1,659 / 2,083
真・最終章 七魔将編
閑話 《ハルナの修行》
しおりを挟む
――聖痕の継承者の中でただ一人だけレナ達の元に離れたハルナは塔の大迷宮へと訪れていた。彼女が大迷宮に訪れた理由は強くなるためであり、次々と階層を突破していく。
「うおりゃあああっ!!」
『ゴァアアアアッ!?』
第五階層まで上り詰めたハルナはブロック・ゴーレムを相手に殴り飛ばし、ただの一撃で葬る。ゴーレム種は電撃に耐性があるが、現在の彼女は金色の雷を纏っていた。
「はあっ、はあっ……しつこいんだよ」
ハルナの足元には無数の煉瓦が転がっており、この階層に到着してから既に十数時間は経過していた。ハルナはゴーレムを相手に新しく身に付けた「雷の力」を自分の物にしていた。
聖剣カラドボルグが彼女の元に現れてからハルナは新しい力に芽生えた。しかし、あまりにも強大な力を持つが故にハルナでさえも制御ができず、そのために彼女は大迷宮に赴く。この場所は無尽蔵に魔物が現れるので練習相手には最適で敵には困らない。
「はあっ……腹減ったな」
ずっと戦い続けたせいで空腹を覚えたハルナは壁に背中を預けて一休みし、大喰らいの彼女だが今日は食べ物どころか水すらも口にしていない。レナ達が共に居る時は食事に不自由はなかったのだが、彼女は今はレナ達の元に戻る事はできない。
「あいつらの飯、美味かったな……いや、何を弱気な事を言ってるんだ」
頬を叩いてハルナは気を引き締め直し、とりあえずは迷宮から脱出する事に決めた。だが、移動の際中もレナ達の顔が思い浮かび、いつの間にかハルナは寂しさを覚えていた。
(あいつらといる時は楽しかったな……いや、だから何を女々しい事を考えてるんだ)
自分らしくない考えが浮かんだことにハルナは苛立ちを覚え、彼女は大迷宮の脱するために転移台を捜索しようと歩む。そんな時に唐突に大迷宮内に振動が走り、慌ててハルナは近くの壁を掴む。
「くそっ!?またか!!」
塔の大迷宮の第五階層の迷宮は時間経過によって迷宮の構造が変化し、そのために道を覚えていても無意味となる。ハルナは転移台を見つける前に迷宮が変化した事で悪態を吐くが、彼女が手を掻けていた壁が唐突に動き出す。
壁に引き寄せられる形でハルナは移動すると、彼女は途中で手を放して床に転がり込む。痛みを覚えながらもハルナは顔を見上げると、そこには何故か女性が立っていた。
「いてててっ……だ、誰だ!?」
「うわっ!?びっくりしましたね、こんな所に人がいるとは……ん?貴方、本当に人ですか?」
「はあっ!?な、何だお前!?」
ハルナの前に現れたのは少女のような外見をしているが、彼女は野生の本能で相手が人間ではないと見抜く。一方で少女の方もハルナの事を見ただけで人間ではないと悟った。
――ハルナの前に現れた少女の正体はアンドロイドのリーリスであり、本来ならば塔の大迷宮を任されている彼女が何故か最上階から降りて第五階層に姿を現わす。
※夜中に身内が酔っ払って呼び出してきたせいで体調を崩しました……なので今日はここまでです。
「うおりゃあああっ!!」
『ゴァアアアアッ!?』
第五階層まで上り詰めたハルナはブロック・ゴーレムを相手に殴り飛ばし、ただの一撃で葬る。ゴーレム種は電撃に耐性があるが、現在の彼女は金色の雷を纏っていた。
「はあっ、はあっ……しつこいんだよ」
ハルナの足元には無数の煉瓦が転がっており、この階層に到着してから既に十数時間は経過していた。ハルナはゴーレムを相手に新しく身に付けた「雷の力」を自分の物にしていた。
聖剣カラドボルグが彼女の元に現れてからハルナは新しい力に芽生えた。しかし、あまりにも強大な力を持つが故にハルナでさえも制御ができず、そのために彼女は大迷宮に赴く。この場所は無尽蔵に魔物が現れるので練習相手には最適で敵には困らない。
「はあっ……腹減ったな」
ずっと戦い続けたせいで空腹を覚えたハルナは壁に背中を預けて一休みし、大喰らいの彼女だが今日は食べ物どころか水すらも口にしていない。レナ達が共に居る時は食事に不自由はなかったのだが、彼女は今はレナ達の元に戻る事はできない。
「あいつらの飯、美味かったな……いや、何を弱気な事を言ってるんだ」
頬を叩いてハルナは気を引き締め直し、とりあえずは迷宮から脱出する事に決めた。だが、移動の際中もレナ達の顔が思い浮かび、いつの間にかハルナは寂しさを覚えていた。
(あいつらといる時は楽しかったな……いや、だから何を女々しい事を考えてるんだ)
自分らしくない考えが浮かんだことにハルナは苛立ちを覚え、彼女は大迷宮の脱するために転移台を捜索しようと歩む。そんな時に唐突に大迷宮内に振動が走り、慌ててハルナは近くの壁を掴む。
「くそっ!?またか!!」
塔の大迷宮の第五階層の迷宮は時間経過によって迷宮の構造が変化し、そのために道を覚えていても無意味となる。ハルナは転移台を見つける前に迷宮が変化した事で悪態を吐くが、彼女が手を掻けていた壁が唐突に動き出す。
壁に引き寄せられる形でハルナは移動すると、彼女は途中で手を放して床に転がり込む。痛みを覚えながらもハルナは顔を見上げると、そこには何故か女性が立っていた。
「いてててっ……だ、誰だ!?」
「うわっ!?びっくりしましたね、こんな所に人がいるとは……ん?貴方、本当に人ですか?」
「はあっ!?な、何だお前!?」
ハルナの前に現れたのは少女のような外見をしているが、彼女は野生の本能で相手が人間ではないと見抜く。一方で少女の方もハルナの事を見ただけで人間ではないと悟った。
――ハルナの前に現れた少女の正体はアンドロイドのリーリスであり、本来ならば塔の大迷宮を任されている彼女が何故か最上階から降りて第五階層に姿を現わす。
※夜中に身内が酔っ払って呼び出してきたせいで体調を崩しました……なので今日はここまでです。
0
お気に入りに追加
16,545
あなたにおすすめの小説
“金しか生めない”錬金術師は果たして凄いのだろうか
まにぃ
ファンタジー
錬金術師の名家の生まれにして、最も成功したであろう人。
しかし、彼は”金以外は生み出せない”と言う特異性を持っていた。
〔成功者〕なのか、〔失敗者〕なのか。
その周りで起こる出来事が、彼を変えて行く。
魔法使いじゃなくて魔弓使いです
カタナヅキ
ファンタジー
※派手な攻撃魔法で敵を倒すより、矢に魔力を付与して戦う方が燃費が良いです
魔物に両親を殺された少年は森に暮らすエルフに拾われ、彼女に弟子入りして弓の技術を教わった。それから時が経過して少年は付与魔法と呼ばれる古代魔術を覚えると、弓の技術と組み合わせて「魔弓術」という戦術を編み出す。それを知ったエルフは少年に出て行くように伝える。
「お前はもう一人で生きていける。森から出て旅に出ろ」
「ええっ!?」
いきなり森から追い出された少年は当てもない旅に出ることになり、彼は師から教わった弓の技術と自分で覚えた魔法の力を頼りに生きていく。そして彼は外の世界に出て普通の人間の魔法使いの殆どは攻撃魔法で敵を殲滅するのが主流だと知る。
「攻撃魔法は派手で格好いいとは思うけど……無駄に魔力を使いすぎてる気がするな」
攻撃魔法は凄まじい威力を誇る反面に術者に大きな負担を与えるため、それを知ったレノは攻撃魔法よりも矢に魔力を付与して攻撃を行う方が燃費も良くて効率的に倒せる気がした――
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。