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剣乱武闘編
肉弾戦
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「ぬんっ!!」
「おっと」
ライオネルが右足を回し蹴りの要領で放ち、咄嗟にレノは左腕を鎖の腕に変化させ、肉体強化も同時に行う。
ドォオンッ!!
「ぐっ……!!」
「ぬうっ……!?この感触……義手か!!」
「そうだよ!!」
ダァンッ!!
右足の部分に嵐属性の魔力を発動させ、瞬脚の要領で爆風を利用してライオネルの腹部に叩き込む。単純な肉体強化(アクセル)では損傷は与えられないが、嵐属性の力も加算すれば威力は倍増する。
ズドォンッ!!
「ごはぁっ……!?」
「ふんっ!!」
ライオネルの腹部に足刀をめり込ませ、そのまま右腕に電撃を纏わせ、さらに胸元に叩き込む。
「雷撃!!」
ドォオオオオンッ!!
「ぐはぁあああっ!?」
魔法耐性があるとはいえ、レノの雷撃はライオネルの身体の内側に電撃を直接送り込み、彼は堪らずに跪く。元々は岩石の外殻で覆われたゴーレムを相手に作り出した技であり、鍛え上げた彼の肉体でも十分に通じる。
「ぐっ……魔術師のくせに、何という打撃を……というか、この状況、前にもあったような……!?」
「……だろうね」
つい先日にソフィアの姿でライオネルタコ殴りにしている。彼は腹部を抑えながらも立ち上がり、口元に血を流しながらも笑みを浮かべる。
「お前を見ていると……何故かあの女を思い出すな、姉弟は居るのか?」
「どきっ……し、試合に集中しなよ!!」
「そ、そうだな!!来いっ!!」
意外と鋭い直感のライオネルにレノは冷や汗を流し、すぐに右腕に撃雷を纏わせる。先ほどは拳で迎撃されたが、今回は指の形を変え、
「雷弾!!」
「何っ……!?」
ズガァアンッ!!
至近距離でピストルの形をした雷の魔弾を放ち、ライオネルの顔面に目掛けて放つ。魔弾は真っ直ぐに衝突し、電流が迸る。
「やったか!?」
「ちょ、その台詞はいけない!!」
「え?何で?」
観客席でバルが声を上げ、ホノカがすぐに突っ込みをいれるが、隣の席のヨウカが首を傾げる。そんな彼らの会話をハーフエルフの優れた聴力で聞き取りながらも、レノは倒れ込んだライオネルに視線を向け、
「……ふんっ……不用意に近づかなかったのはいい判断だ」
彼は顔面の黒煙を振り払い、特に致命傷を受けた様子は無い。彼が先ほど告げた魔法耐性というのは嘘ではないらしく、顔面が少し焦げただけで他に大きな変化は無い。
「そこはアフロになるべきだろ」
「減らず口はそこまでだ!!」
ビキビキィッ!!
ライオネルの両手の爪が鋭利に尖り、全身の筋肉が膨張する。どうやら彼を本気にさせたらしく、地下闘技場では見せなかった形態に変化する。
「おお!!出るぞライオネルの必殺の「獣王斬」が!!」
「あの冒険者100人を惨殺したって言う伝説の!?」
「獣王様と名前が被ってないか?」
観客の中には彼の事に詳しい輩がいるのか、ライオネルの技名まで語っている。名前から察するに爪で斬りかかる類のようだが、
「ふんっ!!」
「っ!?」
ブゥンッ!!
距離があるにも関わらず、ライオネルは爪を空に斬りかかり、レノに向かって四本爪の形をした風の刃が発生する。レノは以前に白狼との戦闘で見せた「衝撃波」を思いだし、横に回避する。
ズガァアアアンッ!!
石畳のリングにライオネルの放った斬撃が深く刻まれ、規模は白狼の方が大きいが、威力に関しては白狼よりも上かも知れない。
「いい勘だ!!だが、これは避けられるかな!?」
ビュオォオオッ!!
両腕の爪を振るい、無数の爪の斬撃が放たれる。レノは右手を前にすると、
「風盾!!」
ブォオオオッ!!
右の掌から渦巻き状の風属性の刃が発生し、次々と襲い掛かる爪の斬撃を打ち払い、正面から防ぐ。急成長のお蔭なのか、以前は軌道を変える事で攻撃を防いでいたが、今は掌から発言した竜巻が斬撃を消散させる。
「くっ……ならば!!」
ドゴォオオンッ!!
爪を収納してライオネルは右腕を振り抜き、地面の石畳のリングに拳をめり込ませる。すぐに彼の意図に気付いて魔法を解除すると、
「ぬぎぎぎっ……!!」
ドガァアアンッ……!!
破壊した石畳の瓦礫を持ち上げ、そのままレノに目掛けて振り上げて投擲する。
「喰らえ!!」
ブォンッ!!
真っ直ぐに自分に向かってくる巨大な瓦礫に対し、レノは地下迷宮のゴーレムを思いだし、右腕を構えて嵐属性の竜巻を纏わせる。
ゴォオオオオオッ……!!
「嵐……」
足の裏から、足首、膝、股関節、腹部、胸、肩、肘、腕、拳の順で身体を回転、及び加速させ、勢いを乗せると、
「撃ぃっ!!」
ズガァアアアアアンッ!!
瓦礫に目掛けて拳を叩き込み、一撃で粉砕する。さらに腕に纏っていた竜巻が拡散し、無数の石礫が逆方向のライオネルに放たれる。
「何……!?」
案の定、瓦礫の影に隠れて接近していたライオネルに目掛けて無数の石の弾丸が放たれ、体中にめり込む。
「ぐおおっ……!?」
「撃雷!!」
ドォンッ!!
弾丸を受けて後ずさるライオネルに対し、レノは瞬脚で接近すると右腕に「撃雷」を纏わせ、彼の胸元に叩き込む。
ドゴォオオオオンッ!!
「ぐはぁあああああっ!?」
ライオネルの巨体が浮き上がり、そのままリングの上に転がり込む。
「おっと」
ライオネルが右足を回し蹴りの要領で放ち、咄嗟にレノは左腕を鎖の腕に変化させ、肉体強化も同時に行う。
ドォオンッ!!
「ぐっ……!!」
「ぬうっ……!?この感触……義手か!!」
「そうだよ!!」
ダァンッ!!
右足の部分に嵐属性の魔力を発動させ、瞬脚の要領で爆風を利用してライオネルの腹部に叩き込む。単純な肉体強化(アクセル)では損傷は与えられないが、嵐属性の力も加算すれば威力は倍増する。
ズドォンッ!!
「ごはぁっ……!?」
「ふんっ!!」
ライオネルの腹部に足刀をめり込ませ、そのまま右腕に電撃を纏わせ、さらに胸元に叩き込む。
「雷撃!!」
ドォオオオオンッ!!
「ぐはぁあああっ!?」
魔法耐性があるとはいえ、レノの雷撃はライオネルの身体の内側に電撃を直接送り込み、彼は堪らずに跪く。元々は岩石の外殻で覆われたゴーレムを相手に作り出した技であり、鍛え上げた彼の肉体でも十分に通じる。
「ぐっ……魔術師のくせに、何という打撃を……というか、この状況、前にもあったような……!?」
「……だろうね」
つい先日にソフィアの姿でライオネルタコ殴りにしている。彼は腹部を抑えながらも立ち上がり、口元に血を流しながらも笑みを浮かべる。
「お前を見ていると……何故かあの女を思い出すな、姉弟は居るのか?」
「どきっ……し、試合に集中しなよ!!」
「そ、そうだな!!来いっ!!」
意外と鋭い直感のライオネルにレノは冷や汗を流し、すぐに右腕に撃雷を纏わせる。先ほどは拳で迎撃されたが、今回は指の形を変え、
「雷弾!!」
「何っ……!?」
ズガァアンッ!!
至近距離でピストルの形をした雷の魔弾を放ち、ライオネルの顔面に目掛けて放つ。魔弾は真っ直ぐに衝突し、電流が迸る。
「やったか!?」
「ちょ、その台詞はいけない!!」
「え?何で?」
観客席でバルが声を上げ、ホノカがすぐに突っ込みをいれるが、隣の席のヨウカが首を傾げる。そんな彼らの会話をハーフエルフの優れた聴力で聞き取りながらも、レノは倒れ込んだライオネルに視線を向け、
「……ふんっ……不用意に近づかなかったのはいい判断だ」
彼は顔面の黒煙を振り払い、特に致命傷を受けた様子は無い。彼が先ほど告げた魔法耐性というのは嘘ではないらしく、顔面が少し焦げただけで他に大きな変化は無い。
「そこはアフロになるべきだろ」
「減らず口はそこまでだ!!」
ビキビキィッ!!
ライオネルの両手の爪が鋭利に尖り、全身の筋肉が膨張する。どうやら彼を本気にさせたらしく、地下闘技場では見せなかった形態に変化する。
「おお!!出るぞライオネルの必殺の「獣王斬」が!!」
「あの冒険者100人を惨殺したって言う伝説の!?」
「獣王様と名前が被ってないか?」
観客の中には彼の事に詳しい輩がいるのか、ライオネルの技名まで語っている。名前から察するに爪で斬りかかる類のようだが、
「ふんっ!!」
「っ!?」
ブゥンッ!!
距離があるにも関わらず、ライオネルは爪を空に斬りかかり、レノに向かって四本爪の形をした風の刃が発生する。レノは以前に白狼との戦闘で見せた「衝撃波」を思いだし、横に回避する。
ズガァアアアンッ!!
石畳のリングにライオネルの放った斬撃が深く刻まれ、規模は白狼の方が大きいが、威力に関しては白狼よりも上かも知れない。
「いい勘だ!!だが、これは避けられるかな!?」
ビュオォオオッ!!
両腕の爪を振るい、無数の爪の斬撃が放たれる。レノは右手を前にすると、
「風盾!!」
ブォオオオッ!!
右の掌から渦巻き状の風属性の刃が発生し、次々と襲い掛かる爪の斬撃を打ち払い、正面から防ぐ。急成長のお蔭なのか、以前は軌道を変える事で攻撃を防いでいたが、今は掌から発言した竜巻が斬撃を消散させる。
「くっ……ならば!!」
ドゴォオオンッ!!
爪を収納してライオネルは右腕を振り抜き、地面の石畳のリングに拳をめり込ませる。すぐに彼の意図に気付いて魔法を解除すると、
「ぬぎぎぎっ……!!」
ドガァアアンッ……!!
破壊した石畳の瓦礫を持ち上げ、そのままレノに目掛けて振り上げて投擲する。
「喰らえ!!」
ブォンッ!!
真っ直ぐに自分に向かってくる巨大な瓦礫に対し、レノは地下迷宮のゴーレムを思いだし、右腕を構えて嵐属性の竜巻を纏わせる。
ゴォオオオオオッ……!!
「嵐……」
足の裏から、足首、膝、股関節、腹部、胸、肩、肘、腕、拳の順で身体を回転、及び加速させ、勢いを乗せると、
「撃ぃっ!!」
ズガァアアアアアンッ!!
瓦礫に目掛けて拳を叩き込み、一撃で粉砕する。さらに腕に纏っていた竜巻が拡散し、無数の石礫が逆方向のライオネルに放たれる。
「何……!?」
案の定、瓦礫の影に隠れて接近していたライオネルに目掛けて無数の石の弾丸が放たれ、体中にめり込む。
「ぐおおっ……!?」
「撃雷!!」
ドォンッ!!
弾丸を受けて後ずさるライオネルに対し、レノは瞬脚で接近すると右腕に「撃雷」を纏わせ、彼の胸元に叩き込む。
ドゴォオオオオンッ!!
「ぐはぁあああああっ!?」
ライオネルの巨体が浮き上がり、そのままリングの上に転がり込む。
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