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真・最終章 七魔将編
その頃、他の仲間は……
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――レナがコトミン達とも合流を果たした頃、他の者たちもそれぞれが別空間にて魔物と対峙していた。その中には単独で転移した人間も存在し、苦戦を強いられていた。
「はあっ、はあっ……厄介な相手ね」
『ゴォオオオッ!!』
シズネは周囲一帯が砂漠が広がる空間に送り込まれ、彼女はサンドゴーレムの大群に囲まれていた。本来であればシズネにとっては相性が悪くない相手なのだが、彼女は全身から滝のような汗を流す。
人魚族の血を継ぐシズネは昔から暑い場所を苦手としており、塔の大迷宮に挑んだ時も彼女は熱気のあまりに死にかけた。水分を補給しないといけないのは理解しているが、生憎と彼女は荷物の類をレナに預けて持ち歩いていなかった。
(レナの空間魔法に荷物を預けっぱなしだったのが仇になったわね……)
遠出の際はシズネや他の仲間達は余分な荷物はレナに預ける事が多い。レナの空間魔法はどんな物でも取り込めて自由に取り出せるため、旅の際には荷物を彼に預ける事が多い。そのせいでシズネは水筒さえ持ち合わせておらず、早々にこの空間を脱する必要があった。
(こいつら、どれだけいるのよ……切りがないわね)
先ほどからシズネはサンドゴーレムの大群と対峙し、既に何体かは倒していた。しかし、いくら倒しても新手のサンドゴーレムが出現するせいで疲労が蓄積され、もう殆ど体力も残っていない。
(レナ達が来るまで耐え切れるかしら……いいえ、何を弱気になっているの。こんな所で死ぬようなら父様や母様に合わせる顔がないわ)
亡き両親の事を思い出したシズネは気を引き締め直し、必ずレナ達が助けに来てくれると信じて戦う事にした。そんな彼女に対してサンドゴーレムの大群は一斉に襲い掛かる。
『ゴァアアアアッ!!』
「くっ……」
迫りくる敵に対してシズネは雪月花の能力を限界まで解放しようとした時、彼女の身体に異変が起きた――
――同時刻、様々な色合いの美しい水晶で構成された空間にマリアは存在した。水晶は至る場所に地面に突き刺さっており、空中にも無数の水晶が浮かんでいた。彼女は地面に突き刺さっている巨大な水晶に掌を触れると、地面を見て勘づく。
「これは……」
「マリア様!!やはり近くには他の方々はいないようです!!」
マリアが水晶に触れて何かを感じ取った時、上空からツバサが舞い降りてきた。彼女はクサナギの力を利用して空を飛ぶ事もできるため、マリアはツバサにクサナギを返却して偵察に向かわせていた。
この場所に転移してからそれなりの時間は経過しているが、未だに二人は魔物に襲われてはいなかった。その代わりに他の空間への脱出口も見当たらず、仲間達とも合流できずに待機していた。
「皆様、無事だと良いのですが……」
「安心しなさい、集まった人間はこの大陸でも指折りの猛者ばかりよ。それよりも今は自分達の心配をした方がいいわね」
「はっ」
ツバサはマリアの言葉に頷き、彼女はもう一度偵察に向かおうとしたが不意に彼女が降りた時に近くに存在する水晶が光ったのをマリアは見逃さなかった。マリアはツバサの近くに存在する水晶に近付き、試しに杖を構えて魔法を唱える。
「ツバサ、離れていなさい」
「マリア様?」
「スラッシュ」
マリアは杖を構えると砲撃魔法を発動させ、杖の先端から三日月状の風の刃が放たれた。マリアの生み出す風の刃ならば鋼鉄程度の硬度の物体ならば容易く切り裂くが、水晶に触れた瞬間に風の刃は吸い込まれるように消えていく。
「えっ!?こ、これは……」
「なるほど……緑の水晶は風の魔力を吸収するようね」
「吸収?それはいったいどういう意味ですか?」
魔法を吸収した水晶を見てもマリアは特に驚かず、そんな彼女の反応からツバサは彼女にどういう意味なのかを尋ねると、既にマリアは他の水晶にも同じように魔法を試している事を話す。
「ここにある水晶は七色、そして赤の場合は火属性、水色の場合は水属性といった感じに魔法を吸収するのよ」
「魔法を吸収……という事はここに存在する水晶は魔石や魔水晶の一種なのですか?」
「吸魔石と呼ばれる魔力を吸収する魔石は確かにあるのだけど……どうも引っかかるわね」
自分の魔法を吸収した緑色の水晶にマリアは視線を向け、彼女は試しに水晶に触れても反応はない。先ほど魔力を吸収したのは間違いないが、今現在は水晶からは魔力を感じられない。
先ほど水晶はマリアの放った魔法を間違いなく吸収したが、それにも関わらずに現在の水晶からは魔力は一切感じられない。魔石や魔水晶の一種ならば魔力が全く感じられない事は有り得ず、マリアは地面に埋まった水晶を見て下に視線を向ける。
(水晶が私の魔法を吸収したのならば取り込んだ魔力は何処に行ったのか……答えは下ね)
マリアは魔力感知を発動させ、水晶が埋まっている地面を見下ろす。彼女は地中に先ほど自分が放った魔法の魔力を感じ取り、面白そうな表情を浮かべてツバサに告げた。
「はあっ、はあっ……厄介な相手ね」
『ゴォオオオッ!!』
シズネは周囲一帯が砂漠が広がる空間に送り込まれ、彼女はサンドゴーレムの大群に囲まれていた。本来であればシズネにとっては相性が悪くない相手なのだが、彼女は全身から滝のような汗を流す。
人魚族の血を継ぐシズネは昔から暑い場所を苦手としており、塔の大迷宮に挑んだ時も彼女は熱気のあまりに死にかけた。水分を補給しないといけないのは理解しているが、生憎と彼女は荷物の類をレナに預けて持ち歩いていなかった。
(レナの空間魔法に荷物を預けっぱなしだったのが仇になったわね……)
遠出の際はシズネや他の仲間達は余分な荷物はレナに預ける事が多い。レナの空間魔法はどんな物でも取り込めて自由に取り出せるため、旅の際には荷物を彼に預ける事が多い。そのせいでシズネは水筒さえ持ち合わせておらず、早々にこの空間を脱する必要があった。
(こいつら、どれだけいるのよ……切りがないわね)
先ほどからシズネはサンドゴーレムの大群と対峙し、既に何体かは倒していた。しかし、いくら倒しても新手のサンドゴーレムが出現するせいで疲労が蓄積され、もう殆ど体力も残っていない。
(レナ達が来るまで耐え切れるかしら……いいえ、何を弱気になっているの。こんな所で死ぬようなら父様や母様に合わせる顔がないわ)
亡き両親の事を思い出したシズネは気を引き締め直し、必ずレナ達が助けに来てくれると信じて戦う事にした。そんな彼女に対してサンドゴーレムの大群は一斉に襲い掛かる。
『ゴァアアアアッ!!』
「くっ……」
迫りくる敵に対してシズネは雪月花の能力を限界まで解放しようとした時、彼女の身体に異変が起きた――
――同時刻、様々な色合いの美しい水晶で構成された空間にマリアは存在した。水晶は至る場所に地面に突き刺さっており、空中にも無数の水晶が浮かんでいた。彼女は地面に突き刺さっている巨大な水晶に掌を触れると、地面を見て勘づく。
「これは……」
「マリア様!!やはり近くには他の方々はいないようです!!」
マリアが水晶に触れて何かを感じ取った時、上空からツバサが舞い降りてきた。彼女はクサナギの力を利用して空を飛ぶ事もできるため、マリアはツバサにクサナギを返却して偵察に向かわせていた。
この場所に転移してからそれなりの時間は経過しているが、未だに二人は魔物に襲われてはいなかった。その代わりに他の空間への脱出口も見当たらず、仲間達とも合流できずに待機していた。
「皆様、無事だと良いのですが……」
「安心しなさい、集まった人間はこの大陸でも指折りの猛者ばかりよ。それよりも今は自分達の心配をした方がいいわね」
「はっ」
ツバサはマリアの言葉に頷き、彼女はもう一度偵察に向かおうとしたが不意に彼女が降りた時に近くに存在する水晶が光ったのをマリアは見逃さなかった。マリアはツバサの近くに存在する水晶に近付き、試しに杖を構えて魔法を唱える。
「ツバサ、離れていなさい」
「マリア様?」
「スラッシュ」
マリアは杖を構えると砲撃魔法を発動させ、杖の先端から三日月状の風の刃が放たれた。マリアの生み出す風の刃ならば鋼鉄程度の硬度の物体ならば容易く切り裂くが、水晶に触れた瞬間に風の刃は吸い込まれるように消えていく。
「えっ!?こ、これは……」
「なるほど……緑の水晶は風の魔力を吸収するようね」
「吸収?それはいったいどういう意味ですか?」
魔法を吸収した水晶を見てもマリアは特に驚かず、そんな彼女の反応からツバサは彼女にどういう意味なのかを尋ねると、既にマリアは他の水晶にも同じように魔法を試している事を話す。
「ここにある水晶は七色、そして赤の場合は火属性、水色の場合は水属性といった感じに魔法を吸収するのよ」
「魔法を吸収……という事はここに存在する水晶は魔石や魔水晶の一種なのですか?」
「吸魔石と呼ばれる魔力を吸収する魔石は確かにあるのだけど……どうも引っかかるわね」
自分の魔法を吸収した緑色の水晶にマリアは視線を向け、彼女は試しに水晶に触れても反応はない。先ほど魔力を吸収したのは間違いないが、今現在は水晶からは魔力を感じられない。
先ほど水晶はマリアの放った魔法を間違いなく吸収したが、それにも関わらずに現在の水晶からは魔力は一切感じられない。魔石や魔水晶の一種ならば魔力が全く感じられない事は有り得ず、マリアは地面に埋まった水晶を見て下に視線を向ける。
(水晶が私の魔法を吸収したのならば取り込んだ魔力は何処に行ったのか……答えは下ね)
マリアは魔力感知を発動させ、水晶が埋まっている地面を見下ろす。彼女は地中に先ほど自分が放った魔法の魔力を感じ取り、面白そうな表情を浮かべてツバサに告げた。
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