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剣乱武闘編
衝撃波
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「さて、と……」
ジャラララッ……!!
左腕の黒衣から聖爪を取り出し、指先にリングを装備させると、ゆっくりと肩を振り回しながらアルトに向けて歩き出す。そんなレノの態度に彼は苛立ちながらも、鼻で笑う。
「舐められた物だね……そんな聖剣の紛い物で、僕のデュランダルと渡り合う気かい?それとも、やはり君はカラドボルグを扱えないのかい?」
「奥の手を簡単に出すわけないだろ」
「どうだか……本当に選ばれた者なら、そんな悠長なことは言えないはず。前々から疑問に思っていたが、君は本当にカラドボルグに選ばれた者なのかい?」
「…………」
レノが紋様に宿している「カラドボルグ」の正当な所有者は「アイリィ」であり、彼女が一時的に所有権をレノに貸し与えているだけなので、完全にその力を使いこなせるわけではない。
だが、使い方を間違えなければ今の状態でも十分に大きな戦力となるため、どんな強敵と遭遇しようと聖剣の力で屠ってきた。例え、今回の相手がデュランダルを装備しているアルトであろうと、使い方を間違えなければ勝機はある。
「まあいい……そんな聖剣の欠片から作られたもので、僕のデュランダルに挑むことを後悔するといい」
「本当に変わったな……そんなにリノンの事が好きなのか?」
「っ……!?お前に何が分かる!!」
どうやら彼の怒りに触れたらしく、アルトはデュランダルを振り上げ、距離があるにもかかわらずに地面に叩き付ける。
「地走り!!」
ドガァアアアアアッ!!
地面が盛り上がり、真っ直ぐにレノに向けて衝撃波が放たれる。流石に防御する事は不可能と悟り、その場を瞬脚で避ける。
ダァンッ!!
「くっ……!!」
――ドゴォオオオオンッ……!!
そのまま衝撃波は後方の建物に放たれ、凄まじい轟音と共に砕け散る。瓦礫が周囲に散乱し、10階建てのビルほどの大きさがあった建物が半壊する。あまりの威力にレノは冷や汗を流し、真面に喰らえば間違いなく重傷どころでは済まない。
「危なっ……たいした威力だな」
「まだだ!!」
ズガァンッ……!!
地面に刃がめり込んだ大剣を引き抜き、そのまま大きく振り上げると今度は横薙ぎに振り払い、
「裂空斬!!」
ブォンッ!!
刀身から再び「衝撃波」が発生し、今度はレノの乱刃と似た三日月状の斬撃が放たれる。だが、規模が桁違いであり、空中以外に回避する手段は無い。
「少しは周りの被害考えろっ……!!」
ダァンッ!!
もう一度、瞬脚で上空に回避した途端、アルトの放った衝撃波が周囲の建物群に広がる。
ズガァアアアアアンッ――!!
建物に亀裂が走り、次々と瓦礫と化して崩壊していく。今回の予選は闘人都市の街並みを故意に破壊する事は厳禁のはずだが、アルトは全く気にせずにデュランダルの力を発揮させる。
「甘いっ!!」
「っ!!」
ブォンッ――!!
空中に浮揚したレノに対し、アルトは笑みを浮かべて大剣を振りかぶり、どうやら衝撃波で撃ち落とすつもりだろうが、
「甘いのはお前だ!!」
ジャラララッ!!
左腕から銀の鎖を射出し、鎖の先端部のリングを地面にめり込ませ、そのまま鎖を引き寄せて着地する。
「……流石だな、相変わらず厄介な鎖だ」
「そっちもたいした威力だよ。疲れないの?」
「これぐらいはたいしたことは無い。君と一緒にしないでくれ」
「耳が痛い……」
先ほどからデュランダルを相当な出力で発揮しているにも関わらず、アルトに疲労の様子は見えない。この調子では周辺の建物が崩壊し兼ねないが、今は気にしている暇は無い。全ての責任はアルトにある。
「こっちもそろそろ本気で行くぞ」
「っ……ご自由に」
レノが右手の紋様を向けた途端、警戒するようにアルトが大剣を構え、カラドボルグを恐れているのは間違いないのだろうが、
「手始めに……乱刃」
ズドォンッ!!
三日月状の嵐の刃を形成してアルトに放つと、
「舐めるな!!」
ズバァアアッ!!
いとも容易く刃でレノの乱刃を斬り裂き、やはり普通の魔法ではデュランダルにかすり傷1つ負わせれらない。だが、レノの狙いは大剣ではなくアルト自身であり、
「地雷」
ドォオオオンッ!!
地面に右手を押し当て、電撃を流し込む。下からの放電ならばデュランダルでも防げないと判断したのだが、
「ふんっ!!」
ドォンッ!!
電撃が届く前にアルトは大剣を持ち上げて跳躍し、そのまま下方からの電撃を避ける。相当な重量のはずだが、軽快な動きで避けるところ、デュランダルに選ばれたという言葉は嘘ではないらしい。
攻撃の際に重量を増加させ、移動する際は逆に軽減し、まるで地下迷宮(ロスト・ラビリンス)で出会った重力の聖痕を所持していた甲冑の騎士を想像させる。
戦闘方法は大きく違うが、重量を操るという点では同じであり、レノは笑みを浮かべる。一度でも経験している分、有利に進められ、そんな彼の態度にアルトは目つきを鋭くさせる。
「あくまでもカラドボルグを使わない気か……なら、もう終わらせるぞ!!」
ドォンッ!!
大きく踏み出し、そのままレノに向かって突進してきた。
※重量を操るという点では「重力の聖痕」と「デュランダル」は同じ能力であり、クサナギが風の聖痕と相性が悪いように、重力の聖痕はデュランダルの攻撃を無効化出来ます。
ちなみに雷の聖痕はカラドボルグ、そして聖の聖痕はエクスカリバーを無効化可能。他の聖痕も同様に同じ能力を持つ聖遺物の武具を無効化できます。
但し、アイギスなどの防御に特化した聖遺物に関しては相性に関係なく、あらゆる攻撃を防ぎます。また、ジャンヌが聖の聖痕を所有したままエクスカリバーを使用した場合、その効果は通常よりも倍増します。
ジャラララッ……!!
左腕の黒衣から聖爪を取り出し、指先にリングを装備させると、ゆっくりと肩を振り回しながらアルトに向けて歩き出す。そんなレノの態度に彼は苛立ちながらも、鼻で笑う。
「舐められた物だね……そんな聖剣の紛い物で、僕のデュランダルと渡り合う気かい?それとも、やはり君はカラドボルグを扱えないのかい?」
「奥の手を簡単に出すわけないだろ」
「どうだか……本当に選ばれた者なら、そんな悠長なことは言えないはず。前々から疑問に思っていたが、君は本当にカラドボルグに選ばれた者なのかい?」
「…………」
レノが紋様に宿している「カラドボルグ」の正当な所有者は「アイリィ」であり、彼女が一時的に所有権をレノに貸し与えているだけなので、完全にその力を使いこなせるわけではない。
だが、使い方を間違えなければ今の状態でも十分に大きな戦力となるため、どんな強敵と遭遇しようと聖剣の力で屠ってきた。例え、今回の相手がデュランダルを装備しているアルトであろうと、使い方を間違えなければ勝機はある。
「まあいい……そんな聖剣の欠片から作られたもので、僕のデュランダルに挑むことを後悔するといい」
「本当に変わったな……そんなにリノンの事が好きなのか?」
「っ……!?お前に何が分かる!!」
どうやら彼の怒りに触れたらしく、アルトはデュランダルを振り上げ、距離があるにもかかわらずに地面に叩き付ける。
「地走り!!」
ドガァアアアアアッ!!
地面が盛り上がり、真っ直ぐにレノに向けて衝撃波が放たれる。流石に防御する事は不可能と悟り、その場を瞬脚で避ける。
ダァンッ!!
「くっ……!!」
――ドゴォオオオオンッ……!!
そのまま衝撃波は後方の建物に放たれ、凄まじい轟音と共に砕け散る。瓦礫が周囲に散乱し、10階建てのビルほどの大きさがあった建物が半壊する。あまりの威力にレノは冷や汗を流し、真面に喰らえば間違いなく重傷どころでは済まない。
「危なっ……たいした威力だな」
「まだだ!!」
ズガァンッ……!!
地面に刃がめり込んだ大剣を引き抜き、そのまま大きく振り上げると今度は横薙ぎに振り払い、
「裂空斬!!」
ブォンッ!!
刀身から再び「衝撃波」が発生し、今度はレノの乱刃と似た三日月状の斬撃が放たれる。だが、規模が桁違いであり、空中以外に回避する手段は無い。
「少しは周りの被害考えろっ……!!」
ダァンッ!!
もう一度、瞬脚で上空に回避した途端、アルトの放った衝撃波が周囲の建物群に広がる。
ズガァアアアアアンッ――!!
建物に亀裂が走り、次々と瓦礫と化して崩壊していく。今回の予選は闘人都市の街並みを故意に破壊する事は厳禁のはずだが、アルトは全く気にせずにデュランダルの力を発揮させる。
「甘いっ!!」
「っ!!」
ブォンッ――!!
空中に浮揚したレノに対し、アルトは笑みを浮かべて大剣を振りかぶり、どうやら衝撃波で撃ち落とすつもりだろうが、
「甘いのはお前だ!!」
ジャラララッ!!
左腕から銀の鎖を射出し、鎖の先端部のリングを地面にめり込ませ、そのまま鎖を引き寄せて着地する。
「……流石だな、相変わらず厄介な鎖だ」
「そっちもたいした威力だよ。疲れないの?」
「これぐらいはたいしたことは無い。君と一緒にしないでくれ」
「耳が痛い……」
先ほどからデュランダルを相当な出力で発揮しているにも関わらず、アルトに疲労の様子は見えない。この調子では周辺の建物が崩壊し兼ねないが、今は気にしている暇は無い。全ての責任はアルトにある。
「こっちもそろそろ本気で行くぞ」
「っ……ご自由に」
レノが右手の紋様を向けた途端、警戒するようにアルトが大剣を構え、カラドボルグを恐れているのは間違いないのだろうが、
「手始めに……乱刃」
ズドォンッ!!
三日月状の嵐の刃を形成してアルトに放つと、
「舐めるな!!」
ズバァアアッ!!
いとも容易く刃でレノの乱刃を斬り裂き、やはり普通の魔法ではデュランダルにかすり傷1つ負わせれらない。だが、レノの狙いは大剣ではなくアルト自身であり、
「地雷」
ドォオオオンッ!!
地面に右手を押し当て、電撃を流し込む。下からの放電ならばデュランダルでも防げないと判断したのだが、
「ふんっ!!」
ドォンッ!!
電撃が届く前にアルトは大剣を持ち上げて跳躍し、そのまま下方からの電撃を避ける。相当な重量のはずだが、軽快な動きで避けるところ、デュランダルに選ばれたという言葉は嘘ではないらしい。
攻撃の際に重量を増加させ、移動する際は逆に軽減し、まるで地下迷宮(ロスト・ラビリンス)で出会った重力の聖痕を所持していた甲冑の騎士を想像させる。
戦闘方法は大きく違うが、重量を操るという点では同じであり、レノは笑みを浮かべる。一度でも経験している分、有利に進められ、そんな彼の態度にアルトは目つきを鋭くさせる。
「あくまでもカラドボルグを使わない気か……なら、もう終わらせるぞ!!」
ドォンッ!!
大きく踏み出し、そのままレノに向かって突進してきた。
※重量を操るという点では「重力の聖痕」と「デュランダル」は同じ能力であり、クサナギが風の聖痕と相性が悪いように、重力の聖痕はデュランダルの攻撃を無効化出来ます。
ちなみに雷の聖痕はカラドボルグ、そして聖の聖痕はエクスカリバーを無効化可能。他の聖痕も同様に同じ能力を持つ聖遺物の武具を無効化できます。
但し、アイギスなどの防御に特化した聖遺物に関しては相性に関係なく、あらゆる攻撃を防ぎます。また、ジャンヌが聖の聖痕を所有したままエクスカリバーを使用した場合、その効果は通常よりも倍増します。
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