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真・最終章 七魔将編
止めを刺すのは……
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「オアアッ!!」
「うわっ!?」
「こいつ、まだ動けるのか!?」
「まずはこっちから止めを刺すわよ!!」
暴れる炎龍の背中の上でレナ達は振り落とされないようにしがみつくと、この時に白竜が炎龍の頭に迫って牙を繰り出す。
「シャアアッ!!」
「ギャアアッ!?」
白竜の牙が炎龍の片目を抉り、それによって炎龍は悲鳴を上げる。白竜の攻撃で炎龍の注意がレナ達から逸れると、その間に全員が最後の一撃を繰り出そうと力を込めた。
「これで終わらせるぞ!!」
「ええ、終わらせるわ!!」
「うおりゃああっ!!」
レナは退魔刀に蒼炎を纏わせ、シズネは雪月花とリヴァイアサンの刃を重ね合わせ、ハルナは全身から紫色の電撃を纏う。三人は炎龍に止めを刺すために首の部分に向けて駆け出し、同時に攻撃を行う。
「一刀両断!!」
「刺突・弐連!!」
「紫電!!」
「ッ――――!?」
退魔刀の一撃で首の肉が大きく抉れ、そこからシズネが繰り出した二つの刃が突き刺さり、内部から凍結させていく。更にハルナの渾身の拳が凍り付いた箇所に叩き込まれて強烈な衝撃と電撃が襲い掛かった。
炎龍の首が半ば抉れてしまい、普通の生物ならばここで死んでいてもおかしくはない。だが、竜種の中でも最大級の生命力を誇る炎龍は倒れず、最後の力を振り絞って全身から魔力を解き放つ。
「アガァアアアアッ!!」
「うわっ!?」
「あちちっ!?」
「こいつ、まだ……」
「皆さん、こっちです!!」
「レミト!?」
全身から高熱を発生させる炎龍にレナ達は追い詰められそうになるが、レミトが呼びかけると彼の周りだけは熱が発生していなかった。時の聖痕の能力でレミトは炎龍の肉体の一部だけを遅くさせる事で発熱から逃れ、他の者達も彼の元へ集まる。
「レミト!!この能力は……」
「説明は後で!!それよりも早くここから離れないと……」
「いや、海中に落ちても無駄よ。煮えたぎって一瞬で全身火傷よ」
「くそっ!!どうすればいいんだよ!?」
既に炎龍の周りの海は煮えたぎっているため、この中に飛び込めば無事では済まない。魔鎧術を扱える人間ならば無事に生き残れるかもしれないが、生憎とここまでの連戦で全員が疲弊して魔鎧術を扱う余裕はない。
(もう魔力が残っていない……くそっ、薬の類で回復するにしても時間が掛かる!!)
体力と違って魔力は瞬時に回復はせず、回復薬の類を利用して短時間では魔鎧術を発動できるだけの魔力は回復しない。このままでレナ達は焼け殺されるかと思われた時、突風が発生してレナ達を取り囲む。
「この風は……叔母様!?」
「皆、よく頑張ったわね」
「マリア!?」
上空を見上げると背中に光の翼を生やしたマリアの姿があり、彼女はクサナギを所持した状態でレナ達の元へ降り立つ。彼女はレナ達を守るためにクサナギを構えると、竜巻がレナ達を取り囲むように纏う。この竜巻はマリアが作り出した風の障壁であり、熱を吹き飛ばす。
マリアはレナ達を風の結界で守ると、改めて炎龍に視線を向けた。今の炎龍ならば聖剣による同時攻撃などせずとも最上級魔法で止めを刺す事はできる。だが、最上級魔法を発動させれば如何にマリアといえども無事では済まない。先ほどの斬光で彼女もかなりの魔力を消耗しており、次に最上級魔法を使用すれば今度こそマリアも限界を迎える。
(これが最後の魔法ね……)
彼女は自分の身を危険に晒す事を承知でクサナギを構え、最後の魔法は母親が得意とする風属性の魔法で仕留めようとした。しかし、この時に彼女のクサナギが反応を示す。
(……母様?)
クサナギを振りかざした時に風の聖痕が浮き上がり、それを見たマリアの脳裏に母親の姿が思い浮かぶ。この風の聖痕は元々はマリアの母親が宿していた力であり、彼女の魔力の残滓が僅かに残っていた。マリアはまるで自分の傍に母親がいるような感覚を覚え、彼女は驚いた様子で空を見上げる。
「……そう言う事ね」
「叔母様?」
「レナ、後の事は貴方に任せるわ」
「えっ……」
マリアは何かを悟った風にレナに手を伸ばすと、彼が纏っていた竜巻を打ち消してレナの右手を掴む。マリアの行動にレナは驚いたが、マリアは笑みを浮かべて自分の残りの魔力をレナに渡す。
「叔母様!?何を……」
「私の魔力を貴方に託す。これに止めを刺すのは貴方よ」
「俺が!?でも、どうして……」
「母様の遺言よ……次の世代へ託せと言われたわ」
聖痕に残っていたマリアの母親の魔力の残滓には僅かに意識が残っており、これから先の未来のために若者に力を託すように促す。そしてマリアが力を託せる相手はレナだけしかおらず、彼女の魔力を受け取ったレナは力がみなぎる。
純粋な魔力量ならばレナはマリアにも匹敵するが、今回受け取った魔力はマリアだけではなく、祖母の魔力も混じっている。マリアと祖母の魔力を受け取ったレナはこれまでにない程の力が湧きあがり、退魔刀を握りしめる。
「うわっ!?」
「こいつ、まだ動けるのか!?」
「まずはこっちから止めを刺すわよ!!」
暴れる炎龍の背中の上でレナ達は振り落とされないようにしがみつくと、この時に白竜が炎龍の頭に迫って牙を繰り出す。
「シャアアッ!!」
「ギャアアッ!?」
白竜の牙が炎龍の片目を抉り、それによって炎龍は悲鳴を上げる。白竜の攻撃で炎龍の注意がレナ達から逸れると、その間に全員が最後の一撃を繰り出そうと力を込めた。
「これで終わらせるぞ!!」
「ええ、終わらせるわ!!」
「うおりゃああっ!!」
レナは退魔刀に蒼炎を纏わせ、シズネは雪月花とリヴァイアサンの刃を重ね合わせ、ハルナは全身から紫色の電撃を纏う。三人は炎龍に止めを刺すために首の部分に向けて駆け出し、同時に攻撃を行う。
「一刀両断!!」
「刺突・弐連!!」
「紫電!!」
「ッ――――!?」
退魔刀の一撃で首の肉が大きく抉れ、そこからシズネが繰り出した二つの刃が突き刺さり、内部から凍結させていく。更にハルナの渾身の拳が凍り付いた箇所に叩き込まれて強烈な衝撃と電撃が襲い掛かった。
炎龍の首が半ば抉れてしまい、普通の生物ならばここで死んでいてもおかしくはない。だが、竜種の中でも最大級の生命力を誇る炎龍は倒れず、最後の力を振り絞って全身から魔力を解き放つ。
「アガァアアアアッ!!」
「うわっ!?」
「あちちっ!?」
「こいつ、まだ……」
「皆さん、こっちです!!」
「レミト!?」
全身から高熱を発生させる炎龍にレナ達は追い詰められそうになるが、レミトが呼びかけると彼の周りだけは熱が発生していなかった。時の聖痕の能力でレミトは炎龍の肉体の一部だけを遅くさせる事で発熱から逃れ、他の者達も彼の元へ集まる。
「レミト!!この能力は……」
「説明は後で!!それよりも早くここから離れないと……」
「いや、海中に落ちても無駄よ。煮えたぎって一瞬で全身火傷よ」
「くそっ!!どうすればいいんだよ!?」
既に炎龍の周りの海は煮えたぎっているため、この中に飛び込めば無事では済まない。魔鎧術を扱える人間ならば無事に生き残れるかもしれないが、生憎とここまでの連戦で全員が疲弊して魔鎧術を扱う余裕はない。
(もう魔力が残っていない……くそっ、薬の類で回復するにしても時間が掛かる!!)
体力と違って魔力は瞬時に回復はせず、回復薬の類を利用して短時間では魔鎧術を発動できるだけの魔力は回復しない。このままでレナ達は焼け殺されるかと思われた時、突風が発生してレナ達を取り囲む。
「この風は……叔母様!?」
「皆、よく頑張ったわね」
「マリア!?」
上空を見上げると背中に光の翼を生やしたマリアの姿があり、彼女はクサナギを所持した状態でレナ達の元へ降り立つ。彼女はレナ達を守るためにクサナギを構えると、竜巻がレナ達を取り囲むように纏う。この竜巻はマリアが作り出した風の障壁であり、熱を吹き飛ばす。
マリアはレナ達を風の結界で守ると、改めて炎龍に視線を向けた。今の炎龍ならば聖剣による同時攻撃などせずとも最上級魔法で止めを刺す事はできる。だが、最上級魔法を発動させれば如何にマリアといえども無事では済まない。先ほどの斬光で彼女もかなりの魔力を消耗しており、次に最上級魔法を使用すれば今度こそマリアも限界を迎える。
(これが最後の魔法ね……)
彼女は自分の身を危険に晒す事を承知でクサナギを構え、最後の魔法は母親が得意とする風属性の魔法で仕留めようとした。しかし、この時に彼女のクサナギが反応を示す。
(……母様?)
クサナギを振りかざした時に風の聖痕が浮き上がり、それを見たマリアの脳裏に母親の姿が思い浮かぶ。この風の聖痕は元々はマリアの母親が宿していた力であり、彼女の魔力の残滓が僅かに残っていた。マリアはまるで自分の傍に母親がいるような感覚を覚え、彼女は驚いた様子で空を見上げる。
「……そう言う事ね」
「叔母様?」
「レナ、後の事は貴方に任せるわ」
「えっ……」
マリアは何かを悟った風にレナに手を伸ばすと、彼が纏っていた竜巻を打ち消してレナの右手を掴む。マリアの行動にレナは驚いたが、マリアは笑みを浮かべて自分の残りの魔力をレナに渡す。
「叔母様!?何を……」
「私の魔力を貴方に託す。これに止めを刺すのは貴方よ」
「俺が!?でも、どうして……」
「母様の遺言よ……次の世代へ託せと言われたわ」
聖痕に残っていたマリアの母親の魔力の残滓には僅かに意識が残っており、これから先の未来のために若者に力を託すように促す。そしてマリアが力を託せる相手はレナだけしかおらず、彼女の魔力を受け取ったレナは力がみなぎる。
純粋な魔力量ならばレナはマリアにも匹敵するが、今回受け取った魔力はマリアだけではなく、祖母の魔力も混じっている。マリアと祖母の魔力を受け取ったレナはこれまでにない程の力が湧きあがり、退魔刀を握りしめる。
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