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真・最終章 七魔将編
両国の力を合わせて
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「国王陛下!!どうやら都市にはマリア殿はいないようです!!」
「陛下が訪れたというのに出迎えもしないとは……」
「そんな事はどうでもよい。ツバサもここにいないという事は余程の事があったのだろう」
「ティナもいないのは少し心配ですわね……」
都市に残った人間から報告を受けたデブリは城壁にて待機させてもらい、火柱が上がった方向へ視線を向けていた。火柱は冒険都市からも確認できたが、今の所は何も起きていない。しかし、確実に遠方で良からぬ事が起きているのは確かだった。
デブリは何故か昔の事を思い出し、まだ自分が王子だった時代に世話になった人間達を思い出す。当時は勇者をも上回る力を誇る頼れる友人がいたが、もうその友人はこの世にはいない。寿命を迎える前に本来の世界へと戻ってしまった。
「ふうっ……流石にこの年齢で長旅は応えるのう」
「父上、宿を用意してありますのでそこでお休みになった方が……」
「いや、大丈夫じゃ……この景色を眺めておきたい」
デブリの言葉にアルンとノルは不思議そうな表情を浮かべるが、デブリにとってはこの都市も色々と思い出深い場所だった。冒険都市は元々は帝国時代の帝都であり、一時期は彼もここで暮らしていた事がある。エルフ王国がとある勢力の策略で滅ぼされた後、彼と当時のエルフ王国の王族と民は一時的にここで世話になった。
今では悪名高いバルトロス帝国ではあるが、大昔では世界のどの国よりも平和で裕福な国だった。しかし、デブリの友人がいなくなってから帝国は変わり始め、やがて帝族の一人が抜け出して新しい国を築き上げて帝国を滅ぼす。
帝国が滅びた事に関してはデブリも無関係ではなく、帝国の暴挙を止めるために彼も王国に手を貸していた。当時の六聖将を引き連れて帝国との決戦にも参加しており、デブリはバルトロス王国を築き上げた人物の一人とも言える。どうして彼が他国の人間のためにここまでするのかというと、それはとある友人の恩義に報いるためである。
(師匠、貴方が生きていれば……)
まだ王子だった頃、デブリには地球という世界から訪れた人間の友人が存在した。彼にとっては友人というよりも人生の師に等しい存在であり、彼が生きている時代は色々と大変な事は起きていたがそれでも楽しかった。王子の身分に甘えて碌な鍛錬や勉強も行わずに腐りかけていた自分を救った事にデブリは深く感謝し、彼は数百年の時を経ても自分を救い出した恩人を忘れない。
恩人が守った国だからこそデブリはバルトロス帝国やバルトロス王国には手を貸していた。しかし、これから起きる問題は王国だけではなく、世界を巻き込むとんでもない事件が起きようとしている事をデブリは長年の勘で気付く。
「皆の者、何時でも動けるように待機しておけ」
『はっ!!』
デブリの言葉に全員が従い、彼は空を見上げた。世界の異変に気付いているのは自分だけではなく、古き友人も気づいているはずだった。だからこそ彼はここにいれば必ず彼女も訪れると信じていた待つ事にした――
――同時刻、バルトロス王国の王城でも大勢の家臣が玉座の間に押し寄せ、話し合いが行われていた。今回の一連の問題はナオはレナとマリアに全て任せていたが、彼女はもう自分だけが安全な場所で報告を待つ事に嫌気を差し、家臣の反対を押し切って自分も冒険都市へ向かう事を決意する。
「この王都の防衛はお前達に任せる。私は冒険都市へ向かうぞ!!」
「お待ちください、女王様!!それはなりません、貴方の身に何かあれば……」
「私がいなくとも妹達がここにいる。バルトロス王国の血筋は途絶える事はない……それに弟が危険な目に遭っているのに姉の私がこんな場所でじっとしていられるか!!」
ナオは義理の弟のレナに全てを任せて自分は王都で待機している事に納得ができず、王妃との決戦やヨツバ王国のカレハとの戦いの時もレナに任せてきた。しかし、今回ばかりはナオは嫌な予感が拭えず、ここで動かなければ彼女は後悔してしまう気がした。
仮に自分が亡くなろうと双子の妹達がいる限りはバルトロス王国の血筋は途絶えず、彼女達の傍にはアイラも居れば安心だった。ナオは武装を整えるとワルキューレ騎士団を率いて出発する。
「行くぞ、お前達!!」
『はっ!!』
「女王陛下!!お待ちを……」
「どうかお考え直し下さい!!」
騎士団を率いて出て行こうとするナオを家臣たちは慌てて止めようと立ち塞がるが、そんな彼等にナオは剣の柄に手を伸ばして怒鳴りつけた。
「退け!!お前達の出る幕ではない!!」
「ひっ!?」
「し、しかし……」
「……待ちなさい」
ナオの迫力に家臣たちは圧倒されるが、そんな彼女の気迫を上回る迫力を放つ人物が立ちふさがる。彼女の顔を見た瞬間にワルキューレ騎士団の女騎士達でさえも表情を引きつらせ、そしてナオも目の前に現れた人物を見て焦りを抱く。
「アイラ……様」
「ここから先は通すわけにはいかないわ。女王陛下」
ナオの前に立ち塞がったのはビキニアーマーを着込んだアイラが立ちはだかる。彼女の格好を見てナオは冷や汗を流し、一見はふざけた格好に見えるがアイラにとっては最高の装備を整えた状態である。
「陛下が訪れたというのに出迎えもしないとは……」
「そんな事はどうでもよい。ツバサもここにいないという事は余程の事があったのだろう」
「ティナもいないのは少し心配ですわね……」
都市に残った人間から報告を受けたデブリは城壁にて待機させてもらい、火柱が上がった方向へ視線を向けていた。火柱は冒険都市からも確認できたが、今の所は何も起きていない。しかし、確実に遠方で良からぬ事が起きているのは確かだった。
デブリは何故か昔の事を思い出し、まだ自分が王子だった時代に世話になった人間達を思い出す。当時は勇者をも上回る力を誇る頼れる友人がいたが、もうその友人はこの世にはいない。寿命を迎える前に本来の世界へと戻ってしまった。
「ふうっ……流石にこの年齢で長旅は応えるのう」
「父上、宿を用意してありますのでそこでお休みになった方が……」
「いや、大丈夫じゃ……この景色を眺めておきたい」
デブリの言葉にアルンとノルは不思議そうな表情を浮かべるが、デブリにとってはこの都市も色々と思い出深い場所だった。冒険都市は元々は帝国時代の帝都であり、一時期は彼もここで暮らしていた事がある。エルフ王国がとある勢力の策略で滅ぼされた後、彼と当時のエルフ王国の王族と民は一時的にここで世話になった。
今では悪名高いバルトロス帝国ではあるが、大昔では世界のどの国よりも平和で裕福な国だった。しかし、デブリの友人がいなくなってから帝国は変わり始め、やがて帝族の一人が抜け出して新しい国を築き上げて帝国を滅ぼす。
帝国が滅びた事に関してはデブリも無関係ではなく、帝国の暴挙を止めるために彼も王国に手を貸していた。当時の六聖将を引き連れて帝国との決戦にも参加しており、デブリはバルトロス王国を築き上げた人物の一人とも言える。どうして彼が他国の人間のためにここまでするのかというと、それはとある友人の恩義に報いるためである。
(師匠、貴方が生きていれば……)
まだ王子だった頃、デブリには地球という世界から訪れた人間の友人が存在した。彼にとっては友人というよりも人生の師に等しい存在であり、彼が生きている時代は色々と大変な事は起きていたがそれでも楽しかった。王子の身分に甘えて碌な鍛錬や勉強も行わずに腐りかけていた自分を救った事にデブリは深く感謝し、彼は数百年の時を経ても自分を救い出した恩人を忘れない。
恩人が守った国だからこそデブリはバルトロス帝国やバルトロス王国には手を貸していた。しかし、これから起きる問題は王国だけではなく、世界を巻き込むとんでもない事件が起きようとしている事をデブリは長年の勘で気付く。
「皆の者、何時でも動けるように待機しておけ」
『はっ!!』
デブリの言葉に全員が従い、彼は空を見上げた。世界の異変に気付いているのは自分だけではなく、古き友人も気づいているはずだった。だからこそ彼はここにいれば必ず彼女も訪れると信じていた待つ事にした――
――同時刻、バルトロス王国の王城でも大勢の家臣が玉座の間に押し寄せ、話し合いが行われていた。今回の一連の問題はナオはレナとマリアに全て任せていたが、彼女はもう自分だけが安全な場所で報告を待つ事に嫌気を差し、家臣の反対を押し切って自分も冒険都市へ向かう事を決意する。
「この王都の防衛はお前達に任せる。私は冒険都市へ向かうぞ!!」
「お待ちください、女王様!!それはなりません、貴方の身に何かあれば……」
「私がいなくとも妹達がここにいる。バルトロス王国の血筋は途絶える事はない……それに弟が危険な目に遭っているのに姉の私がこんな場所でじっとしていられるか!!」
ナオは義理の弟のレナに全てを任せて自分は王都で待機している事に納得ができず、王妃との決戦やヨツバ王国のカレハとの戦いの時もレナに任せてきた。しかし、今回ばかりはナオは嫌な予感が拭えず、ここで動かなければ彼女は後悔してしまう気がした。
仮に自分が亡くなろうと双子の妹達がいる限りはバルトロス王国の血筋は途絶えず、彼女達の傍にはアイラも居れば安心だった。ナオは武装を整えるとワルキューレ騎士団を率いて出発する。
「行くぞ、お前達!!」
『はっ!!』
「女王陛下!!お待ちを……」
「どうかお考え直し下さい!!」
騎士団を率いて出て行こうとするナオを家臣たちは慌てて止めようと立ち塞がるが、そんな彼等にナオは剣の柄に手を伸ばして怒鳴りつけた。
「退け!!お前達の出る幕ではない!!」
「ひっ!?」
「し、しかし……」
「……待ちなさい」
ナオの迫力に家臣たちは圧倒されるが、そんな彼女の気迫を上回る迫力を放つ人物が立ちふさがる。彼女の顔を見た瞬間にワルキューレ騎士団の女騎士達でさえも表情を引きつらせ、そしてナオも目の前に現れた人物を見て焦りを抱く。
「アイラ……様」
「ここから先は通すわけにはいかないわ。女王陛下」
ナオの前に立ち塞がったのはビキニアーマーを着込んだアイラが立ちはだかる。彼女の格好を見てナオは冷や汗を流し、一見はふざけた格好に見えるがアイラにとっては最高の装備を整えた状態である。
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