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蛇足編
人造兵器「魔王」
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『ぐううっ……図に乗るな!!』
「うわっ!?」
魔王はレナに吹き飛ばされたが、空中で変形を行う。今度はスライムの姿から人間の女性の姿に変化すると、岩山の上に降り立つ。人間形態に変化した魔王を見てレナは警戒心を高める。
『ちっ……仕方ない、少々持ったないがここで殺してやる!!』
「やれるもんならやってみろ!!」
『図に乗るな!!』
少女の姿に変形した魔王は両手を合わせると、掌の中から風の魔力の塊を生み出す。どうやら風の精霊を吸収して魔法を作り上げようとしており、それを見たレナは退魔刀を構えた。
『死ねっ!!』
「喰らうか、そんなもん!!」
魔王が両手を繰り出すと三日月状の風の刃が放たれるが、それを見たレナは退魔刀を振りかざして正面から切り付ける。魔王が放った魔法は簡単に打ち消され、それを見た魔王は動揺した。
『馬鹿なっ!?我が魔法を打ち破るだと!?』
「今のが魔法?笑わせるな、ただ魔力をかき集めて撃ち込んだだけだろ」
『ぐぅっ……』
これまでにレナは風属性の魔法や魔法剣を扱う人間と何度も戦っており、シュンやハヤテの風の斬撃と比べると魔王の攻撃魔法など遥かに劣る。これまでの経験を生かしてレナは魔王に挑む。
魔王が次の行動に移る前にレナは先手を打ち、今度は自分から魔法を繰り出す。但し、魔王は魔法を吸収する能力があるので下手に魔法を撃ちこめば状況が悪化しかねない。そこでレナは足元に力を込め、風の精霊の力を借りて移動を行う。
「おらぁっ!!」
『何!?』
身体強化の魔法と風の精霊の力を借りてレナは魔王に目掛けて突っ込み、風の精霊を利用して風圧を発生させて加速する。魔王は両手を交差して防御の体勢に入るが、構わずにレナは退魔刀を叩き込む。
「喰らえっ!!」
『ぐあっ!?』
魔王の肉体に強烈な衝撃が走り、またもや吹き飛ばされた魔王は危うく砂海に落ちるところをどうにか岩壁にしがみついて阻止する。今の所はレナが圧倒しており、魔法さえ不用意に使わなければ魔王に後れを取る事はない。
「お前の弱点はもう分かってる。魔法を吸収するんだろ?それなら魔法を吸収しなければ何も出来ないはずだ」
『おのれ!!どうして我が能力を知っている!?』
「さあね……」
自分の能力の秘密を初対面のレナが知り尽くしている事に魔王は戦慄し、もしもアイリスから情報を聞いていなかったらレナもここまで優位に戦う事はできなかった。魔王は魔法の力を吸収し、内部で増幅させて反撃を行う。だから魔術師にとっては天敵のような存在だが、レナのような剣も扱える魔術師ならば魔王とも戦える。
魔法を使わなければ魔王は恐れるに足らず、戦った限りでは魔王は武術も会得していない様子だった。この調子ならば勝てると思われたが、レナは魔王の肉体を見て未だに傷一つない事に気が付く。
(結構強めに打ち込んでるつもりだけど、掠り傷さえ負っていないのか……そうなると一刀両断に賭けるしかない)
ここまでの攻撃で魔王は傷一つ受けておらず、これほどまでに硬い相手はレナも初めてだった。少し前にオリハルコン製のゴーレムとも戦ったが、流石に人造兵器というだけはあって魔王の肉体はオリハルコンと酷似しながら硬度はアダマンタイトにも匹敵していた。
『くそぉっ……何なんだお前等は!?どうして我の邪魔をする!!許さん、許さんぞぉっ!!』
「ごちゃごちゃうるさい奴だな……勝ち目はないなら諦めたら?」
『黙れ!!人間如きが指図するな!!』
岩壁を登り終えた魔王は全身から熱気を放ち、それを見たレナは驚く。どうやら魔王は魔法の力だけではなく、熱気を吸収する能力もあるらしく、全身から高熱を放ちながらレナに迫る。もしも触れられたら火傷どころの怪我では済まず、レナは距離を置こうとした。
『溶けて死ねっ!!』
「くっ!?」
魔王の繰り出した手刀をレナは回避すると、振り下ろされた手刀は岩壁に突き刺さり、圧倒間に壁が溶けてしまう。それを見たレナは冷や汗を流し、岩をも溶かす程の熱を帯びた魔王の肉体に焦りを抱く。
『くくくっ……我がどれほど長い時をこの砂漠で過ごしたと思っている?この程度の岩を溶かす事などわけもない』
「はあっ、はあっ……」
『人間とはか弱い生き物だな。この程度の熱で弱り始める……この熱から解放されたければ魔法を使う事だな』
まるで火山の火口に降り立ったかのように異様な熱気がレナの身体に襲い掛かり、熱耐性の技能を持っていても限界が近い。魔王の全身から放たれる熱はどんどんと高まっており、このままでは岩山が溶かされてしまう。
熱気に耐えながらレナは魔王と向かい合い、この状況をどうやって打破するか考える。魔王に下手に近付けば溶かされてしまう可能性があり、だからといって魔法を使えば魔王に吸収されてしまう。しかし、魔法無しでこれほどの高温を耐える方法はなく、レナは徐々に追い詰められていく。
「うわっ!?」
魔王はレナに吹き飛ばされたが、空中で変形を行う。今度はスライムの姿から人間の女性の姿に変化すると、岩山の上に降り立つ。人間形態に変化した魔王を見てレナは警戒心を高める。
『ちっ……仕方ない、少々持ったないがここで殺してやる!!』
「やれるもんならやってみろ!!」
『図に乗るな!!』
少女の姿に変形した魔王は両手を合わせると、掌の中から風の魔力の塊を生み出す。どうやら風の精霊を吸収して魔法を作り上げようとしており、それを見たレナは退魔刀を構えた。
『死ねっ!!』
「喰らうか、そんなもん!!」
魔王が両手を繰り出すと三日月状の風の刃が放たれるが、それを見たレナは退魔刀を振りかざして正面から切り付ける。魔王が放った魔法は簡単に打ち消され、それを見た魔王は動揺した。
『馬鹿なっ!?我が魔法を打ち破るだと!?』
「今のが魔法?笑わせるな、ただ魔力をかき集めて撃ち込んだだけだろ」
『ぐぅっ……』
これまでにレナは風属性の魔法や魔法剣を扱う人間と何度も戦っており、シュンやハヤテの風の斬撃と比べると魔王の攻撃魔法など遥かに劣る。これまでの経験を生かしてレナは魔王に挑む。
魔王が次の行動に移る前にレナは先手を打ち、今度は自分から魔法を繰り出す。但し、魔王は魔法を吸収する能力があるので下手に魔法を撃ちこめば状況が悪化しかねない。そこでレナは足元に力を込め、風の精霊の力を借りて移動を行う。
「おらぁっ!!」
『何!?』
身体強化の魔法と風の精霊の力を借りてレナは魔王に目掛けて突っ込み、風の精霊を利用して風圧を発生させて加速する。魔王は両手を交差して防御の体勢に入るが、構わずにレナは退魔刀を叩き込む。
「喰らえっ!!」
『ぐあっ!?』
魔王の肉体に強烈な衝撃が走り、またもや吹き飛ばされた魔王は危うく砂海に落ちるところをどうにか岩壁にしがみついて阻止する。今の所はレナが圧倒しており、魔法さえ不用意に使わなければ魔王に後れを取る事はない。
「お前の弱点はもう分かってる。魔法を吸収するんだろ?それなら魔法を吸収しなければ何も出来ないはずだ」
『おのれ!!どうして我が能力を知っている!?』
「さあね……」
自分の能力の秘密を初対面のレナが知り尽くしている事に魔王は戦慄し、もしもアイリスから情報を聞いていなかったらレナもここまで優位に戦う事はできなかった。魔王は魔法の力を吸収し、内部で増幅させて反撃を行う。だから魔術師にとっては天敵のような存在だが、レナのような剣も扱える魔術師ならば魔王とも戦える。
魔法を使わなければ魔王は恐れるに足らず、戦った限りでは魔王は武術も会得していない様子だった。この調子ならば勝てると思われたが、レナは魔王の肉体を見て未だに傷一つない事に気が付く。
(結構強めに打ち込んでるつもりだけど、掠り傷さえ負っていないのか……そうなると一刀両断に賭けるしかない)
ここまでの攻撃で魔王は傷一つ受けておらず、これほどまでに硬い相手はレナも初めてだった。少し前にオリハルコン製のゴーレムとも戦ったが、流石に人造兵器というだけはあって魔王の肉体はオリハルコンと酷似しながら硬度はアダマンタイトにも匹敵していた。
『くそぉっ……何なんだお前等は!?どうして我の邪魔をする!!許さん、許さんぞぉっ!!』
「ごちゃごちゃうるさい奴だな……勝ち目はないなら諦めたら?」
『黙れ!!人間如きが指図するな!!』
岩壁を登り終えた魔王は全身から熱気を放ち、それを見たレナは驚く。どうやら魔王は魔法の力だけではなく、熱気を吸収する能力もあるらしく、全身から高熱を放ちながらレナに迫る。もしも触れられたら火傷どころの怪我では済まず、レナは距離を置こうとした。
『溶けて死ねっ!!』
「くっ!?」
魔王の繰り出した手刀をレナは回避すると、振り下ろされた手刀は岩壁に突き刺さり、圧倒間に壁が溶けてしまう。それを見たレナは冷や汗を流し、岩をも溶かす程の熱を帯びた魔王の肉体に焦りを抱く。
『くくくっ……我がどれほど長い時をこの砂漠で過ごしたと思っている?この程度の岩を溶かす事などわけもない』
「はあっ、はあっ……」
『人間とはか弱い生き物だな。この程度の熱で弱り始める……この熱から解放されたければ魔法を使う事だな』
まるで火山の火口に降り立ったかのように異様な熱気がレナの身体に襲い掛かり、熱耐性の技能を持っていても限界が近い。魔王の全身から放たれる熱はどんどんと高まっており、このままでは岩山が溶かされてしまう。
熱気に耐えながらレナは魔王と向かい合い、この状況をどうやって打破するか考える。魔王に下手に近付けば溶かされてしまう可能性があり、だからといって魔法を使えば魔王に吸収されてしまう。しかし、魔法無しでこれほどの高温を耐える方法はなく、レナは徐々に追い詰められていく。
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