1,668 / 2,090
真・最終章 七魔将編
魔物狩りの正体
しおりを挟む
「――旋斧・大回転」
「ジュラァッ!?」
『なぬっ!?』
サンドワームの上空に現れたのは巨大な斧を掲げた子供であり、それを見たゴウライは驚きを隠せない。子供が手にした武器は斧と剣が合わさったような武器をしていた。その武器はゴウライも見覚えがあり、剣聖であるジャンヌが愛用する「旋斧」と瓜二つだった。
ジャンヌの旋斧と異なる点があるとすれば子供が手にした旋斧の方が一回り程大きく、その代わりに彼女と違って1本しか持ち合わせていない。しかし、子供は空中で高速回転しながらサンドワームの元に迫り、それを見たサンドワームは消化液を吐き出そうとしたがその前に旋斧の刃がサンドワームの頭に食い込む。
ッ――――!?
声にもならない悲鳴が岩山中に響き渡り、空中で回転しながら子供は旋斧を振り回し、サンドワームの肉体を切り裂いていく。ジャンヌの場合は空中では足場がないので回転する事はできないのだが、子供は空中にも関わらずに加速して旋斧を振り回す。
やがてサンドワームの長い胴体を全て切り裂くと、子供は地面に着地して旋斧を振り払う。サンドワームを切り裂く際にサンドワームの消化液と血液を浴びたはずだが子供の身体も旋斧も全く溶けておらず、せいぜい服が少し溶けた程度の損傷だった。
『おおっ!!これは凄まじいな……だが、そろそろ正体を教えてもらうぞ!!』
「…………」
ゴウライはサンドワームの攻撃が止んだ事でようやく落ち着く事ができるが、彼女は子供の元に近付こうとすると、相手は振り返って旋斧を構えた。これまではゴウライを見ても無視し続けたが、今回は武器を構えて警戒態勢に入った。
『む?どうした、吾輩は別に敵では……』
「該当記録なし、但し武装状態を確認。10秒以内に武装解除しなければ敵《エネミー》と判断します。即刻、武装解除してください」
『ん?何を言ってる?』
子供の言葉にゴウライは不思議に思い、ここで彼女は子供の服が破れて身体を見る事ができた。今までは中性的な顔立ちだったので分からなかったが、どうやら子供の正体は少年だと判明する(胸板で確認)。
『おお、お前は男の子だったのか。まあ、それよりも色々と聞きたいことが……』
「警告、これ以上に近付けば敵と判断します。速やかに接近を中止して武装解除して下さい」
『ん?さっきから何の話を……』
「警告無視……敵と判断します」
ゴウライは少年の言葉の意味が分からずに近付こうとした瞬間、相手の少年は掲げていた旋斧を構える。それを見たゴウライは咄嗟にデュランダルを抜くと、先ほどのように少年は旋斧を振り回しながら近付く。
「大回転」
『ぬおっ!?』
自分の身の丈を遥かに越える巨大な武器を少年は軽々と振り回し、ゴウライに目掛けて躊躇なく叩き込む。あまりの威力にゴウライの身体が後退り、威力だけならばジャンヌの最大加速した攻撃にも匹敵する一撃を受けてゴウライは焦りを抱く。
少年は攻撃を受け止められても動じず、即座に距離を置くと今度は空中に跳躍した。そしてどのような原理なのか空中で回転しながらゴウライの元に旋斧を振り落とす。
「回転斬り」
『ぬうっ!?』
上から繰り出された攻撃に対してゴウライはデュランダルで受け止めたが、先ほどよりも威力が増しており、彼女の足元に亀裂が走った。少年は二度も攻撃を受け止められても動じず、それどころかさらに上空に飛翔して回転速度を上昇させる。
「加速」
『ほうっ!!まだ早くなるのか!!』
ジャンヌよりも回転速度を上げる事ができるらしく、少年は空中で回転力を高めながらゴウライの元へ向かう。ゴウライは嬉しそうにデュランダルを構えると、自身も戦技を発動させて迎え撃つ。
「大回転斬り」
『旋風!!』
縦回転を加えて斬りかかる少年に対してゴウライは横薙ぎに大剣を振り払い、二人の刃が衝突すると金属音が鳴り響く。あまりの威力に二人の身体は吹き飛び、ゴウライは地面にデュランダルを突き刺して耐え凌ぐと、少年の方は岩壁を足場にして再びゴウライの元へ向かう。
ゴウライは迫りくる少年に対してデュランダルを構え、今度は自分から攻撃を仕掛けるために大振りの攻撃を行う。それを見た少年は旋斧を構え、正面から向かう。
『回転!!』
「流水」
少年に対抗してゴウライはデュランダルを一回転させて加速させた一撃を放つと、それに対して少年は旋斧の刃でゴウライの攻撃を上手く受け流し、何事もなく地面に着地した。防御専用の戦技の「受け流し」の上位互換である「流水」の戦技も習得している事にゴウライは驚くが、久々の強敵に彼女は高揚感を抱く。
『ふはははっ!!中々やるな!!』
「……情報収集完了、殲滅形態に移行」
『ん?何を言っている……ぬおおっ!?』
ゴウライの目の前で少年の身体が唐突に変化し、骨が軋む音が鳴り響き、やがて少年の身体が成長して青年のような風貌に変わり果てた。
「ジュラァッ!?」
『なぬっ!?』
サンドワームの上空に現れたのは巨大な斧を掲げた子供であり、それを見たゴウライは驚きを隠せない。子供が手にした武器は斧と剣が合わさったような武器をしていた。その武器はゴウライも見覚えがあり、剣聖であるジャンヌが愛用する「旋斧」と瓜二つだった。
ジャンヌの旋斧と異なる点があるとすれば子供が手にした旋斧の方が一回り程大きく、その代わりに彼女と違って1本しか持ち合わせていない。しかし、子供は空中で高速回転しながらサンドワームの元に迫り、それを見たサンドワームは消化液を吐き出そうとしたがその前に旋斧の刃がサンドワームの頭に食い込む。
ッ――――!?
声にもならない悲鳴が岩山中に響き渡り、空中で回転しながら子供は旋斧を振り回し、サンドワームの肉体を切り裂いていく。ジャンヌの場合は空中では足場がないので回転する事はできないのだが、子供は空中にも関わらずに加速して旋斧を振り回す。
やがてサンドワームの長い胴体を全て切り裂くと、子供は地面に着地して旋斧を振り払う。サンドワームを切り裂く際にサンドワームの消化液と血液を浴びたはずだが子供の身体も旋斧も全く溶けておらず、せいぜい服が少し溶けた程度の損傷だった。
『おおっ!!これは凄まじいな……だが、そろそろ正体を教えてもらうぞ!!』
「…………」
ゴウライはサンドワームの攻撃が止んだ事でようやく落ち着く事ができるが、彼女は子供の元に近付こうとすると、相手は振り返って旋斧を構えた。これまではゴウライを見ても無視し続けたが、今回は武器を構えて警戒態勢に入った。
『む?どうした、吾輩は別に敵では……』
「該当記録なし、但し武装状態を確認。10秒以内に武装解除しなければ敵《エネミー》と判断します。即刻、武装解除してください」
『ん?何を言ってる?』
子供の言葉にゴウライは不思議に思い、ここで彼女は子供の服が破れて身体を見る事ができた。今までは中性的な顔立ちだったので分からなかったが、どうやら子供の正体は少年だと判明する(胸板で確認)。
『おお、お前は男の子だったのか。まあ、それよりも色々と聞きたいことが……』
「警告、これ以上に近付けば敵と判断します。速やかに接近を中止して武装解除して下さい」
『ん?さっきから何の話を……』
「警告無視……敵と判断します」
ゴウライは少年の言葉の意味が分からずに近付こうとした瞬間、相手の少年は掲げていた旋斧を構える。それを見たゴウライは咄嗟にデュランダルを抜くと、先ほどのように少年は旋斧を振り回しながら近付く。
「大回転」
『ぬおっ!?』
自分の身の丈を遥かに越える巨大な武器を少年は軽々と振り回し、ゴウライに目掛けて躊躇なく叩き込む。あまりの威力にゴウライの身体が後退り、威力だけならばジャンヌの最大加速した攻撃にも匹敵する一撃を受けてゴウライは焦りを抱く。
少年は攻撃を受け止められても動じず、即座に距離を置くと今度は空中に跳躍した。そしてどのような原理なのか空中で回転しながらゴウライの元に旋斧を振り落とす。
「回転斬り」
『ぬうっ!?』
上から繰り出された攻撃に対してゴウライはデュランダルで受け止めたが、先ほどよりも威力が増しており、彼女の足元に亀裂が走った。少年は二度も攻撃を受け止められても動じず、それどころかさらに上空に飛翔して回転速度を上昇させる。
「加速」
『ほうっ!!まだ早くなるのか!!』
ジャンヌよりも回転速度を上げる事ができるらしく、少年は空中で回転力を高めながらゴウライの元へ向かう。ゴウライは嬉しそうにデュランダルを構えると、自身も戦技を発動させて迎え撃つ。
「大回転斬り」
『旋風!!』
縦回転を加えて斬りかかる少年に対してゴウライは横薙ぎに大剣を振り払い、二人の刃が衝突すると金属音が鳴り響く。あまりの威力に二人の身体は吹き飛び、ゴウライは地面にデュランダルを突き刺して耐え凌ぐと、少年の方は岩壁を足場にして再びゴウライの元へ向かう。
ゴウライは迫りくる少年に対してデュランダルを構え、今度は自分から攻撃を仕掛けるために大振りの攻撃を行う。それを見た少年は旋斧を構え、正面から向かう。
『回転!!』
「流水」
少年に対抗してゴウライはデュランダルを一回転させて加速させた一撃を放つと、それに対して少年は旋斧の刃でゴウライの攻撃を上手く受け流し、何事もなく地面に着地した。防御専用の戦技の「受け流し」の上位互換である「流水」の戦技も習得している事にゴウライは驚くが、久々の強敵に彼女は高揚感を抱く。
『ふはははっ!!中々やるな!!』
「……情報収集完了、殲滅形態に移行」
『ん?何を言っている……ぬおおっ!?』
ゴウライの目の前で少年の身体が唐突に変化し、骨が軋む音が鳴り響き、やがて少年の身体が成長して青年のような風貌に変わり果てた。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。