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剣乱武闘 覇者編
繁殖期
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カリナの放送に観客席にいたバルたちも怪訝な反応を示し、顔を見合わせる。ちなみにいつもの如く、ホノカがわざわざ用意してくれた最前列の特等席であり、今回に至っては彼女の給仕役のメイドまで揃っている。
「放浪島って……レノの奴が住んでいたあの監獄島の事かい?」
「そうですね……あの島は王国が管理している厳重な場所なのですが……どうしてアルト様は黙っていたのでしょうか」
「守秘義務という奴じゃないかい?彼も大会側に協力している以上、味方とは言え選手に報告する訳にはいかないだろうしね」
「それにしてもあの監獄島と有名な場所に選手を送り込むとは……」
「レノたんたち大丈夫かな?」
「レノの奴なら大丈夫だろ。あいつにとってはある意味、第二の故郷みたいなものだって言っていたし」
特等席にてカリナたちが話し合っている間、試合場の選手たちは明らかに動揺し、まさか本当にあの有名な放浪島が実在した事自体が驚きを隠せない。だが、問題なのはあの島が地上よりも遥かに危険な魔物達の生息地であるという事であり、唯一選手たちの中で放浪島の生態に詳しいソフィアは眉を顰める。
「放浪島の何処へ転移する気なんだろう……東部監獄と北部山岳なら私の有利だけど」
「おや、ソフィア様はあの伝説の放浪島をよくご存じなので?」
「顔が近い」
さり気なく擦り寄ってくるシュンにソフィアは距離を取り、ゴンゾウが間に入る。彼としてもシュンの事は信用できないが少し威嚇気味であり、近づくなとばかりにソフィアを庇う。
「これは嫌われた物ですね……少し涙が出てきました」
「わぅんっ……嘘をついている臭いがします。こいつは臭うぜぇ……という奴です」
「いつからそんな特技を持っていたの?」
意外なポチ子の特技が判明している間にもカリナが説明を行い、試合場にも異変が生じる。選手たちは中央部に集まっており、彼等を囲むように地面に巨大な転移魔方陣が浮かび上がる。どうやら試合場に転移結晶が埋め込まれていたらしく、これもホノカの協力で造り出された魔方陣で間違いない。
『皆さんの周囲に16個の転移魔方陣が浮かび上がったと思いますが、これは特別な術式が組み込まれた魔方陣です。移動先はもちろん、あの監獄島と有名な放浪島っす‼』
『おい……あの島は今は不味いんじゃないのか?』
『おっ、レフィーア様もご存じでしたか?そうです、現在の放浪島は魔物達の繁殖期に入ってるんです‼皆さんもご存じの通り、繁殖期に入ったら魔物が異常なまでに増殖し、凶暴性が増す時期っす!!そして今回の予選の議題は放浪島に異常繁殖した魔物達の規定数の討伐をした時点で終了となります‼』
『しかも繁殖期だと……危険すぎる、死体の山ができるぞ』
レフィーアが珍しく他人に対して同情する発言を行うと、それほどまでに放浪島が危険な場所であると暗に示され、選手たちは繁殖期という言葉だけで顔色を青くする。あのソフィアも眉を顰め、彼女自身が放浪島の繁殖期の恐ろしさを知っている。
――この世界における「繁殖期」とは一年に一度の感覚で訪れる魔物達の発情期の事であり、異様な速度で魔物達が増殖する。大半の魔物は普通の動物とは比べ物にならない速度で成長するため、生まれてきた子供もすぐに成長する。スライムなどの粘体生物は関係なく、白狼種のような成長の遅い種も存在するが、殆どの魔物は異常な速度で増殖し、放浪島も例外ではない。
北部山岳や地下迷宮にいた際もソフィア(レノ)は繁殖期を体験しており、異常なまでの数の魔物達に襲われたこともある。山岳にいた頃は白狼が増殖した魔物達を屠って収めていたが、地下迷宮ではほぼ安全地帯である第二階層の中央部にすら魔物達が接近し、それらを追い払うためにカラドボルグを何度か使用したこともある。
「おいおい……嘘だろ? 繁殖期ってもう少し先の話じゃねえか‼」
「放浪島なんて……噂話じゃなかったのかよ」
「腕が鳴る……刃が血を欲している」
「んんっ……おらの出番かぁっ?」
選手たちも騒ぎ始め、地上での繁殖期はまだ一ヶ月以上の先の話であり、ここまで勝ち抜けて予選で繁殖期に陥った魔物たちと戦う事など想定できるはずがない。
『それぞれの転移魔方陣の行先は放浪島の北部山岳、東部監獄、西部監獄、南部監獄に繋がっているっす。あの島は基本的に温暖気候ですけど、北部山岳だけは防寒器具が手配されてるんでご安心ください。ちなみに皆さんが討伐する魔物対象は不規則なので、運の要素も試されるっすよ』
『やはり運か……だが、規定数の魔物を討伐すると軽く言うが、どうやってそれを確かめるんだ? まさか自己申告で尋ねるわけでもあるまい……魔物の肉体の一部を持ち出して提示するのか?』
『その点は大丈夫ですよ。皆さん、自分の所持している金色のメダルを見て欲しいっす』
カリナの言葉に選手たちは自分が所持している金色のメダルを確認し、何時の間にか裏側の部分に数字が表示されており、全員が「0」という文字が浮き出ていた。
『これはミラークリスタルの技術を応用して造り出した特別なメダルっす。特定の魔物を討伐した場合、数字が増加される仕組みっす。皆さんにはそれぞれチームの合計で100Pポイントに到達した時点で金色のメダルが反応して帰還用の転移魔方陣が発動されるんすよ』
『なかなか便利なメダルだが、規定数まで魔物が討伐されない場合は置き去りという事か?』
『いえ、先着順で7つのチームが帰還した時点で強制的にメダルの転移魔方陣が発動するっす。仮にどのチームも規定数の魔物が討伐されない場合は放浪島に待機している騎士団が救援に回るのでご安心を』
『魔物と戦うのなら最低限の覚悟は必要だがな』
『ちなみに魔物によって入手できるPには違いがありますから注意してくださいっす。小型の魔物なら1匹につき1P、中型の魔物なら3P、大型種や人型の魔物には10P追加されるんで頑張って下さ~い』
カリナの説明が終了し、選手たちに周囲に存在する転移魔方陣が発光を始める。係員らしき魔術師たちが何時の間にか周囲に待ち構えており、以前は数十人クラスの魔力が必要だった転移魔方陣だが、ホノカの持ち出した計画書によって魔力のコスト削減に成功し、現在では特別な転移結晶を利用すれば少人数で移動できるようになっている。
本来ならば放浪島へ転移する魔方陣は王城にしか存在しないが、今回は剣乱武闘のためにわざわざ解析して新しく造り出した転移魔方陣であり、決して悪用しないという条件で試合場に設置されている。当然、予選が終了した時点でこの魔方陣は破棄される。
『それじゃあ、いい加減に説明なげーよと怒られそうなのでそろそろ魔方陣の上に移動してください。転移魔方陣の傍にいる魔術士の方のフードにそれぞれのチームの数字が振り分けられているので、間違える事が無いように気を付けてくださ~い』
『随分と変わった格好をしていると思ったが……あの服装にも意味があったのか』
選手たちは転移魔方陣に待機している魔術師の格好を確認し、確かに彼等の纏うフードには数字が刻まれており、選手たちはそれぞれの魔方陣に移動する。ソフィアは移動する際、不意に寝そべっている巨人族のダイゴロウに気が付き、またもや昼寝しているのか動く様子がない。
「おい‼起きろデカブツ‼ お前俺たちのチームだろうが‼」
「んあ……?飯の時間か?」
「さっさと退けよ‼ お前が邪魔で通れねえだろうが‼」
ダイゴロウの周囲には選手が集まり、他のチームの転移魔方陣の上に寝そべっているダイゴロウはゆっくりと起き上がり、自分の指定された魔方陣へと移動する。
――全員が転移魔方陣に移動したことを確認すると、係員たちは魔方陣の外に待機し、それぞれが転移結晶を取り出す。彼等1人では到底転移させる魔力は所持しておらず、転移結晶を利用して選手たちを送り込む。
『それでは皆さん‼ ご武運を祈ってるっスよ‼』
『せいぜい生き残って帰ってくるんだな』
珍しくレフィーアの優し気な声が掛けられ、次の瞬間に転移魔方陣が目を覆うほどの輝きを発し、試合場から全ての選手たちが光に飲み込まれて掻き消えた。
「放浪島って……レノの奴が住んでいたあの監獄島の事かい?」
「そうですね……あの島は王国が管理している厳重な場所なのですが……どうしてアルト様は黙っていたのでしょうか」
「守秘義務という奴じゃないかい?彼も大会側に協力している以上、味方とは言え選手に報告する訳にはいかないだろうしね」
「それにしてもあの監獄島と有名な場所に選手を送り込むとは……」
「レノたんたち大丈夫かな?」
「レノの奴なら大丈夫だろ。あいつにとってはある意味、第二の故郷みたいなものだって言っていたし」
特等席にてカリナたちが話し合っている間、試合場の選手たちは明らかに動揺し、まさか本当にあの有名な放浪島が実在した事自体が驚きを隠せない。だが、問題なのはあの島が地上よりも遥かに危険な魔物達の生息地であるという事であり、唯一選手たちの中で放浪島の生態に詳しいソフィアは眉を顰める。
「放浪島の何処へ転移する気なんだろう……東部監獄と北部山岳なら私の有利だけど」
「おや、ソフィア様はあの伝説の放浪島をよくご存じなので?」
「顔が近い」
さり気なく擦り寄ってくるシュンにソフィアは距離を取り、ゴンゾウが間に入る。彼としてもシュンの事は信用できないが少し威嚇気味であり、近づくなとばかりにソフィアを庇う。
「これは嫌われた物ですね……少し涙が出てきました」
「わぅんっ……嘘をついている臭いがします。こいつは臭うぜぇ……という奴です」
「いつからそんな特技を持っていたの?」
意外なポチ子の特技が判明している間にもカリナが説明を行い、試合場にも異変が生じる。選手たちは中央部に集まっており、彼等を囲むように地面に巨大な転移魔方陣が浮かび上がる。どうやら試合場に転移結晶が埋め込まれていたらしく、これもホノカの協力で造り出された魔方陣で間違いない。
『皆さんの周囲に16個の転移魔方陣が浮かび上がったと思いますが、これは特別な術式が組み込まれた魔方陣です。移動先はもちろん、あの監獄島と有名な放浪島っす‼』
『おい……あの島は今は不味いんじゃないのか?』
『おっ、レフィーア様もご存じでしたか?そうです、現在の放浪島は魔物達の繁殖期に入ってるんです‼皆さんもご存じの通り、繁殖期に入ったら魔物が異常なまでに増殖し、凶暴性が増す時期っす!!そして今回の予選の議題は放浪島に異常繁殖した魔物達の規定数の討伐をした時点で終了となります‼』
『しかも繁殖期だと……危険すぎる、死体の山ができるぞ』
レフィーアが珍しく他人に対して同情する発言を行うと、それほどまでに放浪島が危険な場所であると暗に示され、選手たちは繁殖期という言葉だけで顔色を青くする。あのソフィアも眉を顰め、彼女自身が放浪島の繁殖期の恐ろしさを知っている。
――この世界における「繁殖期」とは一年に一度の感覚で訪れる魔物達の発情期の事であり、異様な速度で魔物達が増殖する。大半の魔物は普通の動物とは比べ物にならない速度で成長するため、生まれてきた子供もすぐに成長する。スライムなどの粘体生物は関係なく、白狼種のような成長の遅い種も存在するが、殆どの魔物は異常な速度で増殖し、放浪島も例外ではない。
北部山岳や地下迷宮にいた際もソフィア(レノ)は繁殖期を体験しており、異常なまでの数の魔物達に襲われたこともある。山岳にいた頃は白狼が増殖した魔物達を屠って収めていたが、地下迷宮ではほぼ安全地帯である第二階層の中央部にすら魔物達が接近し、それらを追い払うためにカラドボルグを何度か使用したこともある。
「おいおい……嘘だろ? 繁殖期ってもう少し先の話じゃねえか‼」
「放浪島なんて……噂話じゃなかったのかよ」
「腕が鳴る……刃が血を欲している」
「んんっ……おらの出番かぁっ?」
選手たちも騒ぎ始め、地上での繁殖期はまだ一ヶ月以上の先の話であり、ここまで勝ち抜けて予選で繁殖期に陥った魔物たちと戦う事など想定できるはずがない。
『それぞれの転移魔方陣の行先は放浪島の北部山岳、東部監獄、西部監獄、南部監獄に繋がっているっす。あの島は基本的に温暖気候ですけど、北部山岳だけは防寒器具が手配されてるんでご安心ください。ちなみに皆さんが討伐する魔物対象は不規則なので、運の要素も試されるっすよ』
『やはり運か……だが、規定数の魔物を討伐すると軽く言うが、どうやってそれを確かめるんだ? まさか自己申告で尋ねるわけでもあるまい……魔物の肉体の一部を持ち出して提示するのか?』
『その点は大丈夫ですよ。皆さん、自分の所持している金色のメダルを見て欲しいっす』
カリナの言葉に選手たちは自分が所持している金色のメダルを確認し、何時の間にか裏側の部分に数字が表示されており、全員が「0」という文字が浮き出ていた。
『これはミラークリスタルの技術を応用して造り出した特別なメダルっす。特定の魔物を討伐した場合、数字が増加される仕組みっす。皆さんにはそれぞれチームの合計で100Pポイントに到達した時点で金色のメダルが反応して帰還用の転移魔方陣が発動されるんすよ』
『なかなか便利なメダルだが、規定数まで魔物が討伐されない場合は置き去りという事か?』
『いえ、先着順で7つのチームが帰還した時点で強制的にメダルの転移魔方陣が発動するっす。仮にどのチームも規定数の魔物が討伐されない場合は放浪島に待機している騎士団が救援に回るのでご安心を』
『魔物と戦うのなら最低限の覚悟は必要だがな』
『ちなみに魔物によって入手できるPには違いがありますから注意してくださいっす。小型の魔物なら1匹につき1P、中型の魔物なら3P、大型種や人型の魔物には10P追加されるんで頑張って下さ~い』
カリナの説明が終了し、選手たちに周囲に存在する転移魔方陣が発光を始める。係員らしき魔術師たちが何時の間にか周囲に待ち構えており、以前は数十人クラスの魔力が必要だった転移魔方陣だが、ホノカの持ち出した計画書によって魔力のコスト削減に成功し、現在では特別な転移結晶を利用すれば少人数で移動できるようになっている。
本来ならば放浪島へ転移する魔方陣は王城にしか存在しないが、今回は剣乱武闘のためにわざわざ解析して新しく造り出した転移魔方陣であり、決して悪用しないという条件で試合場に設置されている。当然、予選が終了した時点でこの魔方陣は破棄される。
『それじゃあ、いい加減に説明なげーよと怒られそうなのでそろそろ魔方陣の上に移動してください。転移魔方陣の傍にいる魔術士の方のフードにそれぞれのチームの数字が振り分けられているので、間違える事が無いように気を付けてくださ~い』
『随分と変わった格好をしていると思ったが……あの服装にも意味があったのか』
選手たちは転移魔方陣に待機している魔術師の格好を確認し、確かに彼等の纏うフードには数字が刻まれており、選手たちはそれぞれの魔方陣に移動する。ソフィアは移動する際、不意に寝そべっている巨人族のダイゴロウに気が付き、またもや昼寝しているのか動く様子がない。
「おい‼起きろデカブツ‼ お前俺たちのチームだろうが‼」
「んあ……?飯の時間か?」
「さっさと退けよ‼ お前が邪魔で通れねえだろうが‼」
ダイゴロウの周囲には選手が集まり、他のチームの転移魔方陣の上に寝そべっているダイゴロウはゆっくりと起き上がり、自分の指定された魔方陣へと移動する。
――全員が転移魔方陣に移動したことを確認すると、係員たちは魔方陣の外に待機し、それぞれが転移結晶を取り出す。彼等1人では到底転移させる魔力は所持しておらず、転移結晶を利用して選手たちを送り込む。
『それでは皆さん‼ ご武運を祈ってるっスよ‼』
『せいぜい生き残って帰ってくるんだな』
珍しくレフィーアの優し気な声が掛けられ、次の瞬間に転移魔方陣が目を覆うほどの輝きを発し、試合場から全ての選手たちが光に飲み込まれて掻き消えた。
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