃を受けて生きているとは思えませんが……危ない⁉」
カノンが叫び声が上がり、黒煙の中からアンドロイドの腕らしきものが飛び出し、そのままアルトがいる方角に向けて腕だけが飛んできた。
ズドォオオンッ‼
「うわぁっ⁉」
突如として飛んできたアンドロイドの腕に対し、アルトは咄嗟に大剣を盾にするが、拳はそのまま刃に張り付き、
ズガァアアンッ‼
「ぐぁあああっ⁉」
「アルトォッ⁉」
「アルトさん⁉」
「アルト‼」
「国王様⁉」
拳の部分が爆炎が発生し、そのままアルトは吹き飛ばされる。地面にデュランダルが転がり、アルトは壁際に衝突すると、そのまま倒れこむ。
ギュオォオオオッ……‼
煙から飛来してきた腕はロケット噴射のように後方に移動し、黒煙の中に飲み込まれる。やがて、ゆっくりと煙の中からアンドロイドが姿を現す。
「生体反応を感知……追撃を開始する」
「ふざけんなっ‼」
ズドォンッ‼
続いて倒れ込んだアルトに腕を向けたアンドロイドに対し、レノは激怒して右足に電撃を纏わせ、そのまま首に叩き込む。想像以上の衝撃だったのか、アンドロイドはそのまま膝を着き、すぐに腕を振り上げてレノを振り払おうとするが、
「てめえも、吹き飛べぇっ‼」
「っ⁉」
バキィイッ‼
何の魔力も付与されていないレノの一撃が顔面に入り、そのままアンドロイドは地面に押し倒され、レノは全力の一撃を叩き付ける。
「雷、斧‼」
バチィイイイッ‼
右足に雷撃の要領で電撃を迸らせ、剣乱武闘の大会で疲労した「雷天斧」の応用であり、ホムラとの戦闘を想定して生み出した必殺の魔法を放つ。そのままサッカーボールのようにアンドロイドの腹部に蹴り込み、次の瞬間に凄まじい電撃が放たれる。
ズドォオオオオンッ‼
アンドロイドはレノの右足から放たれた巨大な雷に飲み込まれ、そのまま遥か前方まで吹き飛ばされる。それを確認し、レノは舌打ちするのと同時にアルトの元に駆け寄る。
「「アルト‼」」
「アルトさん‼」
「国王様‼」
四人がアルトの元に駆け寄り、リノンが彼を抱き上げると、彼は胸を抑えながらも意識は残っていた。
「あ、ああっ……大丈夫だ。デュランダルが盾になってくれたから、傷は負っていない」
「へ、平気なのか?」
「僕も驚いているよ……ただ、爆発が起きる寸前にデュランダルが勝手に手元から離れたような気がする。そのお蔭で刃に触れていた奴の腕と距離が取れた」
「聖剣は主人を守る能力を持っていると聞いていますが、恐らく国王様を守るためにデュランダルがきっと離れたんでしょう」
「そうかもしれない……くっ、背中が……」
「無理をするな。あれほど強い勢いでぶつかったんだ……今は動くな」
「や、奴は?」
「安心しろ。レノが吹き飛ばした。いくら何でも、あれほど凄まじい雷を受けて立ち上がれる訳が……」
「あ、あのっ……リノンさん」
「そうでもないかも」
レノとポチ子が言いにくそうにリノンに声をかけると、不思議に思った彼女が振り返ると、そこには異様な光景が広がっていた。
ピピッ……ガガッ……‼
「……頸椎、損傷……腹部、重度の過熱により火傷……戦闘、実行可能」
――そこには全身が黒焦げになりながらも、ゆっくりと身体を起き上げ、こちらに向かって歩み寄ってくるアンドロイドの姿があった。
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