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第四部隊編
撃破
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「死ねやぁああああああっ!!」
「ワンパターンだな……」
レノは向い来る巨人族の男の拳に対し、自分は右拳に嵐属性の魔力を纏わせ、勢いよく前に飛び出す。そして、寸前で相手の拳を交わしながら大男の懐に飛び込むと、予想外に男は笑みを浮かべ、
(二度も同じ手に掛かるかよ!!)
大男は地下闘技場で喰らったレノの「弾撃」を予想し、身に着けている皮鎧の下には鋼鉄の板が仕込まれており、このままレノが拳を振り抜けば逆に彼の拳が壊れると予想したが、
「嵐撃」
ズガァアアアアアアアッ!!
「ごふぁああああああああっ!?」
彼の拳に渦巻いた竜巻が大男の肉体に衝突した途端、全身に暴風の衝撃が流し込まれ、大男は仲間達がいる方向に派手に吹き飛ばされる。
「うえっ!?」
「ちょっ……ぎゃあぁああああああっ!?」
ドスゥウウウンッ!!
大男はそのまま5人ほど山賊を巻き込み、そのまま気絶したのか目を回しながら動かなくなる。当然、彼に巻き込まれた人間も戦闘不能に陥る。
「なっ……ダイア!?」
「嘘だろ……何やってんだお前!?」
「くそっ……早くやれ!!」
残りの山賊達が状況を理解し、慌ててレノに向けて弓矢や魔法を放とうとしたが、
「遅い」
ジャラララッ……!!
「うわぁっ!?」
「な、何だ!?蛇!?」
「いや、鎖だ!?」
既にレノは左腕の黒衣から銀の鎖を放出しており、まるべ蛇のように地面に這わせて山賊たちの足元を鎖で絡み付かせ、必死にサン族達は鎖から逃れようとするが、
「雷伝」
バチィイイイイイッ!!
「「ぎゃあぁああああっ!?」」
鎖に電流が流し込まれ、足元を拘束されていた山賊たちは感電して倒れこむ。すぐに銀の鎖を回収すると、レノは残り半数の山賊に視線を向ける。
「くっ……あんたらやりな!!相手は1人だよ!!」
「お、おう!!」
「エルフの一人ぐらい……!!」
ダッ!!
一気に10人近くの男たちが殺到し、それぞれが槍や斧、剣を振りかざすが、レノは「肉体強化(アクセル)」を発動させ、
「ふんっ」
「ぐはっ!?」
「ほいっ」
「うがっ!?」
まずは1人目の顎に掌底を食らわせ、次に右横から接近してきた男の膝頭に足刀を叩き込み、バランスを崩して倒す。
「ほりゃっ」
「ぐへっ!?」
後方に接近してきた男の腹部に蹴りを叩きこみ、今度は前方の男に掴みかかり、そのまま柔道の要領で地面に叩き付ける。
ドスンッ!!
「がはっ!!」
「てめっ……うわっ!?」
左横から接近してきた槍を持った女の攻撃を躱し、そのまま足払いをかけて彼女を地面に倒し、
「そいっ」
「あうっ!?」
彼女の背中に雷属性の電流を放出して気絶させ、すぐに起き上ると残りの人数が4人になった山賊たちに視線を向けると、彼等は怯えた表情を浮かべて立ち止まり、盗賊頭は舌打ちする。
「もういい!!下がりな!!」
「へ、へい!!」
「魔法を打ち込みな!!」
女頭の後ろから魔術師らしきローブを纏った女たちが現れ、彼女達は詠唱を行い、レノに向けて黄色の魔石が取り付けられた杖を向け、
「「シャイン!!」」
杖先の魔石が眩い光を放たれ、レノは咄嗟に目元を覆うが、それを見た山賊たちは彼が視界を塞がれたと判断して笑みを浮かべ、
「今だ!!」
「死ね!!」
ダンッ!!
意気揚々に長槍を彼に向けて振りかざすが、
「おっと」
「「は!?」」
レノは接近した槍の刃を身体を反らして交わすと、瞼を閉じたまま跳躍して距離を取る。そんな彼の軽快な動きに山賊たちはお互いに顔を見合わせるが、
「生憎と生まれたときから耳は良いんでね」
「くっ……そうか聴覚で……」
「それだけじゃないんだけどね」
地下迷宮(ロストラビリンス)の第一階層に滞在していた頃、レノは暗闇で視界が覆われる中、視覚以外の他の感覚を頼りに戦い続けた経験がある。そもそも肉体強化(アクセル)が発動中は五感自体も研ぎ澄まされるので、視界が効かなくても未熟な相手の攻撃など簡単に読めた。
「さて……そろそろ終らせるか」
バチィイイイッ……!!
「ひっ!?」
「や、やべっ……」
「喋んな!!声さえ洩らさなければばれないよ……!!」
「もう遅い」
既に研ぎ澄まされた五感で全員の距離と位置を正確に把握し、レノは右手を地面に掌を押し付け、
「地雷!!」
ズドォオオオオンッ!!
レノの右腕から電撃が放たれ、そのまま地面に伝わると、残りの山賊たちに向けて直進し、
「「あがぁああああああああっ!?」」
山賊たちは足元から流れ込まれた電流に感電し、そのまま全員が倒れこむ。ある程度の電撃を流し込むと、レノは視界が回復するのを確認する。
「終ったか……にしても、ひどい有様だな」
気絶した山賊達に視線を向け、頭を搔きながら取りあえずはゴブリン達が隠れている洞窟に戻ろうとした時、
「その前に一旦戻るか……」
先に黒猫酒場にいるゴンゾウたちを呼び出すため、レノは今度こそ地面に転移魔方陣をマーキングして転移を行う。
「ワンパターンだな……」
レノは向い来る巨人族の男の拳に対し、自分は右拳に嵐属性の魔力を纏わせ、勢いよく前に飛び出す。そして、寸前で相手の拳を交わしながら大男の懐に飛び込むと、予想外に男は笑みを浮かべ、
(二度も同じ手に掛かるかよ!!)
大男は地下闘技場で喰らったレノの「弾撃」を予想し、身に着けている皮鎧の下には鋼鉄の板が仕込まれており、このままレノが拳を振り抜けば逆に彼の拳が壊れると予想したが、
「嵐撃」
ズガァアアアアアアアッ!!
「ごふぁああああああああっ!?」
彼の拳に渦巻いた竜巻が大男の肉体に衝突した途端、全身に暴風の衝撃が流し込まれ、大男は仲間達がいる方向に派手に吹き飛ばされる。
「うえっ!?」
「ちょっ……ぎゃあぁああああああっ!?」
ドスゥウウウンッ!!
大男はそのまま5人ほど山賊を巻き込み、そのまま気絶したのか目を回しながら動かなくなる。当然、彼に巻き込まれた人間も戦闘不能に陥る。
「なっ……ダイア!?」
「嘘だろ……何やってんだお前!?」
「くそっ……早くやれ!!」
残りの山賊達が状況を理解し、慌ててレノに向けて弓矢や魔法を放とうとしたが、
「遅い」
ジャラララッ……!!
「うわぁっ!?」
「な、何だ!?蛇!?」
「いや、鎖だ!?」
既にレノは左腕の黒衣から銀の鎖を放出しており、まるべ蛇のように地面に這わせて山賊たちの足元を鎖で絡み付かせ、必死にサン族達は鎖から逃れようとするが、
「雷伝」
バチィイイイイイッ!!
「「ぎゃあぁああああっ!?」」
鎖に電流が流し込まれ、足元を拘束されていた山賊たちは感電して倒れこむ。すぐに銀の鎖を回収すると、レノは残り半数の山賊に視線を向ける。
「くっ……あんたらやりな!!相手は1人だよ!!」
「お、おう!!」
「エルフの一人ぐらい……!!」
ダッ!!
一気に10人近くの男たちが殺到し、それぞれが槍や斧、剣を振りかざすが、レノは「肉体強化(アクセル)」を発動させ、
「ふんっ」
「ぐはっ!?」
「ほいっ」
「うがっ!?」
まずは1人目の顎に掌底を食らわせ、次に右横から接近してきた男の膝頭に足刀を叩き込み、バランスを崩して倒す。
「ほりゃっ」
「ぐへっ!?」
後方に接近してきた男の腹部に蹴りを叩きこみ、今度は前方の男に掴みかかり、そのまま柔道の要領で地面に叩き付ける。
ドスンッ!!
「がはっ!!」
「てめっ……うわっ!?」
左横から接近してきた槍を持った女の攻撃を躱し、そのまま足払いをかけて彼女を地面に倒し、
「そいっ」
「あうっ!?」
彼女の背中に雷属性の電流を放出して気絶させ、すぐに起き上ると残りの人数が4人になった山賊たちに視線を向けると、彼等は怯えた表情を浮かべて立ち止まり、盗賊頭は舌打ちする。
「もういい!!下がりな!!」
「へ、へい!!」
「魔法を打ち込みな!!」
女頭の後ろから魔術師らしきローブを纏った女たちが現れ、彼女達は詠唱を行い、レノに向けて黄色の魔石が取り付けられた杖を向け、
「「シャイン!!」」
杖先の魔石が眩い光を放たれ、レノは咄嗟に目元を覆うが、それを見た山賊たちは彼が視界を塞がれたと判断して笑みを浮かべ、
「今だ!!」
「死ね!!」
ダンッ!!
意気揚々に長槍を彼に向けて振りかざすが、
「おっと」
「「は!?」」
レノは接近した槍の刃を身体を反らして交わすと、瞼を閉じたまま跳躍して距離を取る。そんな彼の軽快な動きに山賊たちはお互いに顔を見合わせるが、
「生憎と生まれたときから耳は良いんでね」
「くっ……そうか聴覚で……」
「それだけじゃないんだけどね」
地下迷宮(ロストラビリンス)の第一階層に滞在していた頃、レノは暗闇で視界が覆われる中、視覚以外の他の感覚を頼りに戦い続けた経験がある。そもそも肉体強化(アクセル)が発動中は五感自体も研ぎ澄まされるので、視界が効かなくても未熟な相手の攻撃など簡単に読めた。
「さて……そろそろ終らせるか」
バチィイイイッ……!!
「ひっ!?」
「や、やべっ……」
「喋んな!!声さえ洩らさなければばれないよ……!!」
「もう遅い」
既に研ぎ澄まされた五感で全員の距離と位置を正確に把握し、レノは右手を地面に掌を押し付け、
「地雷!!」
ズドォオオオオンッ!!
レノの右腕から電撃が放たれ、そのまま地面に伝わると、残りの山賊たちに向けて直進し、
「「あがぁああああああああっ!?」」
山賊たちは足元から流れ込まれた電流に感電し、そのまま全員が倒れこむ。ある程度の電撃を流し込むと、レノは視界が回復するのを確認する。
「終ったか……にしても、ひどい有様だな」
気絶した山賊達に視線を向け、頭を搔きながら取りあえずはゴブリン達が隠れている洞窟に戻ろうとした時、
「その前に一旦戻るか……」
先に黒猫酒場にいるゴンゾウたちを呼び出すため、レノは今度こそ地面に転移魔方陣をマーキングして転移を行う。
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