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蛇足編
閑話 《その頃のシズネ達は……》
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――アルンが決死の覚悟でレナに挑む中、シズネはリンダと共に行動をしていた。実を言えば二人が行動を共にするのはそれほど珍しくはなく、時間に余裕があれば二人は共に鍛錬を行う。
「刺突!!」
「回し受けっ!!」
木刀を手にしたシズネはリンダに戦技を繰り出し、それに対してリンダは防御用の戦技を発動して攻撃を受け流す。木刀といえどもシズネの繰り出す攻撃は鋭く、リンダの掌にかすり傷を負う。
「くっ……以前よりも更に技に磨きが掛かりましたね。しかし、私も負けません!!蹴撃!!」
「うっ!?」
リンダはシズネに前蹴りを繰り出し、あまりの攻撃速度にシズネは避けられないと判断して木刀で受けた。威力を殺すために攻撃を受ける寸前にシズネは後ろに跳んだが、それでも完全に衝撃を殺しきれずに彼女は地面に倒れる。
「はあっ……受け身を取ってもこの威力、流石は拳聖ね」
「そ、その呼び方はやめてください!!」
最近のリンダは闘技祭で拳姫と謳われたアイラを倒したことにより、エルフの間では「拳聖」と呼ばれるようになった。アイラはバルトロス王国の中でも最強の格闘家として今尚も伝説的な存在として語られているが、そんなアイラを倒したリンダも人々から尊敬の念を込められて拳聖と呼ばれていた。
彼女の蹴りを一撃受けただけで木刀がへし折れてしまい、シズネは予備の木刀を用意して今度は二刀流の構えを取る。レナの場合は大剣と長剣の二刀流だが、シズネは長剣を二つ装備して戦うことを得意とする。
「今度はこっちから行くわよ!!剣舞!!」
「その技は!?」
アイラの剣舞を想像させる勢いでシズネは突進し、それを見てリンダは冷や汗を流す。シズネはアイラから直々に県の指導を受けており、彼女の剣舞の戦技も習得していた。しかもアイラと違ってシズネは若くて体力もあるため攻撃速度は彼女が勝っていた。
(何という荒々しい斬撃……しかし、鋭い!!)
まだまだアイラの剣舞と比べたら技量は劣るが、将来的にはアイラを越える技となる可能性を感じさせた。リンダは笑みを浮かべて自分も本気で挑む。
「乱撃!!」
「正面から挑む気!?いい度胸ね!!」
リンダは腕が何本も生えたと錯覚するほどの素早い拳の連打を繰り出し、それに対してシズネは剣舞で全ての拳を対応する。鍛え上げられたリンダの拳は硬く、木刀程度では彼女の拳は砕けない。
「はぁあああっ!!」
「やぁあああっ!!」
二人の激しい拳圧と剣圧で周囲に衝撃波が走り、地面に亀裂が生じた。このまま戦い続けたら周りに被害が及ぶ可能性もあるが、勝負に熱中している二人は周囲の被害など考えずに戦い続ける。
お互いに全力の攻撃を繰り出していたが徐々に体力の限界が近付き、格闘家であるリンダに対して剣士のリンダは流石に体力は敵わずに徐々に押し込まれていく。シズネが疲れて隙を見せた瞬間を逃さず、リンダは拳から手刀に切り替えてシズネの木刀を振り払う。
「はあっ!!」
「きゃっ!?」
木刀を弾かれたシズネは悲鳴をあげて後ろに傾き、その隙を逃さずにリンダは彼女に手を伸ばす。だが、リンダがシズネを掴みかかる前にシズネは目の色を変色させて肉体を変化させた。
「はああっ!!」
「なっ!?その力は……あうっ!?」
吸血鬼化したシズネはリンダの腕を振り払い、肉体が変化したことで身体能力が大幅に上昇したシズネはリンダの腹部に肘を放つ。普通の状態のシズネならば打撃を喰らわせても大した損傷は与えられないが、吸血鬼化した彼女の攻撃ならばリンダにも通じた。
「勝負有りよ!!」
「ぐっ……まだです!!」
「なっ!?」
ふらついたリンダを見てシズネは勝利を確信したが、リンダは踏み止まってシズネに抱きつく。吸血鬼化したことでシズネは胸元が大きく膨らんでおり、リンダも自分の胸を押し付け合う形となる。いきなり自分に抱きついたリンダにシズネは頬を真っ赤に染めて怒鳴る。
「な、何のつもりよ!?」
「シズネさん……奥の手は最後まで残しておくべきでしたね」
「えっ……はうっ!?」
至近距離からリンダはシズネの腹に拳を押し当て、強烈な衝撃を繰り出す。彼女が扱った技は打撃と発勁の戦技を組み合わせた技で有り、アイラが得意とする「拳撃」と呼ばれる必殺技だった。
アイラとの戦闘でリンダも成長して彼女の技を盗み出し、シズネは予想外の攻撃を受けて白目を剥く。彼女は吸血鬼化の能力が解けて元の身体に戻るとリンダの胸元に顔を埋める。
「ううっ……」
「はあっ……シズネさん、見事な勝負でした。ですが今回は……」
「……さい」
「え?」
気絶したと思われたシズネが何事か呟き、リンダは不思議に思うと彼女は苛ついた表情を浮かべながらリンダの胸をわし掴む。
「その胸を押し当てるのは止めなさい!!」
「ひゃううっ!?」
胸を揉まれたリンダはあられもない声を上げ、シズネは逆転勝利を果たした。
※壁|д゚)ジー ← 密かに見ていたコトミン
「刺突!!」
「回し受けっ!!」
木刀を手にしたシズネはリンダに戦技を繰り出し、それに対してリンダは防御用の戦技を発動して攻撃を受け流す。木刀といえどもシズネの繰り出す攻撃は鋭く、リンダの掌にかすり傷を負う。
「くっ……以前よりも更に技に磨きが掛かりましたね。しかし、私も負けません!!蹴撃!!」
「うっ!?」
リンダはシズネに前蹴りを繰り出し、あまりの攻撃速度にシズネは避けられないと判断して木刀で受けた。威力を殺すために攻撃を受ける寸前にシズネは後ろに跳んだが、それでも完全に衝撃を殺しきれずに彼女は地面に倒れる。
「はあっ……受け身を取ってもこの威力、流石は拳聖ね」
「そ、その呼び方はやめてください!!」
最近のリンダは闘技祭で拳姫と謳われたアイラを倒したことにより、エルフの間では「拳聖」と呼ばれるようになった。アイラはバルトロス王国の中でも最強の格闘家として今尚も伝説的な存在として語られているが、そんなアイラを倒したリンダも人々から尊敬の念を込められて拳聖と呼ばれていた。
彼女の蹴りを一撃受けただけで木刀がへし折れてしまい、シズネは予備の木刀を用意して今度は二刀流の構えを取る。レナの場合は大剣と長剣の二刀流だが、シズネは長剣を二つ装備して戦うことを得意とする。
「今度はこっちから行くわよ!!剣舞!!」
「その技は!?」
アイラの剣舞を想像させる勢いでシズネは突進し、それを見てリンダは冷や汗を流す。シズネはアイラから直々に県の指導を受けており、彼女の剣舞の戦技も習得していた。しかもアイラと違ってシズネは若くて体力もあるため攻撃速度は彼女が勝っていた。
(何という荒々しい斬撃……しかし、鋭い!!)
まだまだアイラの剣舞と比べたら技量は劣るが、将来的にはアイラを越える技となる可能性を感じさせた。リンダは笑みを浮かべて自分も本気で挑む。
「乱撃!!」
「正面から挑む気!?いい度胸ね!!」
リンダは腕が何本も生えたと錯覚するほどの素早い拳の連打を繰り出し、それに対してシズネは剣舞で全ての拳を対応する。鍛え上げられたリンダの拳は硬く、木刀程度では彼女の拳は砕けない。
「はぁあああっ!!」
「やぁあああっ!!」
二人の激しい拳圧と剣圧で周囲に衝撃波が走り、地面に亀裂が生じた。このまま戦い続けたら周りに被害が及ぶ可能性もあるが、勝負に熱中している二人は周囲の被害など考えずに戦い続ける。
お互いに全力の攻撃を繰り出していたが徐々に体力の限界が近付き、格闘家であるリンダに対して剣士のリンダは流石に体力は敵わずに徐々に押し込まれていく。シズネが疲れて隙を見せた瞬間を逃さず、リンダは拳から手刀に切り替えてシズネの木刀を振り払う。
「はあっ!!」
「きゃっ!?」
木刀を弾かれたシズネは悲鳴をあげて後ろに傾き、その隙を逃さずにリンダは彼女に手を伸ばす。だが、リンダがシズネを掴みかかる前にシズネは目の色を変色させて肉体を変化させた。
「はああっ!!」
「なっ!?その力は……あうっ!?」
吸血鬼化したシズネはリンダの腕を振り払い、肉体が変化したことで身体能力が大幅に上昇したシズネはリンダの腹部に肘を放つ。普通の状態のシズネならば打撃を喰らわせても大した損傷は与えられないが、吸血鬼化した彼女の攻撃ならばリンダにも通じた。
「勝負有りよ!!」
「ぐっ……まだです!!」
「なっ!?」
ふらついたリンダを見てシズネは勝利を確信したが、リンダは踏み止まってシズネに抱きつく。吸血鬼化したことでシズネは胸元が大きく膨らんでおり、リンダも自分の胸を押し付け合う形となる。いきなり自分に抱きついたリンダにシズネは頬を真っ赤に染めて怒鳴る。
「な、何のつもりよ!?」
「シズネさん……奥の手は最後まで残しておくべきでしたね」
「えっ……はうっ!?」
至近距離からリンダはシズネの腹に拳を押し当て、強烈な衝撃を繰り出す。彼女が扱った技は打撃と発勁の戦技を組み合わせた技で有り、アイラが得意とする「拳撃」と呼ばれる必殺技だった。
アイラとの戦闘でリンダも成長して彼女の技を盗み出し、シズネは予想外の攻撃を受けて白目を剥く。彼女は吸血鬼化の能力が解けて元の身体に戻るとリンダの胸元に顔を埋める。
「ううっ……」
「はあっ……シズネさん、見事な勝負でした。ですが今回は……」
「……さい」
「え?」
気絶したと思われたシズネが何事か呟き、リンダは不思議に思うと彼女は苛ついた表情を浮かべながらリンダの胸をわし掴む。
「その胸を押し当てるのは止めなさい!!」
「ひゃううっ!?」
胸を揉まれたリンダはあられもない声を上げ、シズネは逆転勝利を果たした。
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