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闘人都市崩壊編
宿屋の攻防
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「ポチ子!!すまないがこっちを手伝ってくれ!!」
「は、はい!!」
「一気に行きますよ!!」
ポチ子は双剣を抜き放ち、リノンとジャンヌも動き出す。どちらも疲労を蓄積しているが、それでも動きは鈍っておらず、武器を掲げる。
「火炎陣!!」
ズガァアアアンッ!!
「ぐはぁああああっ!?」
リノンが地面に刀身を突き刺し、地面の罅割れから赤い光が放たれ、直後に爆発が周囲に沸き起こる。その間にも別の場所ではジャンヌが空中に跳躍して「巨人殺し(ジャイアント・キリング)」を振り翳し、投擲を行う。
「聖天砲天撃!!」
ドガァアアアアンッ!!
「「ぎゃあぁああああっ!?」」
聖斧が地面にめり込み、その際に破壊した瓦礫が周囲一帯の冒険者に放たれる。嘗て「ゴーレム・キング」の頭部を吹き飛ばした技であり、巨人殺しの力を最大限に引き出して放つ一撃である。
最後にポチ子が走り出し、彼女は肉体強化で自分の身体能力を強化させ、鞘を装備したまま双剣を構えると、前方に居る三人の冒険者に向かって跳躍する。
「犬牙流……乱切り!!」
ズドドドッ!!
「ぐはぁっ!?」
「げふっ!?」
「ごはぁっ!?」
空中で回転しながら双剣を振り回し、無数の剣戟が冒険者たちに放たれる。獣人族の身体能力ならではの攻撃であり、攻撃を受けた冒険者たちはその場に倒れこむ。
「ふうっ……終わったか」
「やりましたね」
「すごいですお二人とも!!」
リノンとジャンヌは突き刺さった武器を回収し、一先ずは裏手にいた剣乱武闘の冒険者たちの一掃に成功する。すぐにポチ子は2人の元に近寄り、現在の状況を説明する。
「……巫女姫様が!?」
「はい、センリさんもすぐに人員を派遣して欲しいと」
「そうか……しかし、こちらの状況も芳しくない。相手は剣乱武闘に出場した1000人近くの冒険者だけではなく、他にも出場を果たせなかった者まで紛れている……」
巫女姫自身が救助活動を行っている事にジャンヌが目を見開き、リノンは汗を拭いながら周囲の状況を確認し、一応はこの場にいる敵は打ち倒したが、すぐに新手がやってくるだろう。
「あの……国王様は?」
「大丈夫だ……今の所はな、一応はレミアさんが警護を行っているが、転移魔方陣を扱える魔術師を待機させていなかったのが仇になっている。こうも矢継ぎ早に新手が送り込まれては避難も出来ない」
「他の種族代表であるダンゾウさんと獣王は率先して戦っていますが、他の方々は既に避難を完了しています。ですが、アクア様と魔人王に関しては消息不明だそうですが……」
「今は国王様の警護が最優先だ。悪いが、援護は送れない」
「わうっ……そうですか」
悲し気に犬耳を垂らすポチ子にリノンは頭を撫でやり、今度は彼女達が問いただす。
「そう言えばレノはどうしている?こんな時こそ、彼の力が一番必要なんだが……」
「出来ればレノさんの転移魔方陣で国王様を別の場所へ避難させたいんですが……」
「それが……隕石が降り注いだ時に酒場を抜け出して、今は何処にいるのかは分からないんです」
「そうか……まあ、レノなら心配は要らないだろうが」
彼女は溜息を吐き出し、ここで戦い始めてから常に全力で動いているため、今のうちに息を整えないといけない。新手が来る前にポチ子と合流できたのは幸いだが、この様子ではバル達に援軍を送り込む余裕はない。
ゴォオオオオッ……!!
「……またか!!」
宿屋に向けて一際大きい隕石が接近し、ジャンヌが迎え撃とうと聖斧を構えたとき、
「――はぁあああっ!!」
ドォンッ!!
突然、宿屋の屋根上から人影が飛び出し、彼女は両手に青と赤に光り輝く長剣を振り上げ、
ズバァアアアンッ――!!
3人の目の前で隕石が左右に両断され、片側は一瞬で凍結し、もう片側は炎に飲み込まれ、崩壊した事で無数の残骸が周囲に舞い散る。
ズドドドッ……!!
「あいたたたっ!?」
「くっ!?」
「きゃんきゃんっ!?」
無数の石の雨に三人が慌てて逃げ出し、人影が着地すると、
「……ふうっ……無事ですか?」
「な、ナナ様!?」
そこには「ナナ」を憑依させたレミアが立っており、彼女の両手には二振りの魔剣が装備されている。ナナと半生を共にした「飛燕」と「氷華」であり、聖導教会の総本部では不覚を取ったが、現在の彼女はほぼ全盛期の力を取り戻している。
「さ、流石ですね……ですが、国王の護衛では?」
「この状況では私も動いた方が返って安全です。それに隕石に関しては私以外に対処できるのは居ません」
「それは……そうですが」
ジャンヌならば巨人殺しやレーヴァティンを使用すれば降りかかる隕石を破壊できるが、既に連戦で疲労しており、先の事を考えるとナナが援軍に来てくれたことは素直に助かる。
「それに……新手が来たようですね」
「「え?」」
彼女はある方向を睨み付けると、3人が習って視線を向け、そこには宿の正面の建物から2人の人物が出てくる。
「ふっ……流石は王国の三銃士、この程度では怯まないか」
「三銃士って言っても、誰も銃を所持してないけどな」
「僕が勝手にそう呼んでるだけさ」
――扉を押し上げ、勇者である茂と、左目に紅色の三日月を想像させる紋様が宿した青年が現れる。
「は、はい!!」
「一気に行きますよ!!」
ポチ子は双剣を抜き放ち、リノンとジャンヌも動き出す。どちらも疲労を蓄積しているが、それでも動きは鈍っておらず、武器を掲げる。
「火炎陣!!」
ズガァアアアンッ!!
「ぐはぁああああっ!?」
リノンが地面に刀身を突き刺し、地面の罅割れから赤い光が放たれ、直後に爆発が周囲に沸き起こる。その間にも別の場所ではジャンヌが空中に跳躍して「巨人殺し(ジャイアント・キリング)」を振り翳し、投擲を行う。
「聖天砲天撃!!」
ドガァアアアアンッ!!
「「ぎゃあぁああああっ!?」」
聖斧が地面にめり込み、その際に破壊した瓦礫が周囲一帯の冒険者に放たれる。嘗て「ゴーレム・キング」の頭部を吹き飛ばした技であり、巨人殺しの力を最大限に引き出して放つ一撃である。
最後にポチ子が走り出し、彼女は肉体強化で自分の身体能力を強化させ、鞘を装備したまま双剣を構えると、前方に居る三人の冒険者に向かって跳躍する。
「犬牙流……乱切り!!」
ズドドドッ!!
「ぐはぁっ!?」
「げふっ!?」
「ごはぁっ!?」
空中で回転しながら双剣を振り回し、無数の剣戟が冒険者たちに放たれる。獣人族の身体能力ならではの攻撃であり、攻撃を受けた冒険者たちはその場に倒れこむ。
「ふうっ……終わったか」
「やりましたね」
「すごいですお二人とも!!」
リノンとジャンヌは突き刺さった武器を回収し、一先ずは裏手にいた剣乱武闘の冒険者たちの一掃に成功する。すぐにポチ子は2人の元に近寄り、現在の状況を説明する。
「……巫女姫様が!?」
「はい、センリさんもすぐに人員を派遣して欲しいと」
「そうか……しかし、こちらの状況も芳しくない。相手は剣乱武闘に出場した1000人近くの冒険者だけではなく、他にも出場を果たせなかった者まで紛れている……」
巫女姫自身が救助活動を行っている事にジャンヌが目を見開き、リノンは汗を拭いながら周囲の状況を確認し、一応はこの場にいる敵は打ち倒したが、すぐに新手がやってくるだろう。
「あの……国王様は?」
「大丈夫だ……今の所はな、一応はレミアさんが警護を行っているが、転移魔方陣を扱える魔術師を待機させていなかったのが仇になっている。こうも矢継ぎ早に新手が送り込まれては避難も出来ない」
「他の種族代表であるダンゾウさんと獣王は率先して戦っていますが、他の方々は既に避難を完了しています。ですが、アクア様と魔人王に関しては消息不明だそうですが……」
「今は国王様の警護が最優先だ。悪いが、援護は送れない」
「わうっ……そうですか」
悲し気に犬耳を垂らすポチ子にリノンは頭を撫でやり、今度は彼女達が問いただす。
「そう言えばレノはどうしている?こんな時こそ、彼の力が一番必要なんだが……」
「出来ればレノさんの転移魔方陣で国王様を別の場所へ避難させたいんですが……」
「それが……隕石が降り注いだ時に酒場を抜け出して、今は何処にいるのかは分からないんです」
「そうか……まあ、レノなら心配は要らないだろうが」
彼女は溜息を吐き出し、ここで戦い始めてから常に全力で動いているため、今のうちに息を整えないといけない。新手が来る前にポチ子と合流できたのは幸いだが、この様子ではバル達に援軍を送り込む余裕はない。
ゴォオオオオッ……!!
「……またか!!」
宿屋に向けて一際大きい隕石が接近し、ジャンヌが迎え撃とうと聖斧を構えたとき、
「――はぁあああっ!!」
ドォンッ!!
突然、宿屋の屋根上から人影が飛び出し、彼女は両手に青と赤に光り輝く長剣を振り上げ、
ズバァアアアンッ――!!
3人の目の前で隕石が左右に両断され、片側は一瞬で凍結し、もう片側は炎に飲み込まれ、崩壊した事で無数の残骸が周囲に舞い散る。
ズドドドッ……!!
「あいたたたっ!?」
「くっ!?」
「きゃんきゃんっ!?」
無数の石の雨に三人が慌てて逃げ出し、人影が着地すると、
「……ふうっ……無事ですか?」
「な、ナナ様!?」
そこには「ナナ」を憑依させたレミアが立っており、彼女の両手には二振りの魔剣が装備されている。ナナと半生を共にした「飛燕」と「氷華」であり、聖導教会の総本部では不覚を取ったが、現在の彼女はほぼ全盛期の力を取り戻している。
「さ、流石ですね……ですが、国王の護衛では?」
「この状況では私も動いた方が返って安全です。それに隕石に関しては私以外に対処できるのは居ません」
「それは……そうですが」
ジャンヌならば巨人殺しやレーヴァティンを使用すれば降りかかる隕石を破壊できるが、既に連戦で疲労しており、先の事を考えるとナナが援軍に来てくれたことは素直に助かる。
「それに……新手が来たようですね」
「「え?」」
彼女はある方向を睨み付けると、3人が習って視線を向け、そこには宿の正面の建物から2人の人物が出てくる。
「ふっ……流石は王国の三銃士、この程度では怯まないか」
「三銃士って言っても、誰も銃を所持してないけどな」
「僕が勝手にそう呼んでるだけさ」
――扉を押し上げ、勇者である茂と、左目に紅色の三日月を想像させる紋様が宿した青年が現れる。
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