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真・最終章 七魔将編
竜種VS魔法科学の船
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――アガァアアアアアアッ!!
リバイアサンの咆哮が響き渡り、大口を開いて潜水船へ顔を向ける。それを見たホネミンは即座に攻撃を予測し、即座に舵輪を押し込んで噴射機を作動させた。
「海龍の吐息《ブレス》です!!すぐに逃げますよ!!」
「なっ!?」
「よ、避けられるのですか!?」
「避けるしかないんですよ!!」
行動を先読みしてホネミンは潜水船を動かすとリバイアサンは首を反らして狙いを定めた。そして準備を整えると口内から途轍もない勢いで「海水」を放つ。リバイアサンの吐息は火竜や白竜とは異なり、体内に取り込んだ水分を吐き出す。
吐き出されるのがただの海水といっても高密度に圧縮されて高速で噴射された水の威力は凄まじく、あらゆる物を破壊する。先ほど海中で潜水船を襲った衝撃波の正体もリバイアサンの吐息で間違いなく、もしもまともに衝突すればいくら頑丈な潜水船でもひとたまりもない。
アアアアアアッ――!!
潜水船に目掛けてアクアジェットの如き勢いで水のレーザーが発射され、その攻撃に対してホネミンは噴射機で潜水船を加速させて回避行動を取る事しかできない。リバイアサンとの戦闘は彼女にとっては人生二度目であり、その恐ろしさは通関している。
「うわわっ!?」
「のわっ!?」
「だ、大丈夫でござるか!?」
「大丈夫じゃなくても大丈夫にするんです!!」
珍しくホネミンも取り乱し、必死にリバイアサンの吐息を避ける事だけに集中していた。海においてはリバイアサンに勝てる生物など滅多におらず、正に海の王者という表現が相応しい。それでもかつてホネミンが乗りこなしている潜水船はリバイアサンの討伐に大きな貢献を残しており、彼女は逃げながらも反撃の準備を整える。
「シールドを展開させます!!」
「しぃるどっ!?」
「防御魔法の事ですか!?」
「そうです!!シールドを展開すれば吐息を受けても数秒ぐらいは持つはずです!!」
回避しながらもホネミンは船の機能を作動させ、潜水船の先端部、つまりは鮫の鼻先の部分に仕込まれている特殊な結界石を作動させた。すると結界石が反応して鼻先に緑色の障壁が展開され、まるで膜の様に潜水船を取り囲む。
潜水船を緑色の障壁で覆われた途端、リバイアサンに目掛けて突っ込む。リバイアサンは自ら近付いてきた潜水船に目を見開くが、首を動かして吐息を正面から放つ。
「アアアアアッ……!!」
「無駄ですよ!!このシールドは簡単には壊れません!!」
「で、でもここからどうするんだよ!?」
シールドはリバイアサンの吐き出す海水を正面から受けても吹き飛ばし、徐々に距離を縮めていく。しかし、距離を縮めたとしても潜水船に対抗手段はあるのかとダインは問い質すと、ホネミンは魔導砲の準備を行う。
「一か八か、至近距離から魔導砲を食らわせます!!」
「魔導砲……あの洞窟を吹き飛ばした凄い奴か!?」
「おおっ、あれならリバイアサンを倒せるのか!?」
「分かりません!!ですけど、やつは口元を開いて隙だらけです!!あの口の中に魔導砲をぶちこめば倒せるかもしれません!!」
ホネミンが敢えてリバイアサンに接近したのは海龍の口内に魔導砲を撃ち込むためであり、この攻撃が成功すれば勝ち目は十分にあった。しかし、口の中を狙うとしたら接近しなければならず、しかもシールドを展開している状態では魔導砲を撃ち込めない。
シールドを解除すればリバイアサンの吐息の攻撃を受けてしまい、潜水船であろうと無事では済まない。だが、シールドを解除しなければ魔導砲は発射できないのだが、ホネミンは記憶を手繰り寄せてリバイアサンの情報を思い出す。
(私の記憶が正しければリバイアサンの吐息は30秒しか出せないはず……それを過ぎればしばらくは吐息を撃ち込めません!!)
30秒間吐息を耐え続ければリバイアサンは海水を吐き出す事ができず、その間に魔導砲で仕留めるのがホネミンの作戦だった。そして戦闘が開始してから30秒が経過しようとすると、海龍の吐き出す吐息の威力が収まり、遂には海水が途切れてしまった。
「アガァッ……!?」
「奴の攻撃が止まったぞ!?」
「今です!!ぶち込みますよ!!」
海龍の口内から吐息が途切れた瞬間、ホネミンは魔導砲の照準を合わせて攻撃準備を行う。そして潜水船を守っていたシールドを解除すると、魔導砲を発射させようとする。
「魔導砲、発射ぁあああっ!!」
『おおっ!!』
ホネミンは掛け声と共に舵輪を押し込むと、砲口部分が光り輝く。それを目撃したリバイアサンは自分に相対する巨大鮫の口元が光っている事に気付き、目を見開いたまま硬直した。先ほどの吐息の影響でリバイアサンも反動で身体が固まり、動けなくなる事もホネミンは知っていた。
このまま魔導砲を発射させれば口内から攻撃し、確実に打ち倒せるはずだった。しかし、ここで何故か海が荒れて津波が発生すると、リバイアサンと潜水船へと襲い掛かってきた。
リバイアサンの咆哮が響き渡り、大口を開いて潜水船へ顔を向ける。それを見たホネミンは即座に攻撃を予測し、即座に舵輪を押し込んで噴射機を作動させた。
「海龍の吐息《ブレス》です!!すぐに逃げますよ!!」
「なっ!?」
「よ、避けられるのですか!?」
「避けるしかないんですよ!!」
行動を先読みしてホネミンは潜水船を動かすとリバイアサンは首を反らして狙いを定めた。そして準備を整えると口内から途轍もない勢いで「海水」を放つ。リバイアサンの吐息は火竜や白竜とは異なり、体内に取り込んだ水分を吐き出す。
吐き出されるのがただの海水といっても高密度に圧縮されて高速で噴射された水の威力は凄まじく、あらゆる物を破壊する。先ほど海中で潜水船を襲った衝撃波の正体もリバイアサンの吐息で間違いなく、もしもまともに衝突すればいくら頑丈な潜水船でもひとたまりもない。
アアアアアアッ――!!
潜水船に目掛けてアクアジェットの如き勢いで水のレーザーが発射され、その攻撃に対してホネミンは噴射機で潜水船を加速させて回避行動を取る事しかできない。リバイアサンとの戦闘は彼女にとっては人生二度目であり、その恐ろしさは通関している。
「うわわっ!?」
「のわっ!?」
「だ、大丈夫でござるか!?」
「大丈夫じゃなくても大丈夫にするんです!!」
珍しくホネミンも取り乱し、必死にリバイアサンの吐息を避ける事だけに集中していた。海においてはリバイアサンに勝てる生物など滅多におらず、正に海の王者という表現が相応しい。それでもかつてホネミンが乗りこなしている潜水船はリバイアサンの討伐に大きな貢献を残しており、彼女は逃げながらも反撃の準備を整える。
「シールドを展開させます!!」
「しぃるどっ!?」
「防御魔法の事ですか!?」
「そうです!!シールドを展開すれば吐息を受けても数秒ぐらいは持つはずです!!」
回避しながらもホネミンは船の機能を作動させ、潜水船の先端部、つまりは鮫の鼻先の部分に仕込まれている特殊な結界石を作動させた。すると結界石が反応して鼻先に緑色の障壁が展開され、まるで膜の様に潜水船を取り囲む。
潜水船を緑色の障壁で覆われた途端、リバイアサンに目掛けて突っ込む。リバイアサンは自ら近付いてきた潜水船に目を見開くが、首を動かして吐息を正面から放つ。
「アアアアアッ……!!」
「無駄ですよ!!このシールドは簡単には壊れません!!」
「で、でもここからどうするんだよ!?」
シールドはリバイアサンの吐き出す海水を正面から受けても吹き飛ばし、徐々に距離を縮めていく。しかし、距離を縮めたとしても潜水船に対抗手段はあるのかとダインは問い質すと、ホネミンは魔導砲の準備を行う。
「一か八か、至近距離から魔導砲を食らわせます!!」
「魔導砲……あの洞窟を吹き飛ばした凄い奴か!?」
「おおっ、あれならリバイアサンを倒せるのか!?」
「分かりません!!ですけど、やつは口元を開いて隙だらけです!!あの口の中に魔導砲をぶちこめば倒せるかもしれません!!」
ホネミンが敢えてリバイアサンに接近したのは海龍の口内に魔導砲を撃ち込むためであり、この攻撃が成功すれば勝ち目は十分にあった。しかし、口の中を狙うとしたら接近しなければならず、しかもシールドを展開している状態では魔導砲を撃ち込めない。
シールドを解除すればリバイアサンの吐息の攻撃を受けてしまい、潜水船であろうと無事では済まない。だが、シールドを解除しなければ魔導砲は発射できないのだが、ホネミンは記憶を手繰り寄せてリバイアサンの情報を思い出す。
(私の記憶が正しければリバイアサンの吐息は30秒しか出せないはず……それを過ぎればしばらくは吐息を撃ち込めません!!)
30秒間吐息を耐え続ければリバイアサンは海水を吐き出す事ができず、その間に魔導砲で仕留めるのがホネミンの作戦だった。そして戦闘が開始してから30秒が経過しようとすると、海龍の吐き出す吐息の威力が収まり、遂には海水が途切れてしまった。
「アガァッ……!?」
「奴の攻撃が止まったぞ!?」
「今です!!ぶち込みますよ!!」
海龍の口内から吐息が途切れた瞬間、ホネミンは魔導砲の照準を合わせて攻撃準備を行う。そして潜水船を守っていたシールドを解除すると、魔導砲を発射させようとする。
「魔導砲、発射ぁあああっ!!」
『おおっ!!』
ホネミンは掛け声と共に舵輪を押し込むと、砲口部分が光り輝く。それを目撃したリバイアサンは自分に相対する巨大鮫の口元が光っている事に気付き、目を見開いたまま硬直した。先ほどの吐息の影響でリバイアサンも反動で身体が固まり、動けなくなる事もホネミンは知っていた。
このまま魔導砲を発射させれば口内から攻撃し、確実に打ち倒せるはずだった。しかし、ここで何故か海が荒れて津波が発生すると、リバイアサンと潜水船へと襲い掛かってきた。
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