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真・最終章 七魔将編
空からの援護
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「オアアッ……!?」
「はわっ!?」
「まずい、離れろウル!!」
「ウォンッ!!」
「「ぷるるんっ!?」」
背中の一部が氷漬けになった事で空を飛んでいた炎龍は体勢を崩してしまい、地上へ向けて落下するのを見てレナはウルに指示を出す。急いでウルはその場を離れると、炎龍は地面へと墜落した。
地面に落ちた炎龍の背中からホネミンは転げ落ちると、彼女は急いでレナ達の元へ駆け出す。この時にレナはラストを探すと、彼は炎龍の背中の上で氷漬けになっていた。だが、徐々に氷が溶け始めていく。
「ふんっ!!」
「うわっ!?復活しましたよ!!」
「やっぱりあの程度じゃ駄目か……」
火の聖痕の力を利用してラストは氷を溶かし切ると、炎龍の背中にも炎を走らせて氷を解かす。改めてレナ達は炎龍に乗り込んだラストと向き合うが、ここでホネミンは装着していたヘッドフォンから連絡が届いた。
『あ、あ~……本日は晴天なり、聞こえますか?』
「はっ!?この声はリーリスさん!?」
『ちゃんと聞こえるようですね。こちらの準備が整いましたのでいつでも合図を出してください』
「分かりました。レナさん、これを付けてください」
「うわ、こんな時になんだよ……」
ホネミンはリーリスの言葉を聞くとレナの片耳にヘッドフォンを装着し、いきなり連絡機器を渡されたレナは戸惑う。その一方でラストの方は二人が身に付けているヘッドフォンを見て訝し気な表情を浮かべた。
「それは魔道具か?いや、そういえば勇者の中にそんな物を身に付けているような人間がいたはず……何のつもりかは知らないが覚悟はいいな?」
「そっちの方こそ覚悟して下さい!!レナさん、合図を!!」
「合図って……まさか、本当にあれをやる気か!?」
レナは上空を見上げると昼間だというのに星のように光り輝く物が見えた。先ほどレナ達を救出したリーリスが遥か上空に浮かんでおり、彼女は炎龍を倒すためにある物を用意していた。もしも彼女の用意した物が炎龍に当てられる事ができれば聖剣を使用せずとも倒せる可能性は十分にある。
――リーリスは宇宙空間に存在する衛星を移動させ、炎龍が存在する地域に落下するように準備を進めていた。衛星を地上へ向けて降下させる事で隕石のように炎龍に衝突させれば確実に大きな損傷を与えられる。いかに炎龍が地上最強の生物と言えども宇宙空間から落下する衛星に衝突すれば無事なはずがない。
但し、この作戦を実行する場合は衛星が衝突させる地域に大きな被害が生まれる。だが、幸運な事に炎龍が存在する地域には生物は全て逃げ出してしまい、レナ達の場合は水晶札を使用すれば転移で逃げる事ができる。しかし、確実に衛星を当てる事ができなければならず、攻撃の合図は見定めなければならない。
(衛星をぶち当てる事ができればいくら炎龍でも勝てるはずだ。だけど、失敗すれば……考えたくもないな)
転移が行えるのは一回きりであるため、もしも失敗すればレナ達はこの地に戻るのに相当な時間が掛かる。その間に炎龍が大人しくする保証はなく、もしかしたら王都や冒険都市に攻撃を仕掛ける可能性もあった。
何としても攻撃を外すわけにはいかず、レナは退魔刀を構えて炎龍の動きを止める方法を考えた。ダインがこの場に存在すれば彼の影魔法で炎龍を拘束する事もできたかもしれないが、生憎と火属性の魔力を宿す炎龍とは相性が悪い。影を作り出しても炎龍が生み出す炎で影が消失するのは目に見えていた。
(こいつの動きを止めるとしたら……電撃しかない)
氷漬けにしようとしてもあっさりと抜け出されたため、残された手段は電撃を相手に浴びせて麻痺させるしかない。他に良案は思いつかず、レナは退魔刀を錬金術師の能力で聖剣カラドボルグに変化させようとした。
(俺が作り出す聖剣は本物と同じ能力だけど、俺自身が聖剣を使いこなせるわけじゃないから本当の力を使えない。こんな事ならハルナを連れて来ればよかったな)
作戦のために仕方ないとはいえ、レナはこの場にハルナがいない事に残念に思う。彼女がいない以上は自分が代わりにやるしかないとレナは退魔刀を構えようとした時、炎龍に乗り込んでいたラストは上空を見上げた。
「嫌な気配を感じる……上に何かいるな」
「なっ!?」
「えっ!?」
歴戦の強者の勘なのか、ラストは上空を見上げると彼は昼間なのに輝いている星のような物を感じ取った。それを確認したラストは嫌な予感を感じ取り、炎龍に命令を下す。
「炎龍!!焼き払えっ!!」
「アガァアアアッ!!」
命令を下された炎龍は上空に目掛けて口元を開くと、それを見たレナは咄嗟に泊めようとした。しかし、炎龍は全身から熱気を発生させて近寄る事ができず、口内に膨大な火属性の魔力を蓄積させていく。
この時にラストは炎龍の背中にしがみつき、火の聖痕を発動させた状態で炎龍の身体に触れた。すると炎龍の背中に同じく火の聖痕の紋様が浮き上がり、あろう事かラストは炎龍に一時的に火の聖痕の力を宿す。聖痕は魔力を増幅させる機能を持つため、元から膨大な火属性の魔力を有する炎龍の力がさらに極限に高めて攻撃させた。
「はわっ!?」
「まずい、離れろウル!!」
「ウォンッ!!」
「「ぷるるんっ!?」」
背中の一部が氷漬けになった事で空を飛んでいた炎龍は体勢を崩してしまい、地上へ向けて落下するのを見てレナはウルに指示を出す。急いでウルはその場を離れると、炎龍は地面へと墜落した。
地面に落ちた炎龍の背中からホネミンは転げ落ちると、彼女は急いでレナ達の元へ駆け出す。この時にレナはラストを探すと、彼は炎龍の背中の上で氷漬けになっていた。だが、徐々に氷が溶け始めていく。
「ふんっ!!」
「うわっ!?復活しましたよ!!」
「やっぱりあの程度じゃ駄目か……」
火の聖痕の力を利用してラストは氷を溶かし切ると、炎龍の背中にも炎を走らせて氷を解かす。改めてレナ達は炎龍に乗り込んだラストと向き合うが、ここでホネミンは装着していたヘッドフォンから連絡が届いた。
『あ、あ~……本日は晴天なり、聞こえますか?』
「はっ!?この声はリーリスさん!?」
『ちゃんと聞こえるようですね。こちらの準備が整いましたのでいつでも合図を出してください』
「分かりました。レナさん、これを付けてください」
「うわ、こんな時になんだよ……」
ホネミンはリーリスの言葉を聞くとレナの片耳にヘッドフォンを装着し、いきなり連絡機器を渡されたレナは戸惑う。その一方でラストの方は二人が身に付けているヘッドフォンを見て訝し気な表情を浮かべた。
「それは魔道具か?いや、そういえば勇者の中にそんな物を身に付けているような人間がいたはず……何のつもりかは知らないが覚悟はいいな?」
「そっちの方こそ覚悟して下さい!!レナさん、合図を!!」
「合図って……まさか、本当にあれをやる気か!?」
レナは上空を見上げると昼間だというのに星のように光り輝く物が見えた。先ほどレナ達を救出したリーリスが遥か上空に浮かんでおり、彼女は炎龍を倒すためにある物を用意していた。もしも彼女の用意した物が炎龍に当てられる事ができれば聖剣を使用せずとも倒せる可能性は十分にある。
――リーリスは宇宙空間に存在する衛星を移動させ、炎龍が存在する地域に落下するように準備を進めていた。衛星を地上へ向けて降下させる事で隕石のように炎龍に衝突させれば確実に大きな損傷を与えられる。いかに炎龍が地上最強の生物と言えども宇宙空間から落下する衛星に衝突すれば無事なはずがない。
但し、この作戦を実行する場合は衛星が衝突させる地域に大きな被害が生まれる。だが、幸運な事に炎龍が存在する地域には生物は全て逃げ出してしまい、レナ達の場合は水晶札を使用すれば転移で逃げる事ができる。しかし、確実に衛星を当てる事ができなければならず、攻撃の合図は見定めなければならない。
(衛星をぶち当てる事ができればいくら炎龍でも勝てるはずだ。だけど、失敗すれば……考えたくもないな)
転移が行えるのは一回きりであるため、もしも失敗すればレナ達はこの地に戻るのに相当な時間が掛かる。その間に炎龍が大人しくする保証はなく、もしかしたら王都や冒険都市に攻撃を仕掛ける可能性もあった。
何としても攻撃を外すわけにはいかず、レナは退魔刀を構えて炎龍の動きを止める方法を考えた。ダインがこの場に存在すれば彼の影魔法で炎龍を拘束する事もできたかもしれないが、生憎と火属性の魔力を宿す炎龍とは相性が悪い。影を作り出しても炎龍が生み出す炎で影が消失するのは目に見えていた。
(こいつの動きを止めるとしたら……電撃しかない)
氷漬けにしようとしてもあっさりと抜け出されたため、残された手段は電撃を相手に浴びせて麻痺させるしかない。他に良案は思いつかず、レナは退魔刀を錬金術師の能力で聖剣カラドボルグに変化させようとした。
(俺が作り出す聖剣は本物と同じ能力だけど、俺自身が聖剣を使いこなせるわけじゃないから本当の力を使えない。こんな事ならハルナを連れて来ればよかったな)
作戦のために仕方ないとはいえ、レナはこの場にハルナがいない事に残念に思う。彼女がいない以上は自分が代わりにやるしかないとレナは退魔刀を構えようとした時、炎龍に乗り込んでいたラストは上空を見上げた。
「嫌な気配を感じる……上に何かいるな」
「なっ!?」
「えっ!?」
歴戦の強者の勘なのか、ラストは上空を見上げると彼は昼間なのに輝いている星のような物を感じ取った。それを確認したラストは嫌な予感を感じ取り、炎龍に命令を下す。
「炎龍!!焼き払えっ!!」
「アガァアアアッ!!」
命令を下された炎龍は上空に目掛けて口元を開くと、それを見たレナは咄嗟に泊めようとした。しかし、炎龍は全身から熱気を発生させて近寄る事ができず、口内に膨大な火属性の魔力を蓄積させていく。
この時にラストは炎龍の背中にしがみつき、火の聖痕を発動させた状態で炎龍の身体に触れた。すると炎龍の背中に同じく火の聖痕の紋様が浮き上がり、あろう事かラストは炎龍に一時的に火の聖痕の力を宿す。聖痕は魔力を増幅させる機能を持つため、元から膨大な火属性の魔力を有する炎龍の力がさらに極限に高めて攻撃させた。
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