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真・最終章 七魔将編
破壊の生物
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――アガァアアアアアアッ!!
上空へ向けて放たれた炎龍の火炎の吐息は文字通りに天をも貫き、熱線は成層圏まで到達する。やがて宇宙空間に存在する衛星にまで到達すると、熱線は衛星を貫いた瞬間に爆発を引き起こす。
炎龍の行動に地上のレナ達は呆気に取られ、一方でラストは火の聖痕を炎龍に与え続けながら右腕を抑え、暴走する魔力を抑え込むように右手を離す。ラストの腕が離れると炎龍の熱線は途切れて改めてレナ達と向かい合う。
「オアアアアアアッ!!」
「ちょっ……流石にこれは規格外過ぎますよ」
「……化物め」
ホネミンもレナも衛星を破壊されるとは夢にも思わず、衛星で待機していたはずのリーリスの身を案じる。しかし、炎龍の次の狙いはレナ達であり、再び攻撃を再開した。
「ガアアアッ!!」
「うわっ!?来ますよ!!」
「ウル、避けろ!!」
「ウォンッ!!」
レナは咄嗟にウルに限界強化の補助魔法を施し、彼の身体能力を高めた上で攻撃を回避させた。ウル以外の存在ならば炎龍の攻撃に反応しきれなかったが、地上の魔物の中でも最速に分類する白狼種だからこそ反応ができた。
ウルはレナ達を乗せた状態で全速力で駆け出すが、炎龍はそのウルに対して執拗に前脚で踏み潰そうとする。動作自体はそれほど早くはないが、体格差があまりにも違いがあり過ぎるためにウルが全速力で逃げてもすぐに追い詰められる。
「はわわっ!!このままだとマジでやばいですよ!!」
「こうなったらやるしかないか……作戦通りに行くぞ!!」
「分かりましたよもう!!合図したら目を閉じてください!!」
ホネミンは事前に用意していた道具を取り出し、炎龍が隙を生み出すのを待つ。レナも退魔刀を背中に戻して鏡刀を抜くと、炎龍が攻撃を仕掛ける際にホネミンに声をかける。
「今だ!!」
「はい!!」
「オアッ!?」
レナが合図を出すとホネミンは懐から手榴弾を想像させる道具を取り出し、こちらは作戦前にリーリスから受け取った代物である。ホネミンは手榴弾を投げつけるとレナは右手で鏡刀を構えた状態で左腕で目元を塞ぐ。
空中に投げつけられた手榴弾を見て炎龍は一瞬だけ動きを止めると、手榴弾は突如として閃光を放つ。リーリスが渡したのはただの手榴弾ではなく、閃光手榴弾だった。
「何だと!?」
「ッ――!?」
閃光に包まれた炎龍とラストは目元が眩み、事前に目を塞いでいたレナは鏡刀を構えてウルに突っ込ませる。
「今だ!!」
「ウォオンッ!!」
「ちぃっ……尻尾で薙ぎ払えっ!!」
「オアッ!?」
声が聞こえたラストは視界が完全に回復しない中でも炎龍に命令を与え、炎龍は咄嗟に尻尾を振り払う。それに対してレナは鏡刀を握りしめながらウルに声をかけた。
「ここだっ!!飛べっ!!」
「ウォンッ!!」
主人の命令通りにウルは跳躍を行い、炎龍の振り払った尻尾を避ける事に成功した。この時にレナはウルの背中から飛び降りると、炎龍の顔面に目掛けて突っ込む。風の精霊を呼び集めてマリア程ではないが飛翔術で移動し、鏡刀を構えた。
飛翔術で加速しながらレナは狙うのは炎龍の片目であり、まだ視界が回復しきっていない今が好機だった。鏡刀を振りかざしながらレナは狙いを定め、風の精霊の力も借りて投擲を行う。
「喰らえっ!!」
「ギャアアアアアッ!?」
「何だと!?」
視界が回復しきっていない内に炎龍に鏡刀を投げつけ、片目に鏡刀が突き刺さった炎龍は悲鳴を上げる。片目を完全に貫かれた炎龍は悲鳴を上げてラストの支配から一瞬だけ逃れ、その隙を逃さずにレナは背中に着地した。
「ラスト!!」
「くそっ!?」
ラストはレナの声を聞いて咄嗟に炎の剣を両手に作り出すが、レナの目的は彼ではなかった。ここでラストを倒す事もできるかもしれないが、相手は七魔将の最強の将であるためにどんな奥の手を持っているかは分からず、だからこそ当初の作戦通りにレナは水晶札を取り出す。
――作戦開始前、水晶札を受け取ったレナはマリアに相談を行う。それは水晶札で転移させられる物体の限界を彼女に訪ねた。
「叔母様、この水晶札はどれくらいの大きさの物まで運べるの?」
「どれくらい?どういう意味かしら?」
「例えば家とかは転移できるの?」
「それは……無理ね。無機物の場合はせいぜいが自分の身に付けている物しか転移はできないわ」
「それなら無機物じゃなければ転移できるの?」
「理論上は可能なはずだけど……何をするつもり?」
「……炎龍を転移させて別の場所で迎え撃つ事はできないかな?」
レナの提案に誰もが驚き、転移魔法を封じたマリアでさえも彼の作戦が上手くいくかは分からなかった。だが、ただ一人だけレナの作戦が可能かどうかを判断できる存在がいた。
『可能ですよ。炎龍の傍で水晶札を発動すれば炎龍も一緒に転移ができるはずです』
アイリスからお墨付きを貰ったレナは作戦を実行させ、炎龍をある場所へと転移させた。
上空へ向けて放たれた炎龍の火炎の吐息は文字通りに天をも貫き、熱線は成層圏まで到達する。やがて宇宙空間に存在する衛星にまで到達すると、熱線は衛星を貫いた瞬間に爆発を引き起こす。
炎龍の行動に地上のレナ達は呆気に取られ、一方でラストは火の聖痕を炎龍に与え続けながら右腕を抑え、暴走する魔力を抑え込むように右手を離す。ラストの腕が離れると炎龍の熱線は途切れて改めてレナ達と向かい合う。
「オアアアアアアッ!!」
「ちょっ……流石にこれは規格外過ぎますよ」
「……化物め」
ホネミンもレナも衛星を破壊されるとは夢にも思わず、衛星で待機していたはずのリーリスの身を案じる。しかし、炎龍の次の狙いはレナ達であり、再び攻撃を再開した。
「ガアアアッ!!」
「うわっ!?来ますよ!!」
「ウル、避けろ!!」
「ウォンッ!!」
レナは咄嗟にウルに限界強化の補助魔法を施し、彼の身体能力を高めた上で攻撃を回避させた。ウル以外の存在ならば炎龍の攻撃に反応しきれなかったが、地上の魔物の中でも最速に分類する白狼種だからこそ反応ができた。
ウルはレナ達を乗せた状態で全速力で駆け出すが、炎龍はそのウルに対して執拗に前脚で踏み潰そうとする。動作自体はそれほど早くはないが、体格差があまりにも違いがあり過ぎるためにウルが全速力で逃げてもすぐに追い詰められる。
「はわわっ!!このままだとマジでやばいですよ!!」
「こうなったらやるしかないか……作戦通りに行くぞ!!」
「分かりましたよもう!!合図したら目を閉じてください!!」
ホネミンは事前に用意していた道具を取り出し、炎龍が隙を生み出すのを待つ。レナも退魔刀を背中に戻して鏡刀を抜くと、炎龍が攻撃を仕掛ける際にホネミンに声をかける。
「今だ!!」
「はい!!」
「オアッ!?」
レナが合図を出すとホネミンは懐から手榴弾を想像させる道具を取り出し、こちらは作戦前にリーリスから受け取った代物である。ホネミンは手榴弾を投げつけるとレナは右手で鏡刀を構えた状態で左腕で目元を塞ぐ。
空中に投げつけられた手榴弾を見て炎龍は一瞬だけ動きを止めると、手榴弾は突如として閃光を放つ。リーリスが渡したのはただの手榴弾ではなく、閃光手榴弾だった。
「何だと!?」
「ッ――!?」
閃光に包まれた炎龍とラストは目元が眩み、事前に目を塞いでいたレナは鏡刀を構えてウルに突っ込ませる。
「今だ!!」
「ウォオンッ!!」
「ちぃっ……尻尾で薙ぎ払えっ!!」
「オアッ!?」
声が聞こえたラストは視界が完全に回復しない中でも炎龍に命令を与え、炎龍は咄嗟に尻尾を振り払う。それに対してレナは鏡刀を握りしめながらウルに声をかけた。
「ここだっ!!飛べっ!!」
「ウォンッ!!」
主人の命令通りにウルは跳躍を行い、炎龍の振り払った尻尾を避ける事に成功した。この時にレナはウルの背中から飛び降りると、炎龍の顔面に目掛けて突っ込む。風の精霊を呼び集めてマリア程ではないが飛翔術で移動し、鏡刀を構えた。
飛翔術で加速しながらレナは狙うのは炎龍の片目であり、まだ視界が回復しきっていない今が好機だった。鏡刀を振りかざしながらレナは狙いを定め、風の精霊の力も借りて投擲を行う。
「喰らえっ!!」
「ギャアアアアアッ!?」
「何だと!?」
視界が回復しきっていない内に炎龍に鏡刀を投げつけ、片目に鏡刀が突き刺さった炎龍は悲鳴を上げる。片目を完全に貫かれた炎龍は悲鳴を上げてラストの支配から一瞬だけ逃れ、その隙を逃さずにレナは背中に着地した。
「ラスト!!」
「くそっ!?」
ラストはレナの声を聞いて咄嗟に炎の剣を両手に作り出すが、レナの目的は彼ではなかった。ここでラストを倒す事もできるかもしれないが、相手は七魔将の最強の将であるためにどんな奥の手を持っているかは分からず、だからこそ当初の作戦通りにレナは水晶札を取り出す。
――作戦開始前、水晶札を受け取ったレナはマリアに相談を行う。それは水晶札で転移させられる物体の限界を彼女に訪ねた。
「叔母様、この水晶札はどれくらいの大きさの物まで運べるの?」
「どれくらい?どういう意味かしら?」
「例えば家とかは転移できるの?」
「それは……無理ね。無機物の場合はせいぜいが自分の身に付けている物しか転移はできないわ」
「それなら無機物じゃなければ転移できるの?」
「理論上は可能なはずだけど……何をするつもり?」
「……炎龍を転移させて別の場所で迎え撃つ事はできないかな?」
レナの提案に誰もが驚き、転移魔法を封じたマリアでさえも彼の作戦が上手くいくかは分からなかった。だが、ただ一人だけレナの作戦が可能かどうかを判断できる存在がいた。
『可能ですよ。炎龍の傍で水晶札を発動すれば炎龍も一緒に転移ができるはずです』
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