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剣乱武闘編
優勝賞品
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「その聖遺物ってのは何だい?また聖剣かい?」
「分かりません……ですが、資料によると遥か昔から存在する武器です。恐らくはカラドボルグやエクスカリバーよりも前に製作されたと聞いています」
「つまり……魔族侵攻大戦よりも前の時代か」
恐らくはアイリィの作り出した作品(カラドボルグなど)ではなく、他の誰かが造り出した聖遺物かもしれない。だが、彼女以外に誰がそんな聖遺物を造り出せるのか気にかかるが、可能性としてはアイリィの先祖である「アイリス」だが、こんな世界を作ったにも飽き足らず、そんなの物まで作ったのかと内心呆れる。
「けど……そんなにすごい物がこの都市に眠っているなんて聞いたこともないね……」
「知らなかったす~」
「とうぞ……げほげほっ、バルたちも知らないのは意外だな」
「これは極秘機密です。実際、この情報を知っているのはこの場に居る全員だけです」
「え!?王国側には報告してないんですか!?」
「……センチュリオンは何処に潜んでいるかは分かりません。時期を見て、私の方から直接報告します」
「そうですか……分かりました。そういう事情ならば、私も王には内密にしておきます」
大将軍のレミアとしては王国に関する情報はバルトロス国王に報告する義務はあるが、内容が内容のため、センリの案を受け入れる。
「けど……どんな武器が眠っているのも分からないのに、あいつらが狙いに来るのかい?」
「それは間違いありません。実際、私がこの情報を知る前から彼らは何度もこの都市を訪れています。今考えれば既に彼らはこの地に眠っている「何か」を狙っているんです」
「それで、もう一方の封印されている化け物ってのは何なんだい?また、腐敗竜やバジリスクみたいな化け物じゃないだろうね……」
「それは大丈夫でしょう。仮に復活したとしても、この都市には世界中から腕利きの者達が集まっています。もしもバジリスクと同等の魔物が現れたとしても、十分に対処できますし、何より現在の都市にはレノさんを始めとした聖剣の使い手が何人も集まっています」
「あんな化け物とやり合うのは二度と御免……にしても、その聖遺物の居所が分からない以上、あいつらが派手に動く事はないのかな」
「いえ……そうとは言い切れません」
センリは懐から羊皮紙を取り出し、机の上に置く。全員が確認するように近づくと、
「こいつは……今回の優勝賞品の一覧かい?」
「えっと……嘘っ!?」
「これは……信じられないな」
「わふっ!?」
「……ほわぁっ」
「コトミ、今の声って驚いたの?それとも欠伸?」
「……両方」
――羊皮紙に描かれていた内容はレノを除く全員が驚愕し、それほどまでに各種族が提示した優勝賞品は凄まじい物が揃えられていた。
「森人族からは一部のエルフしか所持を許されない「神木」で造られた弓矢かい!!」
「それだけじゃありません……獣人族からは名刀「獣王剣」ですよ!!欲しいです!!」
「巨人族からは……1トンの「魔石」!?貰う方が困るだろこれ!!」
「人魚族は「オリハルコン」で造られたお守りか……人魚族が作り出すお守りは途轍もない効能だからね」
「……魔人族は「紅魔石」滅多に手に入らない希少金属」
「王国からは「聖剣カリバーン」の選定の権利か……って、聖剣?」
カリバーンとは現実世界(旧世界)では「アーサー王」が選定の岩より引き抜いた伝説の剣であり、別名は「選定の剣」アーサー王の伝説では「エクスカリバー」が有名だが、一説によればカリバーンを打ち直したのがエクスカリバーになったと言われている。
この世界におけるエクスカリバーはレノが所持している「カラドボルグ」を原型としているが、こちらの世界の「カリバーン」は「エクスカリバー」と同時期に造り出された兄弟剣であり、その力はエクスカリバーに匹敵すると言われるが、選ばれた人間は歴史上1人しか居らず、300年近く王国の地下室に封印されていたという。
「私もアルトから聞いていたが……誰も扱えず、処理に困っていたと聞いていたが……」
「へえ……ジャンヌやレミアは見たことは無いの?」
「私は入団直後に拝見したことはありますが……選ばれませんでした」
「その……私の場合は憑依する「英雄(ナナ)」がすごいのであって、私自身は特別な存在ではないんです。一応は触れたことはありますが、弾かれてしまいました……」
2人とも両手を抑え、恐らくカリバーンに触れただけで弾かれてしまったのだろう。レミアはともかく、ジャンヌは後にレーヴァティンに認められたが、カリバーンとは相性が悪かったのかもしれない。
「しかし……いくら剣乱武闘とはいえ、ここまで優勝賞品に力を入れるとは……」
「それが重要なのです。センチュリオンがこの都市にいるとしたら、間違いなくもう一度優勝賞品と選手たちを狙って現れるでしょう」
「ここまで凄い規模なのに?」
今回の大会は前回の二の舞を避けるため、大幅に警備が強化されているはずだが、
「実際に予選を終えた選手の何人かが誘拐されています。彼らは間違いなく、この都市に潜入している事は確かです」
「分かりません……ですが、資料によると遥か昔から存在する武器です。恐らくはカラドボルグやエクスカリバーよりも前に製作されたと聞いています」
「つまり……魔族侵攻大戦よりも前の時代か」
恐らくはアイリィの作り出した作品(カラドボルグなど)ではなく、他の誰かが造り出した聖遺物かもしれない。だが、彼女以外に誰がそんな聖遺物を造り出せるのか気にかかるが、可能性としてはアイリィの先祖である「アイリス」だが、こんな世界を作ったにも飽き足らず、そんなの物まで作ったのかと内心呆れる。
「けど……そんなにすごい物がこの都市に眠っているなんて聞いたこともないね……」
「知らなかったす~」
「とうぞ……げほげほっ、バルたちも知らないのは意外だな」
「これは極秘機密です。実際、この情報を知っているのはこの場に居る全員だけです」
「え!?王国側には報告してないんですか!?」
「……センチュリオンは何処に潜んでいるかは分かりません。時期を見て、私の方から直接報告します」
「そうですか……分かりました。そういう事情ならば、私も王には内密にしておきます」
大将軍のレミアとしては王国に関する情報はバルトロス国王に報告する義務はあるが、内容が内容のため、センリの案を受け入れる。
「けど……どんな武器が眠っているのも分からないのに、あいつらが狙いに来るのかい?」
「それは間違いありません。実際、私がこの情報を知る前から彼らは何度もこの都市を訪れています。今考えれば既に彼らはこの地に眠っている「何か」を狙っているんです」
「それで、もう一方の封印されている化け物ってのは何なんだい?また、腐敗竜やバジリスクみたいな化け物じゃないだろうね……」
「それは大丈夫でしょう。仮に復活したとしても、この都市には世界中から腕利きの者達が集まっています。もしもバジリスクと同等の魔物が現れたとしても、十分に対処できますし、何より現在の都市にはレノさんを始めとした聖剣の使い手が何人も集まっています」
「あんな化け物とやり合うのは二度と御免……にしても、その聖遺物の居所が分からない以上、あいつらが派手に動く事はないのかな」
「いえ……そうとは言い切れません」
センリは懐から羊皮紙を取り出し、机の上に置く。全員が確認するように近づくと、
「こいつは……今回の優勝賞品の一覧かい?」
「えっと……嘘っ!?」
「これは……信じられないな」
「わふっ!?」
「……ほわぁっ」
「コトミ、今の声って驚いたの?それとも欠伸?」
「……両方」
――羊皮紙に描かれていた内容はレノを除く全員が驚愕し、それほどまでに各種族が提示した優勝賞品は凄まじい物が揃えられていた。
「森人族からは一部のエルフしか所持を許されない「神木」で造られた弓矢かい!!」
「それだけじゃありません……獣人族からは名刀「獣王剣」ですよ!!欲しいです!!」
「巨人族からは……1トンの「魔石」!?貰う方が困るだろこれ!!」
「人魚族は「オリハルコン」で造られたお守りか……人魚族が作り出すお守りは途轍もない効能だからね」
「……魔人族は「紅魔石」滅多に手に入らない希少金属」
「王国からは「聖剣カリバーン」の選定の権利か……って、聖剣?」
カリバーンとは現実世界(旧世界)では「アーサー王」が選定の岩より引き抜いた伝説の剣であり、別名は「選定の剣」アーサー王の伝説では「エクスカリバー」が有名だが、一説によればカリバーンを打ち直したのがエクスカリバーになったと言われている。
この世界におけるエクスカリバーはレノが所持している「カラドボルグ」を原型としているが、こちらの世界の「カリバーン」は「エクスカリバー」と同時期に造り出された兄弟剣であり、その力はエクスカリバーに匹敵すると言われるが、選ばれた人間は歴史上1人しか居らず、300年近く王国の地下室に封印されていたという。
「私もアルトから聞いていたが……誰も扱えず、処理に困っていたと聞いていたが……」
「へえ……ジャンヌやレミアは見たことは無いの?」
「私は入団直後に拝見したことはありますが……選ばれませんでした」
「その……私の場合は憑依する「英雄(ナナ)」がすごいのであって、私自身は特別な存在ではないんです。一応は触れたことはありますが、弾かれてしまいました……」
2人とも両手を抑え、恐らくカリバーンに触れただけで弾かれてしまったのだろう。レミアはともかく、ジャンヌは後にレーヴァティンに認められたが、カリバーンとは相性が悪かったのかもしれない。
「しかし……いくら剣乱武闘とはいえ、ここまで優勝賞品に力を入れるとは……」
「それが重要なのです。センチュリオンがこの都市にいるとしたら、間違いなくもう一度優勝賞品と選手たちを狙って現れるでしょう」
「ここまで凄い規模なのに?」
今回の大会は前回の二の舞を避けるため、大幅に警備が強化されているはずだが、
「実際に予選を終えた選手の何人かが誘拐されています。彼らは間違いなく、この都市に潜入している事は確かです」
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