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蛇足編
ティナとのデート
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「わ~いっ!!今日はレナたんとデート!!」
「落ち着けって……ほら、そんなにはしゃいでいると転ぶぞ」
「大丈夫だよ~」
レナはティナと二人切りで街を守り、今日は彼女と一緒に行動することにした。他の者達もそれぞれ自由に行動しており、コトミンはスラミンとヒトミンを連れて街の近くに流れている川へ向かう。シズネはリンダと稽古するために街の外へ向かう。
ティナの護衛役であるリンダは彼女から離れることは最初断ろうとしたが、リンダの代わりにレナがティナを守ることにした。偶にはリンダも自由に行動させたいと思ってレナはティナの面倒を見ることになったが、想像以上にティナは元気に動き回る。
「あ、見て見て!!あそこで人がいっぱい集まってるよ!!行ってみようよ~!!」
「ちょ、そんなに引っ張らなくても……」
ティナはレナと二人だけで行動するのが嬉しいのか彼の腕を離さずにあちこち連れまわる。よくよく考えればティナと二人だけで行動するのはレナも久しぶりのような気がした。いつも彼女の傍には魔獣がいたため、二人切りになる機会はあまりなかった。
「レナたん!!今日はたくさん遊ぼうね!!」
「分かった分かった……じゃあ、まずは宿屋に行こうか」
「ふええっ!?そ、そんな……レナたん積極的過ぎるよ」
「冗談だよ冗談」
冗談交じりにレナが答えるとティナは頬を赤く染め、そんな彼女の反応を見て楽しみながら街を回る。観光名所は既に回ったとはいえ、二人切りで行動することは滅多にないのでティナは嬉しそうにはしゃぐ。
「ねえねえ、今度はあっちに行こうよ!!」
「はいはい」
ティナがいきたい場所にレナは付いて行き、彼女が満足するまで遊びつくすつもりだった。だが、歩いている途中でレナは奇妙な気配を感じた。
(何だ?誰かがずっと後を付いて来てるな……)
何者かが尾行していることに気が付いたレナは視線を向けると、一瞬だが建物の陰に人影が見えた。何者かが明らかにレナ達を尾行していた。それをティナに伝えようかと迷うが、心の底から楽しんでいる彼女を見て言うのは控える。
(まあいいか、敵だとしても俺が注意していればいいだけだ)
仮に尾行している人物が何者だろうとレナはティナを守れる自信はあり、彼女と一緒に歩きまわっているとティナは何かに気付いたように路地裏に視線を向けた。
「あれ?今のって……」
「どうしたの?」
「あっちの方でリンダの姿が見えた気がする!!行ってみよう!!」
「リンダさんが……?」
リンダはシズネと一緒に修行を行っているはずだが、ティナはリンダらしき人物が路地裏に入るのを見たという。疑問を抱きながらもレナはティナと共に路地裏へ入った。
しばらくは歩いていると路地裏の奥には空き地が存在し、そこにはマントで姿を覆い隠した何者かが立っていた。それを見てレナは警戒するが、マントの柄に見覚えがあった。
「あれ、もしかして……」
「ティナ様、お久しぶりです」
「あれ!?もしかして貴女……!?」
緑色のマントを被った人物は素顔を晒すと、その顔を見てレナ達は驚く。リンダとそっくりの顔立ちの女性が目の前に現れ、それを見て最初はレナもリンダ本人かと思ったが違和感を抱く。
(リンダ!?いや、この気配は……)
顔はリンダとそっくりなのだが彼女とは気配が異なることに気が付き、ティナを庇うようにレナは前に出ると後方から何かが接近してくる。彼は咄嗟に振り返ると自分達を尾行していた何者かが迫っていることに気が付く。
「隙有り!!」
「ティナ、こっちへ!!」
「わわっ!?」
何者かが短剣を手に襲い掛かった瞬間、レナはティナを抱き寄せて掌を構えた。武器を異空間から引き抜く余裕はなく、レナは合成魔術を繰り出す。
「風刃!!」
「くぅっ!?」
『風よ!!守れ!!』
レナが掌から三日月状の風の刃を放つと、それを見たリンダとそっくりの顔立ちの女性が掌を伸ばして精霊魔法を発動させた。短剣を手にした人物の前に風の精霊が生み出した突風が通り抜けると、レナの放った風刃は突風に飲み込まれて消えてしまう。
精霊魔法で生み出される魔法は並の魔法は通じず、レナの合成魔術さえも無効化してしまう。しかし、体勢を整えるだけの時間ができたのでレナはティナを背中に隠すと異空間から鏡刀を抜く。退魔刀よりも鏡刀の方が魔法使いが相手なら有利に戦えると判断した。
「誰だお前等!!」
「……覚悟!!」
「へへっ、守り切れるか!?」
「レナたん、待って!!この人達は……」
レナは鏡刀を構えるとリンダにそっくりの人物は剣を抜き、短剣を手にした人物も顔を晒す。どうやら尾行していた者も森人族だったらしく、驚くべき事にエリナにそっくりの顔をしていた。
(エリナ!?いや、エリナのはずがない。こいつの声は明らかに男だ……ということは変装か!?)
大分昔にレナはマリアの側近のカゲマルが変装している姿を見たことがあり、彼は男性でありながらマリアにそっくりに化けることができる。恐らくはカゲマルと同様に擬態系の技能でリンダとエリナに化けていると思われた。
「落ち着けって……ほら、そんなにはしゃいでいると転ぶぞ」
「大丈夫だよ~」
レナはティナと二人切りで街を守り、今日は彼女と一緒に行動することにした。他の者達もそれぞれ自由に行動しており、コトミンはスラミンとヒトミンを連れて街の近くに流れている川へ向かう。シズネはリンダと稽古するために街の外へ向かう。
ティナの護衛役であるリンダは彼女から離れることは最初断ろうとしたが、リンダの代わりにレナがティナを守ることにした。偶にはリンダも自由に行動させたいと思ってレナはティナの面倒を見ることになったが、想像以上にティナは元気に動き回る。
「あ、見て見て!!あそこで人がいっぱい集まってるよ!!行ってみようよ~!!」
「ちょ、そんなに引っ張らなくても……」
ティナはレナと二人だけで行動するのが嬉しいのか彼の腕を離さずにあちこち連れまわる。よくよく考えればティナと二人だけで行動するのはレナも久しぶりのような気がした。いつも彼女の傍には魔獣がいたため、二人切りになる機会はあまりなかった。
「レナたん!!今日はたくさん遊ぼうね!!」
「分かった分かった……じゃあ、まずは宿屋に行こうか」
「ふええっ!?そ、そんな……レナたん積極的過ぎるよ」
「冗談だよ冗談」
冗談交じりにレナが答えるとティナは頬を赤く染め、そんな彼女の反応を見て楽しみながら街を回る。観光名所は既に回ったとはいえ、二人切りで行動することは滅多にないのでティナは嬉しそうにはしゃぐ。
「ねえねえ、今度はあっちに行こうよ!!」
「はいはい」
ティナがいきたい場所にレナは付いて行き、彼女が満足するまで遊びつくすつもりだった。だが、歩いている途中でレナは奇妙な気配を感じた。
(何だ?誰かがずっと後を付いて来てるな……)
何者かが尾行していることに気が付いたレナは視線を向けると、一瞬だが建物の陰に人影が見えた。何者かが明らかにレナ達を尾行していた。それをティナに伝えようかと迷うが、心の底から楽しんでいる彼女を見て言うのは控える。
(まあいいか、敵だとしても俺が注意していればいいだけだ)
仮に尾行している人物が何者だろうとレナはティナを守れる自信はあり、彼女と一緒に歩きまわっているとティナは何かに気付いたように路地裏に視線を向けた。
「あれ?今のって……」
「どうしたの?」
「あっちの方でリンダの姿が見えた気がする!!行ってみよう!!」
「リンダさんが……?」
リンダはシズネと一緒に修行を行っているはずだが、ティナはリンダらしき人物が路地裏に入るのを見たという。疑問を抱きながらもレナはティナと共に路地裏へ入った。
しばらくは歩いていると路地裏の奥には空き地が存在し、そこにはマントで姿を覆い隠した何者かが立っていた。それを見てレナは警戒するが、マントの柄に見覚えがあった。
「あれ、もしかして……」
「ティナ様、お久しぶりです」
「あれ!?もしかして貴女……!?」
緑色のマントを被った人物は素顔を晒すと、その顔を見てレナ達は驚く。リンダとそっくりの顔立ちの女性が目の前に現れ、それを見て最初はレナもリンダ本人かと思ったが違和感を抱く。
(リンダ!?いや、この気配は……)
顔はリンダとそっくりなのだが彼女とは気配が異なることに気が付き、ティナを庇うようにレナは前に出ると後方から何かが接近してくる。彼は咄嗟に振り返ると自分達を尾行していた何者かが迫っていることに気が付く。
「隙有り!!」
「ティナ、こっちへ!!」
「わわっ!?」
何者かが短剣を手に襲い掛かった瞬間、レナはティナを抱き寄せて掌を構えた。武器を異空間から引き抜く余裕はなく、レナは合成魔術を繰り出す。
「風刃!!」
「くぅっ!?」
『風よ!!守れ!!』
レナが掌から三日月状の風の刃を放つと、それを見たリンダとそっくりの顔立ちの女性が掌を伸ばして精霊魔法を発動させた。短剣を手にした人物の前に風の精霊が生み出した突風が通り抜けると、レナの放った風刃は突風に飲み込まれて消えてしまう。
精霊魔法で生み出される魔法は並の魔法は通じず、レナの合成魔術さえも無効化してしまう。しかし、体勢を整えるだけの時間ができたのでレナはティナを背中に隠すと異空間から鏡刀を抜く。退魔刀よりも鏡刀の方が魔法使いが相手なら有利に戦えると判断した。
「誰だお前等!!」
「……覚悟!!」
「へへっ、守り切れるか!?」
「レナたん、待って!!この人達は……」
レナは鏡刀を構えるとリンダにそっくりの人物は剣を抜き、短剣を手にした人物も顔を晒す。どうやら尾行していた者も森人族だったらしく、驚くべき事にエリナにそっくりの顔をしていた。
(エリナ!?いや、エリナのはずがない。こいつの声は明らかに男だ……ということは変装か!?)
大分昔にレナはマリアの側近のカゲマルが変装している姿を見たことがあり、彼は男性でありながらマリアにそっくりに化けることができる。恐らくはカゲマルと同様に擬態系の技能でリンダとエリナに化けていると思われた。
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