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蛇足編
アイスゴーレム
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「おう、お前が魔術師だろ。よくも俺を犯罪者に仕立て上げようとしたな」
「ひいいっ!?な、何なのよあんた達!!」
「湖に潜ったのは貴方の意志ですからこの方が犯罪者に仕立て上げたわけでは……」
「まあまあ」
ハルナが魔術師に詰め寄ると、相手は怯えた表情で杖を構える。リンダは冷静に突っ込もうとしたがレナが宥め、改めて魔術師の女性に話しかけた。
「貴女が湖にアイスゴーレムを送り込んだ魔術師ですね」
「な、何でその事を!?あんた達は何者なのよ!?」
「ミノタウロスだけど……」
「何言ってんのよこいつ!?」
正体を尋ねられてハルナは自分の種族を答えると魔術師は信じられない表情を浮かべ、角以外はハルナは完全に人間にしか見えない。魔術師は震えながらも一枚の羊皮紙を取り出して床に置く。
「こ、こうなったら……あたしのゴーレムであんた達を倒してやるわ!!」
「ゴーレム!?ハルナ、すぐに捕まえなさい!!」
「いいじゃん別に……さっさと出せよ、こいつらじゃ物足りなかったんだ」
「おいおい」
魔術師がゴーレムを作り出そうとしていると知ってリンダは注意したが、ハルナは歯ごたえのない相手ばかりなのでむしろ嬉しそうに魔術師の行動を受け入れる。魔術師は自分を舐め切っているハルナの態度にイラつき、彼女は羊皮紙に魔法陣を書き込む。
「待ってなさい!!すぐにあんた達なんて私のゴーレムでけちょんけちょんにしてあげるんだから!!」
「けちょんけちょんって……」
「さっさと書けよ」
「はあっ……待つ必要なんてないでしょう」
大急ぎで魔法陣を羊皮紙に書き始めた魔術師にレナ達は呆れた表情を浮かべ、彼女が魔法陣を書き終わるまで30秒はかかった。ようやく魔術師が魔法陣を書き終えると今度は水属性の魔石を取り出し、それを魔法陣の上に置いて杖を構えた。
「完成したわ!!思い知りなさい、アイスゴーレムの恐ろしさを!!」
「いいから出せよ」
「こ、後悔したって知らないわよ!!出でよ!!アイスゴーレム!!」
魔術師が杖を構えて名前を唱えると魔法陣が光り輝き、その上に置かれた水属性の魔石に変化が訪れる。魔石の表面に亀裂が走り、徐々に全体に罅割れが広がった。最終的に魔石が砕け散ると、大量の水が溢れる。
魔石から出てきた水は徐々に人の形へと変化し、やがて凍り付いて氷像へと変化した。そしてレナ達の前に3メートル程の大きさの氷人形が出現し、それを見た魔術師は勝ち誇る。
「どうよ!!これがアイスゴーレムよ!!人間なんかが叶う相手じゃないんだから!!」
「だからミノタウロスだってば」
「私は森人族ですが……」
「……あ、一応は人間です」
『転生者ですけどね』
アイスゴーレムを作り出した魔術師は勝ち誇るが、彼女が相手をしているのは3人のうちの2人は人間ではない。レナも一応は人間だが人類の中でも最高クラスのスペックを誇る。そんな事も知らない魔術師はアイスゴーレムに攻撃を命じた。
「そいつらを殺しなさい!!アイスゴーレム!!」
『ゴオッ!!』
「鳴き声は普通のゴーレムと変わりないのか」
「へへ、かき氷が食べたかったら丁度いいや」
「こんなのを食べたらお腹を壊しますよ……」
アイスゴーレムを前にしてもレナ達は態度を崩さず、ハルナは腕を振り回しながらアイスゴーレムに迫る。自分に近付いてきたハルナにアイスゴーレムは真っ先に襲い掛かり、両腕を繰り出す。
『ゴウッ!!』
「ふんっ!!」
「なっ!?う、嘘でしょ!?」
ハルナは逃げもせずにアイスゴーレムが繰り出した両腕を抑え付け、押し潰されるどころか逆に押し返す。ミノタウロスである彼女の怪力は巨人族をも上回り、アイスゴーレムをどんどんと押し込む。
「おりゃあああっ!!」
『ゴオオッ!?』
「ちょ、何やってんのよ!?本気を出しなさいよ!!」
「もう諦めた方がいいのでは……」
「力は普通のゴーレムと大差ないのか」
力比べはハルナが勝り、アイスゴーレムの様子を見た限りでは通常種のゴーレムと大差はない。しかし、氷の肉体なので触れ続けると凍傷の危険性があり、ハルナも冷たさを感じたのか右足を繰り出してゴーレムを蹴り飛ばす。
「ひぃ~冷たいっ!!」
『ゴアッ!?』
「そ、そんなぁっ……何なのよあんた!?」
あっさりとアイスゴーレムを蹴り飛ばしたハルナに魔術師は焦り、彼女は倒れたアイスゴーレムの元へ向かう。ハルナの蹴りはアイスゴーレムの肉体を破壊寸前にまで追い込んでいた。
アイスゴーレムは蹴りつけられた箇所から罅割れ、全身に亀裂が広がり始めていく。それを見た魔術師は慌てて杖を構えて魔力を送り込み、自己修復を行う。
「は、早く直りなさいよ!!」
『ゴオオッ……』
「ほう、どうやら魔力を与える事で回復するようですね」
「普通のゴーレムと違って砂や土で再生するわけじゃないのか」
「ひえ~手が冷たい。もう飽きたから終わらせてやる」
「ちょ、待って!?あと少しで直るから!!あと10秒ぐらい待って!!」
終わらせるためにハルナが近付くと、魔術師は必死にアイスゴーレムを直そうとした。しかし、ハルナは構わずに拳を振りかざして止めを刺そうとする。
「ひいいっ!?な、何なのよあんた達!!」
「湖に潜ったのは貴方の意志ですからこの方が犯罪者に仕立て上げたわけでは……」
「まあまあ」
ハルナが魔術師に詰め寄ると、相手は怯えた表情で杖を構える。リンダは冷静に突っ込もうとしたがレナが宥め、改めて魔術師の女性に話しかけた。
「貴女が湖にアイスゴーレムを送り込んだ魔術師ですね」
「な、何でその事を!?あんた達は何者なのよ!?」
「ミノタウロスだけど……」
「何言ってんのよこいつ!?」
正体を尋ねられてハルナは自分の種族を答えると魔術師は信じられない表情を浮かべ、角以外はハルナは完全に人間にしか見えない。魔術師は震えながらも一枚の羊皮紙を取り出して床に置く。
「こ、こうなったら……あたしのゴーレムであんた達を倒してやるわ!!」
「ゴーレム!?ハルナ、すぐに捕まえなさい!!」
「いいじゃん別に……さっさと出せよ、こいつらじゃ物足りなかったんだ」
「おいおい」
魔術師がゴーレムを作り出そうとしていると知ってリンダは注意したが、ハルナは歯ごたえのない相手ばかりなのでむしろ嬉しそうに魔術師の行動を受け入れる。魔術師は自分を舐め切っているハルナの態度にイラつき、彼女は羊皮紙に魔法陣を書き込む。
「待ってなさい!!すぐにあんた達なんて私のゴーレムでけちょんけちょんにしてあげるんだから!!」
「けちょんけちょんって……」
「さっさと書けよ」
「はあっ……待つ必要なんてないでしょう」
大急ぎで魔法陣を羊皮紙に書き始めた魔術師にレナ達は呆れた表情を浮かべ、彼女が魔法陣を書き終わるまで30秒はかかった。ようやく魔術師が魔法陣を書き終えると今度は水属性の魔石を取り出し、それを魔法陣の上に置いて杖を構えた。
「完成したわ!!思い知りなさい、アイスゴーレムの恐ろしさを!!」
「いいから出せよ」
「こ、後悔したって知らないわよ!!出でよ!!アイスゴーレム!!」
魔術師が杖を構えて名前を唱えると魔法陣が光り輝き、その上に置かれた水属性の魔石に変化が訪れる。魔石の表面に亀裂が走り、徐々に全体に罅割れが広がった。最終的に魔石が砕け散ると、大量の水が溢れる。
魔石から出てきた水は徐々に人の形へと変化し、やがて凍り付いて氷像へと変化した。そしてレナ達の前に3メートル程の大きさの氷人形が出現し、それを見た魔術師は勝ち誇る。
「どうよ!!これがアイスゴーレムよ!!人間なんかが叶う相手じゃないんだから!!」
「だからミノタウロスだってば」
「私は森人族ですが……」
「……あ、一応は人間です」
『転生者ですけどね』
アイスゴーレムを作り出した魔術師は勝ち誇るが、彼女が相手をしているのは3人のうちの2人は人間ではない。レナも一応は人間だが人類の中でも最高クラスのスペックを誇る。そんな事も知らない魔術師はアイスゴーレムに攻撃を命じた。
「そいつらを殺しなさい!!アイスゴーレム!!」
『ゴオッ!!』
「鳴き声は普通のゴーレムと変わりないのか」
「へへ、かき氷が食べたかったら丁度いいや」
「こんなのを食べたらお腹を壊しますよ……」
アイスゴーレムを前にしてもレナ達は態度を崩さず、ハルナは腕を振り回しながらアイスゴーレムに迫る。自分に近付いてきたハルナにアイスゴーレムは真っ先に襲い掛かり、両腕を繰り出す。
『ゴウッ!!』
「ふんっ!!」
「なっ!?う、嘘でしょ!?」
ハルナは逃げもせずにアイスゴーレムが繰り出した両腕を抑え付け、押し潰されるどころか逆に押し返す。ミノタウロスである彼女の怪力は巨人族をも上回り、アイスゴーレムをどんどんと押し込む。
「おりゃあああっ!!」
『ゴオオッ!?』
「ちょ、何やってんのよ!?本気を出しなさいよ!!」
「もう諦めた方がいいのでは……」
「力は普通のゴーレムと大差ないのか」
力比べはハルナが勝り、アイスゴーレムの様子を見た限りでは通常種のゴーレムと大差はない。しかし、氷の肉体なので触れ続けると凍傷の危険性があり、ハルナも冷たさを感じたのか右足を繰り出してゴーレムを蹴り飛ばす。
「ひぃ~冷たいっ!!」
『ゴアッ!?』
「そ、そんなぁっ……何なのよあんた!?」
あっさりとアイスゴーレムを蹴り飛ばしたハルナに魔術師は焦り、彼女は倒れたアイスゴーレムの元へ向かう。ハルナの蹴りはアイスゴーレムの肉体を破壊寸前にまで追い込んでいた。
アイスゴーレムは蹴りつけられた箇所から罅割れ、全身に亀裂が広がり始めていく。それを見た魔術師は慌てて杖を構えて魔力を送り込み、自己修復を行う。
「は、早く直りなさいよ!!」
『ゴオオッ……』
「ほう、どうやら魔力を与える事で回復するようですね」
「普通のゴーレムと違って砂や土で再生するわけじゃないのか」
「ひえ~手が冷たい。もう飽きたから終わらせてやる」
「ちょ、待って!?あと少しで直るから!!あと10秒ぐらい待って!!」
終わらせるためにハルナが近付くと、魔術師は必死にアイスゴーレムを直そうとした。しかし、ハルナは構わずに拳を振りかざして止めを刺そうとする。
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