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蛇足編
竜種よりも怖い存在
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「たくっ、面倒事に巻き込みやがって……3人はここに隠れてて」
「ちょちょ、レナさんまでいなくなったら私達はどうすればいいんですか!?」
「あ、危ないよ~」
「ぷるぷるっ……」
「ええい、ひっつくな!!」
レナが戦闘に参加しようとするとホネミン達が慌てて止めに入り、仕方ないのでレナは空間魔法を発動させて身を守れる武器を取り出す。
「それならこれを貸すよ。もしも襲われそうになった時はこれで逃げろ」
「水晶札ですか?まだ持ってたんですね」
「それが最後の一枚だから大事にとっておいたんだよ」
「へえ~」
マリアから借り受けた水晶札には転移魔法が封じられており、これを使用すれば安全な場所に一瞬に転移できる。本当は帰還用のために残しておいた水晶札だったが、ホネミン達の安全のために水晶札を預けて置く。
「もしもそれを使わなかったら後でちゃんと返してよ」
「分かりましたよ。私達は使うとしたらシズネさん達のいる場所に避難しますからそこで合流しましょう」
「レナたん、気を付けてね……」
「ぷるるんっ(グットラック)」
三人の安全のために水晶札を渡すとレナは改めてハクと牙竜の様子を伺い、仲間がやられても牙竜は退く様子はない。それどころか興奮した態度でハクに咆哮を放つ。
「「「ガァアアアッ!!」」」
「シャアアッ!!」
相手が格上の存在だろうと牙竜は恐れを抱かず、一方でハクも引くつもりはないのか怒鳴り返す。それを見てレナは牙竜を始末しなければハクは言う事を聞かないと判断し、どのように牙竜を仕留めるのかを考えた。
(聖剣を使えば簡単に倒せるだろうけど、魔力切れを引き起こしたら大変なことになるな……仕方ない、ここはいつも通りに戦いますか)
異空間から退魔刀を取り出したレナは岩陰から出てくると、今まで彼の存在に気付いていなかった牙竜達が臭いを感じ取る。牙竜の群れは突如現れた人間に戸惑い、一方でハクもレナの存在に気付いて戸惑う。
「シャアッ!?」
「ガアッ!?」
「ガウッ!!」
「ガアアアッ!!」
「うるさっ……さっさと来い!!」
牙竜の鳴き声にレナは不快に思い、退魔刀を構えるとこれまで静観していた最も体躯が大きい牙竜が立ち上がった。この場に存在する牙竜の中で最も長く生きており、天空山の魔物を喰らいつくして成体と化した牙竜だった。
成体の牙竜の戦闘力は決して侮れず、竜種の中では牙竜は下位の存在だと思われているが実は人的被害は火竜に次いで多い。牙竜が他の竜種よりも優れているのは生存本能の高さであり、一目見ただけで相手の戦闘力を推し量る事ができる。そして成体の牙竜はレナを見た瞬間に警戒心を最大限に高めた。
――なんだこいつは!?
レナを見た瞬間に成体の牙竜は得体のしれない存在だと認知した。自分よりも遥かに小さいはずなのにまるで巨大な生き物を前にしているような威圧感を感じ取り、不用意に仕掛ければ自分の命がないと悟る。しかし、仲間の牙竜は彼の危険性に気付いておらず、近くにいた一匹がレナに襲い掛かろうとした。
「ガアアッ!!」
「……ふんっ!!」
餌を見つけたと思った牙竜は標的をハクからレナに変更し、大口を開いて鋭い牙を放つ。それに対してレナは退魔刀を上段に構えると、勢いよく刃を振り下ろす。
「はああっ!!」
「アガァッ――!?」
一撃でレナは牙竜の首元を霧飛ばし、頭と胴体が切り離された牙竜の死骸が倒れ込む。それを見た他の牙竜は目を見開き、ハクでさえも一撃で葬ったレナに怯えを抱く。
「シャ、シャアアッ……!?」
「ガアアッ!?」
「ガウッ!?」
「グゥウッ……!!」
「ふうっ……こんなもんか」
戦技さえも使わずにレナは一撃で牙竜を仕留めてしまい、数々の強敵と戦ってきた事で今のレナは下位の竜種程度ならば一撃で倒せる程に成長していた。ゴウライにも劣らぬ剛剣の使い手に成長したレナは牙竜を相手に物足りなささえ覚える。
改めてレナは他の牙竜に視線を向けると、仲間がまたも殺されたというのに牙竜達は怒りを抱く様子はない。それどころか彼の強さに怯える様に身体を震わせ、ハクを相手にしても全く怖気づかなかった牙竜の群れは今はレナという存在に恐れを抱く。
「ガ、ガアッ……」
「ガウッ……」
「……ガアアアッ!!」
怯えて近付こうとしない他の仲間を見て成体の牙竜は怒りの咆哮を放ち、それを耳にした二体の牙竜は驚いた様子で振り返る。成体の牙竜は二体の牙竜に同時に襲い掛かるように指示を出す。
「ガアアッ!!」
「ガ、ガウッ……!!」
「ウガァッ……!!」
「……来い」
長の指示を受けて二体の牙竜はレナに襲い掛かろうとしたが、それに対してレナは退魔刀を構えると横薙ぎに振り払う。魔力で全身の筋力を強化させ、渾身の一撃を二体の牙竜に同時に繰り出す。
「回転撃!!」
「「ッ――――!?」」
左右から突っ込んでっ来た牙竜の頭部にレナは退魔刀を一回転させて頭を切り裂き、二体の牙竜を同時に仕留めた。
「ちょちょ、レナさんまでいなくなったら私達はどうすればいいんですか!?」
「あ、危ないよ~」
「ぷるぷるっ……」
「ええい、ひっつくな!!」
レナが戦闘に参加しようとするとホネミン達が慌てて止めに入り、仕方ないのでレナは空間魔法を発動させて身を守れる武器を取り出す。
「それならこれを貸すよ。もしも襲われそうになった時はこれで逃げろ」
「水晶札ですか?まだ持ってたんですね」
「それが最後の一枚だから大事にとっておいたんだよ」
「へえ~」
マリアから借り受けた水晶札には転移魔法が封じられており、これを使用すれば安全な場所に一瞬に転移できる。本当は帰還用のために残しておいた水晶札だったが、ホネミン達の安全のために水晶札を預けて置く。
「もしもそれを使わなかったら後でちゃんと返してよ」
「分かりましたよ。私達は使うとしたらシズネさん達のいる場所に避難しますからそこで合流しましょう」
「レナたん、気を付けてね……」
「ぷるるんっ(グットラック)」
三人の安全のために水晶札を渡すとレナは改めてハクと牙竜の様子を伺い、仲間がやられても牙竜は退く様子はない。それどころか興奮した態度でハクに咆哮を放つ。
「「「ガァアアアッ!!」」」
「シャアアッ!!」
相手が格上の存在だろうと牙竜は恐れを抱かず、一方でハクも引くつもりはないのか怒鳴り返す。それを見てレナは牙竜を始末しなければハクは言う事を聞かないと判断し、どのように牙竜を仕留めるのかを考えた。
(聖剣を使えば簡単に倒せるだろうけど、魔力切れを引き起こしたら大変なことになるな……仕方ない、ここはいつも通りに戦いますか)
異空間から退魔刀を取り出したレナは岩陰から出てくると、今まで彼の存在に気付いていなかった牙竜達が臭いを感じ取る。牙竜の群れは突如現れた人間に戸惑い、一方でハクもレナの存在に気付いて戸惑う。
「シャアッ!?」
「ガアッ!?」
「ガウッ!!」
「ガアアアッ!!」
「うるさっ……さっさと来い!!」
牙竜の鳴き声にレナは不快に思い、退魔刀を構えるとこれまで静観していた最も体躯が大きい牙竜が立ち上がった。この場に存在する牙竜の中で最も長く生きており、天空山の魔物を喰らいつくして成体と化した牙竜だった。
成体の牙竜の戦闘力は決して侮れず、竜種の中では牙竜は下位の存在だと思われているが実は人的被害は火竜に次いで多い。牙竜が他の竜種よりも優れているのは生存本能の高さであり、一目見ただけで相手の戦闘力を推し量る事ができる。そして成体の牙竜はレナを見た瞬間に警戒心を最大限に高めた。
――なんだこいつは!?
レナを見た瞬間に成体の牙竜は得体のしれない存在だと認知した。自分よりも遥かに小さいはずなのにまるで巨大な生き物を前にしているような威圧感を感じ取り、不用意に仕掛ければ自分の命がないと悟る。しかし、仲間の牙竜は彼の危険性に気付いておらず、近くにいた一匹がレナに襲い掛かろうとした。
「ガアアッ!!」
「……ふんっ!!」
餌を見つけたと思った牙竜は標的をハクからレナに変更し、大口を開いて鋭い牙を放つ。それに対してレナは退魔刀を上段に構えると、勢いよく刃を振り下ろす。
「はああっ!!」
「アガァッ――!?」
一撃でレナは牙竜の首元を霧飛ばし、頭と胴体が切り離された牙竜の死骸が倒れ込む。それを見た他の牙竜は目を見開き、ハクでさえも一撃で葬ったレナに怯えを抱く。
「シャ、シャアアッ……!?」
「ガアアッ!?」
「ガウッ!?」
「グゥウッ……!!」
「ふうっ……こんなもんか」
戦技さえも使わずにレナは一撃で牙竜を仕留めてしまい、数々の強敵と戦ってきた事で今のレナは下位の竜種程度ならば一撃で倒せる程に成長していた。ゴウライにも劣らぬ剛剣の使い手に成長したレナは牙竜を相手に物足りなささえ覚える。
改めてレナは他の牙竜に視線を向けると、仲間がまたも殺されたというのに牙竜達は怒りを抱く様子はない。それどころか彼の強さに怯える様に身体を震わせ、ハクを相手にしても全く怖気づかなかった牙竜の群れは今はレナという存在に恐れを抱く。
「ガ、ガアッ……」
「ガウッ……」
「……ガアアアッ!!」
怯えて近付こうとしない他の仲間を見て成体の牙竜は怒りの咆哮を放ち、それを耳にした二体の牙竜は驚いた様子で振り返る。成体の牙竜は二体の牙竜に同時に襲い掛かるように指示を出す。
「ガアアッ!!」
「ガ、ガウッ……!!」
「ウガァッ……!!」
「……来い」
長の指示を受けて二体の牙竜はレナに襲い掛かろうとしたが、それに対してレナは退魔刀を構えると横薙ぎに振り払う。魔力で全身の筋力を強化させ、渾身の一撃を二体の牙竜に同時に繰り出す。
「回転撃!!」
「「ッ――――!?」」
左右から突っ込んでっ来た牙竜の頭部にレナは退魔刀を一回転させて頭を切り裂き、二体の牙竜を同時に仕留めた。
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