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真・最終章 七魔将編
勝利の切札
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――炎龍との決戦までに準備しておかなければならない事は色々とあり、まずは全員の装備の確認だった。特に囮部隊であるレナの元にはかつて彼の退魔刀を叩き直してくれた鍛冶師ガジンが訪れた。
「久しぶりじゃな、坊主!!元気にしておったか!?」
「あ、どうもお久しぶりです。前の時は色々とお世話に……」
「そんな話はいい!!それよりも早く見せんか!!」
話を途中で切り上げてガジンはレナから退魔刀を取り上げ、机の上に乗せて隅から隅まで覗き込む。観察を終えると感心した風に頷く。
「ほう、前に会った時から随分と死線を越えてきたようじゃな」
「え、分かるんですか?」
「歴史上で名前を刻む剣の大半は数々の修羅場を潜り抜け、主人を守り切った剣じゃ。この武器は最早聖剣にも勝るとも劣らぬ一品へと成長を果たした。お主自身が成長するように剣も強くなるんじゃ」
「なるほど……」
ガジンのいう通りに退魔刀は激しい戦いを繰り広げる度に新しく改良を加えられ、まるでレナと同じように成長してきた。最初の頃とは比べ物にならない程に強くなったのはレナだけではなく、退魔刀も同じだった。
歴戦の強者と戦い続けた事で鍛え上げられたのはレナだけではなく、退魔刀も同様に成長してきた。その結果、退魔刀は歴史上の聖剣にも匹敵する名剣と化した。ガジンは退魔刀を手にして最後の改良を行う。
「この大剣は儂に語り掛けておる。お主の力を存分に扱うための力を欲しておるな……1日ほど時間をくれ、そうすれば究極の剣へと造り替える事ができる!!」
「究極の剣……」
「それともう一振りの刀も置いて行け。この剣ほどではないが、その剣もお主を支え続けてきたのだろう?」
「鏡刀?」
鏡刀も退魔刀と同じく長らくレナを助けてくれた名剣であり、二つの武器をガジンに託すとレナは仕事場から追い出された。二つの名剣を手にしたガジンは自分の生涯でも最大の仕事となる事を意識して熱心に鉄槌を叩き込む――
――その一方で他の者達も準備に取り掛かっていた。マリアは人数分の水晶札の用意を行い、それぞれの水晶札に転移魔法を封じ込める。一方で余った分の水晶札にはティナとコトミンが力を合わせて回復魔法を封じ込めていた。
「ティナ、頑張って。これも私達の旦那様のため」
「うん!!レナたんの……ううん、旦那様のために頑張る!!」
「御二人とも、あまり無理をされない方が……」
水晶札にティナは魔力を注ぎ込み、そんな彼女にコトミンは背中で支えてやる。水晶札は魔法だけではなく魔力を封じ込める事ができるため、ティナは水晶札に自分の聖属性の魔力を送り込む。これを解放すれば聖属性の魔力が使用者に流れ込んで大抵の怪我は治してくれる。
ティナだけが頑張っているように見えるがコトミンも彼女に魔力を送り込み、二人でレナのために特製の水晶札を用意しようとしていた。そんな彼女達をリンダは心配げに見つめるが、一方で他の者達もレナ達のためにできる限りの行動をしていた。
「連絡役なら俺も師匠も行くぜ、カゲマル。お前だってマリアの嬢ちゃんと行動を共にするんだろう?」
「無論だ。あの方の隣に立てるのは俺を置いて他にはいない
「…………」
剣聖であると同時にエルフであるシュンとハヤテは風の精霊を操れるため、連絡役を務める事ができた。二人は攻撃を行う部隊と行動を共にし、マリアからの連絡が届き次第に伝える役目を行う。当然ながらエリナとリンダもこれに含まれている。
「あたしは兄貴と一緒に戦いたいですけど、足手纏いになるのは目に見えてますから……」
「仕方がありません。相手は炎龍……生半可な力では相手になりません」
エリナはレナと行動を共にしたかったが、炎龍と戦うというのであれば彼女では力不足だった。それはリンダも同じであり、いくらアイラに匹敵する格闘家の彼女であっても炎龍が相手では対抗手段はない。
「皆さん、張り切ってますね。私達も頑張りましょう」
「リーリスさんはアンドロイドなんですから壊れても治ったりするんですか?」
「ええ、私の中にある核が無事なら巨塔の大迷宮に戻ればスペアボティで復活できます」
「便利な肉体ですね~」
「……僕がおかしいのかな、こいつらが何の話をしているのか分からない」
「安心しろ、俺も同じだ」
ホネミンとリーリスはいつも通りの態度で話し合いを行い、その様子をダインとゴンゾウは不思議に思う。一方でアンジュとサーシャは落ち込んでいるハルナに対して容赦なくけなす。
「同じ相手に二回も負けるなんて情けない奴だな!!」
「ぷっ……無様」
「…………」
「言い返す事もできないのか、この弱虫!!」
「そもそも牛人族の分際で旦那様に手を出そうとしたのが悪い」
「……だあっ!!うっせぇっ!!お前等、調子に乗りやがって!!」
ハルナは二人の言葉に我慢の限界を迎え、全身から電流を迸らせながら追い回す。方法はどうであれ、二人の言葉でハルナは元気を取り戻した。
「久しぶりじゃな、坊主!!元気にしておったか!?」
「あ、どうもお久しぶりです。前の時は色々とお世話に……」
「そんな話はいい!!それよりも早く見せんか!!」
話を途中で切り上げてガジンはレナから退魔刀を取り上げ、机の上に乗せて隅から隅まで覗き込む。観察を終えると感心した風に頷く。
「ほう、前に会った時から随分と死線を越えてきたようじゃな」
「え、分かるんですか?」
「歴史上で名前を刻む剣の大半は数々の修羅場を潜り抜け、主人を守り切った剣じゃ。この武器は最早聖剣にも勝るとも劣らぬ一品へと成長を果たした。お主自身が成長するように剣も強くなるんじゃ」
「なるほど……」
ガジンのいう通りに退魔刀は激しい戦いを繰り広げる度に新しく改良を加えられ、まるでレナと同じように成長してきた。最初の頃とは比べ物にならない程に強くなったのはレナだけではなく、退魔刀も同じだった。
歴戦の強者と戦い続けた事で鍛え上げられたのはレナだけではなく、退魔刀も同様に成長してきた。その結果、退魔刀は歴史上の聖剣にも匹敵する名剣と化した。ガジンは退魔刀を手にして最後の改良を行う。
「この大剣は儂に語り掛けておる。お主の力を存分に扱うための力を欲しておるな……1日ほど時間をくれ、そうすれば究極の剣へと造り替える事ができる!!」
「究極の剣……」
「それともう一振りの刀も置いて行け。この剣ほどではないが、その剣もお主を支え続けてきたのだろう?」
「鏡刀?」
鏡刀も退魔刀と同じく長らくレナを助けてくれた名剣であり、二つの武器をガジンに託すとレナは仕事場から追い出された。二つの名剣を手にしたガジンは自分の生涯でも最大の仕事となる事を意識して熱心に鉄槌を叩き込む――
――その一方で他の者達も準備に取り掛かっていた。マリアは人数分の水晶札の用意を行い、それぞれの水晶札に転移魔法を封じ込める。一方で余った分の水晶札にはティナとコトミンが力を合わせて回復魔法を封じ込めていた。
「ティナ、頑張って。これも私達の旦那様のため」
「うん!!レナたんの……ううん、旦那様のために頑張る!!」
「御二人とも、あまり無理をされない方が……」
水晶札にティナは魔力を注ぎ込み、そんな彼女にコトミンは背中で支えてやる。水晶札は魔法だけではなく魔力を封じ込める事ができるため、ティナは水晶札に自分の聖属性の魔力を送り込む。これを解放すれば聖属性の魔力が使用者に流れ込んで大抵の怪我は治してくれる。
ティナだけが頑張っているように見えるがコトミンも彼女に魔力を送り込み、二人でレナのために特製の水晶札を用意しようとしていた。そんな彼女達をリンダは心配げに見つめるが、一方で他の者達もレナ達のためにできる限りの行動をしていた。
「連絡役なら俺も師匠も行くぜ、カゲマル。お前だってマリアの嬢ちゃんと行動を共にするんだろう?」
「無論だ。あの方の隣に立てるのは俺を置いて他にはいない
「…………」
剣聖であると同時にエルフであるシュンとハヤテは風の精霊を操れるため、連絡役を務める事ができた。二人は攻撃を行う部隊と行動を共にし、マリアからの連絡が届き次第に伝える役目を行う。当然ながらエリナとリンダもこれに含まれている。
「あたしは兄貴と一緒に戦いたいですけど、足手纏いになるのは目に見えてますから……」
「仕方がありません。相手は炎龍……生半可な力では相手になりません」
エリナはレナと行動を共にしたかったが、炎龍と戦うというのであれば彼女では力不足だった。それはリンダも同じであり、いくらアイラに匹敵する格闘家の彼女であっても炎龍が相手では対抗手段はない。
「皆さん、張り切ってますね。私達も頑張りましょう」
「リーリスさんはアンドロイドなんですから壊れても治ったりするんですか?」
「ええ、私の中にある核が無事なら巨塔の大迷宮に戻ればスペアボティで復活できます」
「便利な肉体ですね~」
「……僕がおかしいのかな、こいつらが何の話をしているのか分からない」
「安心しろ、俺も同じだ」
ホネミンとリーリスはいつも通りの態度で話し合いを行い、その様子をダインとゴンゾウは不思議に思う。一方でアンジュとサーシャは落ち込んでいるハルナに対して容赦なくけなす。
「同じ相手に二回も負けるなんて情けない奴だな!!」
「ぷっ……無様」
「…………」
「言い返す事もできないのか、この弱虫!!」
「そもそも牛人族の分際で旦那様に手を出そうとしたのが悪い」
「……だあっ!!うっせぇっ!!お前等、調子に乗りやがって!!」
ハルナは二人の言葉に我慢の限界を迎え、全身から電流を迸らせながら追い回す。方法はどうであれ、二人の言葉でハルナは元気を取り戻した。
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