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真・最終章 七魔将編
一人ぼっち
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「敵を倒していないのに門が現れたんですか?ふむ、ちょっと気になりますね……ゴンゾウさんは最初はどんな場所に飛ばされたんですか?」
「俺は最初は岩山の上に転移した。見渡す限り荒野が広がっていたな」
「岩山の天辺に転移したんですか。なら何処で黒門を見つけたんですか?」
「どうやって降りようかと悩んでいる時に急に門が現れた。それを潜り抜けると何時の間にかこんな場所に立っていた」
「ならばその猩々は……」
「ああ、こいつは俺が門を潜り抜けた時に落ちてきたんだ。もう死んでいるようだったからここまで運んできたが……お前達が倒したのか」
ゴンゾウの話を聞いたカゲマルとホネミンは顔を合わせ、彼の話を聞く限りではゴンゾウは荒野で覆われた空間に転移した。しかし、何故か彼の場合は魔物を倒す前に二人が現在居る空間に転移する黒門を発見した事になる。
状況的に考えればゴンゾウ以外の人物が別空間で魔物を倒し、その後に彼が存在する空間に転移して魔物を倒した事でゴンゾウが立っていた岩山に黒門が現れた事になる。しかし、そんなにも急速に早く魔物を倒せる存在がいるのかとホネミンは疑問を抱く。
「レナさん達の誰かがめちゃくちゃ早く魔物を倒して転移を繰り返しているんですかね?」
「気になるなら調べればいいだろう。そいつが魔物を倒して黒門を潜り抜けてきたというのならば既にこの空間にも辿り着いているかもしれん。ならば次に転移する門を探しているはずだ」
「なるほど、つまりここに居ればそいつがやってくるわけか」
カゲマルの言葉にゴンゾウは頷き、もしも彼が存在した空間に何者かが転移して魔物を倒していた場合、その何者かはゴンゾウのように黒門を通過して3人がいる空間に辿り着いている可能性が高い。
何者が魔物を倒しているのかは不明だが、次の空間に繋がる黒門はホネミン達の前にあるため、この場所で待機していればいずれはその何者かと出会える。それまでの間はホネミン達はここで待機する事にした。
「誰が来ているのかは知りませんけど、とりあえずは待ってみましょう。私もさっきの戦闘で疲れましたし……」
「戦闘?まさかホネミンも戦ったのか?」
「ええ、そうですよ。その猩々も私一人で倒したようなもんですからね」
「何!?本当なのか?」
「…………」
ホネミンが自慢げに語るとゴンゾウは驚いた表情を浮かべ、カゲマルは渋い表情を浮かべた。実際に猩々との戦闘ではカゲマルは大きな役には立てず、結局はホネミンが一人で戦ったに等しい。しかし、言い訳するならばカゲマルは戦闘用の準備を整えておらず、万全な状態ならば猩々など倒せる自信はあった。
(少し勘が鈍っていたか……この機会に取り戻さねば)
忍者は基本的には隠密で情報収集に長けてはいるが、カゲマルはマリアの護衛である以上は最低限は戦えなければならない。仮にマリアがこの場に存在して猩々に襲われた際、カゲマルは彼女を守り切れずに敗れていたかもしれない。
(一からやり直しだな)
カゲマルは戦闘の勘を取り戻す事と仲間に失態を見せた事を恥じ、彼は立ち上がると他の二人にここで待つように促す。
「周囲の様子を見てくる。お前達はここにいろ」
「どうしたんですか急に……もしかしてさっきの事を気にしてます?別に気にしなくていいですよ、どうせここに待っていたらゴンゾウさんの代わりに魔物を倒した人は来るんですから……」
「道に迷う可能性もあるだろう。ここは視界が悪く、道標もなければすぐに迷ってしまう」
「なるほど、言われてみればそうだな」
カゲマルの指摘にゴンゾウも頷き、現在3人が存在するのは密林だった。そのため、もしも何者かが入り込んだとしても道に迷って次の空間に繋がる黒門が見つからない可能性もある。仮に魔物を倒しても次の黒門の居場所が分からなければ先に進めずに迷ってしまう可能性も高い。
その場に二人を残してカゲマルは何者かの捜索を行う。ここへ来た以上は仲間である事は確定しているが、それでも用心のためにカゲマルは正体を確かめる必要があった――
――同時刻、カゲマルと同様にこっそりと同行していたハンゾウは暗闇に覆われた空間に存在した。彼女は洞窟のような場所に転移し、ずっと一人で探索を行っていた。暗視の技能を使用して彼女は洞窟内を進むが、未だに仲間どころか魔物の一匹すら見つかっていない。
「うう、ここは何処でござるか……心細くなってきたでござる」
洞窟内を延々と歩いても出入口は見当たらず、それどころか行き止まりにすら辿り着かない。忍者として訓練を受けているハンゾウだからこそ耐え切れたが、もしも常人がいきなり暗闇空間に放り込まれて長時間放置されれば混乱《パニック》を引き起こす。
洞窟内には生き物の気配はなく、虫一匹すら存在しない。カゲマルは洞窟の中を歩きながら出入口や他の仲間を探すが、やがて彼女は洞窟の奥で信じがたい光景を目にした。
「俺は最初は岩山の上に転移した。見渡す限り荒野が広がっていたな」
「岩山の天辺に転移したんですか。なら何処で黒門を見つけたんですか?」
「どうやって降りようかと悩んでいる時に急に門が現れた。それを潜り抜けると何時の間にかこんな場所に立っていた」
「ならばその猩々は……」
「ああ、こいつは俺が門を潜り抜けた時に落ちてきたんだ。もう死んでいるようだったからここまで運んできたが……お前達が倒したのか」
ゴンゾウの話を聞いたカゲマルとホネミンは顔を合わせ、彼の話を聞く限りではゴンゾウは荒野で覆われた空間に転移した。しかし、何故か彼の場合は魔物を倒す前に二人が現在居る空間に転移する黒門を発見した事になる。
状況的に考えればゴンゾウ以外の人物が別空間で魔物を倒し、その後に彼が存在する空間に転移して魔物を倒した事でゴンゾウが立っていた岩山に黒門が現れた事になる。しかし、そんなにも急速に早く魔物を倒せる存在がいるのかとホネミンは疑問を抱く。
「レナさん達の誰かがめちゃくちゃ早く魔物を倒して転移を繰り返しているんですかね?」
「気になるなら調べればいいだろう。そいつが魔物を倒して黒門を潜り抜けてきたというのならば既にこの空間にも辿り着いているかもしれん。ならば次に転移する門を探しているはずだ」
「なるほど、つまりここに居ればそいつがやってくるわけか」
カゲマルの言葉にゴンゾウは頷き、もしも彼が存在した空間に何者かが転移して魔物を倒していた場合、その何者かはゴンゾウのように黒門を通過して3人がいる空間に辿り着いている可能性が高い。
何者が魔物を倒しているのかは不明だが、次の空間に繋がる黒門はホネミン達の前にあるため、この場所で待機していればいずれはその何者かと出会える。それまでの間はホネミン達はここで待機する事にした。
「誰が来ているのかは知りませんけど、とりあえずは待ってみましょう。私もさっきの戦闘で疲れましたし……」
「戦闘?まさかホネミンも戦ったのか?」
「ええ、そうですよ。その猩々も私一人で倒したようなもんですからね」
「何!?本当なのか?」
「…………」
ホネミンが自慢げに語るとゴンゾウは驚いた表情を浮かべ、カゲマルは渋い表情を浮かべた。実際に猩々との戦闘ではカゲマルは大きな役には立てず、結局はホネミンが一人で戦ったに等しい。しかし、言い訳するならばカゲマルは戦闘用の準備を整えておらず、万全な状態ならば猩々など倒せる自信はあった。
(少し勘が鈍っていたか……この機会に取り戻さねば)
忍者は基本的には隠密で情報収集に長けてはいるが、カゲマルはマリアの護衛である以上は最低限は戦えなければならない。仮にマリアがこの場に存在して猩々に襲われた際、カゲマルは彼女を守り切れずに敗れていたかもしれない。
(一からやり直しだな)
カゲマルは戦闘の勘を取り戻す事と仲間に失態を見せた事を恥じ、彼は立ち上がると他の二人にここで待つように促す。
「周囲の様子を見てくる。お前達はここにいろ」
「どうしたんですか急に……もしかしてさっきの事を気にしてます?別に気にしなくていいですよ、どうせここに待っていたらゴンゾウさんの代わりに魔物を倒した人は来るんですから……」
「道に迷う可能性もあるだろう。ここは視界が悪く、道標もなければすぐに迷ってしまう」
「なるほど、言われてみればそうだな」
カゲマルの指摘にゴンゾウも頷き、現在3人が存在するのは密林だった。そのため、もしも何者かが入り込んだとしても道に迷って次の空間に繋がる黒門が見つからない可能性もある。仮に魔物を倒しても次の黒門の居場所が分からなければ先に進めずに迷ってしまう可能性も高い。
その場に二人を残してカゲマルは何者かの捜索を行う。ここへ来た以上は仲間である事は確定しているが、それでも用心のためにカゲマルは正体を確かめる必要があった――
――同時刻、カゲマルと同様にこっそりと同行していたハンゾウは暗闇に覆われた空間に存在した。彼女は洞窟のような場所に転移し、ずっと一人で探索を行っていた。暗視の技能を使用して彼女は洞窟内を進むが、未だに仲間どころか魔物の一匹すら見つかっていない。
「うう、ここは何処でござるか……心細くなってきたでござる」
洞窟内を延々と歩いても出入口は見当たらず、それどころか行き止まりにすら辿り着かない。忍者として訓練を受けているハンゾウだからこそ耐え切れたが、もしも常人がいきなり暗闇空間に放り込まれて長時間放置されれば混乱《パニック》を引き起こす。
洞窟内には生き物の気配はなく、虫一匹すら存在しない。カゲマルは洞窟の中を歩きながら出入口や他の仲間を探すが、やがて彼女は洞窟の奥で信じがたい光景を目にした。
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