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剣乱武闘 覇者編
紅蓮の悪英雄
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「ウィンド‼」
ジャンヌの聖天砲天撃により、試合場に落下したミキは咄嗟に杖を下に向け、風属性の魔法を発現して落下の衝撃を弱める。
ドォオンッ……‼
「あぐっ……⁉」
それでも完全には勢いを殺しきれず、背中を強かに打ち付けるが意識だけは保ち、ここで気絶するわけにはいかない。彼女の敗北は宿主であるレミアの敗北であり、自分を受け入れた彼女の恩に報いるためにも易々と諦めるわけにはいかない。
「はぁああああっ‼」
「うぐっ……⁉」
しかし、彼女の想いとは裏腹にジャンヌが試合場を駆け抜けて自分の元に向かってくる姿を確認し、彼女は戦斧を失いながらも右手に魔力を蓄積し、まるでレノのように拳を構え、体勢を整えていないミキに振り抜く。
「聖拳突き‼」
ズドォンッ‼
「かはっ……⁉」
腹部に衝撃が走り、ミキは目を見開く。想像以上の重い一撃であり、彼女は意識を失いそうになるが、それでも杖を握りしめ、
「……ホーリーランス‼」
ゴォオオオオッ‼
杖全体に聖属性の魔力を蓄積させ、そのまま杖先に光の刃を形成するとジャンヌに向けて薙ぎ払う。これだけ追い詰めても反撃をしてくるミキに対し、ジャンヌは心底感心すると同時に、魔術師でありながら自分に接近戦を挑んできた彼女に唇を噛み締め、
「せいっ‼」
ドゴォンッ‼
「がはっ⁉」
冷静に彼女の放った杖を頭を下げて回避し、腹部の同じ個所に拳を叩き付ける。伊達に何年も戦場を渡り歩いたわけではなく、戦斧を失ったからと言ってジャンヌが他の戦闘手段を考えていないはずがない。レノ程ではないが体術にも自信があり、師匠であるミキに容赦なく叩き込む。
「はっ‼」
「ぐふっ⁉」
ドォンッ‼
そのまま回し蹴りをミキの脇腹に放ち、彼女は膝を突く。聖属性を宿す人間は身体が頑丈で傷の治りは速いが、立て続けのジャンヌの猛攻に流石のミキも限界が近く、意識が遠のく。
(このままでは……‼ )
ミキは自分が敗北してしまう事を悟り、薄れゆく意識では満足に魔法も発現出来ず、自分が敗れる事を予感する。普通ならば潔く諦め、未来の自分の弟子であるジャンヌの成長ぶりを喜ぶべき事だろうが、忠誠心が誰よりも強い彼女は自分の宿主のレミアに迷惑をかける事に対して我慢ならず、無我夢中に攻撃を仕掛ける。
「ふ、フラッシュ‼」
――カッ‼
杖先に眩い光が放たれ、観客達が目を覆う。単純に相手の視界を奪う魔法だが、これでジャンヌが追撃を緩めるかと考えたが、
「……その魔法も、予測済みです‼」
「あうっ⁉」
ガシィッ‼
ジャンヌは事前に瞼を閉じてミキに組み付き、彼女を後ろから抑え込む。ミキが魔法を発現させる前に杖先に光が集まっていたことを見逃さず、彼女は目元を覆って攻撃を仕掛ける。長い戦闘経験が彼女をそのように行動させ、一気にジャンヌは終わらせるためにミキを地面に抑える。
ガラァンッ‼
ミキの手元から杖が離れ、そのまま彼女はジャンヌに地面に倒される。単純な腕力は彼女の方が上であり、ミキは手も足も出ずに抑えられ、唇を噛み締める。
「……降参してください。今の貴女にここから逆転する方法はありません」
「くっ……‼」
「いくら治療が約束されているとはいえ、私も貴女をこれ以上傷つけるような真似はしたくないのです‼」
「あぁああああっ⁉」
メキメキィッ……‼
腕が軋む音が聞こえ、ミキは苦悶の表情を浮かべるがジャンヌは力を緩めない。自分の師匠に対して油断なく、確実に倒すために彼女は抑えつけるが、一方でミキの様子も変化が起きていた。
「だめ、です……‼ あな、たは……危険過ぎる……‼」
「なにを言って……」
「いやぁっ……出てきては……あぁああああっ⁉」
「っ⁉」
ゴォオオオオッ‼
唐突にミキの身体が激しく発光し、ジャンヌはその場を離れる。先ほどのような視界が封じられるほどの光量ではないが、ゆっくりと光り輝く彼女の姿が変化し、ジャンヌは彼女が「憑依術」によって別の人格に変化している事に気が付く。
「銀の英雄……? いや、この感じは……⁉」
ジャンヌの目の前で姿を現したのはレミアでも、ナナでも、ましてやミキでもなく、彼女の目の前には漆黒のローブで覆われた青年が姿を現した。
「――ふぅっ……やっと出てこれたぜ」
青年は首を鳴らし、肩を軽く回すと、ゆっくりとジャンヌに顔を向ける。顔立ちは整ってはいるが右頬全体に刺青のような跡が刻まれており、短い黒髪の短髪の頭頂部にはまるで「火」を想像させるようなマークが刈り込んでおり、全身をローブで覆っているから分かりにくいが随分と長身である。
「あ、貴方は一体……⁉」
ジャンヌは突如として現れた青年に戸惑う一方、すぐに全身に嫌な汗が流れ込む。まるで、ロスト・ナンバーズのメンバーと遭遇した時のような嫌な感覚であり、この目の前の青年が油断ならない存在だという事だけははっきりと理解できる。
「ん? 誰だお前……ああ、そうか。ミキとヒメナの奴を追い詰めた奴だな」
青年は今気づいたようにジャンヌに視線を向け、笑みを浮かべる。それだけでジャンヌは背筋が凍り、まるで生身で大型の魔物と遭遇したような感覚に陥る。
ダァンッ‼
「くっ……‼」
「お、いい反応だな」
ジャンヌは後方に下がると、青年は何時の間にか彼女に伸ばしていた腕を止め、彼は周囲を伺うように見渡す。闘技場の観客達は突然現れた彼にざわめき、何者なのかと話し合う。
「な、なんだあいつ……あれも英雄なのか?」
「けど、あんな変な格好をした奴なんていたか……?」
「いや、待て……確か、レミア大将軍が昔に森人族との戦の時に銀の英雄以外に憑依した奴がいると聞いたことがあるぞ……その時の残虐すぎる行動から、王国がレミア大将軍にその男の憑依を禁止させたとかいう噂が聞いたことがあるぞ」
「そうだ‼俺もそれ聞いたことがあるぞ‼なんでも、森人族の集落ごと焼き尽くした暴れん坊だとか……‼」
「確か、名前は……紅蓮のエンだ‼」
観客達の中にはレミアに関する情報に詳しい者も存在し、誰かが叫んだ試合場の英雄の名前が一気に広がる。実況席のレノ達も初めて見る英雄であり、以前にレミアが危険すぎるため憑依を控えていると聞いたことがあるが、そんな人物がどうして表に出たのか気になる。
「たく……雑草どもがうるせえな。燃やすか? いや、そんな事したらもう二度と出してくれねえかもな……ウチのお姫様は優しすぎるからな」
「紅蓮のエン」は周囲の観客達の反応に苛ついたように頭を搔き、ジャンヌに視線を向ける。彼女はすぐに構えるが、そんな彼女に対してエンは笑みを浮かべ、
「お前がヒメナとミキの奴を追い詰めた奴か……助かったぜ。あいつらが弱まったから俺が表に出られた」
「私が……?」
「ああ……お姫様は俺の事をあんまり表に出させてくれねえからな。久々の外を楽しませてもらうぜ」
ジャンヌはどうやら自分の行動が途轍もなく厄介な存在を目覚めさせたことに気が付き、身構える。
「それじゃあ、一遍死ぬか?」
そんな彼女に対してエンは右手を向け、掌から「漆黒」の塊が生み出される。その塊は炎のように揺らめき、ジャンヌはすぐに正体に気が付く。
(紅蓮……まさか⁉ )
漆黒の炎を見た瞬間、ジャンヌの聡明な頭は炎の正体が「炎属性」の中でも珍しい「闇属性」の性質を取り込んだ「紅蓮の炎」だと気が付き、彼女はすぐにその場を離れようとするが、
「絶炎」
――ドゴォオオオオオオンッ‼
エンの掌から試合場の「半分」を覆う程の漆黒の炎が噴射され、そのままジャンヌは飲み込まれてしまう。
ジャンヌの聖天砲天撃により、試合場に落下したミキは咄嗟に杖を下に向け、風属性の魔法を発現して落下の衝撃を弱める。
ドォオンッ……‼
「あぐっ……⁉」
それでも完全には勢いを殺しきれず、背中を強かに打ち付けるが意識だけは保ち、ここで気絶するわけにはいかない。彼女の敗北は宿主であるレミアの敗北であり、自分を受け入れた彼女の恩に報いるためにも易々と諦めるわけにはいかない。
「はぁああああっ‼」
「うぐっ……⁉」
しかし、彼女の想いとは裏腹にジャンヌが試合場を駆け抜けて自分の元に向かってくる姿を確認し、彼女は戦斧を失いながらも右手に魔力を蓄積し、まるでレノのように拳を構え、体勢を整えていないミキに振り抜く。
「聖拳突き‼」
ズドォンッ‼
「かはっ……⁉」
腹部に衝撃が走り、ミキは目を見開く。想像以上の重い一撃であり、彼女は意識を失いそうになるが、それでも杖を握りしめ、
「……ホーリーランス‼」
ゴォオオオオッ‼
杖全体に聖属性の魔力を蓄積させ、そのまま杖先に光の刃を形成するとジャンヌに向けて薙ぎ払う。これだけ追い詰めても反撃をしてくるミキに対し、ジャンヌは心底感心すると同時に、魔術師でありながら自分に接近戦を挑んできた彼女に唇を噛み締め、
「せいっ‼」
ドゴォンッ‼
「がはっ⁉」
冷静に彼女の放った杖を頭を下げて回避し、腹部の同じ個所に拳を叩き付ける。伊達に何年も戦場を渡り歩いたわけではなく、戦斧を失ったからと言ってジャンヌが他の戦闘手段を考えていないはずがない。レノ程ではないが体術にも自信があり、師匠であるミキに容赦なく叩き込む。
「はっ‼」
「ぐふっ⁉」
ドォンッ‼
そのまま回し蹴りをミキの脇腹に放ち、彼女は膝を突く。聖属性を宿す人間は身体が頑丈で傷の治りは速いが、立て続けのジャンヌの猛攻に流石のミキも限界が近く、意識が遠のく。
(このままでは……‼ )
ミキは自分が敗北してしまう事を悟り、薄れゆく意識では満足に魔法も発現出来ず、自分が敗れる事を予感する。普通ならば潔く諦め、未来の自分の弟子であるジャンヌの成長ぶりを喜ぶべき事だろうが、忠誠心が誰よりも強い彼女は自分の宿主のレミアに迷惑をかける事に対して我慢ならず、無我夢中に攻撃を仕掛ける。
「ふ、フラッシュ‼」
――カッ‼
杖先に眩い光が放たれ、観客達が目を覆う。単純に相手の視界を奪う魔法だが、これでジャンヌが追撃を緩めるかと考えたが、
「……その魔法も、予測済みです‼」
「あうっ⁉」
ガシィッ‼
ジャンヌは事前に瞼を閉じてミキに組み付き、彼女を後ろから抑え込む。ミキが魔法を発現させる前に杖先に光が集まっていたことを見逃さず、彼女は目元を覆って攻撃を仕掛ける。長い戦闘経験が彼女をそのように行動させ、一気にジャンヌは終わらせるためにミキを地面に抑える。
ガラァンッ‼
ミキの手元から杖が離れ、そのまま彼女はジャンヌに地面に倒される。単純な腕力は彼女の方が上であり、ミキは手も足も出ずに抑えられ、唇を噛み締める。
「……降参してください。今の貴女にここから逆転する方法はありません」
「くっ……‼」
「いくら治療が約束されているとはいえ、私も貴女をこれ以上傷つけるような真似はしたくないのです‼」
「あぁああああっ⁉」
メキメキィッ……‼
腕が軋む音が聞こえ、ミキは苦悶の表情を浮かべるがジャンヌは力を緩めない。自分の師匠に対して油断なく、確実に倒すために彼女は抑えつけるが、一方でミキの様子も変化が起きていた。
「だめ、です……‼ あな、たは……危険過ぎる……‼」
「なにを言って……」
「いやぁっ……出てきては……あぁああああっ⁉」
「っ⁉」
ゴォオオオオッ‼
唐突にミキの身体が激しく発光し、ジャンヌはその場を離れる。先ほどのような視界が封じられるほどの光量ではないが、ゆっくりと光り輝く彼女の姿が変化し、ジャンヌは彼女が「憑依術」によって別の人格に変化している事に気が付く。
「銀の英雄……? いや、この感じは……⁉」
ジャンヌの目の前で姿を現したのはレミアでも、ナナでも、ましてやミキでもなく、彼女の目の前には漆黒のローブで覆われた青年が姿を現した。
「――ふぅっ……やっと出てこれたぜ」
青年は首を鳴らし、肩を軽く回すと、ゆっくりとジャンヌに顔を向ける。顔立ちは整ってはいるが右頬全体に刺青のような跡が刻まれており、短い黒髪の短髪の頭頂部にはまるで「火」を想像させるようなマークが刈り込んでおり、全身をローブで覆っているから分かりにくいが随分と長身である。
「あ、貴方は一体……⁉」
ジャンヌは突如として現れた青年に戸惑う一方、すぐに全身に嫌な汗が流れ込む。まるで、ロスト・ナンバーズのメンバーと遭遇した時のような嫌な感覚であり、この目の前の青年が油断ならない存在だという事だけははっきりと理解できる。
「ん? 誰だお前……ああ、そうか。ミキとヒメナの奴を追い詰めた奴だな」
青年は今気づいたようにジャンヌに視線を向け、笑みを浮かべる。それだけでジャンヌは背筋が凍り、まるで生身で大型の魔物と遭遇したような感覚に陥る。
ダァンッ‼
「くっ……‼」
「お、いい反応だな」
ジャンヌは後方に下がると、青年は何時の間にか彼女に伸ばしていた腕を止め、彼は周囲を伺うように見渡す。闘技場の観客達は突然現れた彼にざわめき、何者なのかと話し合う。
「な、なんだあいつ……あれも英雄なのか?」
「けど、あんな変な格好をした奴なんていたか……?」
「いや、待て……確か、レミア大将軍が昔に森人族との戦の時に銀の英雄以外に憑依した奴がいると聞いたことがあるぞ……その時の残虐すぎる行動から、王国がレミア大将軍にその男の憑依を禁止させたとかいう噂が聞いたことがあるぞ」
「そうだ‼俺もそれ聞いたことがあるぞ‼なんでも、森人族の集落ごと焼き尽くした暴れん坊だとか……‼」
「確か、名前は……紅蓮のエンだ‼」
観客達の中にはレミアに関する情報に詳しい者も存在し、誰かが叫んだ試合場の英雄の名前が一気に広がる。実況席のレノ達も初めて見る英雄であり、以前にレミアが危険すぎるため憑依を控えていると聞いたことがあるが、そんな人物がどうして表に出たのか気になる。
「たく……雑草どもがうるせえな。燃やすか? いや、そんな事したらもう二度と出してくれねえかもな……ウチのお姫様は優しすぎるからな」
「紅蓮のエン」は周囲の観客達の反応に苛ついたように頭を搔き、ジャンヌに視線を向ける。彼女はすぐに構えるが、そんな彼女に対してエンは笑みを浮かべ、
「お前がヒメナとミキの奴を追い詰めた奴か……助かったぜ。あいつらが弱まったから俺が表に出られた」
「私が……?」
「ああ……お姫様は俺の事をあんまり表に出させてくれねえからな。久々の外を楽しませてもらうぜ」
ジャンヌはどうやら自分の行動が途轍もなく厄介な存在を目覚めさせたことに気が付き、身構える。
「それじゃあ、一遍死ぬか?」
そんな彼女に対してエンは右手を向け、掌から「漆黒」の塊が生み出される。その塊は炎のように揺らめき、ジャンヌはすぐに正体に気が付く。
(紅蓮……まさか⁉ )
漆黒の炎を見た瞬間、ジャンヌの聡明な頭は炎の正体が「炎属性」の中でも珍しい「闇属性」の性質を取り込んだ「紅蓮の炎」だと気が付き、彼女はすぐにその場を離れようとするが、
「絶炎」
――ドゴォオオオオオオンッ‼
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