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蛇足編
ハルナのやらかし
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「ふぇっくしょん!!ううっ、まだ寒い……」
「こら、そんな格好で抱きつくな!!」
「だ、駄目だよ!!レナたんから離れて~!!」
「離れなさい!!」
「ウォンッ……」
ハルナは全裸に毛布を被った状態であり、彼女は寒そうにレナの身体に抱きつく。それを見たティナとリンダは引き剥がそうとするが、そんな彼女達の元に兵士達が駆けつけた。
「お前達か!!湖に入って水属性の魔石を盗んでいた輩は!!」
「は?いきなりなんですか?」
「しらばっくれるな!!目撃者もいるんだぞ!!そこの女が湖から出てきたとな!!」
兵士の集団はハルナを指差して激高するが、彼等の言葉を聞いてレナは疑問を抱く。確かにハルナは湖から抜け出したが、水属性の魔石を盗んだと言われて不思議に思う。
「ハルナ、お前魔石なんて盗んでたの?」
「盗むわけないだろそんなもん!!あたしが好きなのは雷属性の魔石だけだ!!」
「惚けるな!!この一週間、湖の魔石が何者かに盗まれている痕跡がある!!お前の仕業だな!?」
「だから知らないって!!だいたいあたしが来たのは今日だぞ!!」
「あれ?ハルナちゃん、自分の事をあたしと言うようになったんだね」
「それは今はどうでもいいだろ!?」
アイラの調教もあってかハルナは自分の一人称を「俺」から「あたし」になったらしく、彼女は若かったころのバルと似ているという理由からアイラから気に入られている。それはともかく、ハルナの話を聞いてレナは彼女が嘘を吐いているようには思えない。
兵士の話によれば一週間前から湖の浄化と温度を下げるための水属性の魔石が盗まれているらしく、先ほど湖から抜け出したハルナが疑われているらしい。だが、ハルナが水属性の魔石を盗む理由がなく、レナは彼女を庇う。
「待ってください。ハルナが勝手に湖に入ったのは事実ですけど、盗みを働くような真似はしません」
「何だ貴様は!!その女の共犯者か!?」
「レナ様、ここは……」
「はあっ……しょうがないか」
レナは面倒に思いながらもS級冒険者の証であるメダルと自分の冒険者のギルドカードを提示した。それを見た兵士達は驚愕の表情を浮かべる。
「こ、これは!?S級冒険者の……」
「俺の名前はレナです。バルトロス王国のS級冒険者ですよ」
「レナ!?聞いた事があるぞ、この間にバルトロス王国で開催された闘技祭の優勝者じゃないか!?」
「そ、それに確かバルトロス王国の王弟じゃ……しょ、少々お待ちください!!」
「レナたん有名人だね~」
「まあ、あれだけの事をしましたから……」
「へっくしょん、うう~……寒い寒い」
「ウォンッ(←ハルナに抱きつかれて冷たそうな表情を浮かべる)」
レナの名前は他国にまで浸透しており、兵士達は態度を改めて慌てて引き下がった――
――しばらくするとオアシスの管理者が現れ、小髭族の老人が湖を管理している事が発覚した。水属性の魔石を仕入れて特殊な加工を施しているのも彼らしく、レナ達は色々と詳しく話を聞く。
「一週間前から魔石が盗まれていると聞いてますけど、どれくらいの魔石が盗まれたんですか?」
「ええ、過去にも魔石が盗まれる事件はありましたが今回は最も被害が大きいんです。この一週間で盗まれた魔石の数は50個を越えます」
「50個!?それは随分と盗まれましたね……」
魔石はこの世界においては宝石と同じぐらいの価値があり、それを50個も盗まれればかなりの痛手である。しかも犯人の目星は付いておらず、夜通し見張りを立てているが犯人の手掛かりも掴んでいない。
「兵士の数を増やして毎晩見張りを行っているのですが、何故か犯人が見つかりません。いったいどうやって湖から魔石を回収しているのか……もしかしたら人魚族の仕業かもしれません」
「人魚族?」
「この湖は水属性の魔石のお陰で一定の温度を保っております。だから普通の人間が水に潜る事はできません。その、そちらの女性の方は何故か泳げたようですが……」
「ハルナは普通の人間じゃないので……」
「はっくしょんっ!!」
ハルナは人間に見えるが実際はミノタウロス族であり、彼女は普通の人間よりも頑強な肉体を持っているので湖に潜る事ができた。しかし、普通の人間ならば凍死してもおかしくはない程の水温らしく、この水温に耐え切れるとしたら人魚族以外にはあり得ない。だから管理者は魔石を盗んでいるのは人魚族の仕業ではないかと考えていた。
「お待ちください、人魚族の仕業だとしてもここは砂漠都市ですよ。そもそも人魚族が過ごせるような環境では……」
「そこは我々も疑問を抱いているのです。しかし、犯人は人魚族以外でないとなると説明がつかず……」
「う~ん……コトミンちゃんがいれば湖の中を調べて貰えるのに」
「ふむ……」
話を聞き終えたレナは手掛かりが少なすぎて推理するのも難しく、悩んだ末にアイリスに尋ねる事にした。
※ボツ案
コトミン「寂しいから実は付いて来た。でも、暑いから湖に落ちていた魔石を拾ってきた」
レナ「お前のせいかい!!」
マッタクモー(´・ω・)ノ(´ω`)メンゴ
注意:コトミンはそんな事しません
「こら、そんな格好で抱きつくな!!」
「だ、駄目だよ!!レナたんから離れて~!!」
「離れなさい!!」
「ウォンッ……」
ハルナは全裸に毛布を被った状態であり、彼女は寒そうにレナの身体に抱きつく。それを見たティナとリンダは引き剥がそうとするが、そんな彼女達の元に兵士達が駆けつけた。
「お前達か!!湖に入って水属性の魔石を盗んでいた輩は!!」
「は?いきなりなんですか?」
「しらばっくれるな!!目撃者もいるんだぞ!!そこの女が湖から出てきたとな!!」
兵士の集団はハルナを指差して激高するが、彼等の言葉を聞いてレナは疑問を抱く。確かにハルナは湖から抜け出したが、水属性の魔石を盗んだと言われて不思議に思う。
「ハルナ、お前魔石なんて盗んでたの?」
「盗むわけないだろそんなもん!!あたしが好きなのは雷属性の魔石だけだ!!」
「惚けるな!!この一週間、湖の魔石が何者かに盗まれている痕跡がある!!お前の仕業だな!?」
「だから知らないって!!だいたいあたしが来たのは今日だぞ!!」
「あれ?ハルナちゃん、自分の事をあたしと言うようになったんだね」
「それは今はどうでもいいだろ!?」
アイラの調教もあってかハルナは自分の一人称を「俺」から「あたし」になったらしく、彼女は若かったころのバルと似ているという理由からアイラから気に入られている。それはともかく、ハルナの話を聞いてレナは彼女が嘘を吐いているようには思えない。
兵士の話によれば一週間前から湖の浄化と温度を下げるための水属性の魔石が盗まれているらしく、先ほど湖から抜け出したハルナが疑われているらしい。だが、ハルナが水属性の魔石を盗む理由がなく、レナは彼女を庇う。
「待ってください。ハルナが勝手に湖に入ったのは事実ですけど、盗みを働くような真似はしません」
「何だ貴様は!!その女の共犯者か!?」
「レナ様、ここは……」
「はあっ……しょうがないか」
レナは面倒に思いながらもS級冒険者の証であるメダルと自分の冒険者のギルドカードを提示した。それを見た兵士達は驚愕の表情を浮かべる。
「こ、これは!?S級冒険者の……」
「俺の名前はレナです。バルトロス王国のS級冒険者ですよ」
「レナ!?聞いた事があるぞ、この間にバルトロス王国で開催された闘技祭の優勝者じゃないか!?」
「そ、それに確かバルトロス王国の王弟じゃ……しょ、少々お待ちください!!」
「レナたん有名人だね~」
「まあ、あれだけの事をしましたから……」
「へっくしょん、うう~……寒い寒い」
「ウォンッ(←ハルナに抱きつかれて冷たそうな表情を浮かべる)」
レナの名前は他国にまで浸透しており、兵士達は態度を改めて慌てて引き下がった――
――しばらくするとオアシスの管理者が現れ、小髭族の老人が湖を管理している事が発覚した。水属性の魔石を仕入れて特殊な加工を施しているのも彼らしく、レナ達は色々と詳しく話を聞く。
「一週間前から魔石が盗まれていると聞いてますけど、どれくらいの魔石が盗まれたんですか?」
「ええ、過去にも魔石が盗まれる事件はありましたが今回は最も被害が大きいんです。この一週間で盗まれた魔石の数は50個を越えます」
「50個!?それは随分と盗まれましたね……」
魔石はこの世界においては宝石と同じぐらいの価値があり、それを50個も盗まれればかなりの痛手である。しかも犯人の目星は付いておらず、夜通し見張りを立てているが犯人の手掛かりも掴んでいない。
「兵士の数を増やして毎晩見張りを行っているのですが、何故か犯人が見つかりません。いったいどうやって湖から魔石を回収しているのか……もしかしたら人魚族の仕業かもしれません」
「人魚族?」
「この湖は水属性の魔石のお陰で一定の温度を保っております。だから普通の人間が水に潜る事はできません。その、そちらの女性の方は何故か泳げたようですが……」
「ハルナは普通の人間じゃないので……」
「はっくしょんっ!!」
ハルナは人間に見えるが実際はミノタウロス族であり、彼女は普通の人間よりも頑強な肉体を持っているので湖に潜る事ができた。しかし、普通の人間ならば凍死してもおかしくはない程の水温らしく、この水温に耐え切れるとしたら人魚族以外にはあり得ない。だから管理者は魔石を盗んでいるのは人魚族の仕業ではないかと考えていた。
「お待ちください、人魚族の仕業だとしてもここは砂漠都市ですよ。そもそも人魚族が過ごせるような環境では……」
「そこは我々も疑問を抱いているのです。しかし、犯人は人魚族以外でないとなると説明がつかず……」
「う~ん……コトミンちゃんがいれば湖の中を調べて貰えるのに」
「ふむ……」
話を聞き終えたレナは手掛かりが少なすぎて推理するのも難しく、悩んだ末にアイリスに尋ねる事にした。
※ボツ案
コトミン「寂しいから実は付いて来た。でも、暑いから湖に落ちていた魔石を拾ってきた」
レナ「お前のせいかい!!」
マッタクモー(´・ω・)ノ(´ω`)メンゴ
注意:コトミンはそんな事しません
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