438 / 1,095
剣乱武闘編
サンドフィッシュ
しおりを挟む
「さ、サンドフィッシュ!?」
「う、嘘だろ……第一級の危険種に指定されている化物じゃないかい!!」
「……不味そうな魚だね」
「……同意」
観客席に居るバルたちが試合場に出現した「サンドフィッシュ」にそれぞれの反応を返すと、全員がホノカに視線を向ける。
「勿論、僕の砂漠の魔物だ」
「ほ、ホノカちゃん!?レノたんを殺す気!?」
「いや、そうは言ってもな……僕も反対はしたんだが、レノ君なら大丈夫かな~……と思って」
「おいおい……あいつら、砂漠の上で戦うなんて初めてだろ?大丈夫なのかい」
ズザザザザッ……!!
砂漠と化した試合場では、砂中から「背ビレ」だけを現し、高速移動を行うサンドフィッシュに対してエルフ達は混乱を起こす。
「うわぁあああっ!!」
「く、来るな……ぎゃああっ!?」
「くそっ……足が砂に飲まれて……!!」
エルフ達は砂漠を移動する羽目になるなど全く想定しておらず、砂に足を奪われて上手く逃げられない。その間にもサンドフィッシュは移動を行い、次は南側の森人族に接近すると、
『シャアァァアアアアアッ!!』
ドォォオオオオンッ!!
砂の中から巨体を表し、エルフ達に向けて突進してくる。
「くそっ!!怯むな!!」
「か、風よ!!」
「吹き荒れろ!!」
流石に大会に参加するほどの戦士たちであり、掌を向けて詠唱もせずに風属性の魔法を発動させようとするが、
シュウゥウウウッ……!!
「えっ!?」
「か、風が……うああっ!?」
砂漠の熱気により、掌に形成した風の塊が消散する。あまりの熱量に集中さを乱し、魔法が上手く発動できないのだ。彼らにとっては砂漠など初めての場所であり、例え歴戦の強者だろうと適応できない熱気だった。
ズドォオオオオンッ!!
「「ぐあぁああああああっ!?」」
サメの巨体によって南門から出場したエルフ達は蹴散らされ、そのまま派手に砂煙を上げながらサンドフィッシュは姿を消す。ただの体当たりで、20人近くの森人族が吹き飛ばされた姿に観客達が驚愕の声を上げる。
「う、嘘だろおい……こんなの、どうやって戦うんだよ」
「いくらエルフだからって……こいつは無理じゃねえのか?」
「あのサメ、今度は東側に向かったぞ!!」
ズザザザッ……!!
砂中から刃物を想像させる背ビレだけを露わにし、そのまま砂漠を移動して試合場の東門に向かう。そこには砂丘に遮られ、既に南門の選手が全滅した事をしらないエルフ達が周囲を警戒しており、どうするべきかを相談している最中だった。
「ど、どうする……話が違うぞ?あのハーフエルフを排除するためだけに参加したのに……」
「狼狽えるな!!なに、規則は直接攻撃だけを禁止されていただけだ。隙をついて、魔物を利用して……」
「……お、おい……何だあの砂煙?」
1人の若いエルフが自分たちの方向に向かってくる砂煙を確認し、煙をまき散らす「背ビレ」を見た瞬間、悲鳴を上げる。
「あ、あの魔物……こっちに向かってくるぞ!!」
「何だと!?」
「くそッ……弓を放て!!」
すぐに戦士たちが弓矢の弦を引き、鏃に風属性の魔力付与を行い、次々と射出する。
ズドドドドッ!!
無数の矢が現実世界のマシンガンのように放たれ、接近してくる背ビレに向かうが、
ドバァアアアアアッ!!
「やったか!?」
「当たったのか……?」
矢の大群が砂丘に衝突し、激しい砂煙が舞う。一発一発が現実世界のライフル以上の威力を誇り、全員が仕留めたのかと視線を向けるが、
ズザザザッ……!!
「違う!!こっちだ!!」
既にサンドフィッシュの背ビレは見当違いの方向から姿を現し、その距離は30メートルも離れていない。慌ててもう一度、弓矢を向け、
「今度は避けられない様に周囲にやれ!!」
「ああっ!!」
一点に集中するのではなく、それぞれが横一列に並び立ち、弓矢を放つ。
チュドドドドッ!!
無数の矢が周囲一帯に放たれ、砂煙を舞うが背ビレは高速移動を行って矢の雨を避ける。
「くそっ……サメ如きが!!」
「落ち着け!!冷静になれ!!」
「砂から抜け出した瞬間を狙え!!」
矢を無駄打ちするのを避け、戦士たちは剣を抜き放ち、サンドフィッシュが砂中から姿を現すのを待つ。全員が背中を合わせ、全方向に向けて警戒行動を取る。
「下からにも気を付けろ!!」
「分かっている!!」
「来た!!」
ズザザザッ!!
サンドフィッシュは不規則な動きで接近し、エルフ達は剣に「風」を纏わせて、姿を現すのを待つ。
ズドォオオオオンッ!!
『シャアァアアアアアッ!!』
砂煙を巻き上げてサメの巨体が出現し、上空から弧を描きながら向かってくる。エルフ達は剣を構え、
「馬鹿め!!」
「死ね!!」
「切り裂け!!」
それぞれが剣を構え、砂場を跳躍し、サメの巨体に剣を突きだすが、
ガキィイイイインッ!!
「か、固い……!?」
「刃が……!?」
「うおおっ!?」
エルフ達の長剣の刃が弾かれ、その硬度は鋼鉄よりも固く、さらに鮫肌で刃が削り取られている。
『シャギャアァアアアアッ!!』
ドォオオンッ!!
「「ぐぎゃあぁあああああっ!?」」
サンドフィッシュは砂の上に倒れ込み、潜り込まずにそのまま転がり回り、巨体を利用して森人族を踏みつぶしていく。
「う、嘘だろ……第一級の危険種に指定されている化物じゃないかい!!」
「……不味そうな魚だね」
「……同意」
観客席に居るバルたちが試合場に出現した「サンドフィッシュ」にそれぞれの反応を返すと、全員がホノカに視線を向ける。
「勿論、僕の砂漠の魔物だ」
「ほ、ホノカちゃん!?レノたんを殺す気!?」
「いや、そうは言ってもな……僕も反対はしたんだが、レノ君なら大丈夫かな~……と思って」
「おいおい……あいつら、砂漠の上で戦うなんて初めてだろ?大丈夫なのかい」
ズザザザザッ……!!
砂漠と化した試合場では、砂中から「背ビレ」だけを現し、高速移動を行うサンドフィッシュに対してエルフ達は混乱を起こす。
「うわぁあああっ!!」
「く、来るな……ぎゃああっ!?」
「くそっ……足が砂に飲まれて……!!」
エルフ達は砂漠を移動する羽目になるなど全く想定しておらず、砂に足を奪われて上手く逃げられない。その間にもサンドフィッシュは移動を行い、次は南側の森人族に接近すると、
『シャアァァアアアアアッ!!』
ドォォオオオオンッ!!
砂の中から巨体を表し、エルフ達に向けて突進してくる。
「くそっ!!怯むな!!」
「か、風よ!!」
「吹き荒れろ!!」
流石に大会に参加するほどの戦士たちであり、掌を向けて詠唱もせずに風属性の魔法を発動させようとするが、
シュウゥウウウッ……!!
「えっ!?」
「か、風が……うああっ!?」
砂漠の熱気により、掌に形成した風の塊が消散する。あまりの熱量に集中さを乱し、魔法が上手く発動できないのだ。彼らにとっては砂漠など初めての場所であり、例え歴戦の強者だろうと適応できない熱気だった。
ズドォオオオオンッ!!
「「ぐあぁああああああっ!?」」
サメの巨体によって南門から出場したエルフ達は蹴散らされ、そのまま派手に砂煙を上げながらサンドフィッシュは姿を消す。ただの体当たりで、20人近くの森人族が吹き飛ばされた姿に観客達が驚愕の声を上げる。
「う、嘘だろおい……こんなの、どうやって戦うんだよ」
「いくらエルフだからって……こいつは無理じゃねえのか?」
「あのサメ、今度は東側に向かったぞ!!」
ズザザザッ……!!
砂中から刃物を想像させる背ビレだけを露わにし、そのまま砂漠を移動して試合場の東門に向かう。そこには砂丘に遮られ、既に南門の選手が全滅した事をしらないエルフ達が周囲を警戒しており、どうするべきかを相談している最中だった。
「ど、どうする……話が違うぞ?あのハーフエルフを排除するためだけに参加したのに……」
「狼狽えるな!!なに、規則は直接攻撃だけを禁止されていただけだ。隙をついて、魔物を利用して……」
「……お、おい……何だあの砂煙?」
1人の若いエルフが自分たちの方向に向かってくる砂煙を確認し、煙をまき散らす「背ビレ」を見た瞬間、悲鳴を上げる。
「あ、あの魔物……こっちに向かってくるぞ!!」
「何だと!?」
「くそッ……弓を放て!!」
すぐに戦士たちが弓矢の弦を引き、鏃に風属性の魔力付与を行い、次々と射出する。
ズドドドドッ!!
無数の矢が現実世界のマシンガンのように放たれ、接近してくる背ビレに向かうが、
ドバァアアアアアッ!!
「やったか!?」
「当たったのか……?」
矢の大群が砂丘に衝突し、激しい砂煙が舞う。一発一発が現実世界のライフル以上の威力を誇り、全員が仕留めたのかと視線を向けるが、
ズザザザッ……!!
「違う!!こっちだ!!」
既にサンドフィッシュの背ビレは見当違いの方向から姿を現し、その距離は30メートルも離れていない。慌ててもう一度、弓矢を向け、
「今度は避けられない様に周囲にやれ!!」
「ああっ!!」
一点に集中するのではなく、それぞれが横一列に並び立ち、弓矢を放つ。
チュドドドドッ!!
無数の矢が周囲一帯に放たれ、砂煙を舞うが背ビレは高速移動を行って矢の雨を避ける。
「くそっ……サメ如きが!!」
「落ち着け!!冷静になれ!!」
「砂から抜け出した瞬間を狙え!!」
矢を無駄打ちするのを避け、戦士たちは剣を抜き放ち、サンドフィッシュが砂中から姿を現すのを待つ。全員が背中を合わせ、全方向に向けて警戒行動を取る。
「下からにも気を付けろ!!」
「分かっている!!」
「来た!!」
ズザザザッ!!
サンドフィッシュは不規則な動きで接近し、エルフ達は剣に「風」を纏わせて、姿を現すのを待つ。
ズドォオオオオンッ!!
『シャアァアアアアアッ!!』
砂煙を巻き上げてサメの巨体が出現し、上空から弧を描きながら向かってくる。エルフ達は剣を構え、
「馬鹿め!!」
「死ね!!」
「切り裂け!!」
それぞれが剣を構え、砂場を跳躍し、サメの巨体に剣を突きだすが、
ガキィイイイインッ!!
「か、固い……!?」
「刃が……!?」
「うおおっ!?」
エルフ達の長剣の刃が弾かれ、その硬度は鋼鉄よりも固く、さらに鮫肌で刃が削り取られている。
『シャギャアァアアアアッ!!』
ドォオオンッ!!
「「ぐぎゃあぁあああああっ!?」」
サンドフィッシュは砂の上に倒れ込み、潜り込まずにそのまま転がり回り、巨体を利用して森人族を踏みつぶしていく。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
481
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる