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蛇足編
大将軍として
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「但し、俺も同行するよ」
「えっ!?」
「どういう意味だ?まさか、二人だけでいくつもりか?」
レナの発言にレミア以外の者も驚き、これにはマリアから彼の護衛を任されたシノビが反対しようとした。しかし、レナは冷静に説明を行う。
「死霊に対して有効な攻撃手段を持たない人間が付いて来たら、役に立つどころか足を引っ張るだけだよ」
「それはそうかもしれんが……」
「レナ!!お前は死霊に対して有効な攻撃手段を持つという事か?」
「当然」
「レナさんはあらゆる聖剣も作り出せますからね。本気を出せば死霊なんて敵じゃありませんよ」
「……お待ちください、確か聖剣を作り出す方法はレナ王子に大きな負担が掛かるのでは?」
レミアはレナが同行すると申し出た事に不安そうな表情を浮かべ、彼女はレナが錬金術師の能力で聖剣を作り出せるのは知っているが、それには大きな負担が掛かる事も把握していた。実際に彼女は何度かレナが聖剣の力で戦っている姿を見た事はあるが、聖痕所有者ではない彼では聖剣の力を真に引き出す事はできない。
聖剣を扱えるのは聖痕を所有した人間のみであり、その他の人間が聖剣を使用しようとしても肉体に大きな負担が掛かる。それはナオも承知しており、彼女はレナが無理をしないか心配した。
「レナ、私のために無理をする必要はない。私が依頼したのは調査だ、お前は無事に果たしたのだからそこまでする必要は……」
「大丈夫、聖剣の力を使う気はないから」
「なるほど、そういう事ですか」
「ど、どういう意味ですか?」
ナオはレナを心配するがレナはそもそも本気で聖剣の力を扱うつもりはない。それならばどうしてレミアに同行するのかというと、彼女の力を信頼しているからだと伝える。
「俺が戦う必要がないようにレミア大将軍がしっかり守ってくれればいいんだよ」
「えっ!?」
「レミア大将軍がレナさんの傍から離れず、死霊を全て打ち倒せば問題ないという事ですよ」
「それは……責任重大だな」
「ま、待ってください!!」
唐突に死霊の討伐だけではなく、レナの護衛も任されたレミアは焦って彼が同行する事に反対した。
「危険過ぎます!!もしもレナ様が死霊に襲われたら……」
「襲われないように守るのが貴女の仕事なんですよ」
「そういう事だ。しっかりと貴女が王子を守ればいいだけの事」
「か、簡単に言わないでください!!」
「……それぐらいの事もできなくて何が大将軍だよ」
「うっ!?」
「レナ!?言い過ぎだぞ!?」
思いもよらぬレナの言葉にマリアは冷や汗をかくが、慌ててナオは彼を注意した。しかし、今回ばかりはレナも引くわけにはいかず、レミアに指摘した。
「大将軍というのはこの国で一番偉い将軍なんだよ。それなのに王族一人を満足に守れないようなら大将軍を名乗る事は許されない」
「……おっしゃる通りです」
「俺がレミア大将軍に同行するのは……レミアなら俺を守り切って死霊を倒せると信じているからだ。だけど、もしもレミアが失敗した場合は俺が代わりに死霊を倒す。でも、レミアが仕事を果たしてくれれば俺も身体に負担を掛けるような真似はしないで済む。レミアなら俺を守り通して任務を果たせると信じているよ」
「わ、分かりました……そこまで私の事を信頼していたのですね」
説明を聞いてレミアは納得し、まさかレナが自分の事をそこまで認めているとは思わず、彼の期待に応えるために任務を引き受けた。ナオは心配するが、ここで口を挟めばレミアの信頼をしていないと思われかねない。
レナはレミアの力を認めているのは事実だが、実際の所は彼女に同行するのはレミアが失敗した場合、自分で後始末をつけるためだった。レミアが強い事は知っているが、今の彼女は焦りを抱いており、もしかしたら失敗するかもしれないという不安もある。
「レナさん、本当に大丈夫なんですか?なんだったら私も付いて行きますよ」
「いや、大丈夫だよ。俺とレミアだけで何とかする」
「そうですか……ならシノビさんと私の役目は終わりですね」
「待て、俺も同行するぞ。護衛として放ってはおけん」
「死霊に対して有効な攻撃手段を持たない人が付いて行っても足手纏いです。レナさん達に迷惑を掛けるつもりですか?」
「……しかし!!」
「しかしもへちまもありません。ほら、大人しく私達は留守番してますよ」
「レナ、レミア……苦労を掛ける」
「いえ、お任せください。必ずやレナ王子を守り切り、任務を果たしてみせましょう」
レミアはナオに対して敬礼を行い、なんとしてもレナを守り切りながら地下迷宮の死霊を一掃する事を誓う――
――そしてレナとレミアは地下迷宮に再度潜り、死霊の捜索を行う。少し前に訪れた時は死霊は七魔将が封印されていた場所に集まっていたが、どういう事か姿が見えなかった。
「えっ!?」
「どういう意味だ?まさか、二人だけでいくつもりか?」
レナの発言にレミア以外の者も驚き、これにはマリアから彼の護衛を任されたシノビが反対しようとした。しかし、レナは冷静に説明を行う。
「死霊に対して有効な攻撃手段を持たない人間が付いて来たら、役に立つどころか足を引っ張るだけだよ」
「それはそうかもしれんが……」
「レナ!!お前は死霊に対して有効な攻撃手段を持つという事か?」
「当然」
「レナさんはあらゆる聖剣も作り出せますからね。本気を出せば死霊なんて敵じゃありませんよ」
「……お待ちください、確か聖剣を作り出す方法はレナ王子に大きな負担が掛かるのでは?」
レミアはレナが同行すると申し出た事に不安そうな表情を浮かべ、彼女はレナが錬金術師の能力で聖剣を作り出せるのは知っているが、それには大きな負担が掛かる事も把握していた。実際に彼女は何度かレナが聖剣の力で戦っている姿を見た事はあるが、聖痕所有者ではない彼では聖剣の力を真に引き出す事はできない。
聖剣を扱えるのは聖痕を所有した人間のみであり、その他の人間が聖剣を使用しようとしても肉体に大きな負担が掛かる。それはナオも承知しており、彼女はレナが無理をしないか心配した。
「レナ、私のために無理をする必要はない。私が依頼したのは調査だ、お前は無事に果たしたのだからそこまでする必要は……」
「大丈夫、聖剣の力を使う気はないから」
「なるほど、そういう事ですか」
「ど、どういう意味ですか?」
ナオはレナを心配するがレナはそもそも本気で聖剣の力を扱うつもりはない。それならばどうしてレミアに同行するのかというと、彼女の力を信頼しているからだと伝える。
「俺が戦う必要がないようにレミア大将軍がしっかり守ってくれればいいんだよ」
「えっ!?」
「レミア大将軍がレナさんの傍から離れず、死霊を全て打ち倒せば問題ないという事ですよ」
「それは……責任重大だな」
「ま、待ってください!!」
唐突に死霊の討伐だけではなく、レナの護衛も任されたレミアは焦って彼が同行する事に反対した。
「危険過ぎます!!もしもレナ様が死霊に襲われたら……」
「襲われないように守るのが貴女の仕事なんですよ」
「そういう事だ。しっかりと貴女が王子を守ればいいだけの事」
「か、簡単に言わないでください!!」
「……それぐらいの事もできなくて何が大将軍だよ」
「うっ!?」
「レナ!?言い過ぎだぞ!?」
思いもよらぬレナの言葉にマリアは冷や汗をかくが、慌ててナオは彼を注意した。しかし、今回ばかりはレナも引くわけにはいかず、レミアに指摘した。
「大将軍というのはこの国で一番偉い将軍なんだよ。それなのに王族一人を満足に守れないようなら大将軍を名乗る事は許されない」
「……おっしゃる通りです」
「俺がレミア大将軍に同行するのは……レミアなら俺を守り切って死霊を倒せると信じているからだ。だけど、もしもレミアが失敗した場合は俺が代わりに死霊を倒す。でも、レミアが仕事を果たしてくれれば俺も身体に負担を掛けるような真似はしないで済む。レミアなら俺を守り通して任務を果たせると信じているよ」
「わ、分かりました……そこまで私の事を信頼していたのですね」
説明を聞いてレミアは納得し、まさかレナが自分の事をそこまで認めているとは思わず、彼の期待に応えるために任務を引き受けた。ナオは心配するが、ここで口を挟めばレミアの信頼をしていないと思われかねない。
レナはレミアの力を認めているのは事実だが、実際の所は彼女に同行するのはレミアが失敗した場合、自分で後始末をつけるためだった。レミアが強い事は知っているが、今の彼女は焦りを抱いており、もしかしたら失敗するかもしれないという不安もある。
「レナさん、本当に大丈夫なんですか?なんだったら私も付いて行きますよ」
「いや、大丈夫だよ。俺とレミアだけで何とかする」
「そうですか……ならシノビさんと私の役目は終わりですね」
「待て、俺も同行するぞ。護衛として放ってはおけん」
「死霊に対して有効な攻撃手段を持たない人が付いて行っても足手纏いです。レナさん達に迷惑を掛けるつもりですか?」
「……しかし!!」
「しかしもへちまもありません。ほら、大人しく私達は留守番してますよ」
「レナ、レミア……苦労を掛ける」
「いえ、お任せください。必ずやレナ王子を守り切り、任務を果たしてみせましょう」
レミアはナオに対して敬礼を行い、なんとしてもレナを守り切りながら地下迷宮の死霊を一掃する事を誓う――
――そしてレナとレミアは地下迷宮に再度潜り、死霊の捜索を行う。少し前に訪れた時は死霊は七魔将が封印されていた場所に集まっていたが、どういう事か姿が見えなかった。
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