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真章 〈終末の使者編〉
再び地下迷宮へ
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「それで、地下迷宮の何処で浮揚石が取れるの?」
「あ、ああ……以前に僕たちがカラドボルグとエクスカリバーの回収のため、テンペスト騎士団を引き連れて迷宮に挑んだ事は覚えているかい?」
「うん。その時に再会して一緒に行動するようになったね」
「まさかあの場所で君と再会できるとは思わなかったが……それはともかく、実は地下迷宮に入り込んだ部隊はほぼ全滅したんだが、生き残って帰ってきた者の中に興味深い内容を告げた者がいたんだ。何でも、彼は仲間とはぐれて第一階層の迷宮に迷い込んでいたところ、偶然にも大量の浮揚石が保管されている広間を発見したらしい」
「広間?」
「ああ……話を聞くと、円形上に広がった広間に魔方陣で覆われた加工された浮揚石が大量に設置されていたらしい。彼はその一つを持ち帰って地下迷宮から抜け出してきた」
アルトは海図に羽ペンを走らせ、まるでサイコロを想像させる四角い鉱石の絵を描き、皆に見せつける。四方には本物のサイコロの「1」の目のように中央部に穴が刻まれており、脱出した団員の話によるとこの鉱石が魔方陣の上に数百個も設置されていたという。
「1つ1つの大きさは両の掌で収まる程度だが、高密度に圧縮した加工を受けているのか相当に重量があるらしい。実際、この団員が持ち帰ったのは1つだけだった」
「どうして命の瀬戸際でそんな物を持ち帰ったんですか……?」
「それは彼の脱出した方法と関係してある。彼は偶然にも浮揚石が確認された場所の天井に地上と繋がる穴を発見し、回収した浮揚石に風の魔力を送り込んだらしい。どうして自分でもそんな事をしたのかと分からなかったらしいが、その途端に浮揚石が浮き上がり、握りしめていた彼の身体が浮き上がって一気に上昇して天井に広がる穴から地上に脱出したというんだ。本人の話によれば地上の古井戸に繋がっていたらしい」
「古井戸ってもしかして……」
レノの脳裏にアイリィと最初に地下迷宮に侵入した古井戸を思い出し、もしかしたら彼が侵入した場所と同じ場所である可能性が高い。あそこの近くにそんな物が存在したのかと思う一方、もしかしたら意外と回収には手間取らないかも知れないと思った途端、アルトの次の言葉に考えが否定される。
「当時の僕たちも彼の話が気になって、彼が脱出した古井戸の場所を確認したんだが、どういう事か古井戸が存在する場所に辿り着けなかったんだ。脱出した本人も戸惑っていたんだが、恐らくは幻惑、もしくは空間系の魔法が仕掛けられていて特別な方法でなければその古井戸がある場所にはたどり着けない可能性が高い」
「マジで?」
アイリィと共に行動していた時はそんな魔法が仕掛けられているのは気付かなかったが、もしかしたら彼女が事前に魔法を解除してあの場所まで導いた可能性がある。随分と前の話なのでレノ自身も古井戸がある正確な場所を覚えてはいないが。
「でも、その話だと浮揚石が保管されている広間に辿り着けば、脱出方法は考えなくてもいいんだだな?まあ、レノが一緒なら転移魔方陣で帰還できるんだが……」
「いや、実は王国の過去の資料を調べた結果、あの地下迷宮内は別空間として確立されているのか、地上にというよりは地下迷宮の外部の場所には転移魔法を阻害する結界が張られているらしい。迷宮内ならば転移魔法で移動は出来るが、迷宮外部には転移できない仕組みがあるらしい」
「厄介だな……」
放浪島の地下迷宮は途轍もなく広大であり、同時に世界でも最高クラスの危険度を誇る魔物達が生息している。第一階層と第二階層は広大な迷宮が広がり、第三階層にはあの魔王リーリスでさえ恐れた魔物達が生息しており、非常に危険極まりない。
それでも以前の侵入の際よりも大きく成長したレノ達ならばそれほど脅威的な場所ではなく、この面子ならば問題なく第一階層など進めるだろう。強いて問題を上げるとしたら迷宮の何処に浮揚石が設置されている広場があるのかであり、団員の話によると無我夢中で移動していて正確な位置など覚えていないらしい。
「彼が地下迷宮に侵入した場所は僕たちが最初に通った地上の遺跡からだ。そこからどの経路で浮揚石が存在する場所まで辿り着けたのかは分からないが、話に聞くと彼は侵入してから30分ほどで仲間が全滅し、その後は逃げ回っていたためよく覚えてはいないそうだが、地下迷宮にいたのはだいたい1時間ほどらしい」
「つまり、出発点から1時間で移動できる距離の何処かに浮揚石が設置されている広間が存在するのか……」
聞くだけならばそれほど無茶な問題ではない様に思えるが、あの場所には兇悪な魔物達が生息しており、それ相応の実力者でなければ生き残れない。
「つまり、俺達がまたあの迷宮に入って必要分の浮揚石を回収して来ればいいのね」
「苦労を掛けるようですまない……君たち以上に適任がいないんだ」
「別に気にしなくていいよ。でも、その人の方法で地上に脱出するにしてもゴンちゃんはだいじょうぶかな……穴に嵌まったりしないかな」
「むうっ……それは困る」
レノの記憶の限り、あの古井戸の大きさではゴンゾウの巨体が入り切れず、脱出した団員の方法では地上に帰還するのは無理があるだろう。
「あの……迷宮内ならば転移魔方陣が使用できるなら、レノさんが出入口で転移魔方陣を仕込んで置けば問題ないのでは?」
「ああ、なるほど。その手があったか」
「おおっ……それは助かる」
ミノタウロスが門番をしている地下迷宮の出入口の階段に転移魔方陣を仕込んで置けば、いざという時はゴンゾウだけは転移魔方陣で移動できる。
「ミノっちがいたら、転移魔方陣を他の魔物達に荒らされない様に見張りを頼めるしね」
「ミノ……あの時のミノタウロスか。それにしても……その、もう少しなんとかならいのかその名前は」
「私は可愛いと思いますが……」
「ミノっち? その方は地下迷宮に住んでいるのですか……?」
「なんだよ~覚えやすい名前じゃん」
リノン達の脳裏に地上に繋がる階段の見張りを行っていた屈強なミノタウロスの姿が思い浮かび、どう考えてもレノが名付けた「ミノっち」という名前似合わないが、本人は文句あるのかというばかりに踏ん反り返る。
「ま、まあ名前の事は置いておくとして……レノ達には地下迷宮に潜ってもらい、必要分の魔石を回収して欲しい。彼が回収した浮揚石を調べたところ、どうやら一般に出回っている浮揚石よりとは比べ物にならない浮力を持っている事は確認済みなんだ。だから、同質の浮揚石をあと10個ほど存在すれば船島作戦が結構出来るんだが……ホノカさんからの依頼で余分に追加で10個ほど要求されている。それが飛行船を貸す条件だと……」
「足元みられてない?」
「こんな状況で取引とは……流石は盗賊王、汚い。そこに痺れる憧れるぅっ」
「あ、憧れるのか?」
レノの脳裏にホノカが「心外だね」という言葉を呟く様子が思い描くが、リバイアサンとの決戦の時は彼女のフライングシャーク号とスカイシャーク二号機が必要であり、拒否するわけにはいかないだろう。
「仕方ない……なら、久しぶりに行きますかね。ある意味じゃあ里帰りみたいなものかな」
実際にレノが生み出された研究施設が存在する場所でもあり、ある意味では彼の故郷とも言える地下迷宮に戻る事が決定した。
「あ、ああ……以前に僕たちがカラドボルグとエクスカリバーの回収のため、テンペスト騎士団を引き連れて迷宮に挑んだ事は覚えているかい?」
「うん。その時に再会して一緒に行動するようになったね」
「まさかあの場所で君と再会できるとは思わなかったが……それはともかく、実は地下迷宮に入り込んだ部隊はほぼ全滅したんだが、生き残って帰ってきた者の中に興味深い内容を告げた者がいたんだ。何でも、彼は仲間とはぐれて第一階層の迷宮に迷い込んでいたところ、偶然にも大量の浮揚石が保管されている広間を発見したらしい」
「広間?」
「ああ……話を聞くと、円形上に広がった広間に魔方陣で覆われた加工された浮揚石が大量に設置されていたらしい。彼はその一つを持ち帰って地下迷宮から抜け出してきた」
アルトは海図に羽ペンを走らせ、まるでサイコロを想像させる四角い鉱石の絵を描き、皆に見せつける。四方には本物のサイコロの「1」の目のように中央部に穴が刻まれており、脱出した団員の話によるとこの鉱石が魔方陣の上に数百個も設置されていたという。
「1つ1つの大きさは両の掌で収まる程度だが、高密度に圧縮した加工を受けているのか相当に重量があるらしい。実際、この団員が持ち帰ったのは1つだけだった」
「どうして命の瀬戸際でそんな物を持ち帰ったんですか……?」
「それは彼の脱出した方法と関係してある。彼は偶然にも浮揚石が確認された場所の天井に地上と繋がる穴を発見し、回収した浮揚石に風の魔力を送り込んだらしい。どうして自分でもそんな事をしたのかと分からなかったらしいが、その途端に浮揚石が浮き上がり、握りしめていた彼の身体が浮き上がって一気に上昇して天井に広がる穴から地上に脱出したというんだ。本人の話によれば地上の古井戸に繋がっていたらしい」
「古井戸ってもしかして……」
レノの脳裏にアイリィと最初に地下迷宮に侵入した古井戸を思い出し、もしかしたら彼が侵入した場所と同じ場所である可能性が高い。あそこの近くにそんな物が存在したのかと思う一方、もしかしたら意外と回収には手間取らないかも知れないと思った途端、アルトの次の言葉に考えが否定される。
「当時の僕たちも彼の話が気になって、彼が脱出した古井戸の場所を確認したんだが、どういう事か古井戸が存在する場所に辿り着けなかったんだ。脱出した本人も戸惑っていたんだが、恐らくは幻惑、もしくは空間系の魔法が仕掛けられていて特別な方法でなければその古井戸がある場所にはたどり着けない可能性が高い」
「マジで?」
アイリィと共に行動していた時はそんな魔法が仕掛けられているのは気付かなかったが、もしかしたら彼女が事前に魔法を解除してあの場所まで導いた可能性がある。随分と前の話なのでレノ自身も古井戸がある正確な場所を覚えてはいないが。
「でも、その話だと浮揚石が保管されている広間に辿り着けば、脱出方法は考えなくてもいいんだだな?まあ、レノが一緒なら転移魔方陣で帰還できるんだが……」
「いや、実は王国の過去の資料を調べた結果、あの地下迷宮内は別空間として確立されているのか、地上にというよりは地下迷宮の外部の場所には転移魔法を阻害する結界が張られているらしい。迷宮内ならば転移魔法で移動は出来るが、迷宮外部には転移できない仕組みがあるらしい」
「厄介だな……」
放浪島の地下迷宮は途轍もなく広大であり、同時に世界でも最高クラスの危険度を誇る魔物達が生息している。第一階層と第二階層は広大な迷宮が広がり、第三階層にはあの魔王リーリスでさえ恐れた魔物達が生息しており、非常に危険極まりない。
それでも以前の侵入の際よりも大きく成長したレノ達ならばそれほど脅威的な場所ではなく、この面子ならば問題なく第一階層など進めるだろう。強いて問題を上げるとしたら迷宮の何処に浮揚石が設置されている広場があるのかであり、団員の話によると無我夢中で移動していて正確な位置など覚えていないらしい。
「彼が地下迷宮に侵入した場所は僕たちが最初に通った地上の遺跡からだ。そこからどの経路で浮揚石が存在する場所まで辿り着けたのかは分からないが、話に聞くと彼は侵入してから30分ほどで仲間が全滅し、その後は逃げ回っていたためよく覚えてはいないそうだが、地下迷宮にいたのはだいたい1時間ほどらしい」
「つまり、出発点から1時間で移動できる距離の何処かに浮揚石が設置されている広間が存在するのか……」
聞くだけならばそれほど無茶な問題ではない様に思えるが、あの場所には兇悪な魔物達が生息しており、それ相応の実力者でなければ生き残れない。
「つまり、俺達がまたあの迷宮に入って必要分の浮揚石を回収して来ればいいのね」
「苦労を掛けるようですまない……君たち以上に適任がいないんだ」
「別に気にしなくていいよ。でも、その人の方法で地上に脱出するにしてもゴンちゃんはだいじょうぶかな……穴に嵌まったりしないかな」
「むうっ……それは困る」
レノの記憶の限り、あの古井戸の大きさではゴンゾウの巨体が入り切れず、脱出した団員の方法では地上に帰還するのは無理があるだろう。
「あの……迷宮内ならば転移魔方陣が使用できるなら、レノさんが出入口で転移魔方陣を仕込んで置けば問題ないのでは?」
「ああ、なるほど。その手があったか」
「おおっ……それは助かる」
ミノタウロスが門番をしている地下迷宮の出入口の階段に転移魔方陣を仕込んで置けば、いざという時はゴンゾウだけは転移魔方陣で移動できる。
「ミノっちがいたら、転移魔方陣を他の魔物達に荒らされない様に見張りを頼めるしね」
「ミノ……あの時のミノタウロスか。それにしても……その、もう少しなんとかならいのかその名前は」
「私は可愛いと思いますが……」
「ミノっち? その方は地下迷宮に住んでいるのですか……?」
「なんだよ~覚えやすい名前じゃん」
リノン達の脳裏に地上に繋がる階段の見張りを行っていた屈強なミノタウロスの姿が思い浮かび、どう考えてもレノが名付けた「ミノっち」という名前似合わないが、本人は文句あるのかというばかりに踏ん反り返る。
「ま、まあ名前の事は置いておくとして……レノ達には地下迷宮に潜ってもらい、必要分の魔石を回収して欲しい。彼が回収した浮揚石を調べたところ、どうやら一般に出回っている浮揚石よりとは比べ物にならない浮力を持っている事は確認済みなんだ。だから、同質の浮揚石をあと10個ほど存在すれば船島作戦が結構出来るんだが……ホノカさんからの依頼で余分に追加で10個ほど要求されている。それが飛行船を貸す条件だと……」
「足元みられてない?」
「こんな状況で取引とは……流石は盗賊王、汚い。そこに痺れる憧れるぅっ」
「あ、憧れるのか?」
レノの脳裏にホノカが「心外だね」という言葉を呟く様子が思い描くが、リバイアサンとの決戦の時は彼女のフライングシャーク号とスカイシャーク二号機が必要であり、拒否するわけにはいかないだろう。
「仕方ない……なら、久しぶりに行きますかね。ある意味じゃあ里帰りみたいなものかな」
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