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蛇足編
閑話 《レナの人気》
しおりを挟むそれから数日、私は呆然としていた。
「どうしよう……このままじゃ結婚できないよ。何とかしないと!」
だけど私にはどうしていいかわからなかった。
「駄目だ。一人で家にいてもへこむし、外の空気でも吸わないと」
私は気分転換も兼ねて町まで出かけることにした。
「ふーん。それで俺のところに来たのか」
「はい。クリスさんなら色々経験してますし、何かアドバイス頂けたらと……」
「まあいいけど、お前みたいな可愛い女が振られるなんて何があったんだ?」
「それが……」
私は事のいきさつを話すことにした。
「なるほどね。それは酷いな」
「ですよね! やっぱり酷いですよね!」
「ああ。俺だったらそんなことは言わないな」
「はい! 私もそう思います!」
私はつい興奮してしまった。
「まあ落ち着けって。とりあえず今の状況を整理するぞ」
「はい!」
「まず第一に、マリアはその男のことを好きか?」
「正直好きでしたけど、もうあれじゃ無理だと思いますし、諦める覚悟は出来てます」
「それなら話は簡単だ。その男が別の女と幸せになるのを見ていろ。それだけだ」
「えっ?」
「なんだ不満なのか?」
「いえ。そういうわけじゃないんですけど……」
「お前さっき言ったよな。諦める覚悟は出来てるって」
「はい」
「なら見届けるくらい出来るだろう」
「確かにそうですけど……」
「そもそもだ。お前の言う通り、そいつが他の女と付き合うようになったとしてだ。お前は本当に平気なのか?」
「……」
「ほれみろ。答えられないじゃないか。つまりはそういうことだ」
「じゃあどうしたらいいんですか? 婚約破棄されたのにみっともなく縋りつけというんですか?」
「誰もそこまで言ってないだろう。それにお前だって悪いとは思ってるんだろう? ならちゃんと話し合ってみれば良かったんじゃないか? 少なくとも一方的に婚約破棄されるよりはマシだと思うぜ」
「話し合いですか?」
「そうだ。今のままだとお前は何もしないで終わることになるぞ。後悔だけはしないようにしろよ」
「わかりました! ありがとうございます! 早速お屋敷に戻ってダニエルとお話をしてきます!」
「おう。頑張れよ」
私は急いでダニエルの家へと向かった。
(大丈夫。まだチャンスはあるはず)
「どうしよう……このままじゃ結婚できないよ。何とかしないと!」
だけど私にはどうしていいかわからなかった。
「駄目だ。一人で家にいてもへこむし、外の空気でも吸わないと」
私は気分転換も兼ねて町まで出かけることにした。
「ふーん。それで俺のところに来たのか」
「はい。クリスさんなら色々経験してますし、何かアドバイス頂けたらと……」
「まあいいけど、お前みたいな可愛い女が振られるなんて何があったんだ?」
「それが……」
私は事のいきさつを話すことにした。
「なるほどね。それは酷いな」
「ですよね! やっぱり酷いですよね!」
「ああ。俺だったらそんなことは言わないな」
「はい! 私もそう思います!」
私はつい興奮してしまった。
「まあ落ち着けって。とりあえず今の状況を整理するぞ」
「はい!」
「まず第一に、マリアはその男のことを好きか?」
「正直好きでしたけど、もうあれじゃ無理だと思いますし、諦める覚悟は出来てます」
「それなら話は簡単だ。その男が別の女と幸せになるのを見ていろ。それだけだ」
「えっ?」
「なんだ不満なのか?」
「いえ。そういうわけじゃないんですけど……」
「お前さっき言ったよな。諦める覚悟は出来てるって」
「はい」
「なら見届けるくらい出来るだろう」
「確かにそうですけど……」
「そもそもだ。お前の言う通り、そいつが他の女と付き合うようになったとしてだ。お前は本当に平気なのか?」
「……」
「ほれみろ。答えられないじゃないか。つまりはそういうことだ」
「じゃあどうしたらいいんですか? 婚約破棄されたのにみっともなく縋りつけというんですか?」
「誰もそこまで言ってないだろう。それにお前だって悪いとは思ってるんだろう? ならちゃんと話し合ってみれば良かったんじゃないか? 少なくとも一方的に婚約破棄されるよりはマシだと思うぜ」
「話し合いですか?」
「そうだ。今のままだとお前は何もしないで終わることになるぞ。後悔だけはしないようにしろよ」
「わかりました! ありがとうございます! 早速お屋敷に戻ってダニエルとお話をしてきます!」
「おう。頑張れよ」
私は急いでダニエルの家へと向かった。
(大丈夫。まだチャンスはあるはず)
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