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真・最終章 七魔将編

破壊剣聖VS旋斧の英雄

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『どりゃあああっ!!』
「ふんっ!!」


互いに全力で刃を振りかざし、お互いに一歩も引かずに打ち合う。二人の刃が衝突する度に地面に亀裂が走り、金属音が空間中に鳴り響く。もしも普通の人間がこの場に居たら大地震が起きているのかと誤解するぐらいの激しい振動が大地に伝わる。

ゴウライは歓喜していた。彼女と互角に渡り合える人間など滅多におらず、巨人族ですらもゴウライには及ばない。ここまで楽しめる相手とは滅多に巡り合えず、彼女は全力で打ち込む。


『ふはははっ!!楽しい、楽しいなぁっ!!』
「っ……!?」


徐々にゴウライの剣速が増していき、その事に気付いた青年は防御に専念するが、攻撃を受ける度に重さがどんどんと増していく。ゴウライの力が徐々にだが増していき、彼女は真の力を解放する。


『兜割りぃっ!!』
「流水……!?」


戦技を繰り出したゴウライに大して咄嗟に青年は先ほどのように攻撃を受け流そうとした。しかし、受ける寸前に危険を差して横に飛ぶと、彼の後方に存在した岩山にゴウライのデュランダルが叩き込まれる。その結果、デュランダルの一撃によって岩山に強烈な衝撃が走り、全体に亀裂が走る。


『ぬぅうんっ!!』


気合を込めた声と共にゴウライがデュランダルを引き抜くと、岩山が崩壊して大量の瓦礫が天から降り注ぐ。まるで隕石の如き巨岩が天から降ってきたのでゴウライも青年も咄嗟に武器で身を守った。

岩山が完全に崩壊すると穴の底が瓦礫によって埋もれ、日の光が当たる場所まで盛り上がる。そして瓦礫の中からゴウライと青年が抜け出すと、二人は瓦礫で形成された地面の上で向かい合う。


『行くぞぉおおっ!!』
「っ……!!」


ゴウライはデュランダルを振りかざしながら突っ込むと、それを見た青年は旋斧を振り回す。回転の戦技を発動させて刃を加速させ、威力を上昇させて攻撃を繰り出す。ジャンヌが得意とする戦法であり、それを見たゴウライは足を止めて向き合う。


『ほう、来るか!!ならば吾輩も奥の手を出そう!!』
「はぁあああっ!!」


高速回転しながら接近する青年に対してゴウライはデュランダルを振りかざすと、彼女は身体中の血管を浮き上がらせながら渾身の戦技を放つ。


『撃剣!!』
「っ――!?」


全身の筋肉を利用する事で繰り出す剣技をゴウライが発動した瞬間、青年の加速した旋斧の刃にデュランダルの刃が叩き込まれ、結果から言えば旋斧の刃が粉々に砕け散った。

刃が砕け散ると青年は驚愕の表情を浮かべ、その間にゴウライは目つきを輝かせながらデュランダルを手放し、彼の顔面に目掛けて拳を叩きつけた。



『ふんっ!!』
「あぐぅっ!?」


殴り飛ばされた青年は派手に吹き飛び、瓦礫の山に衝突して埋もれる。それを見届けたゴウライは鼻息を鳴らし、彼女はデュランダルを拾い上げて背中に戻す。軽く肩を振り回しながら青年に言い放つ。


『まさか吾輩にこの剣技を使わせるとはな……楽しめたぞ!!』


ここまで全力で戦う機会など闘技祭の決勝戦以来であり、彼女は満足そうに頷く。一方で瓦礫の山にめり込んだ青年はゴウライの言葉を聞くと、やがて瓦礫の山から抜け出す。


「損傷……甚大、システムエラー……機能停止します」
『ん?どうした?』
「…………」


青年は何事か呟くと完全に動かなくなってしまい、それを見たゴウライは心配そうに顔を覗き込むが、唐突に彼女の立っている場所の地面が盛り上がる。


『ぬあっ!?』


青年を倒したのが原因か、彼女の前に現れたのは黒門ではなく、全体が白で統一された門が出現した。それを見たゴウライは驚き、今まで通過した黒門とは異なる門が現れた事に彼女は不思議に思う――





――その一方でシズネは砂漠の空間を突破し、次の空間に辿り着いた。その場所には悔し気な表情を浮かべるホムラの姿があり、彼女は粉々に砕けた薙刀を握りしめていた。ホムラの傍にはオリハルコンのゴーレムが胸元の部分が溶解した状態で倒れており、胸の空洞には聖剣レーヴァティンが突き刺さっていた。


「……聖剣の力を引き出したようね」
「黙れ……くそっ!!」


ホムラは自分の力だけではオリハルコンのゴーレムを倒しきれず、彼女は聖剣を使用しなければ勝てなかったという事実に苛立ちを抱く。シズネも彼女の気持ちは分かり、聖剣に選ばれていようとシズネもホムラも自分が使い慣れた武器を愛用していた。

しかし、いくら強がっていても強大な相手と戦うには聖剣の力を使わなければならず、この訓練場を抜け出す時はシズネ達は炎龍という地上最大級の竜種と戦わなければならない。それを考えるといつまでも意地を張ってはいられず、この訓練場を利用して聖剣の力を完全に引き出せる程に強くならなければならない。


「……行くわよ、貴方もここの仕組みはもう理解しているんでしょう」
「うるさい!!私に指図するな!!」
「なら勝手に一人で不貞腐れていなさい」
「な、何だと!?」


シズネはホムラを置いて先に向かおうとすると、その言葉にホムラは激高して折れた刃の薙刀を構える。そんな彼女に対してシズネはため息を吐き出し、彼女は雪月花に手を伸ばす。
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