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聖女護衛編
ワルキューレ騎士団
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刀身に雷が落ちた瞬間に、ゴウの剣から電流が迸り、一瞬で「雷」の魔力付与が完成した剣を振り回しながら、
「ふんっ!!」
ドオオンッ!!
「あうぅっ!?」
「レナ!?」
「……貴様!!」
ワルキューレの1人に向かって剣を振るった瞬間、刀身から雷が放たれ、強い魔法耐性を誇る「退魔武装」を身に宿した騎士が倒れこむ。身体に外傷はないが、耐性を超えた電流に耐え切れずに気絶したようでありすぐにも彼女の傍にいた騎士2人が抱え込み、1人が激昂してゴウに襲い掛かる。
「戻りなさい!!ミル!!」
「はぁあああああっ!!」
後方からのミキの指示を無視し、彼女はゴウに向かって長剣を振るう。ゴウは笑みを浮かべ、
「来な……相手してやるよ!!」
「舐めすぎだ貴様ぁ!!」
ミルと呼ばれた長身の騎士は剣を振り落とし、ゴウがそれを剣で受け止めた瞬間、
バチィイイッ!!
「くあっ……!?」
「なんちゃってぇっ♪」
刀身同士が触れた瞬間、激しい電流が彼女の全身に流れ込み、その隙を逃さずにゴウはミルの腹部に蹴りつける。
ドスッ!!
「がはっ!?」
「おらよ!!」
ドォンッ!!
拳に雷を纏わせながら、ゴウはミルを殴り飛ばす。彼女は後方の他のワルキューレの元に飛ばされ、慌てて彼女を騎士数人が受け止める。大陸の中でも指折りの騎士団の女騎士がいとも簡単に倒されたことに広場の人間は驚愕し、すぐに残りの団員が怒りで顔を赤く染める。
「この卑怯者め!!正々堂々と戦えないのかぁっ!!」
「はあ?何を憤ってんだよ雑魚共が!!」
「貴様……!!」
「落ち着きなさい!!ワルキューレの聖騎士よ!!」
ミキが今にも襲い掛からんとする女騎士たちに一括すると、彼女達は正気を取り戻したように冷静さを取り戻す。ただの一声で彼女達を落ち着かせる辺り、ミキがどれほど彼女に信頼されているのか伺える。
彼女はヨウカを守るように杖をゴウに向け、相手は面白そうに見つめてくるだけだった。今の自分の有利な状況が絶対に覆らないと思っているのだろう。
「……センチュリオンと名乗る貴方には興味が無いわけではありませんが、無闇に人の命を弄ぶ貴方を許すわけには行きません」
「ふんっ……それで?許さないならどうする気だ?」
「ここで………捕縛します」
ボウッ……!!
彼女の身体から先ほどのヨウカのように白い魔力が放出され、騎士団の前にゆっくりと移動する。ヨウカはそれを見て、彼女が本気を出すのだと理解し、慌ててポチ子の手を引いて引き下がる。
「わふっ!?よ、ヨウカさん?」
「は、早く逃げないと!!皆も急いで!!」
「はっ……退け!!」
巫女姫であるヨウカの指示に従い、ワルキューレは彼女を護衛しながら広場から離れる。ミキはそれを確認し、ゴウに視線をやると、彼は面白そうに自分を見ている事に眉を顰める。彼の目的はヨウカのはずだが、このまま見す見すと彼女を見逃す気だろうかと不審に思い、ゴウはそんなミキの心境に察したのか笑みを浮かべ、
「あんな女なんて何時でも殺せる……さあ、始めようぜ!!」
ドォォオオオオンッ!!
それだけを告げると、ゴウはまたも無詠唱で刀身に雷を落とし、凄まじい電流が周囲一帯に走る。レノはそれを確認し、ミキを見ると彼女の全身を覆う白い魔力が電流を弾き返し、ゴウに向けて杖を構え、砲撃魔法(砲撃・魔弾系の魔法)を唱える。
「セイント・フォース!!」
ドゴォォオオオッ――!!
杖の先端から、まるでレーザー砲を思わせる光の閃光が放たれ、真っ直ぐにゴウに向かう。これには彼も驚いたのか、慌てて剣を構えると、そのまま光線を受け止める。
ズガァアアアアアッ!!
「ぐおっ……!?」
「はぁあああああああああっ!!」
ミキは渾身の魔力を杖に送り込み、ゴウは剣で受け止めながらもゆっくりと後退する。刀身の電流と光線がせめぎ合い、彼の周囲が火の海と化し、
「うおらぁあああああああっ!!」
バチィイイイイィッ!!
ゴウの刀身から先ほどのような巨大な雷が放たれ、徐々にミキの光線を押し返してくる。
「くっ……これしきぃいいいっ!!」
だが、ミキも負けじと光線の規模を大きくさせて雷を押し返そうとするが、ゴウは両手で剣の柄を握りしめ、
「死ねやぁあああああっ!!」
ズガァアアアアッ!!
雷と光線の衝突が、徐々に電力を増すゴウが押し勝ち、このままではミキは撃ち負けるだろう。だが、それでも彼女も杖を両手で握りしめ、
「……はあっ!!」
ズドォオオオオンッ!!
杖を上に振り上げた瞬間、光線と雷が上空へと放たれ、雷雲に飲み込まれる。それを確認したゴウは舌打ちし、
「死ねっ!!」
ドンッ!!
強く地面を蹴りつけ、疲労困憊のミキに向けて剣を振り落すが、
ガキィンッ!!
「何っ!?」
「……舐めないで下さいっ!!」
懐から短剣を取り出し、「雷」の魔力が付与された長剣をはじき返す。ゴウは慌てて後ろに下がり、距離を取ると、自分の刀身に目を向ける。確かに電流が迸っているのを確認し、どうしてミキが刃を合わせた瞬間に感電しないのかと視線を向けると、
「……てめぇっ……それは魔剣だな!?」
「聖剣、と呼んで欲しいですね……」
ミキはみすぼらしい短剣を見せつけ、刀身に魔方陣の紋様らしき物が刻み込まれている。
「聖剣エクスカリバーの欠片の一部を埋め込んだ聖遺物……名も無き聖剣ですが、魔法を打ち消す効果はありますよ……」
「ふんっ!!」
ドオオンッ!!
「あうぅっ!?」
「レナ!?」
「……貴様!!」
ワルキューレの1人に向かって剣を振るった瞬間、刀身から雷が放たれ、強い魔法耐性を誇る「退魔武装」を身に宿した騎士が倒れこむ。身体に外傷はないが、耐性を超えた電流に耐え切れずに気絶したようでありすぐにも彼女の傍にいた騎士2人が抱え込み、1人が激昂してゴウに襲い掛かる。
「戻りなさい!!ミル!!」
「はぁあああああっ!!」
後方からのミキの指示を無視し、彼女はゴウに向かって長剣を振るう。ゴウは笑みを浮かべ、
「来な……相手してやるよ!!」
「舐めすぎだ貴様ぁ!!」
ミルと呼ばれた長身の騎士は剣を振り落とし、ゴウがそれを剣で受け止めた瞬間、
バチィイイッ!!
「くあっ……!?」
「なんちゃってぇっ♪」
刀身同士が触れた瞬間、激しい電流が彼女の全身に流れ込み、その隙を逃さずにゴウはミルの腹部に蹴りつける。
ドスッ!!
「がはっ!?」
「おらよ!!」
ドォンッ!!
拳に雷を纏わせながら、ゴウはミルを殴り飛ばす。彼女は後方の他のワルキューレの元に飛ばされ、慌てて彼女を騎士数人が受け止める。大陸の中でも指折りの騎士団の女騎士がいとも簡単に倒されたことに広場の人間は驚愕し、すぐに残りの団員が怒りで顔を赤く染める。
「この卑怯者め!!正々堂々と戦えないのかぁっ!!」
「はあ?何を憤ってんだよ雑魚共が!!」
「貴様……!!」
「落ち着きなさい!!ワルキューレの聖騎士よ!!」
ミキが今にも襲い掛からんとする女騎士たちに一括すると、彼女達は正気を取り戻したように冷静さを取り戻す。ただの一声で彼女達を落ち着かせる辺り、ミキがどれほど彼女に信頼されているのか伺える。
彼女はヨウカを守るように杖をゴウに向け、相手は面白そうに見つめてくるだけだった。今の自分の有利な状況が絶対に覆らないと思っているのだろう。
「……センチュリオンと名乗る貴方には興味が無いわけではありませんが、無闇に人の命を弄ぶ貴方を許すわけには行きません」
「ふんっ……それで?許さないならどうする気だ?」
「ここで………捕縛します」
ボウッ……!!
彼女の身体から先ほどのヨウカのように白い魔力が放出され、騎士団の前にゆっくりと移動する。ヨウカはそれを見て、彼女が本気を出すのだと理解し、慌ててポチ子の手を引いて引き下がる。
「わふっ!?よ、ヨウカさん?」
「は、早く逃げないと!!皆も急いで!!」
「はっ……退け!!」
巫女姫であるヨウカの指示に従い、ワルキューレは彼女を護衛しながら広場から離れる。ミキはそれを確認し、ゴウに視線をやると、彼は面白そうに自分を見ている事に眉を顰める。彼の目的はヨウカのはずだが、このまま見す見すと彼女を見逃す気だろうかと不審に思い、ゴウはそんなミキの心境に察したのか笑みを浮かべ、
「あんな女なんて何時でも殺せる……さあ、始めようぜ!!」
ドォォオオオオンッ!!
それだけを告げると、ゴウはまたも無詠唱で刀身に雷を落とし、凄まじい電流が周囲一帯に走る。レノはそれを確認し、ミキを見ると彼女の全身を覆う白い魔力が電流を弾き返し、ゴウに向けて杖を構え、砲撃魔法(砲撃・魔弾系の魔法)を唱える。
「セイント・フォース!!」
ドゴォォオオオッ――!!
杖の先端から、まるでレーザー砲を思わせる光の閃光が放たれ、真っ直ぐにゴウに向かう。これには彼も驚いたのか、慌てて剣を構えると、そのまま光線を受け止める。
ズガァアアアアアッ!!
「ぐおっ……!?」
「はぁあああああああああっ!!」
ミキは渾身の魔力を杖に送り込み、ゴウは剣で受け止めながらもゆっくりと後退する。刀身の電流と光線がせめぎ合い、彼の周囲が火の海と化し、
「うおらぁあああああああっ!!」
バチィイイイイィッ!!
ゴウの刀身から先ほどのような巨大な雷が放たれ、徐々にミキの光線を押し返してくる。
「くっ……これしきぃいいいっ!!」
だが、ミキも負けじと光線の規模を大きくさせて雷を押し返そうとするが、ゴウは両手で剣の柄を握りしめ、
「死ねやぁあああああっ!!」
ズガァアアアアッ!!
雷と光線の衝突が、徐々に電力を増すゴウが押し勝ち、このままではミキは撃ち負けるだろう。だが、それでも彼女も杖を両手で握りしめ、
「……はあっ!!」
ズドォオオオオンッ!!
杖を上に振り上げた瞬間、光線と雷が上空へと放たれ、雷雲に飲み込まれる。それを確認したゴウは舌打ちし、
「死ねっ!!」
ドンッ!!
強く地面を蹴りつけ、疲労困憊のミキに向けて剣を振り落すが、
ガキィンッ!!
「何っ!?」
「……舐めないで下さいっ!!」
懐から短剣を取り出し、「雷」の魔力が付与された長剣をはじき返す。ゴウは慌てて後ろに下がり、距離を取ると、自分の刀身に目を向ける。確かに電流が迸っているのを確認し、どうしてミキが刃を合わせた瞬間に感電しないのかと視線を向けると、
「……てめぇっ……それは魔剣だな!?」
「聖剣、と呼んで欲しいですね……」
ミキはみすぼらしい短剣を見せつけ、刀身に魔方陣の紋様らしき物が刻み込まれている。
「聖剣エクスカリバーの欠片の一部を埋め込んだ聖遺物……名も無き聖剣ですが、魔法を打ち消す効果はありますよ……」
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