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追想編
運命の出会い
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――医療魔導士として過ごしていた少女は自分の名前を「アイリィ」と偽り、彼女は地上に降りる隙を伺っていた。重力の聖痕を使用すればどんな高度から落下しようと墜落する恐れはないが、この放浪島の周囲には風属性の結界が張っており、島に訪れた時はデュラハンの頑丈な身体のお蔭で突破できたが、流石に女囚の身体では同じ芸当は不可能。
だが、保管しているデュラハンの肉体ではもう一度憑依して地上に抜け出すのは危険性が高く、現在の魔人族は世界から最も忌み嫌われており、迂闊に表で姿を出す事は出来ない。しかし、非力な女囚の肉体では力ずくで結界を突破する事は不可能であり、アイリィは思い悩む。
王国の兵士達は定期的に転移魔方陣で帰還しているが、アイリィが彼等に混じって地上に戻る事は不可能である。医療魔導士としてそれなりに特別な権力は入手したが、それでも彼女が死刑囚である事に変わりはなく、だからと言って兵士の誰かに憑依して抜け出す事は出来ない。
アイリィの憑依とは、ある特殊な家系の人間にしか扱えない「憑依術」とは違い、彼女は乗り移った対象の能力以上の力は操ることが出来ない。つまり、ただの人間の兵士に乗り移れば魔法も扱えず、下手をすれば肉体強化のような基本の身体能力上昇の魔法すら扱えない。だが、彼女が宿している聖痕に関してだけはどんな肉体に憑依しても自在に扱えることが出来る。これは聖痕とは彼女の魂に刻まれた能力だからであり、例え別の肉体に乗り移ろうとアイリィの魂に付与された能力ならば問題なく扱える。
魔法も扱えない人間に憑依したところで地上に出ても聖痕が回収出来るとは思えず、ならば地上に降りた後で新しく誰かに憑依すればいいのではないかと思われるが、アイリィの憑依は死体にしか乗り移れないため、地上に移動したところで新しい肉体に憑依するにしても死体を探さなければならない。
様々な問題が重なり、結局彼女は自分自身ではなく、この島に収監された囚人達を利用する事にする。比較的に能力が高い人間に自分の力を分け与え、彼等を地上に逃がす方法を教える。そして、彼等に自分の代わりに聖痕を回収してもらうという作業を行わせる。
この方法によってアイリィはこれまでに数十人の罪人を地上に戻したが、送り込んだ全員が彼女の目的を果たせずに命を落とす。地上に脱出できたことで彼女の恩を忘れて自由に生きようとした者、一応は目的を果たすために調査を開始したが、結局は見つけ出すことが出来なかった者、他にも運悪くセンチュリオンの残党に見つかって殺害された者など、結局は誰一人として世界各地に散らばったアイリィの聖痕の回収に成功した者はいなかった。
だが、聖痕の回収に失敗した者の中には地上で商売を営むことで巨万の富を得た人間も存在し、彼は地上で様々な人脈を築き上げ、アイリィの弱体化した能力を回復させるために特別加工された魔石を放浪島に送り込んでくれた。これにより、長い時を過ごしてきた事で力が弱まっていた彼女も力を取り戻し、生前ほどではないが十分に地下迷宮と魔物達と戦えるほどの魔力を取り戻す。
しかし、結局は彼も肝心の聖痕に関しては有力な情報を掴めず、日に日に無駄な時間だけが消耗していく。アイリィは放浪島で医療魔導士として過ごし、地上に送り込んだ囚人から定期的に情報を入手しながらも何も出来ずに時間だけを消耗させる日々に焦燥感を抱き始める。
――そんな彼女の前に奇妙な囚人が現れる。その人物は放浪島の歴史上、初めて訪れた「ダークエルフ」の女囚であり、名前は「レイア」という彼女は途轍もない理由でこの島に収監された。その理由とは単独で当時の国王の暗殺を謀り、この島でも名前だけは有名な大将軍のギガノによって阻まれ、彼とその父親のテラノ大将軍に拘束され、放浪島に送り込まれたという。
アイリィはこの放浪島にも伝わるほどに有名なバルトロス王国の大将軍、それも2人を相手に戦闘を繰り広げたというレイアというダークエルフに興味を抱き、彼女に接近を試みる。彼女が収監されていた監獄は東部監獄であり、アイリィが訪れた時には既にレイアは周囲の囚人たちと打ち解けていた。
『あ、君がアイリィちゃん? 話は聞いてるよ。なんか色々と裏がありそうな女の人だって』
『初対面から失礼な人ですね』
この言葉が2人が最初に交わした話しであり、その後はレイアは瞬く間に囚人たちに馴染む。彼女の罪状は正直に言えば実刑が下されても可笑しくない程に重い罪だが、彼女が生き残れたのはある理由があった。
それは彼女は森人族の中でも「長老会」と呼ばれる存在に所属していたからであり、アイリィも噂だけは耳にした事があるが、長老会とは先々代の森人族代表が組織した暗殺者集団であり、彼等は森人族の生涯となる存在を秘密裏に闇に葬る事を生業としていた。
レイアがバルトロス国王の暗殺を謀ったのも彼女の所属している長老会の指示であり、レイアとしては本意ではなかったが上からの命令には逆らえず、わざわざ森人族の護衛隊長という座を捨ててまで国王が住む王城に忍び込み、大将軍を2人も相手に戦い抜いたという。
実際の事実は確認する術がないが、アイリィはレイアに出会った瞬間に彼女が只者ではない事を悟る。別にアイリィ自身は相手の力量を見抜いたという武人的な発想はなく、彼女の身体から感じられる膨大な魔力に背筋が震えた。彼女の身体から感じられる魔力は生前のフォルムにも匹敵するほどであり、間違いなくこの世界でも英雄クラスの魔力量を誇っていた。
『唐突ですけど、貴女は私の奴隷にします』
『いきなり何を言い出すの?』
結局、御互いに初対面で失礼な言葉を繰り広げた形になったが、アイリィとレイラはすぐに良好な関係を築く。元々、生前は有り余る力を所有していたアイリィは力を持て余すレイラの気持ちを理解し、彼女が抱えていた「強者」としての苦悩を感じ取る。
レイアは表向きは囚人ではあるが、正直に言えば彼女が本気を出せばいつでも監獄から抜け出すどころか、地上に戻る事も出来る程の力を所有していた。だが、彼女はこの島で大人しく暮らしているのはここが人間の領土の監獄だからであり、任務を失敗した彼女が「長老会」の暗殺者から唯一逃れる事ができる安全地帯だったからだ。
『私の一族は少し特殊でね。封印を解くための鍵だか何だか知らないけど、ずっと拘束されてたんだ』
『そんな重い話をされましても』
彼女は深淵の森の「楔の一族」と呼ばれる特殊な家系であり、生まれた時から森の中を抜け出す事は許されなかったという。だが、森人族の中でも尋常ではない魔力を誇る彼女はアトラス大森林から訪れた視察の守護戦士に見込まれ、特別に彼女は大森林に誘われて森人族の戦士として鍛え上げられたらしい。
瞬く間にレイアは戦士として成長を果たし、守護戦士の中でも指折りの実力者として有名になり、種族代表のレフィーアに気に入られて表向きは護衛隊長として就任したという。だが、その裏では彼女は長老会という組織に暗殺者としての教育を受けていたという。
――長老会は強大な力を持つレイアの力に目を付け、彼女の妹のフレイの命を人質にしてレイアを長老会に従属するように誓わせる。たった一人の家族を守り抜くため、彼女は長老会の申し出を受けてバルトロス王国の国王の暗殺任務を引き受ける。
だが、暗殺事態は当時は最強と謳われた大将軍であるギガノと父親であるテラノによって阻まれ、結局彼女は捕縛されてしまう。任務を失敗した以上は長老会も情報漏洩を防ぐために彼女の抹殺を企むが、先にレイアはバルトロス王国内でも最も厳重な警備が施されている放浪島に送り込まれたことにより、長老会の暗殺者たちも手出しができなくなった。
だが、保管しているデュラハンの肉体ではもう一度憑依して地上に抜け出すのは危険性が高く、現在の魔人族は世界から最も忌み嫌われており、迂闊に表で姿を出す事は出来ない。しかし、非力な女囚の肉体では力ずくで結界を突破する事は不可能であり、アイリィは思い悩む。
王国の兵士達は定期的に転移魔方陣で帰還しているが、アイリィが彼等に混じって地上に戻る事は不可能である。医療魔導士としてそれなりに特別な権力は入手したが、それでも彼女が死刑囚である事に変わりはなく、だからと言って兵士の誰かに憑依して抜け出す事は出来ない。
アイリィの憑依とは、ある特殊な家系の人間にしか扱えない「憑依術」とは違い、彼女は乗り移った対象の能力以上の力は操ることが出来ない。つまり、ただの人間の兵士に乗り移れば魔法も扱えず、下手をすれば肉体強化のような基本の身体能力上昇の魔法すら扱えない。だが、彼女が宿している聖痕に関してだけはどんな肉体に憑依しても自在に扱えることが出来る。これは聖痕とは彼女の魂に刻まれた能力だからであり、例え別の肉体に乗り移ろうとアイリィの魂に付与された能力ならば問題なく扱える。
魔法も扱えない人間に憑依したところで地上に出ても聖痕が回収出来るとは思えず、ならば地上に降りた後で新しく誰かに憑依すればいいのではないかと思われるが、アイリィの憑依は死体にしか乗り移れないため、地上に移動したところで新しい肉体に憑依するにしても死体を探さなければならない。
様々な問題が重なり、結局彼女は自分自身ではなく、この島に収監された囚人達を利用する事にする。比較的に能力が高い人間に自分の力を分け与え、彼等を地上に逃がす方法を教える。そして、彼等に自分の代わりに聖痕を回収してもらうという作業を行わせる。
この方法によってアイリィはこれまでに数十人の罪人を地上に戻したが、送り込んだ全員が彼女の目的を果たせずに命を落とす。地上に脱出できたことで彼女の恩を忘れて自由に生きようとした者、一応は目的を果たすために調査を開始したが、結局は見つけ出すことが出来なかった者、他にも運悪くセンチュリオンの残党に見つかって殺害された者など、結局は誰一人として世界各地に散らばったアイリィの聖痕の回収に成功した者はいなかった。
だが、聖痕の回収に失敗した者の中には地上で商売を営むことで巨万の富を得た人間も存在し、彼は地上で様々な人脈を築き上げ、アイリィの弱体化した能力を回復させるために特別加工された魔石を放浪島に送り込んでくれた。これにより、長い時を過ごしてきた事で力が弱まっていた彼女も力を取り戻し、生前ほどではないが十分に地下迷宮と魔物達と戦えるほどの魔力を取り戻す。
しかし、結局は彼も肝心の聖痕に関しては有力な情報を掴めず、日に日に無駄な時間だけが消耗していく。アイリィは放浪島で医療魔導士として過ごし、地上に送り込んだ囚人から定期的に情報を入手しながらも何も出来ずに時間だけを消耗させる日々に焦燥感を抱き始める。
――そんな彼女の前に奇妙な囚人が現れる。その人物は放浪島の歴史上、初めて訪れた「ダークエルフ」の女囚であり、名前は「レイア」という彼女は途轍もない理由でこの島に収監された。その理由とは単独で当時の国王の暗殺を謀り、この島でも名前だけは有名な大将軍のギガノによって阻まれ、彼とその父親のテラノ大将軍に拘束され、放浪島に送り込まれたという。
アイリィはこの放浪島にも伝わるほどに有名なバルトロス王国の大将軍、それも2人を相手に戦闘を繰り広げたというレイアというダークエルフに興味を抱き、彼女に接近を試みる。彼女が収監されていた監獄は東部監獄であり、アイリィが訪れた時には既にレイアは周囲の囚人たちと打ち解けていた。
『あ、君がアイリィちゃん? 話は聞いてるよ。なんか色々と裏がありそうな女の人だって』
『初対面から失礼な人ですね』
この言葉が2人が最初に交わした話しであり、その後はレイアは瞬く間に囚人たちに馴染む。彼女の罪状は正直に言えば実刑が下されても可笑しくない程に重い罪だが、彼女が生き残れたのはある理由があった。
それは彼女は森人族の中でも「長老会」と呼ばれる存在に所属していたからであり、アイリィも噂だけは耳にした事があるが、長老会とは先々代の森人族代表が組織した暗殺者集団であり、彼等は森人族の生涯となる存在を秘密裏に闇に葬る事を生業としていた。
レイアがバルトロス国王の暗殺を謀ったのも彼女の所属している長老会の指示であり、レイアとしては本意ではなかったが上からの命令には逆らえず、わざわざ森人族の護衛隊長という座を捨ててまで国王が住む王城に忍び込み、大将軍を2人も相手に戦い抜いたという。
実際の事実は確認する術がないが、アイリィはレイアに出会った瞬間に彼女が只者ではない事を悟る。別にアイリィ自身は相手の力量を見抜いたという武人的な発想はなく、彼女の身体から感じられる膨大な魔力に背筋が震えた。彼女の身体から感じられる魔力は生前のフォルムにも匹敵するほどであり、間違いなくこの世界でも英雄クラスの魔力量を誇っていた。
『唐突ですけど、貴女は私の奴隷にします』
『いきなり何を言い出すの?』
結局、御互いに初対面で失礼な言葉を繰り広げた形になったが、アイリィとレイラはすぐに良好な関係を築く。元々、生前は有り余る力を所有していたアイリィは力を持て余すレイラの気持ちを理解し、彼女が抱えていた「強者」としての苦悩を感じ取る。
レイアは表向きは囚人ではあるが、正直に言えば彼女が本気を出せばいつでも監獄から抜け出すどころか、地上に戻る事も出来る程の力を所有していた。だが、彼女はこの島で大人しく暮らしているのはここが人間の領土の監獄だからであり、任務を失敗した彼女が「長老会」の暗殺者から唯一逃れる事ができる安全地帯だったからだ。
『私の一族は少し特殊でね。封印を解くための鍵だか何だか知らないけど、ずっと拘束されてたんだ』
『そんな重い話をされましても』
彼女は深淵の森の「楔の一族」と呼ばれる特殊な家系であり、生まれた時から森の中を抜け出す事は許されなかったという。だが、森人族の中でも尋常ではない魔力を誇る彼女はアトラス大森林から訪れた視察の守護戦士に見込まれ、特別に彼女は大森林に誘われて森人族の戦士として鍛え上げられたらしい。
瞬く間にレイアは戦士として成長を果たし、守護戦士の中でも指折りの実力者として有名になり、種族代表のレフィーアに気に入られて表向きは護衛隊長として就任したという。だが、その裏では彼女は長老会という組織に暗殺者としての教育を受けていたという。
――長老会は強大な力を持つレイアの力に目を付け、彼女の妹のフレイの命を人質にしてレイアを長老会に従属するように誓わせる。たった一人の家族を守り抜くため、彼女は長老会の申し出を受けてバルトロス王国の国王の暗殺任務を引き受ける。
だが、暗殺事態は当時は最強と謳われた大将軍であるギガノと父親であるテラノによって阻まれ、結局彼女は捕縛されてしまう。任務を失敗した以上は長老会も情報漏洩を防ぐために彼女の抹殺を企むが、先にレイアはバルトロス王国内でも最も厳重な警備が施されている放浪島に送り込まれたことにより、長老会の暗殺者たちも手出しができなくなった。
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