191 / 1,095
腐敗竜編
スライム亜種
しおりを挟む
「……レノ!?」
「まさか……ほ、本当なのかいポチ子!?」
「レノが、ここに?」
「……レノ?」
「誰だよ……それ」
「新しいNPC……ですかね?」
レノという単語にジャンヌと勇者以外が反応を返し、どうしてこのような場所で彼の名前が挙がったのかは理解できず、全員がポチ子に視線をやると彼女は懐かしむような表情で鼻をひくつかせる。
「すんすん……間違いありません……この優しくて包み込むような匂い……レノさんです!!」
「……レノはそんな匂いがするのか?」
「まあ、獣人特有の感覚だからな……私達には分からないが」
「あの……どなたですか?」
ジャンヌがリノンたちに問いただすと、四人は顔を見合わせ、
「私の弟的な存在だ」
「わぅんっ……私のご主人様的な存在です」
「……親友」
「えっと……学友かな」
「はあっ……」
ゴンゾウとアルトはともかく、リノンの「弟」やポチ子の「ご主人様」発現はどうにもピンと来ない。ジャンヌはどんな人物なのか気になるが、問題は何故、この場所でそんな彼等の友人の匂いが感じられるのか。
当然、臭いが残っている以上はレノがここを通ったのは間違いないだろうが、どのような理由でこの危険極まりない地下迷宮に居るのか不明だ。
「ポチ子!!レノはこの先の通路に居るのか!?」
「う~ん……臭いの感じから、少し前まで居たのは間違いないと……わふぅっ!?」
「リノンッ!?」
ポチ子を押しのけ、リノンと続けてゴンゾウが走り出す。最も、ゴンゾウの場合は狭い通路内であまり早くは移動できない。
慌ててジャンヌが「単独行動は危険です!!」と声を掛けるが、2人は聞こえていないのか走り続ける。他の面々も急いで追いかけるが、先行したリノンの方が移動速度が速く、何より後から続いたゴンゾウの巨体が進行を妨害して彼女に追いつけない。
「ま、待ってください!!匂いはレノさんだけじゃ……!!」
後方からポチ子が声を掛けたその時、
――ブワァアアアッ!!
「っ!?」
前方を走っていたリノンは頭上から気配を感じ取り、
ダンッ!!
その場から大きく後方に跳躍した途端、
ビシャァアアンッ!!
「水……!?」
先ほどまでリノンが居た場所に上空から「赤い液体」が落下し、そのまま周囲の地面に染み込むかと思いきや、
じゅるじゅるっ……
「まさか、これは……」
「リノンッ!!」
地面に散らばったはずの液体が勝手に動き出し、1つの箇所に集結する。やがては液体は赤い水たまりと化し、楕円状の形へと変形する。それは魔物の中でも危険性と厄介性に特化し、下手をしたら上位種のドラゴンよりも脅威的な存在であり、リノンは冷や汗を流す。
「スライム……それも赤色」
ズルッ……ズルッ……!!
楕円形に姿を変えた1メートルを越えるスライムは、ゆっくりと目の前のリノンに向けて移動を始める。スライムに対して剣戟は無駄であり、普通の「スライム」ならば液体の身体を蒸発させる「火属性」の魔法だけが有効だが、
「リノン!!下がれ!!」
「アルト!?」
後方からアルトが現れ、彼女を庇う様に前に出る。そして、王国に伝わる「聖剣」を掲げ、
「鳴け!!青竜剣!!」
ブィイイイインッ――!!
彼の掲げる幾つもの魔石の装飾が施された長剣、その刀身が激しく揺れ動き、周囲に金属音を鳴り響かせる。
バァァアアンッ!!
同時に刀身から衝撃波の様な物が前方の「レッドスライム」に放たれ、液体の身体は波紋を起こし、後方にずり下がる。
「スライムですか……厄介な」
「くそっ……ゲームじゃ雑魚のくせに!!」
「はいは~い、役立たずはどいて下さいね。アルト様ぁ~!!今行きます」
「うわっ!?」
後方からカネキが悪態を吐き、すぐにミカが駆けつける。その手には大袈裟なまでに大きな黒い杖を握っており、無数の魔石が埋め込まれている。この杖はミカのために財を費やして作られた逸品であり、様々な魔法を対処できる。当然、中には「火属性」に特化した魔法も扱える。
「スキル発動……爆裂魔導砲!!」
ミカは必死に地面の煉瓦にしがみ付くスライムに対し、杖先に付いた「赤い魔石」を光り輝かせ、魔石を媒介に炎の球体を生み出す。それを見たアルトとリノンは顔色を変え、
「ま、待て……!!」
「いけない!!」
「はぁ~!!」
気の抜ける掛け声をあげ、2人の制止の言葉を無視してミカは炎の球体の形状を替え、一筋の赤い光線を放つ。
ズドォオオオオオッ!!
杖先から放たれた光線はスライムの身体に命中し、ミカは笑みを浮かべるが、
「えっ……?」
ゴポポッ……!!
スライムの身体は蒸発するどころか、まるで光線を吸収するように半比例して大きさを増していき、形状を変えていく。
「ダメです!!レッドスライムは火を糧とする種です!!魔法を止めて下さい!!」
「そ、そんな事言われなくても……!!」
すぐに杖先から炎の放出を中止するが、スライムの形状は既に3倍近くに膨れ上がり、赤い液体の中から「炎」が灯される。それを見た瞬間、アルト達は後方に避難し、ジャンヌが前に出ると、
「はあっ!!」
ズガァァアアンッ!!
背中に掲げた「ジャイアント・キリング」を振り落とし、詠唱を唱える。そして、スライムが行動を起こす前に魔法を発動させる。
「プロテクト・ウォール!!」
ブォンッ!!
聖斧を「杖」代わりに魔法を使用し、ジャンヌの前に四角形の緑色の半透明な障壁が形成される。防御魔法陣とは違う守護魔法であり、形成された守護壁に対してスライムは接近すると、
「バクレツマドウホウ」
「えっ……!?」
レッドスライムから間違いなく先ほどの「ミカ」の声が放たれ、直後、スライムの体内の「炎」が、一筋の光線と化して排出される。
ズドォオオオオンッ!!
「くっ……!!」
「嘘っ……あれはミカの……!?」
ジャンヌが作り上げた四角形の守護壁に「レッド・スライム」から放たれた赤い光線が衝突し、爆炎が起きる。守護壁は耐え切ったが、すぐにレッド・スライムは放出する光線の規模を増加させ、徐々に障壁に罅が入る。
ビキィイイイッ……!!
「……くっ……これ以上は持ちません!!何とかしてください!!」
「なっ何とかって……」
「レッド・スライムの弱点は水属性だ!!早く水の魔法を!!」
「先に言えよ!!くそがっ!!」
今度はカネキが前に出ると、彼は詠唱無しで左手を掲げるだけで、無数の水の球を作り上げる。こちらはミカと違い、杖に付いた「魔石」の媒介無しに自らの魔力だけで形成する。
「スキル発動!!アクア・マシンガン!!」
チュドドドドドッ!!
空中に数重もの「水」の弾丸が形成され、次々とジャンヌが作り上げた障壁の間からレッド・スライムに放たれる。
ジュワァアアアアッ!!
ピギィイイイッ……!!
水の魔力弾が触れた瞬間、悲鳴らしきものを上げながらスライムの身体から蒸気が上がり、すぐに攻撃を中断して下がる。普通、スライムに発声器官は存在しないが、先ほどのミカの声真似など、どうやら普通の種ではない。ジャンヌは障壁を解除し、聖斧を抜き取ると、刃をスライムに構える。
「聖なる光よ……シャイン!!」
カッ!!
短めの詠唱を終えた瞬間、斧の刀身が白く光り輝き、周囲を照らす。
「まさか……ほ、本当なのかいポチ子!?」
「レノが、ここに?」
「……レノ?」
「誰だよ……それ」
「新しいNPC……ですかね?」
レノという単語にジャンヌと勇者以外が反応を返し、どうしてこのような場所で彼の名前が挙がったのかは理解できず、全員がポチ子に視線をやると彼女は懐かしむような表情で鼻をひくつかせる。
「すんすん……間違いありません……この優しくて包み込むような匂い……レノさんです!!」
「……レノはそんな匂いがするのか?」
「まあ、獣人特有の感覚だからな……私達には分からないが」
「あの……どなたですか?」
ジャンヌがリノンたちに問いただすと、四人は顔を見合わせ、
「私の弟的な存在だ」
「わぅんっ……私のご主人様的な存在です」
「……親友」
「えっと……学友かな」
「はあっ……」
ゴンゾウとアルトはともかく、リノンの「弟」やポチ子の「ご主人様」発現はどうにもピンと来ない。ジャンヌはどんな人物なのか気になるが、問題は何故、この場所でそんな彼等の友人の匂いが感じられるのか。
当然、臭いが残っている以上はレノがここを通ったのは間違いないだろうが、どのような理由でこの危険極まりない地下迷宮に居るのか不明だ。
「ポチ子!!レノはこの先の通路に居るのか!?」
「う~ん……臭いの感じから、少し前まで居たのは間違いないと……わふぅっ!?」
「リノンッ!?」
ポチ子を押しのけ、リノンと続けてゴンゾウが走り出す。最も、ゴンゾウの場合は狭い通路内であまり早くは移動できない。
慌ててジャンヌが「単独行動は危険です!!」と声を掛けるが、2人は聞こえていないのか走り続ける。他の面々も急いで追いかけるが、先行したリノンの方が移動速度が速く、何より後から続いたゴンゾウの巨体が進行を妨害して彼女に追いつけない。
「ま、待ってください!!匂いはレノさんだけじゃ……!!」
後方からポチ子が声を掛けたその時、
――ブワァアアアッ!!
「っ!?」
前方を走っていたリノンは頭上から気配を感じ取り、
ダンッ!!
その場から大きく後方に跳躍した途端、
ビシャァアアンッ!!
「水……!?」
先ほどまでリノンが居た場所に上空から「赤い液体」が落下し、そのまま周囲の地面に染み込むかと思いきや、
じゅるじゅるっ……
「まさか、これは……」
「リノンッ!!」
地面に散らばったはずの液体が勝手に動き出し、1つの箇所に集結する。やがては液体は赤い水たまりと化し、楕円状の形へと変形する。それは魔物の中でも危険性と厄介性に特化し、下手をしたら上位種のドラゴンよりも脅威的な存在であり、リノンは冷や汗を流す。
「スライム……それも赤色」
ズルッ……ズルッ……!!
楕円形に姿を変えた1メートルを越えるスライムは、ゆっくりと目の前のリノンに向けて移動を始める。スライムに対して剣戟は無駄であり、普通の「スライム」ならば液体の身体を蒸発させる「火属性」の魔法だけが有効だが、
「リノン!!下がれ!!」
「アルト!?」
後方からアルトが現れ、彼女を庇う様に前に出る。そして、王国に伝わる「聖剣」を掲げ、
「鳴け!!青竜剣!!」
ブィイイイインッ――!!
彼の掲げる幾つもの魔石の装飾が施された長剣、その刀身が激しく揺れ動き、周囲に金属音を鳴り響かせる。
バァァアアンッ!!
同時に刀身から衝撃波の様な物が前方の「レッドスライム」に放たれ、液体の身体は波紋を起こし、後方にずり下がる。
「スライムですか……厄介な」
「くそっ……ゲームじゃ雑魚のくせに!!」
「はいは~い、役立たずはどいて下さいね。アルト様ぁ~!!今行きます」
「うわっ!?」
後方からカネキが悪態を吐き、すぐにミカが駆けつける。その手には大袈裟なまでに大きな黒い杖を握っており、無数の魔石が埋め込まれている。この杖はミカのために財を費やして作られた逸品であり、様々な魔法を対処できる。当然、中には「火属性」に特化した魔法も扱える。
「スキル発動……爆裂魔導砲!!」
ミカは必死に地面の煉瓦にしがみ付くスライムに対し、杖先に付いた「赤い魔石」を光り輝かせ、魔石を媒介に炎の球体を生み出す。それを見たアルトとリノンは顔色を変え、
「ま、待て……!!」
「いけない!!」
「はぁ~!!」
気の抜ける掛け声をあげ、2人の制止の言葉を無視してミカは炎の球体の形状を替え、一筋の赤い光線を放つ。
ズドォオオオオオッ!!
杖先から放たれた光線はスライムの身体に命中し、ミカは笑みを浮かべるが、
「えっ……?」
ゴポポッ……!!
スライムの身体は蒸発するどころか、まるで光線を吸収するように半比例して大きさを増していき、形状を変えていく。
「ダメです!!レッドスライムは火を糧とする種です!!魔法を止めて下さい!!」
「そ、そんな事言われなくても……!!」
すぐに杖先から炎の放出を中止するが、スライムの形状は既に3倍近くに膨れ上がり、赤い液体の中から「炎」が灯される。それを見た瞬間、アルト達は後方に避難し、ジャンヌが前に出ると、
「はあっ!!」
ズガァァアアンッ!!
背中に掲げた「ジャイアント・キリング」を振り落とし、詠唱を唱える。そして、スライムが行動を起こす前に魔法を発動させる。
「プロテクト・ウォール!!」
ブォンッ!!
聖斧を「杖」代わりに魔法を使用し、ジャンヌの前に四角形の緑色の半透明な障壁が形成される。防御魔法陣とは違う守護魔法であり、形成された守護壁に対してスライムは接近すると、
「バクレツマドウホウ」
「えっ……!?」
レッドスライムから間違いなく先ほどの「ミカ」の声が放たれ、直後、スライムの体内の「炎」が、一筋の光線と化して排出される。
ズドォオオオオンッ!!
「くっ……!!」
「嘘っ……あれはミカの……!?」
ジャンヌが作り上げた四角形の守護壁に「レッド・スライム」から放たれた赤い光線が衝突し、爆炎が起きる。守護壁は耐え切ったが、すぐにレッド・スライムは放出する光線の規模を増加させ、徐々に障壁に罅が入る。
ビキィイイイッ……!!
「……くっ……これ以上は持ちません!!何とかしてください!!」
「なっ何とかって……」
「レッド・スライムの弱点は水属性だ!!早く水の魔法を!!」
「先に言えよ!!くそがっ!!」
今度はカネキが前に出ると、彼は詠唱無しで左手を掲げるだけで、無数の水の球を作り上げる。こちらはミカと違い、杖に付いた「魔石」の媒介無しに自らの魔力だけで形成する。
「スキル発動!!アクア・マシンガン!!」
チュドドドドドッ!!
空中に数重もの「水」の弾丸が形成され、次々とジャンヌが作り上げた障壁の間からレッド・スライムに放たれる。
ジュワァアアアアッ!!
ピギィイイイッ……!!
水の魔力弾が触れた瞬間、悲鳴らしきものを上げながらスライムの身体から蒸気が上がり、すぐに攻撃を中断して下がる。普通、スライムに発声器官は存在しないが、先ほどのミカの声真似など、どうやら普通の種ではない。ジャンヌは障壁を解除し、聖斧を抜き取ると、刃をスライムに構える。
「聖なる光よ……シャイン!!」
カッ!!
短めの詠唱を終えた瞬間、斧の刀身が白く光り輝き、周囲を照らす。
0
お気に入りに追加
485
あなたにおすすめの小説
なりゆきで、君の体を調教中
星野しずく
恋愛
教師を目指す真が、ひょんなことからメイド喫茶で働く現役女子高生の優菜の特異体質を治す羽目に。毎夜行われるマッサージに悶える優菜と、自分の理性と戦う真面目な真の葛藤の日々が続く。やがて二人の心境には、徐々に変化が訪れ…。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
実家が没落したので、こうなったら落ちるところまで落ちてやります。
黒蜜きな粉
ファンタジー
ある日を境にタニヤの生活は変わってしまった。
実家は爵位を剥奪され、領地を没収された。
父は刑死、それにショックを受けた母は自ら命を絶った。
まだ学生だったタニヤは学費が払えなくなり学校を退学。
そんなタニヤが生活費を稼ぐために始めたのは冒険者だった。
しかし、どこへ行っても元貴族とバレると嫌がらせを受けてしまう。
いい加減にこんな生活はうんざりだと思っていたときに出会ったのは、商人だと名乗る怪しい者たちだった。
騙されていたって構わない。
もう金に困ることなくお腹いっぱい食べられるなら、裏家業だろうがなんでもやってやる。
タニヤは商人の元へ転職することを決意する。
結婚して5年、初めて口を利きました
宮野 楓
恋愛
―――出会って、結婚して5年。一度も口を聞いたことがない。
ミリエルと旦那様であるロイスの政略結婚が他と違う点を挙げよ、と言えばこれに尽きるだろう。
その二人が5年の月日を経て邂逅するとき
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。
====
●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。
前作では、二人との出会い~同居を描いています。
順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。
※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる